バンッ!
轟音とともに青い何かが地面へと落ちていく。
落とした張本人は、まだ終わっていないとばかりに追いかけ、その手に持った剣…刀を振りかざす。
「こ、来ないで… 来ないでっ!」
自分を落とした白い機体、悪魔が彼女を貫こうとする前に、彼女の意識はブラックアウトした。
クラス代表決定戦前、三日月はハッチで試合のルールを確認していた。
そこには、箒の姿も見える。
「篠ノ之、何故お前がここにいる?」
三日月にルールの確認をさせていた千冬は、箒が何故、関係者以外立ち入り禁止のハッチにいるのかという疑問を口にした。
「この一週間、私は三日月と特訓をしていました。ですから、私は三日月の関係者としてここに入っていいと判断しました。」
箒の応えに千冬は"まあいい"とだけ答えて、三日月にISを展開するように言った。
三日月は、上半身に来ていた制服を脱ぐとISを展開した。
「三日月、入学式の時に渡したISスーツはどうした?」
「ああ、あの邪魔なやつ?あれなら部屋に置いてきたよ」
「何故スーツを着ない。」
三日月は、千冬の問いに顔を背中に向けて答えた。
「阿頼耶識だとっ!?それは、世界条約で禁止されてるはずだ!何故!?
それに、前は肩の装甲も後ろにある刀と銃もなかった筈だ!」
「そんな事、"どうでもいいよ"
じゃあ、三日月・オーガス バルバトス出る」
「あら、なかなか出て来なかったので逃げ帰ったのかと思いましたわ」
そう言った彼女、セシリア・オルコットは青いISを纏い空中で三日月に対して厳しい目を向けていた。
「…」
三日月は、そんな事は関係ないとばかりに沈黙を貫いていた。
「貴方にチャンスを上げますわ
代表候補生であるこの私に負けるのは自明の理、それにそのIS、全身装甲(フルスキン)ということは第一世代、そんな旧型の機体で私に勝つなんて持っての他。
今までの非礼をここで詫びるのなら許して差し上げても宜しくてよ?」
だが、三日月は応えない。
そんな態度に腹を立てたのか、セシリアは怒りを露わにする。
「もう許しませんわ!
貴方とはここでお別れです!
踊りなさい、私とブルーティアーズの奏でるワルツで!」
試合開始のブザーとともに、セシリアの持つライフルの銃口が光った。
三日月は初撃を避けてから、直ぐに攻勢に入った。
背中にマウントされている50mm滑空砲で牽制射撃を行いながら、セシリアへと近づいて行く。
「近づけさせませんわ!」
セシリアは、三日月を近寄らせまいと手に持つライフルで狙撃する。
だが、接近を許し三日月が持ち替えたメイスにより初撃を受けてしまう。
「そんなっ!?
ですが、それだけではなくってよ!」
セシリアの放った言葉のとおり、彼女は新たな武器を展開した。
「ブルーティアーズ!」
その言葉とともにブルーティアーズ…ビットが三日月へと襲いかかる。
だが、三日月の行なった事によりセシリアは動きを止める。
ゴウッ!
その音とともに、とてつもない質量を持ったもの、メイスを三日月は投げたのだ。
セシリアはビットを展開していた為、身動きが取れず直撃してしまう。
「きゃあ!」
直撃した勢いを殺し切れず、セシリアは地面へと落下して行く。
「こ、来ないで…来ないで!」
三日月は、そんな事知らないとばかりに近づきセシリアにもう一つの近接装備、刀を彼女へ向け加速する。
刀の切っ先がセシリアに触れようとした時、試合終了のブザーが鳴った。
「勝者、三日月・オーガス」
戦闘シーンって難しい…
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