お待たせしました。
ー秋葉原駅ー
とある土曜日の朝8時、平日の東京の駅は通勤、通学ラッシュでこの時間は賑わっている。
今日は土曜日じゃないかとツッコムかもしれないが土曜日でも東京の駅は平日には及ばずとも相変わらず賑わっている。
仕事に出かける者は少なくても社会人や学生などは遊びや旅行などに利用するために駅を出入りしているのだ。
秋葉原も例外ではない。
そんな秋葉原の駅を9人の少女たちが目まぐるしく動いていた。
知っての通り、全国的に有名な探偵団であるμ’sだ。
「あーん! ホームステイの相手の子たちは何処にいるのー⁉︎」
「穂乃果! 大声をだすのはやめなさい! はしたない…」
「まあまあ…」
穂乃果が嘆きの声を上げるとストッパー役の海未が嗜めことりが宥める。
お馴染みの光景がそこにはあった。
『ホームステイの子たち』何故、穂乃果がこう言っているのかと言うと事の発端は今から1週間前に遡る。
ー1週間前ー
「ホームステイの受け入れ募集中! 他県の子たちと交流を持とう!」ネットでこのボランティアの記事を見つけたことがきっかけだった。
これを見て、μ’sのリーダーでありエンジンでもある穂乃果が『これに応募しよう』と言い出したのだ。
始めは嫌がっていた他のμ’sメンバーだったが応募するのはタダなため穂乃果と共に応募した。
しかし、これには抽選があってその抽選に当選しないとホームステイの受け入れが出来ないのだ。
そして、応募したらなんと信じられないことに9人全員が当選していたのだ!
奇跡とも思える出来事にみんなが驚く。
当選してしまった今、後戻りはできないので反対派だった海未や真姫、にこも両親に許可を取りホームステイの受け入れの準備を始めた。
ホームステイする相手は神奈川県の高校生たちだ。
そして、今日がそのホームステイする子達との対面なのだ。
ホームステイする子たちとは午前8時に秋葉原駅で対面とパンフレットに書いてあり、穂乃果たちはそのホームステイする子たちを探しているのだ。
ホームステイの当選と同時に自分のホームステイの相手のプロフィールがお互いに送られるため名前と顔写真がそれに載せられていて相手の名前と顔は一応知らされている。
しかし、なかなか見つけられずにいたため、冒頭のシーンに戻る。
「他の場所も探して見ましょうか…?」
海未の意見に満場一致で頷き、μ’sのメンバーは秋葉原駅内を移動する。
ー別sideー
「ホームステイの相手の子たちは、一体何処にいるのよ〜!」
「勇樹のメカで探し出せないの?」
「無茶言うなよ… 俺だって万能屋じゃないんだ…」
同時刻、秋葉原の駅でμ’sと同じ人数で固まって移動している9人がいた。
小柄な体型でクマの顔が描かれた茶色のパーカーに薄茶色の長袖を着ており、ピンク色の髪色のツインテールにハートのヘアピンより元気な印象を与える少女が声を張り上げ、それを聞き流しながら青髪のサラサラのショートヘアーで水色のワンピースに白いタイツを履いて頭に青色のゴーグルをしており、太い眉毛と赤色の伊達メガネが特徴の少女が前にいた、男子にしては小柄で黒色のオカッパ頭で二本のアホ毛の生えており、白いシャツに黒の線の入ったズボン、頭に目立つ黄色の洒落た帽子を被っている少年に聞いた。
どうやら勇樹と呼ばれたその少年のメカでホームステイの相手を探し出して欲しいらしい…
勇樹はメカを創るのが得意らしいが、今は生憎そんなメカは持ってはおらず迷惑そうに駅の中で騒ぎ立てるツインテールの少女を見ていた。
もう気づいていると思うがこの3人はかなりの個性的な格好だ。
3人以外もかなりの個性的な格好をしている。
格好や動作からして個性的な面々で9人は秋葉原の駅では一際目立っていた。
いや、9人ではない、ちゃんと大人がいた。
「はいはい! ホームステイの相手の子たちをみんなで探すわし!」
異様なほど高いテンションで9人の先頭を歩く若い女性が…
因みにこのテンションの高い女性はミラクルの顧問のような存在の先生だったりする。
背もそれなりに高くすらっと伸びた長い手足、たわわに実った大きな胸、大きな少しのつり目、すんなりした鼻筋と整った形の良い唇、側から見ればかなりの美人でモデルと見間違えるほどのプロポーションを誇っている。
しかし、田舎生まれであろうの方言の訛りなのか少し標準語からずれたイントネーションで訛りなからしゃべっている姿はなかなか周囲から好奇の視線を向けられている。
「他の場所を探してみるか…」
小柄な少年の言葉にみんなが納得して個性的な面々は秋葉原駅を移動する。
「秋葉原駅の1Fにはいないみたいだから2Fを探してみようか…」
「秋葉原駅の2Fにはいないみたいだから1Fを探してみようか…」
穂乃果たちは上りのエスカレーターに乗り上の階に上る。
勇樹たちは下りのエスカレーターに乗り下の階に下る。
上りと下りのエスカレーターの重なる場所にμ’sの9人とミラクルの9人がすれ違う。
スッ…
「「…ん?」」
その時、エスカレーターがすれ違った、それだけで振り返る2人がいた。
μ’sのリーダーの高坂穂乃果とミラクルの頭脳の石川勇樹だ。
2人は引き合うように互いを探したが見つからない。
「穂乃果、どうしたんですか?」
「勇樹? どうしたの?」
μ’sは海未がミラクルは水色のワンピースの少女が2人に聞く。
「「いや、何でもないよ」」
2人は同じ言葉を言った。
2つの探偵団が出会うのまで後数時間…
ー数時間後ー
あれから数時間経ってようやく合流できた、とは言っても、ホームステイの案内役の人が来てくれたからだが…
ちなみに、このホームステイには案内役の人が1人付いている。
本来なら合流した時に連絡を入れて来るはずなのだが、時間になっても合流しないのでしょうがなくμ’sの絵里と海未が連絡をして案内役の人にすれ違いを取り持ってもらったのだ。
合流した後、場所を移動しホームステイの案内役の人の計らいで自己紹介が行われることになった。
まずは、言い出しっぺの案内役の人からだ。
「では、私から自己紹介しますね。 私の名前は山村志保、3日間あなたたちのホームステイの案内役を務めさせていただきます」
山村志保と名乗った案内役の女性は20代前半のように若くてスタイルの良い美人だった。
ミラクルの先生と並ぶほどのルックスを誇っていた。
人好きのするいい笑いを浮かべて自己紹介をした。
次は、μ’sとミラクルの自己紹介なのだが何分彼らは初対面だ。
思春期特有の恥ずかしさがある。
μ’sはミラクルのメンバーの個性的な格好に目を奪われていたし、ミラクルはμ’sのメンバーの予想以上のルックスのレベルの高さに目を奪われていた。
互いに目を奪われあっていたが、ここで自己紹介が動く。
スッ…
「ミラクルの皆さん、こんにちは! 私の名前は高坂穂乃果です! μ’sのリーダーをしています。 3日間という短い間ですが、他県と高校生の絆を深められると思います! よろしくお願いします!」
そう言って大好評のいつもの眩しい笑顔で手を差し出し握手を求めた。
相手がどんな人だか分からないので自己紹介に躊躇っていたが、ここはμ’s一高いコミニュケーション能力を持つμ’sの頼れるリーダーである穂乃果が挨拶する。
そして、ミラクルの真ん中にいた石川勇樹に手を差し出し握手を求めた。
「あ、ああ、石川勇樹だ ミラクルという探偵団のメンバーだ……!」
名乗った少年は【石川勇樹】と言い黒色のおかっぱ頭の髪型で瓶底眼鏡と2本のアホ毛を生やして頭に黄色の帽子を被っているのが特徴の少年だ。
身体に小さい生存プログラムのメモリーが埋め込まれた半分機械人間の人口サイボーグでいろいろなもので発明を作る天才発明家だと言う。
本人曰く運動と女性が苦手だと言う。
ミラクルの仲間からはミラクルの頭脳と呼ばれていた。
勇樹も自己紹介し返したが差し出された手に少しだけ抵抗していた。
それにすぐに気づいた穂乃果が「どうしたの?」と眉を少し上げた。
隣にいた灰色の短髪の少年が慌てて補足する。
「あ、勇樹は少し女性が苦手なんだ、君が嫌いとかじゃないよ!」
そう言うと穂乃果が「あ、ご、ごめん…!」と申し訳なさそうに手を引っ込めた。
少し気まずい雰囲気になったがミラクルの顧問の先生が『みんなも自己紹介しよう!』と明るく言ったので気を取り直して自己紹介をする。
勇樹の隣にいた灰色の短髪で背中から謎のチューブが出ていた少年は【太田陽】と言い太陽会社と呼ばれる会社の社長の息子だと言う。
お金持ち繋がりということで真姫と面識があるらしく、真姫の家にホームステイと案内役の山村に言われた時は真姫も陽も嬉しそうだった。
特に真姫は陽のファンと自分で言うくらいに憧れていたらしく、普段の彼女からは考えられないくらい喜んでいたらしくμ’sのメンバーは苦笑していた。
その隣にいた女性にしては高めの身長であり黄色のショートヘアーで黒色の帽子に灰色のコートを着ている少女は【暗山伊江】と言い実家が古い銭湯を営んでおり通称は格闘銭湯女と呼ばれているそうだ。
名前は暗いが性格は明るく自己紹介も活発でホームステイ先の矢澤にこともすぐに打ち解けていた。
女だが一人称が俺と言うオレっ娘というのも特徴だった。
因みに陽とは恋人関係らしい。
そのまた隣にいた人物は【佐々木桜】と言い世界的に有名な女優だ。
μ’sのメンバーを知っていたらしく本物に出会えたことに嬉しそうだ。
180センチメートルというかなりの長身で黒色のマフラーを巻いているのが特徴だ。
ホームステイする先の綾瀬絵里はハラショーと嬉しそうにしている。
次に自己紹介する少年は【中弐小森】と言いかなり小柄で緑色のはねたボブヘアーと両手に大きめの手袋の特徴だった。
自称【趣味こもり】と言うだけあり締まりのない服装をしており目の下に不健康そうにクマができていた。
これは、本人曰く、小さい頃、特殊な病状を患い外にあまりでないらしくゲームばかりをしているからこうなったそうだ。
ホームステイ先の東條希からは少し心配されていたが本人はあまり気にしていないようだ。
次に自己紹介する少女は【美樹幹子】と言いかなり高い身長で青いショートヘアーに赤縁の伊達メガネをかけており頭に青色のゴーグルをかけてかなり太い眉毛が特徴だ。
通称《不思議冒険家》と名乗るだけあり冒険が大好きらしく将来は冒険家が夢だそうだ。
運動神経がとても良いらしくボーイッシュなボクっ娘というところもホームステイ先の星空凛と気が合ったらしくてすぐに意気投合してハイタッチしていた。
身長差があるので幹子がしゃがんでたが…
因みにその後、凛を男の子だと間違えて凛に少し怒られたのは笑い話だ。
次に自己紹介する女性は【百合子・ビューティー】と言いバレー選手以上の長身で水色の三つ編みに頭にピンクのリボンを付けており白いストールを身につけて、アンテナのようなカチューシャが特徴の女性だ。
何でもいじめに遭っていた時に勇樹に助けられてから勇樹に好意を持ち今では恋人関係らしい。
身長が高いことが密かなコンプレックスである事も自己紹介で話した。
ホームステイ先の小泉花陽は人見知りな性格が災いして遠慮がちだったが穂乃果が取り持っていた。
次に自己紹介する少女は【シャーロック・アレン】と言いこれもまた女性にしてはモデルのような高い身長で赤い色の三つ編みのショートヘアーの髪型で右目に眼帯でフェンシングに使う棒を持ち歩いていて8つの蜘蛛の目のようなゴーグルを幹子のように頭に装着しているのが特徴の少女だ。
通称、《文和樹ガール》と呼ばれるイギリスからの留学生で英語、日本語、フランス語の三ヶ国語をペラペラ流暢に喋れるのが自慢だという。
背中から4本のアームが隠れているらしくピンチの時はこれを使うと言い分にμ’sのメンバーは苦笑した。
日本の文化が大好きでホームステイ先の園田海未とはすぐに意気投合したが留学生ということもあり日本の文化についての認識が若干ズレており訂正されていた。
次に自己紹介する少女は【祝福音】と言いピンク色のにこと同じツインテールの髪型で中学生と間違うような体型でハートのヘアピンとクマのぬいぐるみを持っており、クマがよっぽど好きなのかクマの刺繍が入った茶色の服にリュックを背負っているのが特徴の少女だ。
メルヘンチックで自己紹介から東京って『夢の国だって聞いたけどどこがそうでシンデレラとかいるの?』と聞いてμ’sを困らせたが、穂乃果が『それは東京ディズニーランドだよ』と説明して理解したらしくガッカリしていた。
仲間からは空想お馬鹿さんと通称されているがそれが彼女にとっては地雷だったらしく激怒していた。
ホームステイ先の南ことりとは裁縫と料理が得意という点で意気投合したらしく怒りの感情は吹っ飛んだらしく楽しそうにしていた。
最後に自己紹介する女性は【及川恵】と言いミラクルの顧問であり探偵団の所長となっている人だ。
焦茶色のショートヘアーで背も高くモデルのようなルックスでかなりの巨乳だ。
先生というのも感じさせないような元気な性格で親しみやすくμ’sのメンバーはすぐに好感を持った。
ホームステイ先はないのでホームステイの保護者ということで自腹で東京のホテルに泊まるらしい。
自己紹介もそれなりに終わり、ホームステイする前にそれなりに親睦を深めるために東京都内を自由に散策ということになった。
案内役の山村は夕刻になったらホームステイ先に送るため迎えに来るとそうだ、昼食はお台場付近のアクアシティに予約を入れているから摂るように言い、集合場所を連絡して別れた。
自由散策では東京都民のμ’sが案内を務める。
バラバラに行動すると集合が大変なので全員で行動することになった。
最初はお台場を見学しようと言う案に決まり移動する。
しかし、途中にある大きなゲームセンターである東京レジャーランドに小森が寄ろうと効かないため、希に後ろから胸を揉まれる【ワシワシ】をお仕置きと称されてされた。
μ’sも天敵な攻撃のためこれは小森を助けられなかった。
揉んだ時に小森の結構大きな胸に希は驚いたが、にこや凛、海未から刺されそうなので黙っておくことにした。
ゲームセンターに結局寄り、凛と幹子はペアで相手をなぎ倒すバーチャルゲームをプレイした。
運動神経抜群の2人はオールクリアでゲームを終えて大喜びだ。
他にも、射撃ゲームで海未とアレンがペアで最高スコアを叩き出したり、桜が機械限定のゲームであるチャンバラゲームに素早い剣さばきで最高スコアを叩き出したりして、ゲームセンターの注目を浴びていた。
しかし、その中でも1番注目を浴びたのは小森だ。
小森は大喜びでゲームに没頭し、様々なゲームでハイスコアを叩き出してゲームセンターの店員やゲーマーたちを驚かしておりそこから出たのはおよそ2時間後だった。
昼過ぎになり昼食を取るためお台場の近くのアクアシティに入る。
「すげぇ! でかい店だな! オレ、こんな大きな店見たことないよ!」
「いっぱい、ものがあって良いものが浮かんできそうだ!」
伊江と勇樹が些か興奮したように言った。
他のミラクルのメンバーも興奮していた。
μ’sのメンバーにとっては見慣れた光景でもミラクルにとっては新鮮なようだ。
予約の店は大きな中華レストランで19人が入れるようになっていた。
そこで、さらにいろいろな会話を交わし親睦を深めた。
しかし、昼食が終わり店を出ようとした時…
「いや〜 とても美味しかったね〜」
「そうだね!」
「日本の料理は本当に美味しいな」
穂乃果と福音、アレンの3人が料理に感想をこぼしている。
他のみんなも満足そうにお腹をさすっていた。
そこに来訪者がやって来た。
「すいませーん! そこの人たち!」
「!」
みんなが声のした方を振り返ると小太りな中年男性が追いかけて来た。
それは、中華料理屋にいたお客さんだった。
「ミラクルっていう探偵団って君達だよね?」
「え、ええ…」
中年男性の言葉に陽が返答する。
「あ、良かった。 実は君たちにこれを渡せと言われてね…」
中年男性はそう言うとポケットから封筒を取り出して陽に見せた。
「何だろう?」
陽が封筒を開けて中を見ると1枚の紙が入っていた。
綺麗に畳まれている。
紙を広げるとそこには文字が書いてあった、それを見た途端に陽の表情がピシリと固まった。
「こ、これは…」
顔色の悪くなった陽を見てほかのメンバーも陽の持っている紙を見る。
「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」
全員が目を見開いた。
そこに書かれていたのは…
《オマエタチノ仲間ノ天才発明家ノ石川勇樹ヲ貰イニクル、拒否スルノナラコウダ!》
「こ、これは予告状⁉︎」
「ゆ、勇樹を貰いにって…」
絵里と幹子が驚きの声を上げる。
全員が勇樹の方を見る。
勇樹も目を見開いて動揺していた。
「ちょっと待って! ここの《拒否スルノナラコウダ!》ってどういう意味なの⁉︎」
穂乃果が予告状に書いてある文字について呟いた途端!
ドッガーーーーーーーーーーン!!!!
「「「「「「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」」」」」」」」
何と今の飲食店の前に置いてあった豚のオブジェが大爆発を起こしたのだ!
幸い近くには人はいなかったため怪我人は出なかったがアクアシティは大騒ぎになった。
そして、爆発したオブジェの近くにさっきの封筒と同じ封筒が落ちていた。
もしやと思って近づくとそこに書かれていたのは案の定予告状の続きだった。
《分カッタカナ? 因ミニ警察ニ知ラセタラコレヨリ大キナ花火ヲアゲルヨ〜? 君タチノ勇樹ハ今日、一瞬ノ内ニ消滅スルヨ〜? コレハ誰ニモ防ゲナイカラネ〜》
「こ、これは…」
穂乃果が呟くと全員が言葉を失った。
この予告状の送り主は今日の内に石川勇樹を誘拐するというのだ。
そして、《一瞬ノ内ニ消滅スル》と言う謎の文章を書き記してしていた。
「ちょっと、アンタ! 一体どういうつもり⁉︎」
「こんな騒動起こすなんて福音怒ったよ!」
真姫と福音が予告状を渡した中年男性に突っかかる。
中年男性は呆然としていたが漸く我に返り手を顔の前でバイバイするように振りながら弁明し始める。
「い、いや違う! 私はこんなこと知らないぞ! 私はフードを被った人に、変な格好をしたミラクルと言う探偵団の石川勇樹にこれを渡せと言われただけで… ただ君たちにこの封筒を渡せとしか…」
しかし、その声は届かず、福音たちだけではなく他のメンバーも中年男性を疑い始めた。
だがそこに他の人物が横槍を入れた。
「「その人の言っていることは本当だと思うよ(ぞ)?」」
「え⁉︎」
その横槍を入れた人物は穂乃果と勇樹だった。
同じことをハモった2人は顔を見合わせたが、今は中年男性の無実を証明するのが先なので説明をし始める。
「その人が本当に予告状を出したのなら、私たちに『君たちがミラクルと言う探偵団か?』なんて聞かないと思うし、その予告状の書き方から犯人はかなり自信過剰で自分の計画に自信を持っているようだから、いつまでもここに残っているようなミスはしたいと思うし」
「それに、そのオジさんは爆発した時にあんなにびっくりして呆然とまでするのは可笑しいだろう? 自分が仕掛けたトラップにびっくりするのは相当の間抜けか馬鹿だ。つまりオジさんは犯人ではない全くの無関係の人間だってことだ。 つまり、ここを爆発させて予告状を出したのはオジさんの言っていたフードを被った謎の人物だと言うことだ」
「な、なるほど…」
「そ、そう言われてみればそうね…」
穂乃果と勇樹の説明に全員納得したらしく真姫と福音はいきなり疑ったことを中年男性に謝罪した。
その後、中年男性から説明を求めたが中年男性はフードの人間としか覚えておらず、男か女かも分からないとしか言えなかった。
警察に連絡しようにもこのような事が起きたら無闇に連絡できない。
あれこれ、考えている内に集合時間になり集合場所にやむを得ず移動するしかない。
ー集合場所ー
集合場所で山村に事情を説明すると山村は驚いたような顔をして勇樹の心配をした。
全員が勇樹の心配したが勇樹はこう言った。
「犯人の特徴さえも分からない今、どうする事も出来ないし、警察もこの予告状だけでは信じてくれない可能性がある、だからこのままホームステイを続けて俺が囮となるよ…」
勇樹のこの言葉に全員が猛反対したが勇樹は譲らなかった。
結局、勇樹以外の全員の方が折れてその案が可決された。
そして、勇樹を守るために最低1人は勇樹の側を離れない事が条件とされた。
手紙には〈今日中〉と書いてあった為、穂乃果の説明通り自信過剰な犯人ならばミスしたら勇樹を狙うことはもうないと推測したが、念のためホームステイ中はこの条件で3日間を過ごすことになった。
そのため、勇樹のホームステイ先のの穂乃果には厳重に注意がされた。
今後の方針が決まり、ホームステイ先に行くために市営バスに乗り込んだ。
この時間は人が少なくスムーズに乗れたのは幸いだった。
バスの中にはμ’sとミラクルと及川先生と山村を除いても数人しかいなかった。
バスのドアが閉まりホームステイ先に出発した。
十数分ほど市営バスに揺られるとトンネルの前で止まった。
このトンネルはトンネル内のライトの故障により工事中なのだ。
トンネル内のライトが壊れているためトンネル内は真っ暗で何も見えないためトンネル内では減速が義務付けられている。
バスはトンネルに音を立てて入って行った。
そして、このトンネルで予告状の通りに一瞬にして消える出来事が起こる。
それはまるで、トンネルが人を吸い込んだかのように…
【水内薫様】これでよろしいでしょうか?
事件は私の完全オリジナルですので上手くなくてすいません…
出会い編をかなりすっ飛ばしてすいません…
次回からはガチガチシリアスになります。
ご指摘、感想をいただければ早く続きを投稿できるようにします。