やはり私と彼の出会いは間違っている。   作:赤薔薇ミニネコ

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第7話です。


第七話 社会人メンバーと出会う

 ハチマンは、タタミさん希望のギルドメンバーを探していた。パーティ上限の6人になれば、いろいろなコンテンツやミッションなどクリアしやすくなるためだ。ドロップ品などもギルドで管理ができるようになる。身内メンバー5人に知らないメンバーをいれて高難易度コンテンツを攻略したはいいが、ドロップ品は持っていかれたなどあっては、たまったものではない。武器収集も目標に入ってるため6人で行動したいのは必然だった。

 

 知らないメンバー同士での攻略もまた違った楽しさはあるのだが、以前ケンゴウショウグンの言っていたアイテムの持ち逃げなどの行為も少なからずあるのだ。

 

「とりあえず、掲示板にギルドメンバー募集を出しておくか……」

 

ギルド「マカロン」:現在5名あと1名メンバーを募集しています。魔法職:支援系ジョブの方大歓迎:ギルド目標:①ギルドハウス購入②武器収集③攻略 一言コメント:学生同士で楽しくやってます、気軽にメッセージ下さい。

 

「こんなもんでいいか……」

 

 

 それからしばらくして、何件かメッセージがありメンバーが入ったりしたのだが、なぜかメンバーはすぐ去って行ってしまう。どうしてか分からないままだったが、しばらくして原因が判明した。去ったメンバーから、【痛い奴】がいる関わりたくないと直接メッセージがハチマンにあったからでる。

 

 そう、【痛い奴】プレイヤーのケンゴウショウグンである。レアモンスター狙いで有名だったケンゴウショウグンは、フィールド会話で訳の分からない技名を叫んでるやつだ、そんなのがメンバーにいると思われたくないプレイヤー達は去っていった。

 

「剣豪に言ったらやつは凹むだろうな……」

(剣豪よ、目標だった有名プレイヤーになれてよかったな……)

 

【ケンゴウショウグンは二つ名「痛い奴」を手に入れた。】

 

「へっくしゅん!」

(だれか我の噂をしているな……)

「何事だ、ハチマンからメッセージがきているな」

 

 

‐差出人‐   ‐宛先‐        ‐件名‐

ハチマン   ケンゴウショウグン  無題

 

~メッセージ~

剣豪のフィールド会話マクロの件でクレームがギルドに入ったパーティ会話に変更しろ!今後フィールド会話マクロを使用したらギルドメンバーから除名する

 

      

「ふひぃ…パーティ会話に変更しておこう……」

 

 ギルドメンバーに入りたいとメッセージがハチマンに届いた。

 

シズカ)ギルドメンバー募集を見ました、魔法職メインです、仕事で平日はあまりインできませんが、よろしくお願いします

ハチマン)こちらこそ、よろしくお願いいます(仕事ということは社会人か…)

シズカ)みんなよろしく、新しくギルドにいれてもらったシズカだ。魔法職メインだ

みんな)「「「よろしく~」」」

 

 MMORPGは社会人、学生関係なく楽しめるゲームなのだ、このシズカというプレーヤーはケンゴウショウグン【痛い奴】とパーティを組んでも全然気にしなかった。それどころか「面白い奴だな」と言っていた。

 

シズカ)学生と関わりのある仕事をしているのでな、みんな学生というのに興味を持ったのだ。まあぶっちゃけると教師だ

コマチ)教師ってやっぱり大変なんですか?

シズカ)大変だぞ~!親御さんからのクレーム、上からはめんどうな仕事を押し付けられるし若手にお鉢が回ってくるんだ、まあ私は若手だから!

みんな(なんか若手アピールがすごいな……)

ハチマン)社畜にはなりたくないな

シズカ)ハチマンはしっかりと夢をもて、将来の夢はないのか?

ハチマン)将来の夢はありますよ、専業主夫ですね

シズカ)専業主夫ってな…進路希望調査でそんなのを生徒が持ってきたら再提出させるぞ、私は……!

コマチ)お兄ちゃんコマチ的に専業主夫はポイント低いよ~

ケンゴウショウグン)我はラノベ作家になりたい

ハチマン)ラノベ作家か~すごいな完成したら読んでみたいものだ

タタミックス)私もラノベ好きだから読んでみたいかも~

ケンゴウショウグン)完成したら、ぜひ読んでくれたまへ ギルドハウスに日記機能があるからそれに載せてみよう

 

 ギルドメンバーでわいわいと話し楽しい時間を過ごしていった……。

 

シズカ)私はこれで失礼するよ、みんなこれからよろしく

みんな)「「「お疲れ様です~」」」

 

 ギルドメンバーも集まりギルド「マカロン」は本格始動するのであった。しかし次の日ギルドで事件が起こった…。なにやらギルド内の空気が重い……。

 

ハチマン)いや、そんなことはないだろ

タタミックス)どうして話くれなかったの?

ハチマン)しらん、それくらい自分で解決できる

 

 なにやらリーダーのハチマンとタタミックスが喧嘩をしているらしい、途中からログインしたメンバーでもログだけでわかる。

 

「なにやらまずいことになってそうですね~ゴミぃちゃんは……」

 

小町はとりあえずインしていた剣豪さんに直接メッセージを送る。

 

コマチ⇒ゲンゴウショウグン)なにがあったんですか?

ケンゴウショウグン⇒コマチ)ふむ…いつものように会話をしていたんだがな、学校でなにやら問題があったらしい、それをタタミックス殿に話さなかった事でなにやら喧嘩に…我も気まずい……

 

タタミックス)謝るまで口きかないから

 

「ひぃ~これはまずいですよ~!!お兄ちゃんちょっと来て!いそいで来て!!」

 

 小町はすぐゴミぃちゃんから事情を聴いた。どうやら学校で一部の女子グループの起こした問題が忠絵グループのせいになりそうなのを、関係のない八幡が犯人だと自ら名乗り出たということだった。小町は、すぐタタミックスに電話をする。

 

『小町です、忠絵お義姉ちゃん兄がすいません』

『いや、八幡が悪くないのは分かってるんだよ…話してくれなかったことが悔しいの!助けてくれたことはうれしいけど八幡に自分を犠牲にしてほしくないなんかモヤモヤして八幡にあたっちゃった……』

『そうでしたか~、兄もあんなこと言ってましたけど心配してました』

『ごめんね、小町ちゃんなんか私卑怯だね…』

『いやいや、お義姉ちゃんのためですから!男があやまるのは当然なのです!なので気にしないでください!』

 

 後日、八幡から謝り無事忠絵と八幡は仲直りをした……。

 

 




シズカ 人間族♀[JOB黒魔士]

読んでくれてありがとうございます。

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