ただいま峰田で奮闘中。   作:とろろ~

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毎度のことながら、誤字脱字確認ありがとうございます。今回も確かめてますが、いっぱいあると思います。ごめんなさい。


戦闘訓練から終わりまで。
いつもより文字数が多いです。

八百万さんの言葉遣いがわからん(--;)
でも頑張って書いてみた。



26話

こんにちは。峰田実になった青年Aです。

 

・・・どうしたものか。まあ、結論から言えば負けることがベストだと思いますが。だってね、原作では速攻で尾白&葉隠のヴィランチームがやられておりましたので。

 

ですが、どうするべきか悩みます。正直、エンデヴァーさんが自分を『踏み台』扱いをしていることにビックリです。踏み台になんてなれもしませんよ。完全に自分の方が劣ってますからね。うーん、勝つべきか、負けるべきか。負けるにしてもスゲー健闘しないと踏み台になれんしなぁ。

 

うーん、健闘ねぇ。やれなくもないけど無理だな。諦めよう。

だってアレですよ。体育祭でテープの彼を一瞬で武舞台の半分と一緒に氷漬けにする子だからね。負けは確定ですよ。しょうがないが尾白&葉隠さんと同じ道、あっさり負けるコースを行くかね。

 

そんなことを思っていると

 

「峰田さん!絶対に勝ちましょうね!」

 

と笑顔で八百万が言ってきた。

 

・・・どうしたもんか。その笑顔。

 

「そんな不安な表情しなくても気持ちは分かりますわ。昨日の『個性把握テスト』ですわよね。」

 

いや、全然違う。全然察してくれてない。

 

「皆さんが測定をしている間に道具を作れましたから1位を取れましたが轟さんのアレは・・その・・・」

 

・・・反則的だったよな。

 

自分の言葉に八百万は黙って頷いた。なんかもうアイツは凄かった。色々とね。

 

「ですが、戦う前から諦めませんわ!それに講評では色々と言いましたが緑谷さんと爆豪さんの戦いを見て思いましたの。羨ましいって。」

 

っ!?

 

「私の個性である『創造』は、あらゆる物を創れます。ですが『何かを創れる』。それだけですわ。彼らのように下地から強いわけではありません。ですから、あんな風に戦えることが、自らを武器にして戦えることが羨ましい。」

 

・・・・・・・・

 

「ですが、羨ましいというだけで私は終われませんわ。私だってヒーローを・・・No.1ヒーローを目指してますから。」

 

八百万の想いの言葉に目が覚めた。そして自分が本当にバカ野郎だと思い知った。

 

自分はポケットに手を伸ばす。

 

「どうかなさいました?」

 

そしてメモ帳を出して、さらさらと書いた。

 

『障子は耳が良いからコレで。』

 

「まあ、そうでしたの?では、私も。」

 

八百万は胸からメモ帳とペンを創り出し、

 

『コレでよろしいですか?』

 

『OKだ。じゃあ、オイラから作戦を提案したい。何か気になったらガンガン意見をくれ。』

 

『はい。了承しましたわ。』

 

『じゃあ、まずは・・・・』

 

─────────────────

 

 

1枚の氷の壁。その向こうで

 

「こんな・・・こんなことって・・・」

 

ヴィラン役の女が項垂れ落ち込むように座り込む。そして、隣には

 

「さささ、さみみぃよ~はや、はやくあたためてくくくれ~」

 

足を氷漬けにされ、ガタガタと震えているヴィラン役の男がいた。先ほどの自分がビルごと凍られた時に一緒に凍ったのだろう。余程寒いのか、ずっと同じ言葉を繰り返している。

 

・・・・こんなもんか。

 

男は歩き、勝利条件である疑似核兵器へと手を伸ばす。

 

「悪かったな。レベ・・・」

 

 

─────────────────

 

 

家にある訓練場で訓練を終え、廊下に出る。すると自分の父親が立っていた。

 

いつも通り何も言わずに横を素通りしようとすると

 

「焦凍、お前のために雄英に壁を用意してやった。コイツを越えろ。」

 

目の前に写真を突きつけられた。写真の中の男は特徴的な頭をしており、次に何処かで会えば直ぐに分かるだろうと思えるほどだ。

 

「金でも積んで入学させたのか?」

 

父親がニヤリと笑って去っていった。

 

本当に金で雇ったのか?だが、あの雄英が不正を働くとは思えない。つまり、それなりの実力を持っている奴を入試で見つけ出し、金を渡して雇ったのか・・・・

 

「だとしても、俺が金で動くような奴に負けるとは思えないけどな。」

 

入学後、写真の男は同じクラスにいた。初日から教室で堂々と寝ていた。

 

・・・コイツが壁?

 

第一印象は、この程度だ。その後の『個性把握テスト』で少し見ていたが個性であろう頭の玉は、くっつくこと、弾力がある、という感じに見えた。だがアイツが『壁を用意してやった』と言うからには他に何かあるのだろうと思ったが・・・

 

 

 

 

今回の戦闘訓練で組んだ男をビルの外へ行かせ、ビルごと氷漬けにした。結果、

 

「さささ、さみみぃよ~はや、はやくあたためてくくくれ~」

 

あっさりと俺の氷に捕まっていた。

 

 

 

組んだ男が言っていた部屋を確認すると、ドアが開いており、中は少し煙っていた。だが見え難いという程度で中の人物の様子は確認できた。

特徴的な頭をした男は足が氷に覆われていた。

 

「少し待っていてください。もう少しでヒーターを作れますので。」

 

女の方は無事だったようだ。

 

女の方は、どうやって無事だった?・・・だが問題はない・・・

 

こちらも『個性把握テスト』で見ていたが、女の方は何か創っている間は、時間がかかっていた。つまりヒーターなんて創っている間は、俺が部屋に入っても直ぐには対処が出来ない。

 

俺は堂々と部屋に入った。

 

「・・・はっ!轟さん!?」

 

案の定、俺に気がついて振り向いたが遅い。俺はヴィラン役の二人を囲うように厚い氷の壁を作り閉じ込めた。

 

「くっ!?このっ!!」

 

女が壁を壊そうと胸からマシンガンを作りだし、壁を撃ち出したが弾は跳ね返された。

 

・・・ゴム弾か・・・

 

いきなりマシンガンを創って撃ち出した時は、危ない女と思ったが手加減は分かっているようだ。

 

俺は疑似核兵器へと歩き出す。

 

女は諦めたようで項垂れ座り込み、男は同じ言葉を繰り返している。

 

「こんな・・・こんなことって・・・」

 

「さささ、さみみぃよ~はや、はやくあたためてくくくれ~」

 

アイツが用意した壁ってのは・・・こんなもんか・・・

 

俺は疑似核兵器へと手を伸ばす。

 

・・・つまらない壁だったな。いや、違う。

 

「悪かったな。レベルが・・・」

 

ポスッ

 

言いきる前に・・・疑似核兵器に触る前に・・・俺の頭から軽い音が聞こえた。

 

なんだ?

 

確認すると、ナイフの柄のような形だと分かり、それが頭から取れなかった。

 

・・・なんだコレは・・・

 

『ヴィランチーム!WIーーーN!!』

 

突然、オールマイトの声がした。その声に呆然としていると上から人影が降り、こう言った。

 

「レベルが違いすぎたか?」

 

その人影は特徴的な頭をしている男だった。理解が追い付かなかった。

 

 

─────────────────

 

自分は、メモ帳にさらさらと作戦を書いて伝える。

 

『基本的には真っ正面から戦わない。油断を誘って一気にやる。』

 

『油断しますかしら?』

 

『する。確実とは言えないけど。轟なら。』

 

『轟さんがですか。障子さんは?』

 

『障子は考えなくていい。あいつなら多分来ない。轟のせいでビルから出ていく。轟はビルごと氷漬けにするからな。』

 

『なんで分かりますの?』

 

原作知ってるから・・・なんて言える筈もない。えっーと、・・・あっ、

 

『オイラ、轟の親と何回か会ってんだ。それで聞いたことあんだよ。アイツは大雑把なところがあるって。個性の練習でも部屋ごと氷漬けにすることがあるって。』

 

『まあ、そうでしたの。部屋がどれ程の大きさか分かりかねますが、驚異的ですわね。』

 

『そだな。でだ、戦闘とはいえ訓練だからな。まあ、足元が凍るくらいにはしてくるはずだ。だから八百万には、凍らないような何かを足場として用意して欲しい。八百万の分だけ。』

 

『私のだけですか?』

 

『おう。オイラはビルが氷漬けになる前に外に出て、障子をヤってくる。』

 

『お一人でやれますの?』

 

『任しとけ。オイラのコレなら出来る。』

 

自分は頭の玉をもいで、足に着けて歩いた。

 

『驚きですわ。全く音がしませんわね。』

 

『おう。しかも『くっつく』特性もあるからな。使い方によっては壁を這うように動けるぜ。だから八百万、もう1つ創って欲しいものがある。ナイフの柄だ。』

 

『柄ですか?』

 

『流石に本物のナイフで襲ったらアウトだろ?柄にオイラの『もぎもぎ』をくっつけて、怪我しないようにして疑似ナイフってことにする。オールマイト先生もコレで急所を刺されてる映像を見ればアウトだって思ってくれるだろ。』

 

『なるほど。では創りますわね。』

 

八百万は胸からナイフの柄だけを創り、こちらに渡した。

 

・・・・あらやだ、どうしましょう。人肌程度に温い。え?あれ?なんかヤバい。これエロイのか?エロイ感じがする。胸から創ってるのを見ていただけに何かとっても・・・・柄ロイ!!

 

『どうしました?』

 

おっと、集中しないと・・・

 

『でだ、障子をヤったら直ぐに戻ってくる。で、オイラは天井に潜むよ。』

 

『それでは峰田さんが居ないことに、轟さんが注意しませんか?』

 

『大丈夫。そこでオイラのアイテムが役に立つ。』

 

自分はベルトに手を伸ばし、バックルのボタンを押すとボスっと音を出して、バックルの一部が開き、中から一瞬で何かが飛び出し、膨らむと峰田実そっくりの『峰田人形』が出来上がった。

さらに頭の玉を1つ取り、手渡す。

 

『コイツを代わりに置いとく。で、氷漬けにしておいて、あたかもオイラは動けないって事にするんだ。あと、こっちは煙玉だ。これで少しでも見えにくくする。』

 

『この人形、かなり精巧な出来ですわね。』

 

『凄いだろ。スマンが声は出せないからボイスレコーダーを創って着けてくれ。それで八百万には偽物だと分からないように、コレを守るように戦って欲しい。それで最後は負けて欲しい。』

 

『負けますの?』

 

『出来れば人形ごと捕まるのがベストだ。で、油断して疑似核兵器に近づいて来たところをオイラが天井から轟をヤる。轟対策は八百万の演技にかかってる。頑張ってくれ。』

 

『演技なんて、あまり自信がありませんわ。それに騙し打ちというのがヒーローらしくないですわ。』

 

『いや、オイラ達は今ヴィランだから。』

 

八百万が恥ずかしそうにハッとした顔をする。

 

『そうでしたわね。』

 

だが、直ぐに真剣な目をして

 

『ですが峰田さん、轟さんとの戦い、勝ってしまっても宜しいですわよね?』

 

・・・・・・・アカン。それは負けフラグやで。

 

 

─────────────────

 

 

「な・・・にが・・・・」

 

この男がいたはずの場所を見る。すると、まだ特徴的な男が震えて同じ言葉を繰り返していた。

 

・・・繰り返す?

 

「ん?あれか?ありゃ囮の人形だ。あ、わりぃわりぃ。頭のそれ、取ってやるからしゃがんでくれ。」

 

言われるままに膝をつくと男は近づいてきて俺の頭のナニかを取った。

 

「あ、コレか?八百万に柄の部分を作ってもらってよ、刃は流石にダメだと思ってな、オイラの『もぎもぎ』で代用したんだ。疑似ナイフだな。つまりはナイフで頭を刺されたから轟の負けってこったな。」

 

俺が刺されて負けた。じゃあ、

 

「俺と組んだ男は・・・」

 

「障子なら轟がビルを氷漬けにしてる間にヤったよ。お前さぁ作戦ってのは、ちゃんと伝えておかないとダメだぜ。ビルが氷漬けになるのをビックリして呆然として見てたから、忍び寄ってサクッとやったよ。あ、とりあえず早めに氷なんとかしてくれ。オイラの相棒が寒そうだからな。」

 

男が指を指す方向を見ると女が腕を組んで震えていた。

 

俺は立ち上がり、女を囲っている氷を溶かした。

 

「それ、訓練中に使わなかったな。」

 

「使う必要を感じなかったからな。それに戦闘に於いて熱(ひだり)は絶対使わねえ。」

 

左はアイツの力だ。だから絶対に・・・

 

「ふぅん。まあいいけど。・・・勝ってるうちなら未だしも、今回さ、お前負けてるからね。その考えは少しは直さないとな。次も負けるぞ?」

 

男はそう言って女を連れて出て行った。

 

負け・・・・負けた・・・俺がアイツの用意した男に・・・・

 

「っ!!!」

 

俺は声にならない声を上げた。

 

 

────────────────

 

 

戦闘訓練が終わって、講評タイムです。

 

「どっちも凄かったねー!」

「何か力と技の戦いって感じだったな!」

「轟のビルごと氷漬けとか、ありえねーって」

「・・・・アサシン峰田。」

 

誉められた。だが、何故か『アサシン峰田』という中二病の名前を貰いました。なんだそれ?

 

「うんうん、どちらも素晴らしかったが峰田少年!戦い方が私の知り合いに似てたんだけど、ちなみに姿形も似てるんだけど、もしや・・・」

 

・・・・一応、父上が元プロです。

 

「なるほど!そうか!そうか!では、今度遊びに行くね!!」

 

断れるはずもなく、とりあえず頷いた。

 

嬉しいよ。オールマイトが来るのは。でもね。知り合いだったんだぁ。そっかぁ。知り合いかぁ。なんかこうね、気持ちが消化しきれない感じです。

 

「マジかよ!いいなぁ!オールマイトが家にくるとか羨ましいぜ!」

「ズルいズルい!私も来て欲しい!」

 

ワイワイガヤガヤとなっております。そんな中、声をかけられた。

 

「あの、峰田さん。」

 

声の主は八百万である。

 

「すいませんでした。」

 

いきなり、謝られた。

 

「あんなにもあっさりと負けるなんて。」

 

どうやら轟との戦いが悔しかったらしい。

 

え?いや、全然謝る必要ないぜ。作戦通りに事は進んだし。勝ったじゃん。

 

「ですが・・・」

 

あ~もしね、自分が弱いなんて思ってるなら違うぞ。轟が異常に強いだけだ。それに相性とか戦う場所とかで結果は違ってくるしよ。

 

「峰田さん・・・ありがとうございます。」

 

まだ浮かない顔をしてるので更に付け足した。

 

追い付けないと思うなら、追い付くように訓練すりゃいいよ。雄英には訓練場所が幾つかあるし、戦友だからな付き合うぜ!

 

「戦友・・・つまりお友達ですの!?」

 

えっ、あ、はい。

 

戦友と聞いた八百万の目が輝き出したんだけど。えっ?なにこれ?

 

「是非とも、今度一緒に訓練致しましょう!」

 

よ、よろしく。

 

ちょ、そんなキラキラして近づいて手を取って降らないで。八百万のヤオヨロッパイが揺れ、ち、近い!ちょ、目が離せないから!

 

・・・・・・・素晴らしいです。

 

そんな天国を味わってる中で

 

「おい」

 

声を掛けられたので振り向いた。轟が立っていた。

 

「俺と勝負しろ。」

 

その答えに、自分はしっかりと答えた。

 

「嫌です。」

 

自分の即答に轟の表情が凍ったのが印象的でした。

 




はい!
というわけで、青年Aこと峰田君が勝った。
全然戦ってない。しょうがないのだよ。個性による戦闘力は0ですから。拘束力ならあるけど。

この時の轟君の印象「他の人に興味がない」。
だったので、こんな感じになりました。まあ、この後、体育祭を経てドンドン魅力的なキャラになるので・・・轟君を負けさせてごめんなさい。

障子君がいつの間にかヤられてて可哀想。障子君、全然出てなくて申し訳ない。

八百万さんが難しいよ~。

やっぱり漫画家さんは凄いね。キャラ分け、喋り方とか、もうねぇ、凄い考えるんだろうね。
自分には出来ないことです!


次回・・・何も考えてない!
でもまあ、峰田君にはハードモードを与えたい。

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