あらすじでも言いましたが、一応処女作です。
独自設定など苦手な方はブラウザバック推奨です。
今回はプロローグのため文字数が少ないですが、これ以降は3000字ぐらいを目指していこうと思っています。
それでは、どうぞ!!
サイレンと怒号、銃声が鳴り響く中、少年は己の持つ力すべてを使って逃げていた。
「被験体108が脱走しました。研究員は直ちに脱走者を無力化してください。繰り返します。被験体・・・。」
無機質な女性の声が自分を捕縛するよう急かしている。
「早くあいつを捕らえろ!!最悪死んでも構わん!!絶対に外に出すな!!」
研究員も相当焦っているようだ。
それもそのはず、少年は既に出口を目視できる位置にいる。このまま走り去ればすぐに外に出られるだろう。
少年は笑った、ついにこの地獄のような場所から出ることができると。
ここに連れて来られてから毎日のように他の被験者と殺し合いをさせられ、その後は身体を弄くられた。
ここに来た時は憶えている。はじめは来る前のことも憶えていた。
しかし、身体を弄られるたび記憶は無くなっていった。
今では親の名前はおろか、自分の名前もわからなくなってしまった。
半年前ほどからついには自意識すらも無くなってきているものも出てきた。
だが、記憶と引き換えに得たものもあった。
それは、戦うための力だった。
その力とは身体能力の上昇と放電だった。
そのおかげで少年は逃げ続けることができている。
現に今も少年の周囲には黒く、小さい雷が少年に当たりそうな銃弾を防いでいた。
しかし、一度放電するたびに体力がどんどん削られていった。その証拠に少年の呼吸は荒くなる。
それでも少年は走るのをやめなかった。
地獄のような場所を出るために。自由を手にするために。
そうして少年は外へ出るための扉を蹴破り、外へ飛び出した。
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少年は近くの森を走りつづけていた。
少ないが追手をまくために走りづらい森を全力で走っていた。
そのおかげか、追ってきていた奴らはもう見えなくなっていた。
少年はそれを確認した後、木の根元にある大きな茂みに隠れた。既に体力は限界で休みたかったのだ。
茂みに隠れた後、周りの様子を確認した。
「あの野郎、どこへ行ったんだ。」
「まだ近くにいるかもしれねぇ。」
「とりあえず、先に進んでみるか。」
そういって、奴らは奥へと行った。
その様子を確認した少年は安心して大きく息を吐いた。
そして、そのまま木に背中を預けて眠りについた。
注がれている視線に気付かずに...。
そして、少年に視線を向けている者はというと・・・
「彼、面白そうね。
食べ物を取りに来たのだけれども、これは思わぬ拾いものね。」
そういって少年のもとへ移動し、少年を抱いたまま、スキマの中へ消えていった。
いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたら幸いです。
また、感想やアドバイスをいただけると助かります。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
本日、もう一話投稿します。