ある大きな屋敷で殺人事件が起こった。屋敷の主人が胸を刺され殺されたのだ。その屋敷でオレンジ色のサイドテールの髪型に青い瞳をした17歳くらいの少女が、屋敷の大広間で事件の関係者を呼び集めて事件の推理を話していた。
「トリックは、今、説明した通りです。そして、このトリックができた人は1人しかいません。」
「は、犯人は、誰なんだ。」
少女が、ゆっくりと腕を上げて、ビシッと、1人の人間を指差した。
「犯人は、奥さん、あなたしかいません‼︎」
その少女は、両腕を骨折している奥さんを指差した。
大広間が静まり返る。
「そ、そんな悪い冗談はやめてください。私は、両腕を「下手な芝居は、やめてくださいよ。」え?」
「もう、嘘はバレてるんだよ‼︎」
少女は、奥さんに近づいて、思いっきり奥さんを突き飛ばした、よろけた拍子に折れている奥さんの腕が動いて奥さんの体を支える。
「奥様、腕が‼︎」
「し、しまった‼︎」
「あなたの通っていた、病院からは聞きました。あなたの両腕は、もうとっくに治ってるんだよ。」
少女は笑顔で言った。
少女は続けた。
「それに、あなたが、ご主人と折り合いが悪くて、最近よく揉めていた、ということも、もう、調べてあるし。動機も十分あるんだよ。」
少女は、奥さんの前に立って言った。
「もう、観念しなさい。」
その言葉に奥さんはその場に四つん這いになって倒れる。
事件現場に駆けつけていた刑事たちがその少女を驚きの目で見ている。
「す、すごいね、君は、」
1人の刑事が、少女に声をかけると、
「そんなことないですよ〜、たまたま解けただけですから。」
さっき推理していたときと違い、照れくさそうに笑う少女。
その姿は、年相応の少女だった。
「事件が解決して、刑事さんたちの役に立てて良かったです!」
少女は、刑事たちに眩しいくらいの笑顔をむけた。
その笑顔に思わず、刑事たちだけではなく、周りにいた男女問わず全員が見惚れてしまった。
固まったまま動かない刑事たちに、少女は、「どうしたんですか?」と聞く。ようやく、我にかえった刑事たちは、少女に「事件を解決してくれてありがとうございました‼︎」と、持ち前の大きな声で言う。
少女は、さっきの笑顔で、「いえいえ、どういたしまして、」と言った。
「じゃあ、私はこれで」
少女が、事件現場から立ち去ろうとすると、
「待ってくれ‼︎」と1人の刑事が呼び止めた。
「君の名前を教えてくれ。」
少女は、驚いたようだが、すぐに笑顔で言った。
「私の名前は、高坂穂乃果です!」
少女は、そう言うと刑事たちに手を振って立ち去った。
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