存在を奪われた元赤龍帝   作:kind090daichi

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 いやぁ~大分更新が遅れました。

 一誠がどこの神話所属なのか今回ではっきりします。

 では、どうぞ( ・∀・)つ


帰ってきた剣製は何を想う

~一誠 side in~

 

 

「ふぅ、久し振りだな。駒王町に来るのも」

 

 十年ぶりくらいだろうか。ここは。

 

 黒いマントのフードをとりながら呟く。

 

 俺は今、自宅の近くにいる。まぁ既に捨てたのだから自宅といえるかは置いておく。

 

 いくら縁を切ったとはいえ、親のことを心配しないことはない。あれからどうなったのかも気になるところである。よって、その偵察に来ているのだ。

 

 目の前にある交差点を左に曲がり、少し進むと右手の方に僅かばかりだが平均よりも大きめの赤い屋根の家が見えてくる。

 

 安心と恐怖が混在する懐かしの我が家である。

 

 その家の前に行くと〈兵藤〉という表札がかかっていた。

 

 目標の家を見つけた。さて、どうするか。

 

 表札の前で悶々とする。

 

 十年近くも行方を眩ませていたのだ。今更戻ったところで何があるわけでも無い。しかし、いくら全てを見限ったとはいえ両親に対する罪悪感は全くないわけではないのだ。

 

 インターホンを鳴らすべきか鳴らさない

べきか自分の中で相反する気持ちがせめぎ合って一誠にはどうしようもなかった。

 

 そして悩んだ結果は突入であった。

 

「いざ、ゆかむ」

 

 自分だけに聞こえるように自身を鼓舞する..........が、どたばたと玄関の方から音がする。

 

 誰か来る事を察知し、急いで隠れて様子を見る。

 

 曲がり角の方から覗いていると、バンッとドアを開けて黒い影が走って行く。

 

 あ、アイツだ。

 

 自分と同じような顔をした奴が急いで学校にだろうか?に向かっていった。

 

 兵藤誠二(最早どうでもいい奴)を見た瞬間両親に対する思いが冷めていった。

 

 やはり何も変わっていない。アイツがいると言うことはまだアイツが誰なのかに気付いていないということだ。もしかしたらなどと淡い幻想を少しばかり抱いていたがそれもあっけなく消えてしまった。

 

「はぁ~。昔住んでいた街に戻ってきて少し浮かれていたか」

 

 あり得ないことを妄想していた自分がとたんにいやになった。

 

 そうだ、元々家の様子を見に戻ったのではない。とある任務で来たのだ。

 

 任務といっても所謂人間界についてのこと、つまり表側のことではない。悪魔・堕天使・天使・妖怪・神などの人外(ファンタジー要素MAXな奴ら)関係である裏の事情でここに来ているのだ。

 

 聖書関連の三大勢力や北欧神話、ギリシャ神話などのように世界の中でも派閥がある。その中で俺が所属しているのは日本神話である。俺が全てに絶望した時に拾ってくれたヴァーリさん(最初はヴァルナと名乗っていたが、素戔嗚尊(スサノヲ)相手に善戦したら実力を認めてもらえたので本当の名前を教えて貰った。付け加えさせて貰うと素戔嗚尊(スサノヲ)にはもう勝てるようになった。)が、所属している派閥だ。彼女に鍛えて貰ったついでに勧誘されたのでOKした。

 

 因みに俺は当時彼女のことを自分よりも年上の兄のような存在として捉えていたが、後々一緒に過ごしていくうちに女性であるということが発覚した。

 

 いや~あの時は驚いたなぁ。頑なに一緒に入ろうとしなかったお風呂に無理矢理ぶっ込んだんだけど、その時に全裸を見たら男性器が無かったんだ。その後は恥ずかしさのあまり切れたナルヴィさんが白龍皇の光翼(ディバイディン・ディバイディング)を展開して攻撃してきたときには死を覚悟した。怖かったなぁ~。

 

 任務のことから思考が脱線してヴァーリさんとの出会いを思い出した。

 

 これは完璧な余談だが、初恋の相手でもある。

 

「ま、とりあえず遊ぶのはここまでにしてお仕事でもしますかね。お仕事」

 

 一通り思考の世界に入ったところで本来の任務に戻る。

 

 それは、悪魔に支配された駒王町の調査である。

 

 この町、駒王町は現在リアス・グレモリーとソーナ・シトリーの2人の悪魔によって治められている。

 

 日本神話は元々領土問題などには消極的でキチンと筋さえ通せばアウトソーシングという形で貸し出しはするが、問題は別にある。

 

 無断でこの町を悪魔の領土と位置づけているのだ。

 

 しかもそれだけでは飽き足らず、あろうことか支配者が両名とも現魔王の妹ということで争いごとが絶えない。まだ若手で管理が甘いため、こぞってこの町にはぐれが潜伏するのだ。しかも実力が中途半端でS級以上の奴には対抗できないときたものだ。全く腹立たしい。

 

 先日もはぐれを始末したばかりなのに、もう不審な失踪事件が起きているらしい。基本的に行動が後手に回ってばかりで何も出来ていない。

 

 大公からの依頼以外を基本的にこなさないので、無能姫と日本神話は呼んでいる。

 

 さて、どうしたものだろうか。

 

「まずはどこから調べようか。いや、その前にどうやって調べるかだな」

 

 う~ん。どうしよう。この辺のことを調べるためには無能姫の根城である駒王学園に通うのが1番なのだが、何せ誠二に面が割れているので仮にアイツと繋がっていた場合面倒なことになる。

 

 しかしそれ以外に方法は現在の所思いつかない。

 

「仕方がない、か。虎穴には入らずんばなんちゃらっていうしな」

 

 大変気が進まないが、任務のためと割り切る。大変気が進まないが。

 

 ポケットから携帯電話を取り出して本部にかける。そして駒王学園に転入するための手続きと、俺の情報に対する隠ぺい工作をお願いする。

 

 話し終わって携帯電話をポケットにしまうと結構美人な3人組が目に入った。

 

 あれって堕天使だよな。ここは悪魔の領土って事になっているらしいのに何でいるんだろう。もしかしてまた戦争でも起こすつもりか?ここには現魔王の妹がいる。ありえなくはない。日本神話の土地で勝手に戦争でも起こされては困る。行動を少し探ってみるか。まぁ、どのみち殺すがな。だって無断で日本神話の土地に入ったんだから仕方がない。こいつらが入ってきたのがいけないのだから『俺は悪くない』。

 

 そうと決まれば初登校の4日後までに片付けるか。

 

 俺はそう決めると3人組の後をつけ始めた。

 

~一誠 side out~

 

 

 

 




 なんか登場させてほしいキャラとかいます?

 いたら教えて下さい。独断と偏見を何重にも重ねて吟味した上で前向きに検討します(笑)

 次回は誠二との再会になるかなぁ~?どうだろ?

 ではまた。

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