今更って感じですよね本当にすみません。
私の名前は斉木栗子。超能力者だ。
そして私には双子の兄がいる。
名前は斉木楠雄。同じく超能力者だ。
ところで私は一応女性だ。読者の中には「お前の女要素って「私」ぐらいじゃないか。フザけるなあぁぁ!」とお考えの方もいらっしゃるだろう。でもこれは仕方ないのだ。
この小説もどきのタグをは見ただろうか。その中の一つ、「性転換」に注目して頂きたい。そう、私は元男なのだ。
あ、転成とかではないぞ。
両親から聞いたまだ私と斉木楠雄、彼がまだ母さんのお腹の中にいた時の話だ。
「なんだこれ?スライムにクリボー?」
お腹の中の赤ちゃんの様子を見れる機械のモニターにはゲームを代表する雑魚キャラの他に、勇者と魔王、ひげのオッサンと亀の王のシルエットなんかが映ったそうだ。
まだ話してなかったが超能力の一つにトランスフォーメーション、日本語で言うなら変身能力がある。これをつかえば動物だろうとポケモンだろうとなれる。もちろん性転換も出来る。変身に時間が掛かるがな。
「故障…ですかね?」
「あら?あはは!今日は変な顔に見えるわ!面白いわね。あなた♪」
「そうだね、ママ♪。…すみません、妻もこう言ってますのでこのままでいいです」
「そうですか?そう、仰るのなら…」
こうしてお気楽な母さんから生まれた私と彼は二人とも男の子だったそうだ(彼は一瞬、女の子だったらしいがトランスフォーメーションは戻るのは一瞬なのだ)。だが、私は、
[君は男の子として産まれたんだね。ならボクは女の子になろうかな。これからはボクじゃなくてワタシだね]
とテレパシーで話した次の日の朝には股のアレはなくなっていたそうだ。
後日談が三つある。
女の子になってから名前が栗子に変わった。男の子のままなら「栗雄」というヒゲオッサンストーリーの初めの相棒と同じ名前になっていた。
次に、私が女の子になって父さんはめちゃくちゃ喜んだそうだ。零歳児の頃から今までテレパシーで理由は分かるが理解は出来ない。
そしてもう一つ。私は本当は男だが、長い間女性だったせいか、男の体になるのに二時間掛かる。この事から私は完全な女性となった事が分かる。
昔話はこれくらいにして休日を楽しもう。さあ気合い入れて「スペランカー」やるぞ!
「クリえも~ん。クスえもんといっしょに模様替え手伝って~!」
なんかこう、さあやるぞ!と意気込んだ後にみずをさされるとクソダルくなるな。
まあいい、それなら私にも考えがある。人差し指と親指をコスコスこ擦り合わせる、俗に言う「おねだりのポーズ」だ。
「え~…。しかたないなぁ、いくら欲しいんだい?」
[おこずかい五千円]
「おこずかいを三千円から五千円にアップってことかい?う~んしかたないなぁ。今回だけだよ?」
[違う。おこずかい三千円プラス五千円。払えばしっかり働いてやるさ]
「ええぇぇ~~!高いよ!!。…。分かった、分かったよぉもう、その代わりちゃんとやってよね!!」
[分かっている。女にだって二言はない]
よし、これで近日発売のイカゲーの新作が買える。スペランカーも面白いが最新のゲームもたまにはやりたいからな。
「あれ?楠雄はどうしたんだ?」
「くーちゃんはコーヒーゼリーを食べながらテレビを観るのに忙しいって~」
「ったく楠雄は怠け者だなぁ」
[聞こえてるぞ]
「でもこっちにはやる気に満ち溢れた栗子がいるからな!たのむぞ!匠!」
私は緑色の自爆するモンスターではない。
斉木楠雄、彼はこういう事に関しては百円マンとか訳の分からんものにならないとやらないからな。
だが私は金をもらう以上しっかりやる。まずはなにをするんだ?
仕事の内容は離ればなれの夫婦の寝室を一つにして欲しいというものだ。
念力でベッドを軽々浮かせもう一つのベッドのある部屋まで運ぶ。運んでる途中父さんが浮かんでるベッドに乗って遊び始めた。
私は何も口を出したりしないが、はしゃぐ父さんを養豚場の豚を見る目で見ていると、ゆっくりとベッドから降りてから母さんの胸に飛び込んだ。
「ママ。栗子がいじめるよぅ」
「よしよし」
どうした中年、ガキみたいに遊ぶのはもういいのか?
運んだ後も窓から出られないだの、部屋からでられないだの、壁を破壊しろだの、誰が買ってきたのか分からない置物を置いてみようだの注文が多かったがそれを予測しての五千円だ。だがそろそろいい加減にして欲しい。
「う~ん。やっぱり広すぎるなぁ」
「そうねぇ壊す前の方がよかったかしら?」
私は盛大に溜息を吐く。
「栗子。お前さっき壊した壁直してくれ」
[私にはもう無理だ。楠雄に頼め]
「あ~そうだっな。お~い楠雄~。…いや。助けて~百円マ~ン!」
ガチャ
「わあ、あなた!百円マンが来てくれたわ!」
なんだこの茶番。
というかしれっと零が増えて千円マンになってるぞ。せこいな。
「百円マン。…え?千円マンになったって?もうこの際なんだっていいよ!壁を直してくれよ!」
面倒くさそうに千円マンはすたすたと壁のあった所に向かうと手の平を前に向けた。
[壁よ…元に戻れ!]カッ
ビュオッ
「壁がキズ一つなく直ってゆくぞ!」
「わ~い、やったわ!あなた 」
「そうだね、ママ!あれ?ここにあったベッドは?」
[家全体を一日戻した。移動した家具も元通りだ。どうでもいいが千円払えよ]
ガックリとした両親を尻目に千円マン、いや、彼は颯爽と部屋から出ていった。
そうか家全体一日戻ったか。今朝食べたコーヒーゼリーも戻ったのか?確認して来よう。私も部屋から出ようとすると背中から声を掛けられた。
「待て栗子。やっぱりやめよう」
「そうよクリちゃん。今日一日を無駄にしたくないもの」
私はさっき以上の溜息を吐いた。
[これで最後だからな]
「ああ、頼むよ!」
私は手を胸に当て体内時計を五十秒だけ戻す。グンッ
ドオオーーz___ン
すると世界全体の時間が五十秒だけ戻る。そこには彼が家全体を一日戻す前の壁の壊れた部屋があった。
私は彼の「物に対する一日戻し」が出来ない代わりに「時の流れに対する計一分戻し」が出来る。私は(一分限定の)時をかける少女なのだ。ぶっちゃけるとこの能力、ジョジョ七部の「マンダム」を元にしている。違いは計一分、つまり六秒、十秒、二十秒と刻んで使った時合計で一分以上戻す事が出来ないところにある。一日経過するとリセットされ、また計一分戻せるようになる。今回十秒残したのは万が一のためである。
「やった、発現したぞ!」
「わ~い、やった~♪」
戻した後の自分以外の生き物の記憶も基本戻るが、記憶を残すかどうかの調整も出来る。今回記憶を残したのは両親と彼だけだ(しっかりと千円請求されるだろう)。
ふんっ。これで私の五千円分の仕事は終わりだ。後は勝手にやってくれ。さて私は一仕事した後のコーヒーゼリーだ。働いた後では絶品だろう。
読んでいただきありがとうごさいます。
やったあー!夜戦…じゃなくて、UAが2000突破だあー!
大変ありがとうございました!!