斉木栗子と斉木楠雄のΨ難   作:ムラムラ丸

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第4x いい加減友達を作りなΨ

 私の名前は斉木栗子。超能力者だ。

 

 私に友達はいないが、その分自分の時間を楽しむ事が出来る。

 私の双子の兄、斉木楠雄も超能力者。

 彼には友達(笑)がいる。彼の友達が家を訪ねてきた時両親は号泣した。それ以来私にも、

 

 

「くりちゃん。二年生になってから友達が出来るといいわね 」

 

 

 と言ってくる。私に友達が出来る事を今か今かと待っているのだ。母さんには悪いが友達は作らないぞ。

 父さんは私に男友達は作るなと言ってくる。何を心配しているんだか。

 

 

 今日の教室は妙に浮き足立っている。「私の彼氏が」だとか「あの子に告白したらさ」が聞こえてくる。全く呆れたものだ恋愛なんてものは何が楽しいのやら。

 

 

「栗子さん。お、俺と付き合ってくれないか?」

 

 

 高橋(クズ)、お前〇んだはずじゃあ?

 

 私は丁寧に全力で首を横に振ってお断りした。

 

 

「高橋。なんでいけると思ったんだ?」

「うるせぇ。…グスッ」

「うはっお前泣いてんの?うはは!」

「うるせぇって言ってんだろ!」

 

 

 はあ、うっとうしい。

 ん?

 

 

(わぁ楠雄君クールでかっこいいなぁ。貴方から目を離せないの。まるで王子様みたい♥)

 

 

ぶふぅっ!

 

 

[おwうwじwさwまwww]

[黙れ(激怒)]

 

 

 これは面白い。また馬鹿にするネタが増えたな(かなり大爆笑)。

 

 

 恋愛脳もとい、オレンジ色のボブカット、夢原知予(ゆめはらちよ)は彼にアタックを始めたが全て先回りされフラグを折られ続けた。付き合ってやればいいのに(更に大爆笑)。夢原さんは次に何をするのか楽しみだ。

 

 

(よーし作戦を変えるわ!まずは楠雄君の妹の栗子さんと仲良くなるのよ!そして、

 

ホワンホワンホワン

「栗子さんの友達の夢原です!って同じクラスだから分かりますよね?」

「もちろんだよ、知予。栗子と仲良くしてもらってありがとう。もし良かったら僕とも仲良くしてもらっていいかな?ニコッ」

ジャスティススマ~イル

 

こうなるのよ!完璧だわ!)ウンウン

 

 

 なぜだ。理解不能理解不能理解不能。

 とにかく夢原さんとの友情フラグを折るのだ。

 

 

(あれ?なんでうまくいかないの?…まあいいわ。栗子さんは諦めて今は楠雄君よ!)

 

 

 よしあっさり諦めてくれたな。少し肩すかしだがこれでいい。これがベスト。ふふっ、彼とうまくいくことを祈ってやろうじゃないか。

 

 

 

 学校が終わると何故か晴れていた。不思議に思ったが好都合だ。行き着けの喫茶店に行くとしよう。

 此処だ。純喫茶 魔美。週に一度。前に彼にバレてしまったので彼と被らないようにここに来ている。ここのコーヒーは絶品で当然コーヒーゼリーも美味しい。この日を楽しみにしていたのだ。だが、

 

 

「あれ?栗子ちゃんってああ!」

 

 

 転んだ拍子にコーヒーゼリーをピッチャーの投球さながらのスピードで飛んでこなければもっと楽しめた。

 

 私は口でキャッチする事も考えたがその考えは捨て、器をまずキャッチしてからコーヒーゼリーに負荷を掛けないように捕球する。

 

 

「栗子ちゃん、ごめんなさい!だいじょう…ってあれ?何もなかったように食べてる。なんで?」

 

 

 まあ早く食べれたと考えて許そう。

 

 

「すみません、お客様!お詫びの品をお持ちしますので少々お待ち下さい」(あれ?また食器を割ったのかと思ったが違うのか。なあんだ。じゃあお詫びの品はシュガースティックでいいか)

 

 

 接客なめてんのか?別に怒っているわけではないのからいいけど。

 

 

「さっきはほんとごめんね。私昔っからそそっかしくって」

 

 

 別にいいんだけどどうせならメジャーリーガーを目指せば?

 店長が本当に持ってきたよ、シュガースティック。しかも一本。コーヒーではなくコーヒーゼリーを食べてるのに。

 

 

「あの良かったらそれ私にくれないかな。私この店のシュガースティックほとんど食べちゃって、私はシュガースティックを見る事も禁止されちゃってさ。あはは」

 

 

 この子も馬鹿だったか。私は手の平を前に出して食べるようすすめると喜んで口にサラサラと入れる。少し遅れたがこの子は、大食いもとい、赤茶の髪に二つ結い、目良千里(めらちさと)さんだ。何故大食いかというと、

 

 

「栗子ちゃん。私がバイトしてるの黙っていてほしいの。私の家貧乏でこれの他にも新聞配達に…」

 

 

 そう貧乏が原因である。今も必死に自分のバイト先を言っているがいくつか非合法なものが混ざっている。流石にやめさせるか、元を潰そう、物理的に。

 

 

「ねっ?お願いね?」

 

 

 別に言ったりしても私に利益が有るわけではないので言うはずがない。それよりもいいアイディアがある。

 

 

「ねぇ頭に付いてるキャンディ外してどうしたの?もしかして私にくれるの?そうなんでしょ?ねえ!」

 

 

 違うから、その顔をやめろ。

 

 私は初めてマインドコントロール使う事にした。内容は「PK学園の生徒がバイトをするのは不自然ではない」だ。これくらいなら危険なマインドコントロールと言えど問題にはならないだろう。

 

 

「ねぇなんで?なんでキャンディ元の位置に戻すの?私にキャンディくれないの?」

 

 

 後で買って上げるから本当にその顔やめて下さい、お願いしますから。

 

 

「…っは!また私失礼なことを!重ね重ねごめんね?っあ、帰るの?また何時でも来てね。ありがとうごさいました!」

 

カランコロンカラン

 

 

 ったく、リラックスしに来たというのに随分騒がしい店だ。だが悪くない気持ちだ。来週また来よう。

 

 

(いらっしゃいませー。あら松崎先生)

(頑張っているな。コーヒー一杯くれるか?)

(ありがとうございます。はい、今すぐ持ってきますね。…。はい、コーヒー一杯持って来まってああ!)

(ぐわああぁ!!)

 

 今のは聞かなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なぜこうなった?

 

 

「ねぇくりっち~聞いて~。昨日出会った彼氏が最低で一日で別れちゃたよ~。どこかにいい男いないかなあ」(斉木楠雄の方をちらちら見る)チラッチラッ

 

「栗子ちゃん本当何時でも喫茶店に来てもいいからね。それで(指をお金のポーズにしながら)これ、お店に落としてくれたら嬉しいなあ」グヘヘ

 

 

 頭を抱えたい気分だ。両サイドを固められて逃げる事が出来ない。くそっ。

 

 

{あれれー。もしかしてもしかしてその子達はお前のお友達なのかなぁ?(腹がよじれるほどの爆笑)}

{黙れ(憤怒)}

 

 

 こんなはずじゃなかったんだ。いや違うぞ。この二人は友達じゃないんだ。断じて違う。

 

 

{この日の夕食。斉木楠雄は斉木栗子に友達が出来たとチクった。両親は号泣した}




丁寧丁寧丁寧にぃ断るよ~♪
この歌好きです

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