~誠二 side in~
「ん~。むあぁぁ・・・・・・」
俺は目を覚ましてのびをする。
「また知らない天井だ」
くぅぅぅ!これを一度でいいから言ってみたかった。これは転生物の主人公のお約束だよな!
とりあえず、俺はハイスクールD×Dの世界に無事来たんだよな?
すると、下の方でチャイムが鳴って、 「兵藤さ~ん」とか聞こえたので、見事俺のハーレム計画の第一歩は踏み出せたわけだ。
さて、次はスペックの確認だな。鏡はどこだ。
部屋の中に鏡は無かったが窓の方に顔が映っていたのでじっくりと品定めをする。
「お・・・・・・おぉう。これは凄いな。俺とは思えん」
窓に映ったのは一誠をベースとしていたが、彼より数倍は格好いいだろう。
いや~。前世はピザニートガチ勢だったが、この分だと原作開始までにかなりいい線はいくだろうな。ほんと神様さまさまだな。
一通り自分の外見を確認し終わったあと、机の上にあった手紙に気付く。
広げてみるとセリーナからだった。
「これを読んでいるということは無事転生は出来たようですね。
一応あなたの望んだとおりにしましたが、特典とは別の身体スペックについて説明しますね。
1 身体能力は室伏広治の2倍程度です。
2
3 体の耐久力についてはいじっていないので気を付けて下さい。
あと、あなたの存在は元々いたものとして記憶を改竄しています。安心して下さい。
では幸多からんことを祈っています。
セリーナ」
読み終わった俺は興奮していた。
あれ?俺これオリ主最強のタグつけれんじゃね?やっばいわぁ。
そして同時に、この体を利用してハーレムをつくれることを疑わなくなった。
身体スペックについては、すでに転生させたことを悔やんだセリーナによって回収されている事は、誰も知らない。
そんな風に悦に浸っていると、扉の外から声が聞こえ、次の瞬間開いた。それに素早く反応し、声を発する。
「誰だ?」
扉から顔を出している奴には見覚えがあった。紛れもない、兵藤一誠だったからだ。
奴は「俺?!」と驚きながら固まっていた。が、すぐに立て直すと「お前は誰だ?」と聞いてきた。
どうして俺が出て来た事によってこの世界から必要とされなくなったただのガキに、俺の存在が認識できるのだ。所詮は俺の影に追いやられた雑魚が、だ。
そう考えると段々惨めな生き物に見えてきた。
「俺は 兵藤 誠二 だ。分かったら俺に話しかけるな。絞りかす野郎」
すると一誠は一瞬ポカンとした後、急いで部屋から出て行く。
どたどたどたどたっ!!
1階に行ったのか。だるいので追いかけなかった。
すると下の方からある程度年のくっていそうな女の声がした。一誠と言い争っているようだ。
母親だろうか?
その声が止むとまた移動しているような音が聞こえる。
そのすぐ後、とち狂った獣のような声が家中に響いた。
流石に気になったので下に降りていくと、声をかけられた。
「ちょっと誠二、一体何があったのよ?今日は誠二の誕生日なのに、一誠が自分の誕生日だって言い張るのよ」
女神め。変なところを入れ替えやがって。
「何も知らないよ、母さん」
とりあえず一誠を見にいくか。
扉を開けると、そこには一誠が床に蹲りながら絶叫していた。
俺の一応の親は一誠の所へ行き、語りかけている。
ここは俺も何か言った方が自然か?
何を言うべきか考えていると、一誠の惨めな姿を見て嗜虐心に火がついた。
両親にとってはどうって事は無く、こいつにとって精神にくるものはなにかを考えていると、良い案を閃いた。
「おい、一誠?どうした?今日は俺の誕生日だろう?」
その言葉を聞くと一誠は絶叫するのを止めた。そして急に脱力してこちらに顔を向けた。その目は虚ろで段々と濁っていった。
かなり精神に来ているな。ということはやはり俺の異物感に気付いているな。どうしてだろうか。
なので、俺はこいつを追い出すことに決めた。絶対にバレることは無いだろうが・・・こいつはイレギュラーだ。俺の存在に違和感を抱いている奴は消すべきだ。
どうやってこいつを潰してやろうか。
あぁ、こいつから人間関係を奪ってやろう。まずは両親と紫藤イリナからだな。まぁヨユー。
なぜって?それは特典であるニコポナデポがあるからだ。これは警戒心の抱いてない生物限定だが、1度かかってしまえば俺の言葉に絶対の信頼を置くようになる。
一誠よ。俺のハーレム要員である白音、黒歌や朱乃を助けるまでの、いい暇つぶしになってくれよ。
一誠と目が合った。
実に楽しみだ。
そんな思いを込めて、俺はニヤニヤと馬鹿にしたような笑みを浮かべた。勿論親にばれないように、だ。
一誠はもう限界だったのか、完全に気絶した。
明日からの行動を考えるため2階にある〈元々あった〉部屋へと戻った。
~誠二 side out~
執筆者としてどうかと思うけど、ヒロインはどうしようかな。