活動報告を新しくあげたので良かったら見て欲しいデス!!
「ーーーは〜い、今日はお集まりいただきありがとうございま〜す」
「せめて言葉と態度を一致させなさいよ」
〝新生アインクラッド〟の22層にある我が家に集まったのはシノンとラン。俺はソファーに深く腰を下ろしてテーブルの上に足を乗せ、2人は対面のソファーに座っている。
「そうですよ、行儀が悪いです。ご家族から言われなかったんですか?」
「母さんは酔っ払ったらテーブルの上でブレイクダンス始めるし、爺さんは気がついたら居なくなって朝になったら玄関先で高く積み重ねられた熊の上に寝てるけどそれが何か?」
「ごめんなさい私が悪かったです」
「蓮葉さんなら分かりたくないけどまだ分かるわ……でもお爺さんは何をしてるのよ……!!」
「山狩りだな。第三次世界大戦に向けてウォーミングアップでもしてたんじゃね?」
「ウェーブのお爺さんが生きてる間は起きないで欲しいわね」
「そうなったら第三次というよりも大惨事世界大戦になりそうです」
強ち間違いでは無いから曖昧な笑みを浮かべる事しか出来ない。現存している最長年齢のキチガイである爺さんが生きている間に世界大戦が起きた場合は間違いなく大惨事になるから。
現在の戦術はハイテクが進んだせいかそちらもハイテク化されていて、基本的には電子技術が使用されている。相手がハイテクならばこちらもハイテクで対応しなければならない、漣のやっている事はアナログで通用しないのでは無いかと思うかもしれないが逆なのだ。
仮に仮想敵国の重役がパーティーに出席していたとしよう。会場の警備は万全、出入り口には金属探知機が設置されていて凶器の持ち込みは不可能、そんな状況下でも漣は普通に戦える。警備がいくらいようとも怖いのは連携される事なので分断して各個撃破すれば問題無い。凶器の持ち込みは不可能とはいえ現地で調達する事は可能だし、そもそも素手で殺せば良い。金属探知機も身体1つで潜り抜ければ障害にならない。
流石に戦闘機は無理だろうが戦艦ならば余裕で落とせるだろう。レーダーやソナーなどでガチガチに固められているだろうがレーダーは向かってくる戦闘機やミサイルへの備えであるし、ソナーも音を立てなければ問題無い。俺や母さん、爺さんも、
3人しかいない漣だが遊撃として動けば間違いなく大国であろうが混乱させる事は出来る。それを知っているから第三次世界大戦は大惨事世界大戦になるなどと言えるのだが、2人には知らなくても良い事なので黙っておく事にしよう。
「まぁ第三次世界大戦が大惨事世界大戦になるとかなんとかは置いておく事にしてだ、今日の予定はギルドについてだ」
「ギルド……本当に作るつもりなんですか?」
「私は反対しないわよ」
「俺は肯定する側だからな。シュピーゲルにこの事を教えたら自分も入れて欲しいと言ってきたけど、3人だけのギルドにするって煽りながら伝えたら馬鹿野郎とか叫びながら泣き崩れてたな」
「うーん、夢で見たウェーブさんと変わらないくらいに身内への容赦が無いですねぇ……」
「容赦って事は手加減するって事だ。あいつに手加減する理由は無いからな、そりゃあ全力でやるさ。その代わりにこっちへの被害もデカいけどな!!」
「罰ゲームで撮ったウェーブの女装写真、ふざけてSNSで上げたら普通に大人気だったものね」
「ゴフッ」
というよりも、ヤレるだの掘れるだのコメントを見せられれば誰だってトラウマになると思う。
「止めろ……止めてくれ……!!あれは間違いなく俺のトラウマなんだから……!!」
「え、ウェーブさんの女装写真?私、気になります」
「明日にでも見せてあげるわ」
「ガッデム!!」
大丈夫、身内での弄りならまだ耐えられる。自分は強い子だと自己暗示をかけながらシノンの裏切りのショックから立ち直る。手足が震えて呼吸が乱れているが、トラウマを作った頃に比べればマシになっている。
「よっし!!ここまで!!俺のトラウマを抉るのはここまでだ!!これ以上抉られたら俺暴走するからな!!」
「お、暴走ってなにするんですか?」
「ランは虫系のエネミーが湧くフォールドに麻痺させて放置、シノンは……ALOとリアルで前にした時以上の言葉にしたらR18になりそうな程に愛でてやる」
「やっぱりトラウマを抉るのはいけない事だと思うわ」
「そうですね!!人として最低の行為です!!」
ランは虫系のエネミーに四方八方囲まれている光景を想像したのか真っ青になり、シノンは前にやった時よりも凄いことをやらされるのを想像したのか顔と耳を真っ赤にさせていた。超高速の手のひら返しだが俺の精神衛生が保たれるので深くは突っ込まないことにする。
「で、ギルドの話だけど。ギルド結成の条件についてはもう調べてある。解放クエストも終わらせてあるし、あとは俺がギルドを作って2人を誘えば良いだけの段階だな」
「それをしないって事はまだ何かやることがあるんでしょ?」
「あぁ、名前だよ。ギルドの名前をどうするかを決めないとな」
俺が勝手につけても良いのだが、ランが生きている間の限定的なギルドだとしても記録に残るような活躍をするつもりなのだ。悪ふざけでは無い、ちゃんとした名前を名乗りたいと考えている。
「名前、名前ですか……超絶可愛い美少女剣士ランちゃんwithキチシノ夫妻とかどうでしょう!?」
「よし、後半部分削って超絶可愛い美少女剣士ランちゃんギルドで良いな?」
「ごめんなさいすいません謝りますから許して下さい」
素直に頭を下げて謝ったので〝超絶可愛い美少女剣士ランちゃ〟まで打っていた文字を消すことにする。シノンは言い方はどうであれ夫妻と言われたことを恥ずかしいのか僅かに赤くなっているが、どちらかと言えばランへの呆れの方が強いように見えた。
「しゃーねぇな、候補の1つに留めてやるよ」
「それでも候補なんですね……シノンさんは何かありますか?」
「そんな急に言われても……あ、〝
「超絶可愛い美少女剣士ランちゃんと比べ物にならない程にマトモだな」
「もう止めて下さい……そのワードがなんか私の黒歴史になってますから……」
ランが顔を手で覆いながら懇願してくるがスルーを決める。まだ知り合って日は浅いのだが、ランとの付き合いは相当に濃いものになっている。俺もほとんど身内だと認識しているくらいに。つまり、容赦する理由は無いので全力でやる事にする。
「なんだか凄い邪悪な笑みを浮かべてるわよ……ウェーブは何か無いの?」
「えっと、一応〝C・C・C〟って名前を考えてた」
「シーシーシー?一体どういう意味なんですか?」
「まずはCrazy、俺の事だ」
「乗っけから飛ばしてきたわね……!!」
「次はCool、これはシノンの事だな」
「然りげ無く惚気てるように聞こえますけど、確かにシノンさんはクールビューティーですからね」
「最後のランだけど、自称超絶可愛いとか言ってるからCuteで良い?嫌だったらCutになるけど?」
「なんでその二択なんですか!?それだったらCuteを選びますよ!!」
「そのままだとCrazy Cool Cute……狂って冷たくて可愛い……とんでもない意味になるわね」
「だから頭のCだけを取って〝C・C・C〟にしたんだよ」
「でも、意味を知らなかったらまだマトモに聞こえますね。意味を知らなかったらですけど」
念を押されるように二回も言われるが、〝超絶可愛い美少女剣士ランちゃん〟よりも百倍マシだと思う。
そして相談の結果、ギルドの名前は多数決でシノンの〝
「ーーーん?」
ギルドを作り、ダンジョン攻略のための準備をしてログアウトし、夕食の支度をしているとスマホにメールが二通届いた。濡れた手をタオルで拭いて確認をすれば差出人はキリトとアスナで、キリトからはアスナがユウキに会えた事と昨日の恨みが、アスナからはユウキに会うことが出来た事とヒントだけでも教えた事への感謝が書かれていた。
どうやらアスナはユウキと仲直りすることが出来たらしい。アスナならそうすると思っていたが、まさかヒントを教えてから1日も経たないうちに行動するとは思わなかった。それでも、死に近いからと言ってアスナから離れようとしていたユウキにとっては間違いなく良いことなのだろう。その事は嬉しく思う。
キリトにはALOで過去にあった女装大会で優勝したキリトちゃんのスクリーンショットを送り、アスナにはシンプルにどういたしましてと返してキリトからのメールと着信を一時的に拒否しておく事にした。
ギルド〝
残念ながら新川きゅんの居場所は無いんだ。その事を聞かされた新川きゅんは飛行機撃ち落としたケリィのような慟哭をあげていたらしい。
ちなみにエンブレムの色分けは修羅波は紅いコートを着ているから紅、シノのんは髪の毛から水色、ランねーちんは装備の色から白です。