存在を奪われた元赤龍帝   作:kind090daichi

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 すいません(土下座)

 アメリカの方へ三~四カ月ほど留学していたので更新が大幅に遅れました。

 いやぁ~ニューヨークって意外と中国系アメリカ人が多いですね。思わず中国に来たのかと思いました。

 これからは少し勉強が忙しいので更新が不定期になるかもしれませんがよろしくお願いします。



堕天使たちと気になるあの子

 

~レイナーレ side in~

 

 

「はぁ、なんて憂鬱なのかしら…」

 

 私は今とても機嫌がよろしくない。なぜならこれから私たち堕天使を遙かに下回る下等種族の相手をしなければならないからだ。

 

 むしゃくしゃして思わず道ばたに落ちている小石を思い切り蹴ってしまった。通常の人間の最低でも五倍はある筋力で蹴られた小石は遠くへ飛んでいって何かにぶつかり割れた音がした。まぁ気にしない気にしない。

 

「レイナーレ様ぁ、そんなに落ち込まないで下さいよぉ。これも全てはあの人のためなのですからぁ」

 

「そうです。全てはアザゼル様にご寵愛を頂くため。我慢してください」

 

 そう私の部下であるミッテルトとカラワーナは言ってはくれるがやはり気に入らない。

 

「分かってるわよっ!そんなこと言われても人間の相手をするのを考えただけでも吐き気がするのよっ!あぁ~こんなことをするのならあの私たち堕天使の下位互換であるクソ天使どもに喧嘩売る方が増しよ」

 

 さて、どうあの人間を処理しようかしら。上の命令で危険な神器(セイクリッド・ギア)を所持していると思われる少年を抹殺せよなんてつまらないことをしなければならないし。

 

「まぁいいわ。今回はこれだけが目的じゃないし、その目的さえ達成されれば私は至高の存在になれるわけだわ。そうなれば私たちもそれなりの地位は約束されるわ」

 

 だからちゃっちゃと片付けちゃいましょう。

 

 そうカラワーナたちに微笑みかける。まずは本部からの案件を片付けなければ…。

 

「あのぉ、レイナーレ様ぁ少し良いですかぁ?」

 

 ミッテルトが数枚の紙の束を渡しながら話し出した。

 

「今回の抹殺対象のぉ兵藤誠二なんですけどぉ、調べによるとかなりのイケメンらしいんですよぉ。だからぁ、恋人関係になってそれから光の槍でグサッって言うのはどうですかぁ?ほら、レイナーレ様って相当な面食いじゃないですかぁ」

 

 その言い方は大分失礼ね。でもミッテルトがそう言うならそれも良いかもしれないわね。もう一人の部下のドーナシークとはぐれのガキがあの子を連れてくるまでの良い暇つぶしになるかしら。

 

「そうね、面白そうだからそれで行きましょう。じゃあ近くの高校に通っている天野夕麻という女子高生の設定で告白しましょうか」

 

「その名前にしたのには何か意味が?」

 

「えぇ、そうよカラワーナ。デート後の綺麗な夕暮れの中でとどめを刺すからよ」

 

 ふふっ、せめて君の絶望した面白い姿を見せてね兵藤誠二君。

 

「相変わらずネーミングセンスが微妙ですね」

 

 後ろを歩いているカラワーナがそんなことを言っているが気にしないことにした。

 

 じゃあ、計画に必要なことをしに行こうかしら。これはそこまで難しいわけでもないから確認したらタイミングを見てすぐに接触でいいかしら。

 

「まずは兵藤誠二の生活を確認しに行くわよ」

 

 そう言うと私は背中から黒い翼を広げて飛び始める。後ろにいた二人も慌てて翼を広げて追いかけてくる。

 

 さぁ、私の栄光ある人生はここから始まるのよ。

 

 

~レイナーレ side out~

 

 

~一誠 side in~

 

 さて、あいつらは行ったか。驚いた、あいつらの標的が誠二だったとはな。他の人だったら考えなくもないがアイツだったらほっといてもいいや。どうせ神器(セイクリッド・ギア)も十分に使えるようになっているだろうし。それとは別に気になることがある。

 

「あの子とは一体…」

 

 もう一人の部下が連れてくると言っていたことからこの町の人間ではないことは確かだ。だったら何の目的で連れてくるのか。ここに来る際にそういった情報は入ってきてないので何が起こるのか想像がつかない。

 

「至高の存在、か。これは調べる必要があるな」

 

 ズボンのポケットからこの町に来るときに支給された札を出して自分の胸あたりに押しつける。すると顔の皮膚がボコボコと沸騰したかのように膨らみ、すぐに変化していく。若干のかゆみが有り、ムズムズしてとても不快だ。

 

「初めて使ったがこれは気持ち悪いな」

 

 つくった本人曰く変装や幻覚ではなく、本当に顔を変えるので人外相手でも術を使って顔を変えているのが看破されにくいらしい。その説明を聞いて元に戻るのか、と一抹の不安はよぎったが使用者の任意のタイミングで戻せるらしい。

 

「さてと、俺の顔はどうなったんでしょうか」

 

 近くの家のガラスに映った俺ははっきり言って美青年(笑)でした。ダークグレーの髪に涼しげな蒼い目、鼻筋はすっきりとしていて極めつけに薄くて紅い唇。

 

「うわぁ~、いくら札をつくった人の容姿に似通うっていってもこれはなぁ。流石に目立つよなぁ」

 

 人外を相手にするので隠密性を求められるのだが、はっきり言って日本人の顔立ちではないのでどこへ行っても目立つ事は間違いないだろう。でもおそろいって考えるとこれはこれで有り、か?

 

 そんなくだらないことを考えていたが気を取り直し、堕天使の後をつけるために再びフードを被り直して走り出す。こんな格好では町中は目立ちそうだが気配を極限まで殺して目にもとまらぬスピードで走るので一般人には気付かれない。

 

 とりあえずあいつらの目的を知らないとどうにもならないか。

 

「ったく面倒臭ぇ。無能姫は相変わらずか」

 

 

 

 

 しばらく後をつけるとレイナーレたちは駒王学園に着いた。

 

「なんだ、誠二はここに通ってるのか。もっと遠くの公立高校に通っていると思っていたがもしかしてそこまで頭はよくないのか。」

 

 校舎の裏門から教室の中を覗き、誠二を探したが1年生の教室にはいなかった。不思議に思いながら正門の方に回ってみると入学式の看板が立て掛けてあったので体育館の方にいるのかと考え見にいこうとしたが、周辺を観察しているレイナーレに気付かれそうになったので諦めて物陰に隠れた。

 

 しばらくするとチャイムが鳴った。これで入学式は終わったのだろうか、本校舎の方が騒がしくなっていた。

 

「もっと近づけるか?」

 

 レイナーレたちは教室の中を観察しに行ったので正門から敷地の中に入り込んだ。

 

 校地内を散策しているとクラスの説明も終わったらしく、つぎつぎと生徒たちが生徒玄関から出て来た。そこに誠二もいた。

 

 欲しいおもちゃがもうすぐ手に入りそうな子供みたいな喜びに満ちた顔をしていて、十年前のあの意地汚い雰囲気は今のところは(・・・・・・)感じられなかった。

 

 アイツが校門を出るときに見たことがあるような容貌の女子高生に声を掛けられていた。あれは多分レイナーレの変装だろう。「誠二君(ハート)」みたいな声出していて、あざとすぎて気持ち悪いわ。

 

 それにしても下手くそかよ。殺気が漏れすぎだろ。どんだけ我慢してんだよ。

 

「まぁいいや。接触は確認できたし、今度はあの子について調べるか。あの子を連れてくるドーナシークとやらがうまく見つかれば良いんだが」

 

 さてさてどんなネタが出てくるかな。

 

 俺はドーナシークを見つけるために気づかれないように正門を出て、もう一度駒王町を歩き出す。

 

~一誠 side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 レイナーレの救済は無くても良いですよね?

 次回は誠二が正式に殺されます。

 リアスの汚い部分も見れるかもしれません。(下ネタじゃないですよ?)

 では次回もよろしくお願いします。

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