美城家の子供に転生!?   作:お菓子

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第7話 パーティーそして別れ

 無事ライブも終わり、屋敷に帰れば家族から抱きしめられメイドの皆はハンカチで涙を拭いていた。

 

 新商業施設オープンのニュースは早速夜に流れ、うれしいことにライブの映像や名前も放送されとてもありがたかった。

 

 CD発売PRとしてテレビCMから宣伝カー、美城のスポンサー番組ではゲストで出演して大物俳優から期待の新人と紹介されたり、お笑いの人から「めっちゃ良い曲です」とすごいプッシュをうける。

 

 オーディションではルーキーズやTOP×TOP!を実力で1位を獲得し、一気にアイドルランクを上げ上々の滑り出しをする。

 

 

 

 そんな中ついに姉のアメリカ行きが決定され、激励会のパーティが始まった。 各財閥が来る大きなパーティでありテレビに影響を与えるスポンサー企業ばかりなので食事もできずに挨拶に追われる。 

 

 一通り挨拶も終わり食事にありつけそうな時に声をかけられる。

 

 「お疲れさま、ユキ大変だったみたいね」

 

 「あんたが挨拶してる間に食事も終わっちゃったわ、もっと早く来なさいよね」

 

 数少ない友人の東豪寺麗華と水瀬伊織である。

 

 

 

 二人との出会いはやはりパーティで、まだ小学生だったとき大人達の挨拶で東豪寺財閥のご令嬢として麗華が紹介され、そして水瀬財閥のご令嬢として伊織が紹介された。

 

 退屈な大人達から庭へ逃げ3人で集まり自己紹介をする。 

 

 「改めまして東豪寺麗華よ、よろしく」

 

 「はじめましてとってもかわいい水瀬伊織ちゃんです、にひひ」

 

 うん、幸運エンジェルの時の麗華と微妙にネコかぶってる伊織だ。

 こちらも負けじと挨拶。

 

 「はじめまして美城幸高です」と無難に挨拶しつつ、手を広げ二人まとめて抱きしめる。

 

 「なっなっなっ、キャー!」

 

 「ちょ、ちょっと何すんのよ!」

 

 麗華から胸を思いっきり押され、離れたところで伊織から弁慶の泣き所を蹴られる。

 

 「この変態! ド変態!! 変態大人っ!!!」

 

 ありがとうございます! 心の中でお礼を言いつつ立ち上がる。

 

 「いたた、いや欧米式の挨拶しただけだよ」

 

 疑わしそうな二人の目、うん本当に駄目な出会いだったと思う。

 

 この後、3人共アイドルを目指していることや、花火で遊んだりして仲良くなりパーティーで会うたびに集まっていた。

 

 

 

 「そういえば、この前の初ライブ見に来てくれていたね、ありがとう」

 

 「すごいライブだったね、キラキラしてたよ」

 

 「ふん、私は麗華に誘われていやいや行っただけよ。 まぁ少しはかっこよかったけど」

 

 ライブ上で見つけた時はうれしかったな。

 

 「ちゃんとCDも買ったよ」

 

 「私も買ったわ、感謝しなさい」

 

 「マジか、お買い上げありがとうございます。 保存用と布教用はいかがでしょうか?」

 

 「「いらないわ」」

 

 笑いながら軽口を叩く、ここで気合の入った麗華が重大発表をする。

 

 「私も来年3人でアイドルデビューするわ、今レッスン中だからよろしくね」

 

 「おぉ、おめでとう後の二人は誰になるんだ?」

 

 「デビューした時に紹介してあげるから待ってなさい」

 

 得意気な麗華、それに対して伊織は拗ねていた。

 

 「何よ二人して、私のデビューまで待ってなさいよね」

 

 「いっそ伊織も346でデビューしたらどうだ、即デビューできるぞ」

 

 歴史を変えれるか!?

 

 「嫌よ、私は自分自身の力でトップアイドルに行くんだから、346プロみたいな大手だとプロダクションの力が大き過ぎるわ」

 

 歴史を変えられませんでした!

 

 「その点は私も伊織に同意見よ、東豪寺家の力もお金も使わないわ。 ユキは美城家の力を使いすぎよ」

 

 「耳が痛い話しだな、身を守るにも力が必要だし使えるものはすべて使うのが大人さ。 それにどんなに家の力を使っても最後は自分の力じゃないと駄目だしね」

 

 「あんた、まだ中学生でしょ」

 二人とも納得のいかない顔をしている。

 

 「トップアイドルへの道は1つじゃないってことさ、そろそろパーティも終わりそうだな」

 パーティも終了の時間となった。 この時僕は食事を食べていないことにまだ気づいてなかった。 

 

 

 

 帰ってから、冷蔵庫にあるものをつまみ食いし姉の部屋へ向かう。

 

 トントン、ノックをして「お姉ちゃん起きてる?」

 

 「起きている入ってきていいぞ」

 

 中に入るとルームウェアを着て椅子に座っている姉がいた。

 

 「アメリカ行く前に少しお話ししようよ」

 

 「勿論いいぞ、座りなさい」

 

 パーティーで疲れているはずなのにやさしい顔だ、向かい椅子に座る。

 

 「お姉ちゃんがアメリカから帰って来るまでにトップアイドルになる、そして僕が理想とするアイドル部門を作るから応援してほしいんだ」

 

 「そうだな、この前のライブも凄かったし幸高はトップアイドルになれるさ、理想のアイドル部門とはどんなの?」

 

 「一人ひとりが自分の個性とかあって見ている人達を幸せになるのが理想かな」

 

 「なるほどな、アイドルが幸高一人なら大げさな話アイドル部門が赤字でもかまわない、父からしても息子だし私からしてもかわいい弟だ、他で穴埋めをするから気にせず頑張りなさいと言える。 しかし、他のアイドルがいる以上会社として利益を出さなければいけない。わかるか」

 

 「うん、今346プロは少しづつ変わってきてるよ」

 

 「知っているさ。 幸高が初めて重役達に指示を出したんだからな、成長してるとうれしさすらあるよ」

 本当にうれしそうな顔をする。

 

 「小さい頃に幸高がアイドルになって私が社長になると言う話を覚えているか?」

 

 「勿論だよ、あそこがアイドルの始まりだからね」

 

 「アメリカで成果を出して戻って来た時、346プロでユキの理想を支えよう、子供の時の話だが応援すると約束したしな。 ただしあまりにも業績が悪ければその時は私のやり方でやるからな」

 

 「ありがとう! お姉ちゃん!!」

 

 感謝の意味も込めて抱きつく、姉の顔はどこまでもやさしく頭をなでてくれた。

 

 

 

 

 空港に見送りに来た、たくさんの人がいるが目に入らない。

 

 「いってきます、次会う時を楽しみにしているぞ」

 

 「いってらっしゃい、またね」

 

 笑顔で見送る、飛行機はアメリカに向け飛んで行った。




 主人公は同い年や年下には普通に話しますが、年上や美城常務には甘えて話します。

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