真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
夕張たちが袁紹軍精鋭部隊と交戦している頃、東の関所では、文醜たち率いる軍が桜花の軍と激突していた。
「全軍突撃だっ!!」
文醜の言葉に袁紹軍が突撃し、それを弓や弩で攻撃する桜花隊。この時、文醜率いる袁紹軍は四千人。張飛・関羽の軍は三百人。対して桜花・川内の第二戦隊は三千人である。
「郭汜様っ!」
「応っ!全部隊!白兵戦用意!」
桜花の言葉に桜花の部隊は剣や槍を手に取る。
「おい!景気づけに突撃喇叭ふけ!」
「はい!」
桜花の言葉に、女性隊士の一人が喇叭を取り出し突撃喇叭をかける。そして桜花は剣を敵陣へ向けて
「敵の度肝を抜くっすよ!覚悟はいいかっ!」
『応っ!!』
「突撃に-前へぇー!!!」
『万歳っ!!!』
桜花を先頭に部隊は文醜軍に向かって突撃をする。
「文醜様!敵が突撃してきました!」
「うろたえるな!数はあたいらのほうが上だ!それに天の国の武器をもっていないなら、董卓軍恐るにに足らず!あたいらに勝機があるぞ!!全軍。数で押せー!!」
『おおーっ!!』
そう言い、桜花隊と文醜隊が激しく衝突する。剣と剣が激しくぶつかり火花が飛び散り、槍が激しくぶつかり血がが飛び散る。
「ギャッ!」
「ぐわっ!!」
戦場から悲鳴が響き煙が舞いあがる。その姿はまさに地獄だった。そんな地獄の中で桜花隊は自分の二倍近くある軍勢に獅子奮迅の活躍をしていた。その活躍に袁紹軍はじりじりと後退し始める。
「ぶ、文醜様っ!我が軍が押されています!」
「な、なんだって!?なぜだ!なぜ、あたいらの軍のほうが数が多いのに!?」
文醜が驚く。文醜は董卓軍が強いのは天の国の武器を持っていたからだと思っていたがそれは少し違う。確かに董卓軍。特に吹雪が指揮する第三師団は小銃を持っている。だがそれを所持しているのは夕張が指揮する銃士隊千人だけ。吹雪隊の強さは訓練による練度と士気そして剣術による白兵戦だ。
実戦においての殺し合いでは同じ敵と巡り合うなどまずありえない。それゆえに相手を確実に仕留める一撃があれば、それ以外の小技はまったくの無用となる。自分の得意技を徹底的に磨き上げ、絶対的な必殺技に昇華させる。吹雪隊の強さはこれに会った。現に吹雪隊の隊士の敵に与える技は突きを外されても横薙ぎの攻撃に移れる「平突き」となっている。
「くそ・・まさか董卓軍がここまで強いとは・・・・」
文醜がそう呟くと、煙に紛れて鋭い剣を持った少女が現れ
「ひとぉーつ!!」
文醜の周りにいる兵士の一人の首ををぶった斬った。そして首を斬られた兵士は血を噴き倒れる
「ひっ!?」
「な、なんだこいつ!董卓軍の兵士か!?」
「相手は一人だ!文醜様を守りつつ、殺せぇ!!」
そう言い、周りにいた護衛兵士たちが少女へと斬りかかる。しかし少女は二っと笑い。その攻撃をよけて背後を取り
「ふたぁーつ!!」
また一人と敵兵を斬る。そして彼女は相手に攻撃を与える隙も与えず、すぐそばにいた兵士を袈裟斬りにして倒し、そして一人の兵士が長斧で殺そうとするがその前に少女に首を斬られ絶命する。
「三つっ!」
あっという間に三人以上がやられ、残った護衛兵はたじろく。
「な、なんだ。この小娘は!?ほ、ほかの兵たちは何をしているんだ!」
他の兵士が動揺している中、少女はその兵士へと突進し、彼女の持つ剣はその兵士の腹を貫く。そして一人の兵士が斬りかかろうとしたが、少女は素手で兵士の腹を殴り、その隙に兵士を倒す。そしてほとんどの護衛兵を倒すと少女は文醜へと顔を向ける
「残るはお前だけっすね…‥文醜・・」
少女は文醜の前に立つ。そう、先ほどの少女は郭汜こと桜花だったのだ。そして文醜はその少女を目にして目を丸くする
「お、お前は・・・・温泉の時の。まさか董卓軍の兵だとわな・・・・・」
「まさかここで再開するとは思わなかったすね・・・・・で、どうするっすか?ここで引くなら。ここまでにしといてやるっすけど?」
「普段ならそうだっと言いたいけどな。あいにくあたいはこの部隊の隊長だ簡単には引けないね」
「そうか、ならここで一騎打ちして負けた奴が勝った方の言うことを訊くってのはどうだ?私が負けたらここを通らすっすよ」
「そうかなら、あたいが負けたら潔く兵を引かせるよ」
そう言い二人は自分の得物を構える
「決まりだな・・・・・なら改めて自己紹介と行くっすか?」
「そうだな。あたいは袁紹軍の文醜だ」
「私は董卓軍第三師団広報兼副長補佐、郭汜。字は阿多っす」
「じゃあ互いに名乗ったことだし、いざ」
「ああ、尋常に・・・・」
「「勝負っ(す)!!』』
一方、張済軍は劉備の兵と戦っていた。その場も桜花のいるところと同じ激しいかっ戦場となっていた。その中で張済こと川内は自慢の長槍で敵を倒していた
「ここは絶対に通さないわよ!」
そう言い首に巻いたマフラーをたなびかせ敵を倒すその姿はまるで戦場に舞い降りた
「何をしているんだ!たかが小娘一人だろうが!」
一人の兵士がそう言うが兵士たちは集団でかかっても川内を倒せなかった。なぜなら川内は闇夜に紛れ相手の死角に入り攻撃をしているからだ。川内は昼の戦いよりも夜間戦闘のほうが得意で、夜間戦闘に関しては川内の右に出る者はいない。
すると・・・
「おりゃーなのだー!!」
「っ!?」
急に子供みたいな声が聞こえ、川内は振り返ると、そこには蛇矛を手にした少女が川内に向かってきた。川内はその一撃を紙一重でかわす。
「今のは危なかったわね・・・・あんた、チビなのにいい腕じゃない。」
「ちびじゃないのだ!そう言うお前だって大して背が大きくないのだ!」
「あはは!確かにそうね悪かったわ。で、あんた名は?」
「鈴々の名は張飛!字は翼徳なのだ!お前は誰なのだ!」
「私は張済。董卓軍第三師団小隊長にして、ここ東関所を守る隊長の一人よ。そうか・・・・通りで見知った顔かと思えば、お前、吹雪に失礼なことを言った
川内の言葉に張飛はむっとなり張飛は蛇矛を構え
「お兄ちゃんを馬鹿にするな!。なのだ!」
そう言い、張飛は飛び掛かり蛇矛で攻撃し川内はその一撃を槍で受け止め
「別にあなたの兄貴分の悪口を言ったつもりはないわ。もし気にしてたら謝る。ところで張飛。お前はなんでこの連合に参戦したの?」
「決まってるのだ!都で悪いことをしている悪いやつを倒しに来たのだ!」
「へ~悪いやつね~で、誰が悪いことをしてるの張飛?」
「そんなこと決まってるのだ!詳しくはわからなかったけど董卓ってやつなのだ!」
と、張飛がそう言い川内は少しむっとなるが、張飛の目をじっと見て、少し落ち着く
「(焦るな私・・・・相手はまだ純粋な子供だ)・・・・張飛。一つ聞いてもいいかな?あなた、その董卓がこの先にある都洛陽で悪さをするところを見たことがあるの?」
「う・・・・・ないのだ」
「じゃあ、なんで董卓が悪いことをしているなんて言いきれるの?」
その言葉に張飛は何も言えなかった。川内の目や態度を見ても嘘言っているように見えないのだ。
「・・・・で、どうする張飛?あなたここを通りたいんだよね?」
「そ、そうなのだ!通してくれるのか?」
「ふふ・・残念だけど通すわけにはいかないわ。私たちはここを守る義務がある。どうしても通りたければ私を倒しな。そのときは文句なしでここを通すわ。その代わり私が勝ったらおとなしく兵を引くのよ。いいわね?」
そう言い、川内は槍を構える
「望むところなのだー!」
と、張飛はそう言い川内に向かってくるのだった。こうして川内と桜花は別々の場所で敵の将と一騎打ちを始めるのだった。
「はぁー!!」
「てえーい!!」
と、桜花と文醜は剣と剣をぶつかり合わせて戦う
「あんた。あたいの斬山刀を受け止めるなんてあんた、たいしたものだな!」
「はん!こんな一撃!隊長の母上の呂布様の一撃に比べたら大したものじゃないっす!」
そう言い、二人は激しく剣と剣をぶつかり合わせる。(文醜の場合は剣ではなく某人斬り漫画に出てくる斬馬刀並みの大剣)そして文醜は桜花が攻撃できないように、並みならぬ速さでぶんぶんと斬山刀を振り回す。
「どうした。どうしたさっきの威勢はどうしたんだよ。『妖怪首置いてけ』!」
「誰が妖怪っすか!」
そう言い、桜花は文醜目掛けて突進をする。だが今の言葉は文醜が桜花を間合いに飛び込ませてやっつけるための挑発だった。
「(ふ・・・掛かった!)貰ったーーー食らえ!」
勝利を確信し、文醜は斬山刀をブオッンっと振り回す。その時の衝撃に怒った鎌鼬で周りの木々が倒れる。だが・・・・
「なっ!?いない!?」
さっきまで桜花のいた場所に桜花はいなかった。文醜はあちらこちら見渡して桜花を探す。すると
「ここっすよ・・・・文醜」
「っ!?」
上から声がし文醜が上を見上げるとそこに桜花がいた
「お前のようなのが使う大型の剣なら行動範囲は二つ。薙ぎ払うか、押しつぶすかっす。とってもわかりやすいっすね・・・・」
と、桜花は目をギラギラさせて文醜に言う、そしてそのまま、落下し
ズバッ!
「がっ!?・・・・・・」
そのまま文醜を斬る
「・・・・・斗詩・・・・」
そう言い文醜は倒れるのだった。そして桜花は剣を鞘に納めて
「安心するっす。剣の切れ味のない真っ平らなところで殴ったすから。命に別状はないっすよ」
「ひっ!?文醜様が!?」
「に、逃げろー!!」
隊長である文醜がやられたのを見て袁紹軍は逃げ出す。無論、袁紹軍兵士は気絶した文醜を運んで、撤退するのだった。
「郭汜様・・・・」
「追撃の必要はないっすよ。私たちの任務はここの防衛。去る者は追わないっすよ。さて・・・・ご飯食べるっすか」
「はっ・・・・・でも郭汜様。なんで文醜を殺さなかったんですか?」
「ん?ああ、なんかあいつとは前に温泉で意気投合したことがあったからその時の情けっすよ。まあ、結構、痛いところに当てたから戦線復帰は難しいでしょ。さてみんな帰ろうか」
そう言い桜花は二っと部下の前で笑い自分の陣へと戻るのだった。
「うりゃりゃりゃー!!」
「はぁー!!」
一方、川内と張飛も激しい槍のぶつけ合いをしていた。
「ふ、あんたやっぱ、やるじゃない張飛!」
「お前もなのだ!」
張飛は川内の攻撃を避け反撃、川内は攻撃を受けとめ飛んだ。張飛はその隙を逃さず張飛は川内に攻撃をし川内はその攻撃を間一髪で受け止めた。
「(重い・・・・速さは私の方が上だけど、力勝負では私の方が不利か・・・)」
川内はそう思い、張飛の攻撃を躱す。その時、川内は、
「(この子・・・・今はまだ未熟だけど、鍛え方によってはかなり強くなるわね・・・・・・・でも!)」
ガキンっ!
「うにゃ!?」
川内は張済の蛇矛を弾き飛ばし、蛇矛は地面に突き刺さる。そして川内は尻もちをついた張飛の首筋に槍を向けて
「勝負あったわね張飛。約束通りあんたの兵を撤退させないさい」
「う~悔しいのだ!!」
と、張飛は悔しそうにじたばたとし
「鈴々は弱くないのだー!!」
「ええ張飛。確かにあんたはは強い。でもね?その力をどう上手く使いこなせるか。また何のためにふるうのかまだわかっていないんだよ。だかラ、今の私には勝てなかったのよ。まあ、私もまだまだなんだけどね?」
「よくわからないのだ・・・」
「今はそれでいいわよ。いずれはわかる道だ。・・・・で、約束通り撤退してくれる?」
「う~約束は破っちゃいけないってお兄ちゃんに言われたから仕方ないのだ!でも次は必ず鈴々が勝つのだっ!」
「おう、その時を楽しみにしているわよ張飛」
そう言い、張飛の部隊は撤退するのだった。一方別のところで獅子奮迅していた関羽はというと
「くっ・・・・まさか董卓軍がこんなに強いとは・・・」
関羽は別動隊を率いて東関所を攻めたが第三師団の兵士たちの防衛で手こずる。すると一人の兵士がやってきて
「関羽様!」
「なんだ!?」
「先ほど袁紹軍および張飛様の軍が敵の将に敗北し撤退されました!」
「なんだって!?鈴々が!?・・・・・」
関羽は自分の義妹の張飛が敗れたことに驚く
「すでに残っているのは私たちだけです!すぐに撤退を!」
「くっ・・・・・・仕方がない。全軍撤退!」
そう言い関羽軍も撤退するのであった。それを見た張済と桜花は
「何とか護りきったすね・・・・」
「そうだね・・・・」
そう言いながら夜が更け日が昇るのを見るのだった。
「・・・・まさか、彼がここまでするとはね・・・・はっきり言って予想外ね・・・・・」
暗い空間で水晶玉で吹雪たちの様子を見る青みがかった銀髪の少女がいた。そしてその少女は吹雪の姿を見てにこっと笑う。
「どうだ?呂 洞賓。様子は?」
すると白い服を着た少年らしき男と、黒い服を着た眼鏡の男がやってくる
「ああ、于吉に左慈か・・・・・何の用?あんたたちはまだ謹慎中のはずよ」
と、少女こと洞賓は鋭い目つきで彼らを見る
「そんな怖い顔で睨まないでください。別にどうこうする気じゃありません」
「よく言うわ。あんたたち二人には前科がいっぱいたまっているんだからね。ただでさえ筋肉だるま二人を説得するのに大変なのに。特に左慈お前だ」
「お、おれ!?」
「当たり前だ。数年前のいくつもの北郷事件や16年前、誤って呂布を現代に飛ばしちまったことなど前科がいっぱいじゃないの。上司に頭を下げる私の身にもなりなさい!」
「うっ・・・・・だけど16年前のは事故だろうが!」
「まだそれぐらいは別にいいわよ!始末書一枚で済む問題なのだから。だけどね。あんたそれの証拠隠滅しようとして、その次元装置をぶっ壊したから余計にめんどくさいことになったじゃないか!!#」
「うっ・・・・・」
言い返す言葉も出ず左慈は黙ってしまう。
「さすがの左慈も大先輩である彼女の前には頭が上がりませんね・・・・それよりも彼をここに送った紫には感謝しないといけないですね・・・彼は今どこに?」
「あいつなら、私の後輩といつものように次元喧嘩しているわよ。まったくあの二人はもう少し仲良くできないのかしら?」
洞賓がそう言うと二人は黙り、そして
「「「無理だな。絶対に」」」
三人同時にそう言う。
「・・・・で、これからどうするのですか洞賓?」
「どうもしないわよ。このまま彼らのいる外史を見守るだけ。あんたたちは絶対に手は出すな・・・」
「わかってます。わかってます。また謹慎は御免ですからね。それにしても・・・・」
「なに?」
「あなたが、その外史に降り立ち彼と話した時の口調、様になっていましたよ。さすが見た目は幼女だが実年齢はごひゃ・・・・」
「これ以上言ったら殺すわよ于吉#」
そう言い彼女の赤い目がらんらんと光る
「失礼しました・・・・」
「まったく・・・・・さて。彼はこれからどうするのかしらね・・・・・」
そう言い洞賓は水晶玉を覗くのだった・・・・・
関羽の活躍の場、なかなか与えることができない・・・・・感想、誤字脱字など、どんどん送ってくれたらうれしいです。
では皆さんまたお会いしましょう~
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