ただいま峰田で奮闘中。   作:とろろ~

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いつも誤字脱字の確認ありがとうございます。


こっそりと投稿。

だいぶ更新が遅れました。
申し訳ありません。


27話

未来とは些細なことで少しずつ変わるもの。

そんな事は色々なアニメや本などを読んで学んでいた。

 

学んでいたはずなのだがねぇ。

 

実際に変わってるなんて、誰も分からないのですよ。だって未来で何が起こるなんて誰も知らないわけですし。

 

・・・自分以外は。

 

どうも、こんにちは。峰田実になった青年Aです。一言・・・言わせて頂きたい。

 

「峰田さん!」

「峰田!」

 

・・・なんでや。

 

 

 

──────────────────

 

雄英での初めての戦闘訓練を終えた日から轟に毎日

 

「勝負しろ」

 

と言われております。

 

で、自分は断り続けていたのですが根負けしまして。勝負しました・・・・・トランプで。

 

轟は不満な顔をしましたが「勝負しろ」と言っていただけで「戦闘訓練で勝負しろ」とは言われてませんでした。・・・ええ、もう本当に不満が顔に出てました。ですが少し挑発したら乗ってきました。結構単純です。結果ですか?

 

はい、あがり。

 

「・・・なんで勝てねぇ」

 

轟の負けです。因みに連日トランプで勝負して勝ってます。かれこれ一週間程ですかね。いや、そりゃ勝てますよ。この轟という男は、普段無表情で表情が読みにくいのですが、何故か勝負事になると表情が読みやすい。特に負けそうになると力んでしまうのか唇の端が少し下がる。

 

さて、そんな表情が出てしまうのにトランプを使うゲームなんてしてたらねぇ。普段からアッサリと勝ててしまうのですが、今回の勝負内容であるババ抜きでは楽勝でしたよ。

 

んじゃ、終了ってことで片付けをよろしくな。

 

轟への挨拶もそこそこに自分は教室を出た。そこには矢吹スギルが待っていた。

 

「あ、終わった?じゃあ行こっか。峰田君。」

 

おう。

 

今日の自分達には用事があります。以前から行おうとしていた訓練です。メンバーは自分、矢吹、それから

 

「もう遅いですわよ、お二人とも。」

 

ヤオヨロッパイこと八百万です。TDLの前でプリプリと怒りながら待っていたようです。かわいい。

 

以前一緒に訓練しようと言っていたため、訓練用の施設を調べたところ、TDLが使えることが分かった。さらに調べると予約制になっていたため申請しに行きました。

 

最初は八百万と二人で行ったんですよ。ところがだ、途中の降りる階段で八百万が転倒し、落ちて行くのを助けようと下にダイブしたら矢吹が現れた。そこからはまあ、察してください。三人で転がったのに矢吹だけが・・・何が『不運(アンラッキー)』だろうか・・・チクショーが!!

唯一の救いだったのは、八百万が下敷きになっている矢吹を本気で心配しただけで、イケメンの矢吹の姿を見ても一切顔を赤らめていなかったことかな。

まあ、矢吹もそれを見て感じたのだろうね。後で自分に言った。『は、初めて女の子の友達が出来たかも。』とね。

・・・お前、女の友達いたやろ。えっ?知り合い程度?あっそう。イケメンの思考は、よく分からんな。

 

そんなこんなで色々あったものの、三人でTDLの使用の許可を申請しに行きました。驚くことに使用は1ヶ月待ちとのこと。マジかよー、とか言ってたら近々使用する予定の先輩方から連絡があってキャンセルが出たとのこと。直ぐにそこに入れて貰いました。

 

遅れてスマンです。

 

「ごめんね、八百万さん。」

 

というわけで、TDLの前に到着。中に入ると岩場のようなものが出来上がっていた。八百万の話では、セメントス先生って人が『適当に作るね』と言って作ってくれたらしい。ありがたい。

 

その後は三人で仲良く訓練です。久々に楽しかった。というか、今までエンデヴァーさんの所を借りて訓練してると、一人か峰田父上としかやってなかったからね。濃密だけどバリエーションが無かった。基本は近接戦闘だし、部屋だから飛び道具も少ししか出来なかった。

 

今回は、八百万と矢吹は飛び道具系がメイン。岩場だからサバゲーのようにして訓練が出来た。相手がどのように動くか予想して『もぎもぎ』を置いて罠を張ったり、こちらへ来る道を制限したりとかね。

 

やベー充実してる。

 

って思った。そのくらい楽しかったのだ。そんな時間も直ぐに過ぎて

 

「皆さん、そろそろ時間ですよ。」

 

四角い頭の灰色の肌をした人が立っていた。

 

「セメントス先生。もうそんな時間ですのね。」

 

あれがセメントス先生か。ビジュアルが覚えやすい。

 

三人でセメントス先生の前に来ると、セメントス先生は床に手をつける。すると岩場が音をあげながら沈み、岩場だった場所が只のコンクリートの床になっていった。

 

今日は使わせて頂き、ありがとうございました。

 

「「ありがとうございました。」」

 

「いやいや、学生が頑張ってるのを見ると私も嬉しいですよ。ところで皆さん明日から放課後は空いてますか?」

 

たぶん空いてます。

 

「そうですわね。」「そうだったと思います。」

 

「でしたら明日から1週間程使いますか?何やら予約していた生徒さん達が、インターンシップに行くことになって使えるようになりましたよ。」

 

マジでか!

 

自分は他の二人を見ると、二人も嬉しそうな顔をしていた。

 

よろしくお願いします!

 

「お願い致しますわ!」「お願いします!」

 

「わかりました。そのように手配しておきますね。では、皆さん明日からも頑張ってください。」

 

そんな事があって、この日から毎日疲れながらも今まで感じたことの無い充実した日々をおくれた。

 

そんなことを繰り返していたある日の昼、日々の疲れがドっと来たのか眠い。いや、朝から眠かった。正直授業とか何をしたか覚えていない。

 

「峰田君、眠そうだけどお昼ご飯に行かないの?」

 

目の前の席の緑谷が声をかけてきた。

 

うぅ~無理だな~。寝るわ。悪いけど緑谷が帰って来ても寝てたら起こしてくれ。

 

「うん、わかった。」

 

という訳で昼休みは寝た。寝てる最中に何か大きい音が聞こえてたので意識を起こそうとするも眠気には勝てなかった。

 

・・・まあ、問題があったら誰かしら起こしてくれるだろ。

 

その後、緑谷に起こしてもらい普通に授業を受けた。寝ていたお陰でスッキリとした気分で授業が受けられたし、皆も変わりなく授業を受けていたので、やはり問題は無かったようだ。

 

 

 

それから数日後、

 

「今日のヒーロー基礎学だが・・・俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見る事になった。内容は災害や水難。他になんでもござれの『人命救助訓練』だ。」

 

・・・・え?

 

「今回コスチュームの着用は、各自の判断に任せて自由とする。中には活動を制限するようなコスチュームもあるからな。訓練場は少し離れた所になるのでバスに乗っていく。以上、準備開始。」

 

いや、え?ちょっと待って欲しい。あれ?

 

全員がコスチュームを持って更衣室に向かう。自分も戸惑いながらもコスチュームを持って移動した。そして着替えながら考える。

 

おかしくない?委員長を決めるとかやったっけ?飯田の非常口のマーク事件とかやってなくないか?ん~でも、うっすらと記憶があるような・・・もしかしてあの異常に眠たかった日に全部やった?・・・やべー!だとしたらやべーよ!ヴィランがたっぷり来る『USJ事件』じゃん。自分今回の為に何か用意とかしてないですよ!

一応、USJ事件のためにララさんに元○玉・・・じゃなかった電気玉を作って貰おうとか思ってたのに!水にどっぷり浸かってる奴等なんて、コレで一網打尽ですわ~とか思ってたのに。

・・・いや、まあいっか。今回は原作通りに動けば大丈夫だな。あ~でも、相澤先生が大怪我するんだよなぁ。それは避けたかったなぁ。でもなぁ、ここは大きい事件だから下手に手を出せば、取り返しがつかない位に原作ブレイクしそうだからなぁ。

 

・・・・覚悟を決めました。

 

自分は何もしない!何も考えない!成り行きに任せる!もとい原作の流れに任せる!まあ、元々自分の役目は特に無いからな。初めて緑谷と蛙吹と峰田で組んで船からの脱出くらいなもんで。とりあえず頭皮に激痛を起こしたくないのでバスの中でヒーロー御用達の『携帯食料』を食っておくかね。

 

自分は更衣室から出て、バスに乗り、

 

「この付き合いの浅さでクソを下水で煮込んだような性格って認識されてるのがすげぇよ。」

 

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ!殺すぞ!!」

 

という今でも覚えているセリフを聞きながら携帯食料を食べました。 食べ終わるとバスが着いたようで

 

「よし、全員降りたら俺に着いてこい。」

 

相澤先生の言葉でバスから降り、そのまま相澤先生に着いていき、近くのドーム状の施設に入った。

 

そこにはあらゆるアトラクション・・・ではなく、あらゆる災害や事故が想定された演習場があり、宇宙服のようなコスチュームを着たヒーローが立っていた。

 

「皆さん、ようこそ!『あらゆる事故や災害』を想定して僕がつくった演習場です。その名も『ウソの災害や事故ルーム』略して『USJ』です!!本日の訓練を指導します『13号』です。どうぞよろしく!」

 

その後、13号先生が自分の個性と救助訓練に関して説明をしてくれた。

 

正直、目から鱗です。だって個性が『ブラックホール』ですよ!こんか救助に向かない個性を救助に使うなんて・・・素晴らしいです。きっと大変な努力をしたんですよ。

 

「では、皆さん!さっそく演習場に行きましょう。」

 

13号先生に促されるままに全員がゲートをくぐり、階段を下り始める。

 

「スッゲー!!」

「うわーリアルな感じがいいなぁ!」

「あっ!ねぇねぇ、あそこの人達が救助役の人達かな?」

 

などと会話が始まった。

 

・・・・えっ?

 

階段の下にある中央広場の物陰から数人の人相の悪い奴等が出てきた。相澤先生が直ぐに動いて全員の前に出て確認すると、すかさず首にあるゴーグルを付け叫んだ。

 

「引き返せ!ヴィランだ!」

 

全員があまりの事に動くのが遅れた。ちなみに自分もです。ヴィランが来るのが分かっていたのに流れが違うことに体が一瞬動かなかった。

 

だがそれも一瞬のこと。後ろを向いて走ると

 

「おっと、反応が早い方が一人いらっしゃいますね。ですが逃がしませんよ。」

 

入り口から声が聞こえ、黒い霧が発生し、自分の足に絡み付いた。

 

「ダメですよ、13号さん。動かないで下さい。この生徒さんは既に私の個性により半分を移動済みです。この状態で私が意識を失う、もしくは死ねば途中で個性が解除され、彼は下半身を失いますよ。」

 

ちょっ!なんか原作と違いますけど!人質とか無かったでしょうよ!

 

「ふむ。オールマイトが居ないようですね。」

 

「彼なら暫く来ませんよ。」

 

「おやそうですか。少々お待ちを。死柄木弔、問題発生です。」

 

黒い霧の人が耳らしき所に手をおいて、死柄木弔に連絡をしている。

 

「・・・分かりました。では、このまま進めます。皆さん、お待たせしました。まずは名乗らせて頂きましょう。我々は敵(ヴィラン)連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟、『雄英高校』に入らせて頂いたのは、平和の象徴である『オールマイト』に息絶えて頂きたいと思ってのことでして。」

 

「なっ!」「はぁ!?」

 

「しかし残念ながら暫く来ないとのこと。では待つ間にあなた方には・・・・」

 

突如、黒い霧の人から黒い霧が勢いよく溢れだし、それがA組の生徒の半数以上を取り囲むように広がった。

 

「施設内で散り散りとなって、死んで頂きましょう。」

 

自分は黒い霧に完全に覆われて浮遊感に教われた。

 

 

 

うわぁ、何か気持ち悪い感覚です。まあ、焦ったけどほぼ原作通りに進みそうです。さて、着水準備をします。

 

直ぐに光が溢れ、目の前には地面が広がっていた。

 

・・・・・は?

 

驚いたがヤバいと思い、咄嗟に『もぎもぎ』を使って着地地点に投げ、何とか無事に地面に落ちた。

 

・・・・・え?いやいや、地面って!

 

回りを見ると、人相の悪い方々が囲うように歩いてきた。そして何故かここは岩場であった。

 

え?ちょっと、コレって?

 

更に見回すと近くに八百万と耳郎がいました。

 

・・・なんでや。何故か自分、上鳴のポジションやん。

 

「峰田さん!」

「峰田!」

 

少しボーっとしてしまっていたら、目の前には岩が迫っていた。

 

あっコレ避けれねぇ。

 

思った瞬間、ボゴンっ!!という音とともに岩が壊れた。

 

「バカ峰田!ボサッとしない!」

「大丈夫でしたか峰田さん!」

 

ワリぃ。助かった。

 

二人が近くに来て自分と背中合わせになる。

 

「どうする、この状況?」

 

何とかするよ。

 

「出来んの?」

 

とりあえずアレを使うから、その後は二人とも、ちょいと伏せててくれ。

 

「いつものですわね。分かりましたわ。」

 

「え?えっと、分かんないけど分かった。」

 

流石は八百万。一緒に訓練してるだけありますな。耳朗だけは何か分からずに混乱するも了承してくれた。

 

いくぜ!君に決めたー!!

 

自分は『もぎもぎ』に紛れさせている煙玉を数個手にとり、四方に投げる。すると即座に煙が一帯に充満した。

 

「うぉぉ!?・・・なんだ只の煙かよ。」

「おいおい悪あがきは止めろよ。」

「はっ!毒性も無い煙かよ。役に立たねぇ個性だな。」

「やっぱガキだな。こんなもの屋外で10秒も持たないぜ!!」

「くはははは!早く女共を好きにしてぇ!」

 

どうやら自分の個性だと思っている奴やら、ゲスい奴がいるようです。

 

うむ、全く遠慮しなくていいですね。さて、じゃあ本命を投げますわ。

 

「グレープラッシュ!!!」

 




さて、オリジナル要素を含んでしまいました。
悩んだんです。普通に水難ゾーンに入れようかなって。それで一回書いてみたら原作になり過ぎて・・・

う~ん、これは駄目だ。

と、なったので書き直しました。
あんまりオリジナルを入れたくないけど、原作過ぎるのもアカンですやん。バランスって難しい。

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