彰「結局あれから票動かずだな」
作「結局二番の圧勝じゃないですかヤダー」
彰「でももうそれで構成出来たんだろ?」
作「めちゃくちゃ頑張って漸くだがな‼」
彰「この話の後新キャラの二人の紹介出してそれから第二期突入するんで、F.I.S組の登場はもう少し待っててくれな」
作「では、第一期最終回どうぞ‼」
「あの子があぁなったのは今から10年前、あの人が亡くなってからの事です」
「あの人というのは【
「ハイ、夫は亡くなる五年前に以前まで働いていた所を辞めて今迄貯めていた貯金の一部を切り崩しながら全国の遺跡を回っていました、その過程で論文を書いて学会で発表するなどして家計を助けてくれていたんです、当時は私も育児に忙しくて私の母やあの人の義母さんにも手伝ってもらいながらどうにか二人を育ててこれたんです…………あの日までは」
辛い過去を思い出しているからか、表情も暗くなりとても苦しそうな雰囲気を出し始め
「…………切り出したのは此方ですが、お辛いようでしたら後日改めてお聞きしに来ることも出来ますが……?」
「いえ……申し訳ありません、最近どうにも明るく振る舞えなくて…………ご心配なく、私は大丈夫ですので」
出来ることなら思い出したくはないのだろうが、コレが今後の為になるらばと気を持ち直し
「あの日……あの人は知り合いの学者チームに誘われて嘗ての旧本能寺跡で調査を行っていたんです、あの戦国大名【織田信長】の遺体の捜索と信長に繋がる可能性のある遺物の調査、それがその時の目的だったそうです………ですが………」
「そこにノイズが現れた………結果調査団はその時本能寺から離れた場所でデータの取り纏めを行っていた男性一名を除き全滅………という事で間違いは……?」
弦十郎の補足を小さく頷く事で肯定し、両手を握り締めながらポツリポツリと
「葬式直後はまだ普通だったんです………あの人の死を哀しんで、それでも明るく努めようと必死な子供で………でも、ある日同級生の子とケンカになったときに頭を殴られたらしいんです………所詮は子供のケンカです、誰もそこまで酷くはならないと思ってたんですが………」
「ケンカの場所が悪く、偶々そこにあったベンチの角に後頭部を強打………でしたか、当時の通院記録を不躾ながら拝見してきました、五針縫う程のケガだったそうですね?」
「ハイ、私も電話があってパート先から急いで学校に向かったんです………それで学校に着いて現場迄行ってみれば………」
「逆月君がその同級生を逆に叩き潰していた………」
チラリと弦十郎は自身が持ってきた逆月彰の調査報告書を眺め、彼の凄惨な過去を想像していた
(後頭部を強打し出血しているにも関わらず同級生を殴り倒せるほどの頑丈ぶり………恐らく、この時に【神性大英雄】が稼働したと見て間違いないだろう……だが、それが彼の変貌とどう関係がある?)
後に弦十郎は知ることになるのだが、この頭部強打が彼の前世の記憶の蓋が外れる原因だったのだ、だがこの時は彼が前世持ちだとは知らないので経験からの推測でしか情報を精査出来なかった
「その日は一先ず各々ケンカ両成敗で話は纏まって直ぐに彰を病院に連れていったんです………幸いなことになってすぐの事だったので大事には至らなかったんです………問題が起こったのはその一週間後、彰が学校に行ったその日に起こりました」
「その日直ぐに彼を殴った少年をトイレに呼び出し、腹を数発殴打した……それで間違いは?」
「ありません……それ以降も相手方の親にバレないレベルで何度も繰り返していたそうです……親や教師に話そうとすると『頭の件まだ許してないからな?誰かに話したらこの頭と同じ事をしてやるぞ?』と脅していたそうです………それが卒業迄続いていたそうで………」
「所詮は子供のケンカ……マトモな目撃者がゼロで尚且つ暴行されていた少年は先に彰君に重症を負わせている、となると取り合ってくれる可能性もかなり低くなる、彼はそれが分かっていたのかも知れませんな……」
「元々成績優秀・運動神経抜群、何でも出来る子でしたから………性格もちゃんとしっかりした良い子だったんです………でも、小学校での一件があってからどんどん歪んでいって………」
「中学では学校の表と裏、教師の隠したいプライベートの失態すら利用して学校の運営すら自在に操る程の悪意を見せ始めた………」
非常に辛い過去でもあるので、これ以上話させるのも酷と判断し話を切り上げようとしたが、玲はそれを拒否し
「その頃から私達と口を聞かなくなっていたんです………以前は兄にベッタリで非常に仲のよかった妹の
」
〈ガチャ
「ママただいま~‼ゴメンねママ、今日部活の日なの忘れててちょっと遅くなっちゃった‼」バタバタ
「………今の声が妹さんの……?」
「ハイ、妹の【飛鳥】です………飛鳥~?ちょっと居間まで来てくれる~?お客さんが来てるの」
〈ハーイ、チョットマッテテ~‼キガエテスグイクカラ‼
急いで二階に行ったのだろう、図示からドタバタと慌ただしい音が鳴り響き、彼女が相当急いでいることが伺い知れた
「妹さんは今何歳で?」
「今年で16になりました、受験に忙しいのですがまだ部活で後輩の指導をしていて………吹奏楽部なんですあの子、バイオリンが凄く上手で」バンッ‼
「OKママそこまでよ‼あまり褒めないで恥ずかしいから‼」
大急ぎで着替えてきたのだろう、肩で息をしながらそう叫ぶと玲の隣に座り
「ゴメンね飛鳥?本当に上手だから自慢したかったの………紹介します、娘の飛鳥です…飛鳥?この方は風鳴弦十郎さん、お兄ちゃんの捜査をしているんだって」
「…………初めまして【逆月飛鳥】と申します、愚兄が何やらご迷惑をお掛けしたようで同じ血の流れている物としてお恥ずかしい限りです」
「お気になさらないでください、此方も仕事ですから……それで、最後に確認をしたいのですが?彼の通っていた高校が無期限休校になって以降、彼はこの家には帰ってきていない、という事で間違いありませんか?」
弦十郎の質問に対して二人とも首を縦に頷きそれを肯定、直後に飛鳥は体半分ほど前に出ると
「風鳴さん、一つだけお願いがあります」
「お願い……ですか?」
「もし愚兄を見付けたら連絡をくれませんか?一発思いっきり殴らないと気がすまないので」フンス
鼻を鳴らし兄の今までの所業にご立腹だと表現し、握り拳を作ってそれをアピールしていた
「分かりました発見し確保した後、必ずご連絡いたします」
「ありがとうございます」
弦十郎の言葉を信じ深くお辞儀をし感謝の意を示す飛鳥、その行動を見ながら
(とても出来た子だ、恐らくは両親の教育が良く行き届いているのだろう……それと、嘗ての兄の姿を真似ているのかも知れないな)
以前は非常に出来た少年だったからこそ、そんな兄の背中を何時までも追いかけ続ける飛鳥、何時か追い越し兄を見返す日が来ることを夢に見ているのだろう、後思いっきり殴ってやるのも忘れずに
その後は軽く一言二言交わし、夕食時も近いので帰っていった弦十郎、とりあえずは彰の過去を知れたのが収穫だったのか右腕の事や夫の武の事、そして『彼の残した遺品』については深く追求もせずにその日はお開きとなった
―――だが、この時の判断を後に彼は後悔することとなるだろう、この邂逅が一人の少女の運命を歪ませることとなるのを知るのは、Queen of music当日となる
~一方その頃、米国シカゴ某所~
「……………………」
とあるカフェで一人の男性がコーヒーを飲みながら英語で書かれた新聞を眺めていた、色々と書かれているが彼が注目しているのは
『月の軌道は正常なまま、NASAが発表』
「フン、あのファッキンアメリカン共が………よほど自分達の身が大事と見える」
『彼女』から既に真実を知らされている身としてはこの報道が非常にバカらしいと思え、もう見る価値も無いと判断し、新聞を畳むと腕時計を確認し
「そろそろ時間か」
〈カランカラン、コッコッコッコッ
「待たせたかしら?」
「い~や、時間通りだ………初めましてと言っておこうかな?世界の歌姫『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』?」
「挨拶は無用よ『オルガ・トルネーリ』早速本題に入りましょう………何故私達F.I.Sに、マムに接触したいのか話してもらいましょうか?」
席に着きながらそう促すマリアをサングラス越しに見つめる男性――オルガ・トルネーリ――は、横に置いておいたスーツケースから一つのクリアファイルを取り出すと
「説明するより見ていただいた方が話が早いので、此方を見ていただけるかな?」
元々正体不明のこの男を調べるためにやって来たマリアとしては、その真実に近付くのならばとそれを受け取り一枚づつ中身に目を通していった
すると段々と表情が強張っていき、確認していく動作も徐々に早くなっていった
この調子だと20枚ほどあったこの資料も直ぐに読み終わるだろう、そう結論付けるとオルガはコーヒーを手に持ち
(一先ず第一段階終了………此処からが本番だが、まぁそこは上手くやればどうにかなる、後はどうやってコイツらを引き連れていくかだが………流れに任せていきますかね………)
内心そう結論を出すと、オルガはマリアにあることを切り出し、少しの間迷ったがマリアもそれを承諾二人ともカフェを後にした
米国の裏に入り込んだオルガ・トルネーリ、彼が世界を引っ掻き回すのはもう少し先のお話である
彰「見てくれてる人はそんなにいないだろうが、第二期から前書き後書きでの作者との会話のキャラ変更になるんでよろしく」
作「そのキャラについてはその時発表しま~す」