真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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吹雪の慰安旅行

「「温泉♪温泉♪」」

 

とある9名がとある山道を歩く。そしてそのうちの先頭の二人は元気よく歌いながら歩いていたのだ。その9名というのは前から、桜花、川内、吹雪、斗志、志乃、星、雪風、アンチョビ、そして夕張となっており先頭の2列を除いて3列で歩いていた。

 

「こら、桜花、川内。あまりはしゃぐな。」

 

「まあ、いいじゃないか斗志。せっかくの慰安旅行なんだし。少しぐらい羽目を外しても罰は当たらないよ」

 

「ふむ。吹雪殿の言う通りだ。休暇の時ぐらい肩の力を抜いたらどうだ?」

 

「す、すみません・・・しかし、よかったのですか?こんな時に我々だけで温泉に慰安旅行に行くなど・・・」」

 

「せっかくの(ゆえ)様の御好意なんだし。いいんじゃないでしょうか?」

 

「そうですよ斗志さん。しっかり働いて、しっかり遊ぶ。天の運用と同じで何事も緩急をつけることは必要なのですよ」

 

と、雪風や志乃がそう言う。

 

「それに斗志だって、温泉って聞いて嬉しそうだったしな。」

 

「うっ・・・・それは///」

 

俺の言葉に斗志は顔を赤らめ目線を背ける。実は俺たちは詠に『最近あなたたちは働きすぎだから、たまにはゆっくり休んで』と言われそして(ゆえ)の好意により慰安旅行に行っているのだった。そして目的地はとある山岳の向こうにある隠し温泉村。俺たちは日ごろの疲れをいやすため今温泉街に向かっているのだ。

 

「隊長ぉ!斗志ぃ!何やってるんすか!早く来てください」

 

「早くしないとおいていくわよ♪」

 

と、いつの間にか桜花や川内は俺たちより結構前まで歩いていて俺たちを呼ぶのだった。

 

「あいつら・・・いつの間に」

 

「よほどうれしいんですね吹雪様」

 

「そうだな志乃」

 

「やっぱり温泉やテルマエは万国共通、人々に愛されるものだからな」

 

「てるまえ?アンチョビさん。てるまえってなんですか?」

 

アンチョビの聞きなれない単語に夕張たちは首をかしげる

 

「テルマエって言うのは簡単に言えば風呂のことだ。」

 

みんなの疑問を俺が答える。確かテルマエ・ロ〇エとかでも説明してたな。

 

「吹雪よく知ってるな~ そうだ。テルマエとはラテン語で『風呂』または『浴場』って意味なんだよ。私たちローマ人は大のテルマエ好きでな。私もローマにいたときはよく公衆テルマエ浴場とかに入ってたよ」

 

と、アンチョビさんは思い出し笑いをする。

 

「そうだったのか・・・・アンチョビ殿の国ではいつも風呂が入れるのか」

 

「ちょっと羨ましいです。お風呂なんて・・・」

 

この時代の風呂は貴重だ。毎日入れるわけではない。毎日入れるとしたらそれは皇帝かよほどの金持ちではできない。

 

「まあ、とにかく。今回は日ごろの疲れを今向かう温泉でゆっくり洗い流そうじゃないか」

 

「そうですね」

 

そういいながら俺たちは目的地へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

吹雪が温泉旅行に出かける少し前。とある豪華な屋敷

 

「はあ〜♪こうやって静かに一人で浸かっていると、一日の疲れがとれていくわ~」

 

と、この屋敷の主である袁紹がまるでマリーアントワネットのごとく豪華な大浴槽で一人入浴を楽しんでいた。すると・・・・

 

「麗羽様!」

 

「きゃあっ!」

 

いきなり緑色のショートヘアーで桜花と雰囲気が似ている少女が入ってきた。彼女の名は文醜。袁紹の側近の一人である。その文醜が慌てて入ってきたのだ。

 

「な、何よ猪々子。まさか敵襲!?」

 

と、袁紹は取り乱すが、

 

「そうじゃなくて、見せたいものがあるんです!」

 

「見せたいもの?」

 

「いいから、来てください!」

 

そういい文醜は袁紹の手を取り引っ張る。

 

「あ、ちょっと猪々子!私まだ、はだk・・・」

 

「大丈夫です!これ文字だけですから顔どころか姿すら写っていませんから!さっ!早く」

 

そういい強引に引っ張る文醜にとうとう・・・・

 

「もー!!いいかげんになさい#!」

 

ドカッ!

 

 

袁紹はついに切れ、文醜を殴るのだった。

 

 

 

 

 

 

そしてしばらくして袁紹はタオルを巻き部屋の椅子に座りその前には側近の一人顔良と、先ほど殴られ頭にたんこぶをした文醜がいた。

 

「あら?そういえば田豊(でんほう)さんは?」

 

「麗羽様。お忘れですか?真直(まぁち)はいま休暇で実家に戻っています」

 

「あら。そういえばそうでしたね。・・・・こほんっ!それであなたたち。私の憩いの時間を邪魔してまで見せたいものってなんですの?」

 

眉間をぴくぴくさせながら袁紹は言う。そしてその問いを顔良が答えた。

 

「はい。実は蔵の中を虫干ししていたときにこれが・・・・」

 

そういい顔良はいつの絵巻を広げる

 

「なによ?これ。きったない地図。それに虫食いだらけじゃない」

 

袁紹が興味なさげに言う

 

「それはそうなんですが、ここの字を見てください!」

 

そういって顔良は地図の隅に書いてある小さな字を指さす。

 

「なになに?『地図に記せし場所に、我らが生涯かけて蓄えた宝あり』・・・・宝・・・・・っ!?ひょっとしてこれって!」

 

「そうですよ宝の地図ですよ。掘れば金銀財宝がざっくざく。これで最近麗羽様の無駄遣い苦しんでいる当家の台所も・・・・」

 

「誰が無駄使いが原因ですって#」

 

「あ・・いやその・・・」

 

文醜が余計な事を言い出し、袁紹の額には青い筋が立っていた。するとそれを見て顔良は袁紹をなだめる

 

「まあまあ麗羽様。お金と赤ちゃんのおむつは困らないといいますし・・・」

 

「そうそう・・・」

 

「・・・・それもそうね。たしかにお金はたくさんありすぎても困ることはありませんよね」

 

「それじゃ・・・」

 

「ええ!明日の朝までには準備して、宝探しに出発よ!!」

 

こうして袁紹一行は宝探しを行うことになった。

 

 

 

一方、吹雪が歩いている別の山岳では・・・華琳と、春蘭、桂花、そしてその後ろには凪、沙和、真桜が馬を連れて歩いていた。

 

「しかし、よかったのですか?こんな時に我々だけで温泉に慰安旅行に行くなど・・・」

 

と春蘭が言った

 

「春蘭、仕事熱心なのはいいけどたまには休息も必要よ」

 

「そうですよ。しっかり働いて、しっかり遊ぶ。天の運用と同じで何事も緩急をつけることは必要なのですよ」

 

「そういうこと・・・」

 

「はあ~そうですか・・・」

 

「それにしても華琳様。私たちなんかを連れてきてよかったんですか?」

 

と、凪が言う。

 

「いいのよ凪。あなたたち三人はこの頃、新兵の訓練や警邏の仕事で働き詰めみたいだったからね」

 

「そうなのー凪ちゃん。たまには息抜きも大切なの~」

 

「そうやで。たまには息抜きしないと体壊すで」

 

「沙和や真桜はいつもそうだろ・・・・」

 

凪は小声でそう突っ込む。

 

「まあ、それはとにかく温泉、楽しみ。通しか知らない本当の穴場で、お湯には美肌効果があるからゆっくり使って、肌をつるつるにしてその後は・・・・・華琳様と二人で・・・・」

 

「んっ!」

 

「春蘭、そんな怖い顔しないで貴方を仲間はずれにしないから・・・」

 

「私は別にそういう意味で・・・・」

 

「ふふ・・・」

 

「ふふふ・・・」

 

華琳と桂花は互いに顔を合わせ笑う。

 

「それはともかく・・・秋蘭や季衣たちにはかわいそうなことをしましたね。一人だけ留守番なんて・・・」

 

「そうね。しかし、さすがに我が首脳部全員休暇を取るわけにはいかないでしょう。念のために誰か残ってもらわないと・・・」

 

「それはそうですけど・・・・・」

 

「春蘭様。それなら、留守をしているみんなにお土産を買ってはいかがでしょう?」

 

「おおぉ!凪。それはいい考えだな。そうだな・・・・秋蘭たちにはどんな土産がいいかな~」

 

帰った時のお土産を考えながら華琳一行は先を進むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ、吹雪たちは・・・

 

「ん?」

 

「どうしたんだ星?」

 

「いや。何か臭うのだが・・・・」

 

「この臭いは・・・・もしかして」

 

「ち、違うっすよ!私じゃないっす!」

 

「桜花。そういう臭いとかじゃない。志乃」

 

「はい。これは硫黄の香りですね」

 

「硫黄ってことは志乃!」

 

「はい。お姉ちゃん。きっと近くに目的の温泉があるんですよ」

 

どうやら目的地に着いたようだ。それから俺たちは、一軒の小さな温泉宿に着いた。

 

「よっしゃ!私が一番乗りっす!」

 

「桜花に一番風呂なんてさせないわよ!」

 

女子人は女風呂の間に入ると早速桜花と川内が服を脱ぎ素っ裸となって温泉へと向かい走る。すると・・・

 

「そうはさせへんで!!」

 

「一番風呂は沙和たちのなのー!」

 

と、声が聞こえ、二人は横を見ると同じく一番風呂を狙ってるのか二人の少女が走っていた。

 

「なんだと!一番風呂は私のものっす!」

 

「桜花じゃなくて私よぉ!」

 

「いや!うちが先や!」

 

「沙和なのー!」

 

そして4人はヒートアップし

 

「「「「よぉーし!どっちが1番風呂先か勝負(だ)(や)(なの)!!」」」」

 

そう言い、4人は湯舟へと全速力で走る。

 

「こらぁ!桜花!川内!走るなぁ!他の客に迷惑だろ!!」

 

「真桜と沙和もだぞ!」

 

斗志と、もう一人あの二人の連れなのか体中傷だらけの少女が4にんを注意するが4人はそんな警告を無視して温泉に飛び込んだのだが

 

ゴッチーン!!

 

「「「「痛いぃ!」」」」

 

聞こえたのは水しぶきの音ではなく何かをぶつける音と4人の苦痛の声だった。

 

「どうしたんだ!」

 

その声を聞いたのか、2人はその場に行くすると・・・

 

「斗志ぃ!この温泉。湯が入ってないっす!」

 

「痛っーい!お尻にあざができちゃったなの~」

 

すると、その声を聞いたのかほかの人が来る。すると・・・・

 

「どうしたの?斗志。・・・・・あれ?あなたたち。真桜、沙和それに凪も!?」

 

「あ~志乃ちゃん!」

 

「なんでこんなところにおんねん!?それにお前夕張やないか!?」

 

「えー!?真桜!?あなたこそなんでこんなところにいるの!?」

 

「え?志乃、夕張。知り合いなのか?」

 

斗志は驚いて志乃と夕張に訊く。すると・・・・

 

「あら・・・」

 

「お主は・・・・」

 

そこへ華琳、春蘭、桂花の他に残りの吹雪隊幹部5人がやってきた

 

「あなたは曹操殿!?なぜこここに!?」

 

「あなたは確か、吹雪の副官の李傕・・・・あなたたちこそどうしてここに?」

 

「それは・・・・」

 

 

一方、隣の男子浴場では・・・・・

 

 

「あれ?お湯がない・・・・・・ん?なんか隣が騒がしいな・・・・・・何かあったのか?」

 

隣で意外な人物との再会を知らずに吹雪は湯の入っていない浴槽を見て首をかしげるのだった。

 

 

 




今日はここまでです。警邏隊の先輩である斗志達に会う凪たち…果たしてこの先どうなるのやら・・・・

そういえば恋姫新キャラの田豊や顔良こと斗詩って気のせいだと思いますが、田豊はSW(ストライクウィッチーズ)のペリーヌ。斗詩はゼロの使い魔のシエスタに少し似ていますね。
以上。疾風海軍陸戦隊でした次回もお楽しみに!!

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