峰田の話を期待してた方々、誠に申し訳ありません。
ぼくの名前は、緑谷出久です。
今日は神奈川県にある大きな病院に来てます。
何で来たかというと、僕以外の子が個性が出始める中、僕は出てないからって、お母さんが言ってた。何かの病気かも知れないからって。
凄く心配です。
いっぱい写真を撮ったり、血を採ったりしました。結果は、夕方に出るらしいです。
暇だったから外に遊びに出ました。でも、何処に行けばいいのか分からない。
そんな中、川を発見。
「・・・かっちゃん、凄いなぁ。爆破の個性なんて・・・」
少し前に個性が発現した友達である爆豪勝己のことを思い出しながら少し憂鬱になる。
僕にあんな凄い個性は出るのかなぁ。
川を暫く見ていると、紫色の玉が川に捨ててある空き缶等のゴミをくっ付けながら流れていった。
「・・・なんだろう??」
不思議な玉を見ていると肩に何かが当たった。いや、くっついた。確認しようと思い、肩についた何かを取ろうとするが・・・
「うわっ、ナニこれ?!これ取れない?!」
全く取れない。それどころか取ろうとして触った手すら離れない。そんな焦った所に紫色の玉をいくつも頭に乗せた少年が姿を現した。
「いや~すまねぇ!手が滑ってよ!本当にごめんな!」
その少年は謝りながら僕の肩についていた何かを取ってくれた。それはさっき川で流れていた紫色の玉だった。
「その不思議な玉って、君の個性なの?」
「ん?ああ、そうだぜ。オイラ以外には何にでもくっついて離れないって感じの個性だ。」
えっ?それって
「凄い個性だね!ヴィランいっぱい捕まえられるね!」
「・・・いや~まぁ、凄くはないかな。当たらなきゃ意味ないし。」
そうかな?何にでもくっつくなら捕まえる以外にも何かに使えそうなんだけどなぁ。それにしても
「羨ましいなぁ。僕はまだ個性が出てないんだ。」
「そうなんか?でもまぁ、オイラの回りなんか全然だぜ。オイラが早かったんだよ。お前もそのうち出るって。」
と笑いながら答える。
そっか。今出てる人が早いのか。・・・いや、でもお母さんが病院で調べるってことは、もしかすると・・・
そんな不安をつい口にしてしまった。
「・・・僕はヒーローになりたいんだ。でも・・・このまま個性が出なかったらどうしよう・・・」
「ヒーローになりたいのか?別に個性いらないじゃん。」
「え?」
「あのなぁ、昔のヒーローは個性持ってない人もいたぞ。ちゃんと調べてみろよ。」
そ、そうなの?知らなかった。じゃ、じゃあもし無個性になっても
「じゃあ、僕はヒーローになれるかな?」
「なれるだろ。無個性だと流石に出来ることは限られるかも知れん。それはオイラみたいな個性にも言えるけど。まあ、今のヒーローはサポート器具は当たり前だし、今から目指せば成れないことはないだろ。」
なれるだろ。と即答してくれた紫色の頭の少年に僕は嬉しくなって
「そっか。そうだよね!ありがとう!僕、オールマイトみたいなヒーローになるよ!」
目指してるヒーローの名前を言ってしまった。まだ個性も出てない僕が何を言ってるんだと思い、恥ずかしくなって走り出してしまった。
あっ、お礼言わないと
「話を聞いてくれてありがとう!」
あ、あと名前も
「あ、僕の名前は緑谷出久です!またどこかで!」
僕は手を振って病院に向かった。
その後、気がついたら僕は僕の部屋でオールマイトの動画を見ていた。そしてそんな僕をお母さんが心配そうに見ている。
・・・・・・そっか。思いだした。僕は・・・個性が無かったんだ。覚悟はあったけど、やっぱりショックだったんだ。
涙が溢れそうになる。
「お母さん、どんなに困ってる人でも笑顔で助けちゃうんだよ。オールマイトみたいな超カッコイイヒーローさ、僕もなれるかなぁ」
「・・・・・・・・・・・・!!」
お母さんが僕を後ろから抱き締めて
「・・・!!ごめんねぇ出久ぅ!ごめんねぇ・・!!」
謝っている。
違うんだよ。お母さん。僕が言って欲しいのは・・・・・・
『なれるだろ。』
僕はハッとして横を見た。声が聞こえた気がした。しかし、誰もいるはずもなく壁があった。
でも、思いだした。今日のこと。絶対忘れちゃいけないこと。紫色の頭の少年との出会いを。教えてくれたことを。言ってくれた言葉を。
「お母さん。」
「なに?」
「僕はヒーローになるよ。」
お母さんは黙って優しく抱きしめてくれた。
ありがとう、お母さん。僕は絶対にヒーローになる!!
緑谷君の強化フラグが建ちました。
でも、そんなに強化する気はありません。ご容赦を。
あとは、プッシーキャッツ視点で話を書く予定です。あくまで予定です。書かないかも。