「だ、誰だ…?」
『な、なんで貴様がここに!?』
一夏達は目の前に登場現れたゲンムに似た戦士に驚愕を露にする。
『私の名は仮面ライダーゲンム。』
「ゲ、ゲンム!?」
「もう一人居たのか!?」
『そこに居るIS学園の方々は早く逃げてください。さて、私の怒りを買ったそのバカには、お仕置きが必要だね。』
《ガシャコンバグヴァイザー!》
そう言い黒いゲンムは、白いゲンムが腰に付けているのと同じゲームパッドに似たアイテム《ガシャコンバグヴァイザー》を出現させ、右手に持ったグリップに取り付ける。
《チュ・ドーン!》
低めの電子音と共にバグヴァイザーの砲門が伸び、ビームガンとなる。そしてグリップに力を込めると砲門からビームが発射され、白いゲンムに被弾する。
『ギャッ!』
「え…。効いてる…?」
ISの攻撃に対しては不死身の能力を誇っていたはずの白いゲンムはビームが当たった場所を押さえる。
『何で!?デンジャラスゾンビは全部の攻撃を無効にするのに!』
『ハァ!』
黒いゲンムは白いゲンムにビームを連射し、着々とダメージを与える。
『くそ~!こうなったら!』
《ガシャコンマグナム!》
『そうはさせないよ。』
《高速化!》
白いゲンムはガシャコンマグナムで黒いゲンムを撃とうとするが、黒いゲンムは近くにあった黄色いメダルの様な物《エナジーアイテム 高速化》を取り、一瞬で白いゲンムに近づき、ガシャコンマグナムを奪いトリガーを引く。
『ギャァァァァァ!だ、だったら!』
《ガシャコンソード!》
《ガシャット!キメワザ!デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》
白いゲンムはガシャコンソードを出現させ、必殺技を放つ。放たれた斬撃は黒いゲンムに向かい、そして大爆発を起こした。
『はーはっはっは!どうだ!ホンモノのゲンムの力を見たか!』
《ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクションX!アガッチャ!ぶっ叩け!突撃!モウレツパンチ!ゲキトツロボッツ!》
煙の向こうから変身音が鳴り、突然黒いロケットアームが飛んできて、白いゲンムを殴り飛ばす。
『え?え?』
白いゲンムが驚いていると、ロケットアームは煙を吹き消し、姿の変わったゲンムが現れる。
「姿が変わった…。」
「まさか二次移行したのか?」
『少し違う。これはフォームチェンジだ。ロボット同士で戦うガチンコゲーム、ゲキトツロボッツの力を得た姿。その名も仮面ライダーゲンム ロボットアクションゲーマーレベル0』
ゲンムの姿は腕には先程の黒いロケットアームが装着され、胸部アーマーや肩アーマーが変わっていた。
『さて、君の正体を暴くとするか。』
《ガシャット!キメワザ!》
黒いゲンムはベルトのスロットから《プロトゲキトツロボッツガシャット》を抜き、左腰に下げている《キメワザスロットホルダー》にセットしボタンを押すと、音声が鳴り、もう一度押す。
《ゲキトツクリティカルストライク!》
『ハァ!』
黒いゲンムはロケットアームを飛ばし、白いゲンムを壁に押さえつけると、そのまま左腕をロケットアームに勢いよく突っ込み、追撃のパンチを繰り出す。ロケットアームは白いゲンムのベルトを捕らえており、二度目のパンチでベルトが砕け散った。
『うわぁぁぁぁぁ!』
ゴロゴロと地面を転がると白いゲンムは突然蜘蛛を模した見た目に、胸にナンバーが書かれた機械の怪物になった。
「「「え?」」」
突然何が起きたのかわからない一夏達は目を白黒させ、変身が解けた蜘蛛型の機械生命体は慌て始める。
『これが奴の正体だ。触れたものを自在にコピー出来る機械生命体、ロイミュード027だ。だが全部中途半端だからデンジャラスゾンビの力を最大限に生かせなかったのだろうな。』
そう言いながら黒いゲンム、いや、本物のゲンムは地面に落ちたガシャコンソードとデンジャラスゾンビガシャットを回収する。
『く、くそぅ…。』
『少し泳がせていたが勝手なことするのなら、制裁が必要だ。』
そう言いゲンムは腰に巻いているベルト《ゲーマドライバー》を外し、黒いバックル《バグスターバックル》を巻き付ける。
『あと、このガシャットはこうやって使うんだよ。』
《ガッチョーン!》
ゲンムはバグヴァイザーのグリップを外し、バックルに装着する。すると低い声が聴こえ、不気味な待機音声が流れる。
《デンジャラスゾンビ!》
デンジャラスゾンビのガシャットを起動させると、周囲にゲームエリアが展開される。
『グレードX。』
《ガシャット!バグルアップ!》
《デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!Wooo!》
ガシャットを装着したバグヴァイザーもとい、《バグルドライバー》にガシャットをセットし、ボタンを押すと目の前にゲートの様な物が出現し、音声に合わせ、まるでマリオネットのようにゲートの中のゾンビが踊る。そしてゲートの中から右手が突き出され、さらに左手が突き出されると、両腕を開き、ゲートを粉砕する。そこから現れたのはロイミュード027が擬態していた白いゲンムそのものだった。
『私は仮面ライダーゲンム レベルX。』
「あ、あいつがゲンムだったのかよ…。」
『027君、君のお陰で少しはデータが録れた。お礼に苦しみを与えず、一撃で倒そう。』
そう言いゲンムはバグルドライバーのABボタンを同時に押し、再びAボタンを押す。
《クリティカルエンド!》
辺りが薄気味悪くなり、ゲンムは空高く飛び、回転しながらロイミュード027にオーバーヘッドキックを叩き込む。するとロイミュード027は大爆発し、027と書かれた数字のロイミュードのコアが浮遊する。そしてバグルドライバーからバグヴァイザーを外し、コアを収納する。そしてゲンムは千冬の方を向き、ペコリと頭を下げる。
『この度は私の部下が失礼なことをしてしまい、申し訳ありませんでした。それでは。』
ゲンムは立ち去ろうとするが、周りをISを纏った教師陣に囲まれる。
「そんなので騙せると思ったか?貴様が今回を仕組んだ可能性もある。それに貴様はテロリストだ。よって拘束させてもらう。」
『…先程まで何も出来ず突っ立っていた雑魚が私に歯向かう気か。』
「随分と余裕だな。いけ!」
千冬の合図で教師陣は銃を構え、剣を握る。
『良いだろう。かかってくるがいい。』
教師陣は陣形を組みゲンムに攻撃するが、ゲンムは最小限の動きでかわし、接近してくる者にはガシャコンソードで斬りつけ、空を飛ぶ者にはガシャコンマグナムで撃ち落とす。あまりの圧倒的な強さに千冬は苛立ちを感じた。
「な、なんて強さなの…。」
「こんなのにISが負けるはずないわ!」
中にはゲンムの強さに怯える者、ISを最強と思い無謀な攻撃を仕掛ける者も居たが、全員ゲンムに倒される。そして残ったのは千冬と、戦いに参加しなかった一夏、セシリア、鈴のみとなった。
『これで私の強さがわかったはずだ。君達は勝てない。』
「ほぅ、私をあまり見くびるな!」
そう言い千冬は纏っていたIS《打鉄》の武器、《葵》をゲンムに振り下ろし、ゲンムはガシャコンソードでガードする。
『やれやれ…。』
今ここに世界最強のIS操縦者VSゲンムとの戦いが始まった。
仮面ライダーゲンム ロボットアクションゲーマーレベル0(プロト)
ゲンムがプロトマイティアクションXとプロトゲキトツロボッツで変身するフォーム。見た目は仮面ライダーゲンムにプロトロボットゲーマー(ガンバライジング参考)を装着させた姿(ただし頭部はそのまま)。
必殺技はゲキトツクリティカルストライク。簡単に言えばエグゼイドのロボットアクションゲーマーのゲキトツクリティカルストライクと同じ。