真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
俺と志乃は呉にある長江に無片目旅をしていたが、途中で志乃の姉貴分であるアンチョビさんに出会い、ともに呉に向かうことになったのだ。
そして今俺たちは陸王に乗って次の街まで走っている。夕暮れまでにつかないと夜の森は危ないからな。
志乃とアンチョビさんは側車に乗っている。因みに陸王の側車は通常より少し大きく女性二人くらいは要れる大きさなのである
「日が暮れてきましたね」
「そうだなこの先は山道だ。吹雪今日はここまでにして今日はもう野宿しないか?」
「いや、確か華琳からもらった地図によるとこの先5町(500メートル)先に村があるはずだからそこに泊まろう」
そう言い俺たちはその村に向かった。
そして村についたのだが・・・・・
「ん?なんかさびれてるな。」
「ほんとですね・・・・・村の人の少し元気がなさそうですね」
村についてみるとそこには暗い雰囲気のこもった村だった。
因みに俺の陸王はかなり前にあのちびっ子占い師からもらったポイポ〇カプ〇ルという小道具の中にしまってある。ドラゴ〇ンボー〇かよ・・・・
「賊の襲撃でもあったのか?」
そう思ってると・・・・・
「ひぃ~!出た~!」
突然、どこからか悲鳴が聞こえた。吹雪とアンチョビは、咄嗟に身構える。
「賊か!?」
「いや、待てアンチョビさん。あれは……」
「「子供??」」
叫び声を聞き、前方を確認する。砂煙と共に先頭の15歳くらいの少女と数人程の子供たちが、こっちに走ってきた。
「どけどけぇー!!川内軍団のお通りだーい!!」
「「「え!?川内軍団?」」」
馬に跨がり、そう叫んだ親分らしき少女、たなびく白いマフラー赤い羽織を着て片手に長槍を携えた活発な印象を与える少女だ。
「おらぁどかないと馬に蹴飛ばされるぞ!」
「きゃあっ!!」
「うわぁ!」
「おっと!!」
川内軍団は猛スピードで二人の前を通り過ぎていった。勢いに負け、志乃とアンチョビは尻餅をついてしまい、吹雪は後ろに飛んでかわした。
砂煙を立ち込めながら、川内軍団は凄まじい速度で去っていった。
「まるで台風みたいな勢いだったな……」
「やれやれ、全くですね吹雪様」
「あっ、二人とも大丈夫、か?」
「ありがとうございます、吹雪様。でも大丈夫です」
「うちもな」
そう言い二人は立ち上がってパンパンッっと、尻に着いた砂を払う。
「にしてもなんでしょうかあの子たちは・・・」
「そうだな」
「・・・・・・・」
「ははは!そりゃ災難だったねぇ~」
「ええ、まあ……」
「本当に驚きました。」
その後吹雪たちは村にある小さな飲食店で食事をしていて、先ほどの話を聞いた女将は大きく笑い、3人は苦笑いで答えた
「あの女将さん。先ほどの川内軍団って何者なんですか?」
「名前の通り川内っていう子大将のバラガキ集団よ」
バラガキとは悪ガキっていう意味である。
「なるほど先頭のあいつがそうか・・・・」
アンチョビさんはそう推測する。
「まあ、やっていることは畑を荒らしたり、不良と喧嘩したり、牛に悪戯をしたりってところかねぇ。そういやこの間、庄屋様の家の屏にばかでかい庄屋様の似顔絵を落描き描いてた、ありゃ傑作だったねぇ~!」
女将はまた大きく笑った。
「それにしても、親はなにをしているのだ?山賊気取りの悪ガキを放っておくなんて」
「実はあの子、親はいないんだよ。」
「えっ?」
志乃が驚くと、女将は途端に暗い表情になる。そして、呟く様に語り出した。
何でも幼い頃、押し入ってきた賊の手により、両親を殺され。その後、姉と共に暮らしてらがその姉も病で亡くなり今は一人らしいのだ。
「あんな性格だけど本当は結構いい子なんだよ?この前も小さい子をいじめる不良をやっつけたり、作物を盗もうとした泥棒を捕まえたり、まあ、やり方はひどかったけどね。とにかく本当は優しいのに結構それを表すのが不器用な子なんだよ。手下の子の親たちも大目に見てやってるし」
「そうだったのですか・・・・あの女将どこか泊まれる場所はないですか?」
「泊まる場所ならここにしな、うちは宿屋もやってんだ。安くしとくよ」
「ありがとうございます」
こうして3人はこの飲食宿屋に止まることになったのだった。
近くの裏山。その山小屋に、川内軍団はいた。全員、そしてさっき取った卵をゆで玉子にして食べている所だ。
「今日も大成功!!そういやこの間、庄屋の家の屏に描いた絵、消されちゃってたな」
「傑作だったのに、もったいないよねぇ~」
「だよねぇ~」
「な~に、今度はもっとすごいのを描いてやるから!」
川内は立ち上がり、そう宣言した。
「さすがオヤビン姐さん!」
「川内軍団サイコー!!」
子供たちは一斉にそう叫んだ。そんな中、外はもう夕方。空が橙色に染まっている。
「あ、そろそろ帰る?」
「うん」
「……あ…」
子供たちの一人がそういうと川内の表情が一瞬暗くなった。他の子も続く。
「じゃあ、あたしも」
「俺も」
「アタイも、と」
子供たちは、家へ帰る為に全員外へ出た。
「オヤビン姐さん、じゃあね~!」
「お姉ちゃんまたね~!」
「うん、また明日~!帰り道、気を付けてね♪」
子供たちは、全員村へ帰っていき、川内も小屋へ戻っていった。
しかし――――その表情は先程までの明るい面影はない。暗く、悲しい色に染まっていた。
「そう・・・また会えるからね・・・・」
一方吹雪たちは宿の寝室でゆっくりしていた。
「よかったな~格安で宿取れて」
アンチョビがご機嫌に言う
「そうですね・・・・・吹雪様?」
志乃は吹雪の方を見る。吹雪はベットの上に座り何か考え事をしていた。
「ん?どうしたんだ吹雪。そんな難しい顔をして」
「ん?あぁ・・・いや何でもないよ。じゃあ寝るか」
「そうですね・・・・・・」
「そうだな。寝ようか」
そう言い3人は横になり、眠りに落ちる。
「お父さん・・・・なんで僕にはお母さんいないの?」
とある港で少年は父親にそう聞く
「吹雪・・・・・母さんはな。遠ぉーい外国にお出かけに行ってしまったんだよ」
「いつ帰ってくるの?」
「う~ん・・・それがわからないんだ。とても遠い場所にいるからね」
「遠いってどのくらい遠いいの?お父さんの軍艦で行けないの?」
「軍艦じゃなくて護衛艦な。うん。お父さんが乗る船でもいけないくらい遠いいいんだよ」
「そうなんだ・・・・」
と、少年は項垂れてしまう
「でもな。吹雪、きっとお母さん会える。俺はそう思うんだ。」
「ほんと?」
「ほんとほんと。だからそんなにしょげるなお母さんが見たらがっかりするぞ」
「うん!」
この時少年は思った絶対に母に会うってことを・・・・・
「懐かしい夢を見たな・・・・」
俺は目が覚めた。まだ日の出は出ておらず、周りを見るとみんなはまだ寝ていた。
あの夢は確か俺が親父の観艦式を見に行った時のとこだ。しかしその観艦式の3年後、事故で亡くなった。
その時は本当に悲しかった。母に続いて父も失ったんだから。だが今俺は一人じゃない。この世界では母で会えることができ、仲間もできた。そんな今に自分は満足している。
しばらくして日が出て、俺たちは女将に宿代を払いこの村を出ようとしたのだが、その途屋敷の前に人混みができているのを見た。
塀のある屋敷で、その中庭。二人の中年男性の前に、数人の兵士が列を組んで並んでいる。
「いいですか!?相手は子供とはいえ、手のつけられない暴れもの!油断は禁物ですぞ!?」
役人らしい男性が、数人の兵士らしき人達に叫んでいた。
何があったのか?吹雪は人混みの中の一人に問いかける。
「何か、あったんたんですか?」
「なんでも、今からお役人に川内を捕まえてもらうんですって」
「役人にって子供相手に大袈裟な……」
「庄屋様、こないだの落描きが相当頭に来なさったらしくて。今回ばかりは、堪忍袋の尾が切れたんだって」
「ったく、大の大人が何ムキになってんだよ」
少し苛立ちながら、俺はそう言う。それは志乃もアンチョビさんも同じらしい。もう一人の村人が怯える様に呟く。
「しかし、お役人も本物の山賊には怖くて手を出さん癖に、こんなときだけ……」
「捕まったら、どうなるじゃろう?」
「殺したりはしないと思うが、ムチで叩かれるのはあるかものぅ。あぁ、おそろしや……」
その言葉を聞いた途端、俺はは迷わずに足を進める。志乃やアンチョビさんは『やっぱりな』っというような感心した目で俺を見る。そして彼女たちも俺と共に役人の前へと向かう。
「庄屋殿さん。お話の途中で申し訳ないな」
「ん?なんだ、お前は?」
庄屋が怪訝そうに聞くと、志乃は答えた。
「私は旅の武芸者で、名は司馬懿。こちらは一緒に旅をしている、義姉アンチョビと我が主沖田吹雪様です」
「……どうもな」
「聞くと、川内なるものは、大人も手を焼く暴れ者とか。ここは一つ、私達に任せてはもらえないでしょうか?」
「あんたらが?本当にやれるのか?」
「ええ。所詮、相手は戦も知らない者。本物の山賊に比べれば、まだかわいいものです」
志乃がそういうと、役人が何かを思い出したのか、思わず声を上げる。
「ん?枯草色の異様な服・・・・赤い目・・・それに沖田吹雪・・・・もしや・・・・あの天の御使いの一人であの天水警邏隊隊長の、沖田吹雪!?」
「なにっ!?あの池田屋事件の!?」
「あのかどうかは知らないが、沖田吹雪なら俺だ」
「「おおっ!」」
役人たちは喜びと驚きのの混じった声を上げた。
「あなたがいればもう安心だ。では頼みますぞ!」
「ああ、任せろ。行こうか志乃。アンチョビさん」
「「はい(ああ)」」
そして3人は、川内軍団のいる山へと向かったのだった。しかしその話は叢に隠れていた川内の部下の男の子に聞かれていたのだった。
はい、今日は何とか投稿できました。因みに川内は真名です次回で彼女の本名がわかります。
次回もお楽しみに
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