極道、異世界へ   作:カミガミ

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桐生さんの服装はお馴染みのグレーのスーツです。
そして、本文を見ればわかりますが開始地点は天空闘技場からになります。早く桐生さんを戦わせたかったからです。
ちゃんとゴン達とも旅をさせたり、ハンターライセンスも取らせますので心配なく。



二章 天空闘技場

桐生が再び目を覚ますとそこには、とてつもなく高い建物が目の前に建っていた。

「ここが、異世界?」

 

周りを見渡すと高層ビルなどが、建ち並んだいた。

 

建物は元の世界変わっていないな。

 

桐生が周りを見渡していると桐生のスーツにポケットから、紙が擦れる音がした。

 

…ん?ポケットに何かあるな。

 

ポケットに手を入れると一枚の紙が出てきた。その紙を開くと、

 

お主がこれを見ている頃にはもう着いていると思うがそこが異世界じゃ。お主はその世界で仲間達を見つけ、旅をしてもらいたい。見知らぬ文字をあると思うが安心せい、ちゃんと読めるようにしているからの。ちなみに、目の前の建物は天空闘技場というところじゃ。金と必要な物は用意してあるが、金が足りなくなったらそこで闘って稼ぐのじゃ。それじゃ、頑張るのじゃぞ。 by神様

 

…なるほどな。天空闘技場か、俺にぴったりのところだな。金はあるが、確かにこれだけじゃ心もとないな。とりあえずは稼ぐか。

 

金を稼ぐ必要がある。そう判断した桐生は、天空闘技場に向かった。

 

 

 

「天空闘技場へようこそ。こちらに必要事項をお書き下さい。」

そう言って空欄がある髪を渡してきた。

 

…本当に見たことない字だな。けど読むことができる、これもあの爺さんのおかげか。格闘技経験か…格闘家と何度か戦ったことはあるが、学んだことはねぇな。…まぁ良い、適当に10年と書いておくか。

 

必要なところを全て書き受付に紙をわたす。

「それでは中へどうぞ。」

受付に案内された先に行くとそこには、中央に16個ものリングが設置されており、その上で男達が戦っていた。

「ここで戦うのか。」

 

賽の河原みたいなところだな。恐らくここで勝って金を稼げば良いんだな。

 

桐生が観客席から試合を観戦していると、

「1859番、1811番の方Aのリングへどうぞ。」

 

早速俺の出番か…

 

係員に案内されてAのリングまで行く。リングに上がると、桐生の向かい側に若く屈強な男が上がってきた。

「なんだよ、おっさんじゃねぇか。おいおっさん、怪我をしたくなかったらとっと帰りな。」

そう言って男は桐生を挑発してきた。

 

こいつが俺の対戦相手か…闘技場だから格闘家が相手と思ったが、街のチンピラレベルだな。

 

「お前みたいなガキこそ此処に来ない方が良いぜ、怪我をする前に家に帰ってママに遊び相手でもして貰え。格闘技ごっこなら家でもできるぜ。」

「なんだとてめぇ!!」

挑発してきた男に桐生が挑発し返すと、男はこめかみに青筋が浮かんだ。

桐生の挑発に余程腹が立ったらしい。

 

「ここ一階では入場者のレベルを判断します。制限時間3分以内に自らの力を発揮して下さい。」

そんな二人を無視して審判が説明を始めた。

 

試合時間は3分以内、その間をこいつを倒せば良いんだな。

 

「それでは始め!」

「ぶっ殺してやるぜ!!」

審判の合図と共に目の前の男が桐生に向かって突撃してきた。

男は振りかぶった右腕で桐生の顔面めがけて拳を振るってきた。

 

遅い。

 

桐生は男の右腕を避けて男の顔面を殴った。

「がはっ!!」

すると男は場外まで飛んで行った。

 

!!…今のはそれ程強くは殴らなかった筈、手加減をするのを忘れたのか?いや違う。戦って初めてわかったが、力がみなぎっている、体も軽い!まるで若い頃のように動くことができる!

 

自分の体の変化に戸惑っている桐生の脳裏からある一つの事を思い出した。

 

そういえばあの爺さんが俺を異世界に送るときに、

 

少し体を若くする程度じゃ。って言ってたな。これもあの爺さんの仕業か…

 

「うお!まじかよ….」

「.一発で場外まで…」.

桐生の力に観客席がどよめく。

「…1859番、キミは120階へ。」

審判がそう言い、手に持っていた機械に操作すると、レシートのようなものが出てきた。

「頑張って下さい。」

「あぁ、ありがとう。」

審判から差し出された紙を受け取りその場を去る。

「こちらへどうぞ。」

係員に案内されてエレベーターに乗る。

「このビルでは200階までは10階単位でクラス分けされています。つまり、50階クラスの選手が一勝すれば60階クラスは上がり逆に敗者は40階クラスへ下がるシステムです。ちなみに、100階クラスになると専用の個室が用意されます。なので、キリュウ様の個室は既に用意されています。」

 

なるほど…そういうルールなのか。個室が用意されているのはありがたい。これで、宿に泊まる必要がない。

 

「120階でーす。キリュウ様は受付までファイトマネーを受け取りに行って下さい。」

 

ここが120階か、とりあえずファイトマネーを受け取りに行こう。

 

「いらっしゃませ。キリュウ様ですね。個室の鍵とファイトマネーです。」

「ありがとう」

鍵とファイトマネーを受け取る。

「ファイトマネーは、約缶ジュース一本文か…まぁ、一階だからな。

さてと、用意された個室へ行くか。」

 

受け取ったファイトマネーを持ち、個室へ向かった。

「ここが俺の部屋か。これで宿の心配は無いな。金は明日からまた戦って稼ごう。今日はひとまず休むか。」

 

 

 

 

「両者構え!始め!」

次の日、桐生は金を稼ぐ為闘技場で戦っていた。

 

120階って言っても強さは大して変わらないな。…それにしても改めて動くと本当に力がみなぎるな。これなら若い頃のように力強く、殴る!

「ぐわっ!」

桐生の左フックが相手の顔面に刺さり、体勢が崩れる。

「おらぁ!」

その隙をついて、さらに右アッパーで攻撃した。桐生のアッパーをもろに受けた相手はそのまま場外まで飛んでいった。

「ダウーン!キリュウ選手のアッパーをくらってしまい一発KOー!!キリュウ選手の一発KO勝ちー!!」

観客席から大きな声援が上がる。

 

…今の動きで思い出したぜ。若い頃の喧嘩のスタイル、チンピラスタイルを!!

 

「ファイトマネーは指定口座に振り込みました。」

 

すごいな…一戦するたびにこれだけの額が貰えるのか。これなら金の方は問題なさそうだな。

 

「ダウーン!キルア選手またしても一発KO勝ちぃー!おっと、隣の会場ではゴン選手がこれまた一発KO勝ち!!これで二人とも三日前に参加以来6戦連続無傷の勝利です!!」

 

そういえばあの少年たちもここ最近連勝しているな、子供ながら中々やるようだな。もしかしたら、いつか戦うかもな。

 

 

「さぁー始まりました!今回、対戦する選手は、圧倒的な力で対戦相手を一発KOで倒してきたキリュウ選手ー!!対するは、華麗なボクシングで相手を翻弄しキリュウ選手と同じく一発KOで勝ってきたギル選手ー!!」

 

 

 

「両者構え!始め!」

 

今日の対戦相手はボクサーか…相手のペースに飲まれないようにしないとな

 

キリュウとギルがお互いじりじりと間合いを詰める。

「キリュウ選手とギル選手お互い間合いを計っております!」

 

…間合いに入った、相手はまだ出さないか、ならこっちから行くぜ!

 

「おらぁ!」

桐生の右の拳がギルの顔面めがけて襲ってきた。ギルはその攻撃をダッキングでかわして、空いている桐生の右の脇腹にボディを入れようと左のパンチを繰り出した。桐生はそのパンチを右腕を引いて肘で受けギルの顔面めがけて今度は左の拳を振るった。しかし、ギルはその攻撃も体を後ろに引くことでかわした。

「おぉーっと!!お互い激しい攻防を繰り広げています!!」

桐生とギルの激しい攻防により、会場の熱気はヒートアップしていた。

 

…ちっ、厄介だなあのボクシングのスタイルが。今の俺のチンピラスタイルとでは相性が悪いな。

 

「ふっ、俺とお前じゃ相性が悪いな。ボクサーの俺からしたらパンチの威力は大したものだ、だが、動作が大きいうえにスピードが足りないな。そんなんじゃ、いつまで経っても俺に拳は当たらないぜ。」

「……」

「まぁ心配すんなよ。楽に倒してやるから、よ!!」

ギルが一気に桐生の間合いまで詰めて、そこからシャブを放ってきた。

桐生はそれを腕でガードしたり、かわしながら凌いでいる。

「ここで一気にギル選手が畳み掛けたー!!素早いシャブです!キリュウ選手これをなんとか凌いでいます!」

「どうした!?避けてばかりじゃ倒せないぜ!」

「……」

桐生はギルの攻撃をさばいて、ギルの顎が空いた瞬間にアッパーを放った。しかし、ギルはこれも素早く体を引いて避ける。

「だからって、攻撃しても倒せないがな!」

ギルはまたもや素早い攻撃繰り出し、桐生はそれを避ける。

 

「キリュウ選手防戦一方ー!!やはりキリュウ選手もギル選手のボクシングスタイルについていけないのかー!?」

(ちっ!中々しぶといな、上手く攻撃を防いでポイントがとれねぇ。)

すると、桐生が突然大きく後退して間合いを取った。

「…なるほどな。そうだったか。」

「あぁ?何納得してんだ?」

「いや、納得したんじゃねぇ、思い出したんだよ。」

「はぁ?何わけの分らねぇこと言ってんだよ!」

ギルが再び間合いを一気に詰める。

 

「ギル選手ここで勝負をかける気かー!?」

(さぁ!攻撃を打ってきな!そののろい攻撃をかわして、カウンターを入れてやるぜ!)

桐生は間合いを詰めてきたギルを迎え撃とうと構えをとったが、攻撃を出す気配がない。

(何もださねぇのか?ならその顔にストレートを打ち込んでや…っ!?)

ギルが攻撃を繰り出そうと思考している最中に突然、顔に衝撃が受けた。

「クリティカル!2ポイント!キリュウ!」

(ポイントッ!?なんだ!?攻撃したのか?いつ?!いや、それよりも…)

ギルの目の前には右ストレートを放とうとしている桐生が見えた。

(後ろへ、回避を…!)

ギルは慌てて後ろに下がり、なんとか桐生の攻撃をかわした。

「てめえ!一体何を…!?」

ギルは桐生の姿を見て思わず目を見開いた。なぜなら、桐生は両手の拳を顎の高さぐらいまで上げ、軽やかにステップを踏んでいたからだ。

 

「その構え、てめえもボクサーだったのか!?」

「何と!これまで力のみで戦っていたキリュウ選手がボクシングの構えをしています!キリュウ選手、実はボクサーだったのかー!?」

 

…やるのが久しぶりだから、あいつの動きを観察しながら思い出していたら時間が掛かっちまったぜ。ラッシュスタイル!

 

そう、桐生は攻撃を避けていたのではない、観察していたのだ。ラッシュスタイルを思い出す為に。

 

「いや、俺のはボクシングとは少し違ぇぞ。」

「何?一体どこが…」

「気になるならかかって来いよ、その身に教えてやるぜ。」

「てめえ!調子に乗ってんじゃねぇ!!」

ギルは今までと同じく素早いジャブを放つ。しかし、

「おぉーっと!キリュウ選手、ギル選手のジャブをことごとく避けていくー!」

当たらない。

 

「なっ!?」

(バカな!?ボクシングで俺より上だというのか?!)

「シッ!」

ギルがジャブを放とうとした瞬間、桐生はギルの顔面にジャブを繰り出した。

(…っ!見えねぇ?!しかも、重てえ!)

「クリティカル!3ポイント!キリュウ!」

「キリュウ選手またしても的確に攻撃を当てて、ポイントを稼ぐー!ギル選手は残り5ポイント取られると、TKOで負けになります!」

(くそっ!不味い、このままじゃ、ポイントを取られて負けてしまう!)

 

「どうした?自慢の素早い攻撃で当ててみろよ。」

「てめえ!ぶっ殺す!!」

桐生の挑発にギルの苛立ちが爆発した。ギルは怒りに任せて攻撃を繰り出す。

「ギル選手まるでマシンガンの様にパンチを放ちます!しかし…」

(当たらねぇ!?)

それでも、ギルが狂った様に打つパンチを全て桐生は避ける。そして、ギルの攻撃を掻い潜って放った、桐生の左のフックがギルの顔面を捉えようとしていた。

 

(不味い!!避けねぇと!)

ギルが左のフックをダッキングで避けようしたとき、桐生が左腕を引いて右腕でボディを放った。

(っ!左はフェイント、本命はこっちか!)

ギルが桐生のボディを防ぐため左腕を下げた瞬間、

「シッ!」

ギルの右のこめかみに強い衝撃がはしった。

「がっ!?」(何だ!?!何を…!)

困惑したギルが見たのは右脚を上げている桐生の姿をだった。

「て…めぇ…ボクシングなのに、ハイ、キックだと、」

ギルはそれを言い終える間も無く、力尽きた。

「言っただろ。俺のはボクシングとは少し違うと。俺がやっていたのはボクシングじゃねぇ、喧嘩だ。」

「ギル選手KO!キリュウ選手の勝利!!」

「なーんと!!キリュウ選手がボクシングでギル選手を翻弄しているかと思った瞬間、まさかのハイキックー!!キリュウ選手KO勝ちー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キリュウ、か…くっくっくっ…♣️彼は、格別に美味しそうだなぁ♥️」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハイ、ということで
桐生さん、チンピラスタイル、ラッシュスタイル開眼!!
まだまだ桐生さんの強さを伝えきれてないので、もう少し頑張らないとなぁ。

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