斉木栗子と斉木楠雄のΨ難   作:ムラムラ丸

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タイトルにひねりが無さすぎる。
誤字脱字が多い。
描写が下手。

ケジメ案件では?


第8x 休日 Ψ初の恋心? 照橋心美編

 麦茶はうまい。

 夏は麦茶がうまい、なんて言う人もいるが冬の麦茶もうまい。

 当然のように今の季節の春だってうまいのだ。

 

 麦茶が切れた事に気付き買いに行こうと家から出た私の名前は斉木栗子、超能力者だ。

 

 そしてテレパシーを使っての居場所の感知が出来ない存在の彼の名前は斉木楠雄、同じく超能力者で私の双子の兄だ。家の中には居なかったな。麦茶買ってこい、と言ってやりたかったのだがな。

 

 我が家では麦茶は家族四人(もう一人いるが家にいない)とも好きだ。麦茶を作って冷蔵庫に入れておけば一日でなくなる。そんな我が家には関係ない話だが麦茶は冷蔵庫で保存する期間は二、三日が目安だ。それと常温で長時間放置するのは腐ってしまうためよろしくない。案外麦茶とは繊細な飲み物なのだ。

 

 麦茶の話はもういいだろう。

 

 私は安物のベルト付きベージュ色ズボンと安物の半袖シャツというやる気の感じられないファッションで外出している。どうせスーパーに麦茶やらコーヒーゼリーやらを買いに行くだけなのだから別にいいだろう?透視のせいで街を歩く人皆スッポンポン状態になる私にはファッションなんてものは興味が湧かない。

 

 人通りの多い道を抜けしばらく歩いていると、車道を挟んだ向こう側の歩道に斉木楠雄、彼を見つけた。彼の格好は私と同じだ。これは恥ずかしい、絶対に合流したくない。どうやら彼が先に麦茶を買いに行っていたらしい。無駄足だったか?いやコーヒーゼリーだけでも買いに行こう。そう思い、気にせず歩いていると。

 

 

「やっほ~、斉木君。偶然歩いてるのが見えたから会いに来ちゃった♥。なにしてるの?」(冴えない男に才色兼備、超絶美少女の私が声をかけてあげる、なんて優しいの?さあ、斉木……えーとぉ………そう!くにお!おっふしなさい!!)

 

 

 ぶふぅwwwくにおwww(心で笑って顔は無表情)。

 

 可愛らしい笑顔で彼の対面に立つあの子は同じクラスの女子、照橋心美(てるはしここみ)だ。とても綺麗な紺色のロングヘアーで、美少女を絵に描いたような顔と容姿をしている。今着ている春物の白のワンピースは美少女っぷりを増幅させている。照橋さんならなにを着ても似合うだろう。どのくらいの美少女かといえば私ですら紹介文がべた褒めになってしまうほど、と言えば分かって頂けるだろうか?

 そんな照橋さんに対して彼は、

 

 こくっ

 

 会釈。

 当然と言えば当然だ。照橋さんが美少女であろうと透視を使えば理科室の肉体標本に見えて、テレパシーを使えば(彼氏にするなら最低でも年収四千万は稼いで奴隷のように尽くしてくれる人じゃなきゃね♥)なんて聞こえる人間に好意を持つのは難しい。

 

 

(はあ!?会釈って、学校の廊下ですれ違った先生にだってもっといい反応するわよ!そこら辺の女じゃなく私が声をかけてあげたのよ、普通嬉しさのあまり嬉し泣きとか嬉し鼻水とか嬉しよだれとかが溢れておっふでしょ、普通!)

 

 

 普通ってなんだ?後さっきも声の声で言っていたが「おっふ」てのも分からない。

 

 そこからは気を引きたくて何事もなかったように歩く彼にもう一度話しかけたり、もしかしたら彼が自分の幻覚を見ていると勘違いしているのでは?と考えたようで自分が幻覚ではない事を証明するため触ってあげようと奮闘する照橋さんと、それを完全に無視する彼を眺めていた。

 

 端から見ているとこれはかなり面白い。

 

 今だってやけになった照橋さんが両手を振り回し、それを上半身だけで避ける彼は、まるでエドモンド本田が突っ張りをしてそれを避けるマトリックスみたいで笑える。あーあ、私の目に録画機能つかないだろうか。

 

 

(いい加減触られなさいよ!……それにしても幻を見るくらい私の事が好きなのね…♥)

 

 

 普通ならガン無視されて凹むところだが、照橋さんのポジティブさは私も見習い……いや、別にいいや。

 彼もここまで照橋さんがしつこいとは思わなかったんじゃないだろうか。………よし。

 

 ここは私が助けてやろう。

 

 ここで貸しを作るのもいいだろう。私は適当な店のトイレに入ってから彼にテレパシーを送る。

 

 

[おい、くにお、聞こえるな?]

[誰がくにおだ。今面倒に巻き込まれているのは分かっているんだろ]

[助けてやろうか?報酬はお前の持ってる袋の中のコーヒーゼリーでどうだ?]

[自分でなんとか出来るんだがな。………まあいいだろう。頼もうか]

[よし、まずは人混みに紛れろ。合図は私が出す]

[分かった]

 

 

 私は目を寄り目にして千里眼を使う。うむ、どうやらちゃんと人通りの多いエリアに入ったな。

 そしてその片手間私は家からから「ある物」をアポートする。アポートは遠くにある物を手元に持ってくる能力。デメリットとして持ってくる物と同価値の物を持っていないといけないが財布を持っている私には問題にならない。

 人混みが激しくなって彼と照橋さんが少し離れたな。この時を待っていた。照橋さんから見て彼が人で死角となる一瞬のタイミングで………。

 

[今です!]

 

 

 

「ちょっとー置いてかないでよ斉木く~ん。あっやっと触れた!やった!………ふふん、これで分かってくれるわね斉木君?私は幻なんかじゃない。本物の照橋心美よ」(うふふ、最高のおっふ、期待してるわ♥)

 

 

 斉木君?違うな。

 

 

「ほらもう一度しっかり見れば幻じゃないことくらい分かるでしょ。斉木く…ん……………え?」

 

 

 今貴女が触れているのはくにおではなーい、この栗子だ!

 

 私が使ったのは瞬間移動とアポートの併せ技、その名も、位置交換だ。瞬間移動を二人同時にするのとは違いなんの誤差もなく自然に入れ替わる事が出来る。それと同じ服を着ていたのも更に自然になったな。位置交換のメリットは瞬間移動よりアポートの面が強いため三分間瞬間移動が出来ないというデメリットがなくなる。デメリットは使い道がほとんどないと言ったところか。

 

 

「そんな…たしかにさっきまでくにおの方だったのに。…………それに女子のくにこさんが私を幻だと思うはずないし………」ボソボソ

 

 

 誰だ、くにこって。

 

 ただまあその点も抜かりはない。私は軽く頭を傾げてから、はっ、と思い付いたような顔をしてから耳にしていたイヤホンを外してみせる。もちろん演技だ。そう、さっきアポートして持ってきたのはゲームをする時に使っていたイヤホンだ。実は私は携帯もウォークマンも持っていないためイヤホンの先には何もついていない。

 

 

(あーそっか音楽を聞いてたから私の何を言ってるか分からなかったのね、会釈も納得ね。………えっじぁなに?女の子に対して男子を誘惑するような事言ってその上身体に触ろうと必至になってたって事?端から見たらかなり痛い美少女じゃない!)

 

 

 そうだな。ただ本当は男子に対して体を触ろうと必至になっていた訳だがそれでも痛い人に変わらないな。

 照橋さんは顔を赤くして俯いてしまった。流石にこのまま立ち去る訳には行かないよな。イヤホン外すふりまでしてしまったし。

 

 

(こんなことになったのは全部斉木くにお!あいつのせいよ!………………でもなんでくにこさんがくにおに見えたの?うーん…………………あ、)

 ーーーーー(幻を見るくらい私の事が好きなのね…♥)ーーーーー

 

 

 は?

 

 

(え?そんなまさか私が?ううんそんなはずない、………でもなんなのこの気持ち)

 

 

 いいや違うぞ照橋さん。人違いなんて双子にはよくある事だから、あはははは。…首を横に振って否定したい衝動に駆られる。

 

 

「さっきはごめんね?私、くにこさんを偶然見つけて、その、少しお話がしたいと思ったの。もしよかったら美味しいケーキが売ってる店があるんだけど、どうかな?」(待ってなさい!今回失敗したぶん、くにこさんから斉木くにおの情報を手に入れておもいっきりおっふさせてやるんだから!べ、別に気になったとかじゃないんだからね!)

 

 

 これ夢原さんと同じパターンだ。なんてこった。

 

 

 後で「くにこ」ではなく「栗子」だと伝えるとまた謝られた。謝られるのは心が痛むのであまり言いたくなかったのだが今後のためだ。ただ彼の名前を何度も「くにお」と、言っていたが訂正しなかった。ざまぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{位置交換した後の斉木楠雄}

 

くそっ、まさか女子トイレにいたとは…。




投稿者はニコニコ動画のアニメ「斉木楠雄のΨ難」の照橋さんだけを抜粋した動画を百回は見ました。

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