黎斗が目覚めてから数週間後…。
ここはIS学園…。IS操縦者を育成する学校だ。そして今アリーナと呼ばれる場所で二機のISが戦っていた。片方はツインテールをした少女が乗っているピンク色のIS、もう片方は黒髪の"少年"が乗った白いISだ。
そう、今IS学園では一年一組のクラス代表である世界初の男性操縦者の"織斑一夏"と、一年二組のクラス代表である中国代表候補生の"凰鈴音"がISを使ったクラス代表のトーナメント戦、クラス対抗戦をしていた。
「くそっ!なんだあいつ!」
だがその戦いの最中、突如現れた黒い全身装甲のISに苦戦していた。しかし黒いISの動きを見ていると、一夏はあることに気づいた。それはもしかすると無人機の可能性があるということだ。そこで一夏は鈴とある作戦を立て、実行に移そうとした途端。
「一夏ぁ!男ならそのくらい勝てなくてどうする!」
一夏の幼なじみであり、篠ノ之束の妹である箒がマイクで一夏にエールを送ってきた。だがそれは敵に存在を知らしめる行為となり、黒いISは箒にレーザーの照準を向ける。
「箒ぃ!」
レーザーのチャージが完了し、箒は目をつぶるが、レーザーはいつまでも届くことは無かった。何故なら…。
「な、なんだ…。あのIS…。」
黒いISがレーザーを撃つ直前、空から白い全身装甲が降りてきて、黒いISの腕を切り落としたからだ。黒いISは残った腕で白い戦士を撃とうとするが。
《ガシャット!キメワザ!デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》
ゲンムのガシャコンソードの必殺技によって、胴体を真っ二つにされ、コアを引き抜かれ機能を停止した。それは一夏の予想通り無人機であることの証明だった。
「た、助かったのか…?」
「そうみたいね…。」
一夏と鈴はホッと胸を撫で下ろして、白い戦士に礼をした瞬間、二人のISに通信が届いた。
『一夏!凰!今すぐそいつから離れろ!』
「え、千冬姉?」
アナウンスからは千冬の声が聴こえ、一夏は不思議そうな顔をして言葉を返す。
『いいからさっさと逃げろ!』
「一夏!危ない!」
鈴の声が聴こえ白い戦士を見ると、紫色の斬撃が飛ばされ、一夏はギリギリの所でかわした。
「な、何すんだよ!」
『我名はゲンム。革命を起こすものだ。』
「ゲンム…?」
「ゲンムって数ヶ月前の仮面戦士事件の首謀者じゃないの!」
鈴の言葉に一夏はあることを思い出す。それは数ヶ月前に新聞で、A国とB国の戦争の最中、ゲンムと名乗る白い戦士が突然現れ、B国の三機のISを破壊し、異形の怪物を従えB国のIS操縦者を殺害したという記事だった。そしてうろ覚えだが、写っていた記事の画像は目の前に居る者と酷似していた。
「つまりテロリストか…。」
『そうだ。他にも奴は様々な国に出現し、その強さは代表候補生以上…。いや、国家代表にも及ぶとされている。』
「国家代表って…。」
代表候補生の自分より遥かに上の存在である国家代表と同等ということに、鈴はゴクリと唾を飲み込んだ。
『教師陣が直ぐに向かうからお前達は避難しろ。』
「…いやだ。」
「は!?あんたバカじゃないの!?勝てるわけないじゃない!」
「それでも先生達が到着するまでの時間は稼がないと!俺は行く!鈴は先に逃げてくれ!」
「ちょ、ちょっと一夏!」
一夏はスラスターを噴かせてゲンムに剣を振りかざすが、簡単にかわされる。
『ほう、勇ましいな。だが、別に逃げても良いんだぞ?』
「俺は逃げない!うぉぉぉぉぉぉ!」
一夏は専用武器の《雪片弐型》を振るうが全てゲンムのガシャコンソードで防がれる。
「くそ!当たらねぇ…!」
『動きが単純だな。』
ゲンムがガシャコンソードで一夏を斬ろうとしたとき、何かを察知し横に飛ぶと、突風が飛んできた。
『なるほど。あの中国代表候補生の衝撃砲か。』
「う、嘘でしょ…。衝撃砲を初見で、しかも死角から狙ったのにかわされるなんて…。」
ゲンムが空を見上げると鈴が驚いた表情をしていた。
『衝撃砲は厄介だな。先にあの女から片付けるか。』
「そうはさせませんわ!」
一夏や鈴とは別の声が聴こえると、ゲンムの体に青いレーザーが当たり、少しのけぞった。
『…イギリス代表候補生か。』
「このセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの前にひれ伏しなさい!」
セシリアはレーザービットを使いゲンムにレーザーを浴びせる。それと同時に鈴も衝撃砲を放ち、逃げ道を塞ぐ。
『クッ。』
「今です一夏さん!」
「うぉぉぉぉぉ!零落白夜!」
そしてセシリア達の遠距離攻撃が止んだ途端、一夏が突撃し、光を纏った雪片がゲンムに当たり、アリーナの壁まで吹き飛ばした。
まさかのゲンム敗北か!?
どうなる次回!
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