真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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今日は華琳とのお話です


覇王と一人の少女

「隊長っ!」

 

「逃がすな!お前たちは路地の裏を囲め!凪たち3人は中央部に入口にて待機!そこから出たところを捕まえろ!俺は北方向に逃げた奴を追う!」

 

「はっ!」

 

「分かりました!」

 

現在、俺達は街の中を逃げている強盗達を捕まえるべく走っている。一人はその場で捕まえたが、残り3人中、1人は路地裏に、1人は中央部、そして俺が追っているのは北の街道へと逃げている奴だ。あいつのルートを計算すると北の街道の広場の入り口だな。

俺は、先回りし北広場に入口に立つ。すると勘が当たりさっきの強盗がこっちに来た。

強盗の後ろには俺の部下がいる。しかもその道は一方通行もう逃げられない。

 

「おとなしくお縄につけ!」

 

「うるせぇ!そこをどけ!!」

 

と強盗の一人がナイフを取り出し俺に向かってくる。

しかし、俺は強盗の突きを軽くかわし、そして・・・

 

「うわぁ!」

 

強盗は宙を舞い地面に倒れる。なぜ宙を舞ったというと、俺が背負い投げをしたからだ。受け身もとれず強盗はもろに背中をうつ。そして俺は倒れたすきに強盗を抑え込んで

 

「おい!手錠だ!早く!」

 

「は、はい!」

 

そう言い警邏隊の隊員は強盗に手錠をかける。これで万事解決だ。その後の報告では無事に路地裏と中央部へ逃げた強盗も無事逮捕できたみたいだ。

 

「隊長。後のことは私たちに任せてください」

 

「そうか、じゃあ、頼んだぞ」

 

「はっ!」

 

そう言い隊員たちは強盗を連行した。

 

「警邏の仕事、頑張っているようね吹雪」

 

後ろから声がする。振り返るとそこには華琳がいた。

 

「ああ、華琳か。て、一人でどうしたんだよ。護衛は?春蘭たちは?」

 

いつもは春蘭たちを連れているはずの華琳なのだが、今日はなぜか一人である

 

「なに?私一人だと何か問題でもあるの?」

 

「いや、でも何かあったら・・・」

 

「そう・・・だったらあなたが私の護衛につきなさい吹雪」

 

「え?、いや俺じゃなくても春蘭とかに・・・」

 

「春蘭たちは今別の用事があるのよ。でも、警邏隊隊長である、あなたなら、問題ないわね。で、どうするの吹雪?」

 

そう華琳は言う。まあ、この後たいして予定はないし、別に問題ないか

 

「分かった。で、どこに行くんだ?」

 

「ふふっ・・それは秘密よ。ついてきなさい」

 

そう言い俺は華琳についていく。

 

 

「これは…‥服屋か?」

 

「ええ、そうよ。今日は私の服選びを手伝ってもらうわ」

 

そう、華琳に連れてこられたのはこの町一番の服屋であった。

 

「そう言われてもな・・・・俺そう言うセンスないからな」

 

「せんす?」

 

「あ、いや何でもない」

 

「で、吹雪これはどうかしら?」

 

「う~ん。なんか子供っぽくないか?」

 

「そう、じゃあ、これは?」

 

「良いんじゃないか?」

 

「じゃあ、これはどう?」

 

「んーあんまり良くないなー」

 

「あんた、ちゃんと考えてやっているの?」

 

「さっきも言った通り、こういうこと初めてだからどうすれいいかわからないんだ」

 

「そうなの?」

 

「そうだよ。だから思ったことを言っているだけけど・・・」

 

「そう・・・・で吹雪から見て私に似合いそうな服はある?直感でいいから」

 

「そうだな~」

 

俺はあたりを探した。すると俺の目に入ったのは・・・・

 

「あ、これがいいんじゃないか?」

 

そう言い俺が取り出したのは白いワンピースだった。

 

「・・・・・・・」

 

「ごめん。やっぱ気にいらなかった?」

 

「いいえ・・・あなたにしてはいいのを選んだわね。これにするわ」

 

「え?いいのか。それで?」

 

「いいのよ」

 

そう言い華林はその服を買う。

 

「そう言えば吹雪?」

 

「ん、なんだ華林」

 

「あなた。髪は切らないの?」

 

そう今の俺の髪は肩より少し下のあたりまで伸びている。髪は手入れはしていないのに髪質がいいのか、そこらのモデルよりもサラサラヘアーなのだ。

 

「う~ん。そろそろ切ろうかなっと思うんでけどね」

 

「(吹雪の髪……長いほうが可愛いわね。顔も女性に近いし・・・)」

 

サラサラと流れる髪の毛。それに吹雪は母親である恋と似ているため、女性と見分けがつかないのだ。そんな華林は正直吹雪に髪を切ってほしくないのだ。

すると華林は何か閃いた。

 

「吹雪、ちょっとジッとしていなさい」

 

そう言い華琳は紐を取り出し、吹雪後ろへと回り込みその髪に触れる。

 

「え?華林!?」

 

「いいからじっとしてなさい。それにしても奇麗な黒髪ね。男性にしては惜しいわ」

 

そう言い華琳は妖艶な笑みを浮かべる。

 

「そう言えば吹雪、貴方歳はいくつ?」

 

「え?16だけど・・・・」

 

「そう、顔が幼いっと思ってたけど、やっぱり年下だったのね。」

 

因みに華琳の歳は17歳である。

 

「華琳、なんでそんなこと聞いたんだ?」

 

「いえ、大した意味はないわ。ただちょっと気になっただけよ」

 

「そうか・・・」

 

「そうよ。はい、できたわよ」

 

そういい華琳は俺に手鏡を渡す。俺の髪型は・・・

 

「ポニーテールか」

 

俺は自分の頭に触れる。首筋が幾分か涼しくなった感じがする。そして少し左右に頭を振ると、ファサっと髪の毛が左右に揺れるのが見える。

なんか幕末の侍になった気分だ。

 

「ぽにーている?それがその髪型の名前?まあいいわ。で、どうかしら」

 

「うん。決まってるよ!ありがとな華琳。」

 

吹雪は不敵の笑みで答え華琳に礼を言う

 

「そ、そう・・・それはよかったわ」

 

そう言い華琳は顔を赤くして言う

 

「ん?どうしたんだ華琳。なんか顔が赤くなってるような……」

 

「な、何でもないわよ///!それより次行きましょ」

 

そう言って華琳は店を出る

 

「ああ、ちょっと待ってくれよ」

 

俺もその店を後にした。

 

 

その後華林はいろんな服などを買い俺はその荷物持ち。正直言って前が見えない。

すると華琳が次に向かった場所は人気のない小さな川があるところだった。

 

「ここは・・・・」

 

「ちょっと、休憩にしましょ。さすがにたくさん歩いて疲れたわ」

 

「そうか・・・・」

 

どうやら気を使ってくれたらしい。俺は荷物を置いてそばにあった木の上に腰を下ろす。

今は夏だからこうして木の陰に入ると涼しい。すると・・・

 

「華琳さん?何やってるんかな?」

 

「見てわかんない?寄りかかっているのよ」

 

今、華琳は俺に寄りかかっているのだ

 

「あなただけそんな涼しいところにいるなんてずるいじゃない。だから私も入れなさい吹雪」

 

確かに木の日陰はそんなに広くない。だからってそんなに密着されるとな・・・

でも、華琳にもこういう一面とかあるんだな。今俺が見えているのは覇道を目指す曹孟徳ではなく一人の少女華琳の姿だった。

 

「ふふ・・・」

 

「何笑ってるのよ」

 

「いや、華琳にもそんな一面があったんだなっと思っただけよ」

 

「当たり前よ。私だって人の子よ。いつもあんなふうじゃないわ」

 

そうか・・・・華琳は月とおなじくらい優しい。なのになぜ覇道を・・・・

 

「なあ、華琳、覇道だけが道ってわけじゃないんじゃないかな?他の道を探そうとは思わないの?」

 

華琳の思想なら別に覇道の道を行かなくてもいいはずだ。それに覇道を目指したものはみんな悲惨な最期を迎えている。織田信長やヒトラーがそうだ。正直言って、華琳にそんな道は歩んでほしくない。

 

「愚問ね吹雪、覇道こそが我が歩む道。そして覇道こそがこの国と民をより平和へと導く道だと確信しているわ。そのためなら如何なる苦行、如何なる困難をも乗り越えてみせるわ。」

 

どうやら、華琳の決意は固いらしい。

 

「分かったよ。俺はもう何も言わない。けど華琳、もう少し仲間に寄りかかってくれ君は1人じゃない。華琳の為に最後の最後まで戦ってくれる仲間がいる。そいつらの為にもあまり無理はするな。」

 

そう覇道を目指した奴は孤独だったが華琳は違う。春蘭や秋蘭、桂花たちがいるんだ。だから彼女には孤独になってほしくない。

 

「そう・・・・ありがとね吹雪」

 

「どういたしまし・・・・ふぁ~」

 

「吹雪、眠いの?」

 

「え、いやたいしたことはないよ」

 

「そうやって、無理するのは体に毒よ。私のことはいいから少し寝なさい」

 

「・・・・ありがと。それじゃあ、お言葉に甘えて少し仮眠・・・・で・・も・・・」

 

そう言い吹雪は寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝てしまったわね」

 

私は吹雪の顔を覗く、

 

「ふふっ・・・寝ている姿もかわいいじゃない。」

 

寝顔を見ているとどこか幼い感じの顔だった。まあ、私より年下だから当たり前なのだけど・・・

 

「覇道ね・・・・」

 

私は絶対にその道を乗り越えて見せるわ。

でも彼は客将・・・次の『笑う棺桶』の討伐で彼はまた旅に出て主君である董卓の元へ帰ってしまう。

もし、吹雪が董卓ではなく私の所に来たのならともにその道を歩んでくれたのかしら・・・。

すると・・・吹雪の頭は私の方に乗った。視線を横に向けると、吹雪が先程よりさらに気持ち良さそうに寝息を立てている。寝息が私の首筋にかかって少しくすぐったい。

 

「少しくすぐったいわね・・・・」

 

私は頬を染めながら身を捩らせる。そして私は吹雪の頭を肩から、柔らかい太股へと移動させた。そう膝枕ってやつよ。

 

「こうしてみるとまるで子供みたいね・・・・」

 

そう言い私は吹雪のの頭を優しく撫でる。風が吹き、彼の黒い髪がまるで星の輝きのようにキラキラと輝く。私が頭を撫でていることを寝ながら感じ取っているのか、吹雪の頬が緩んだ。ふふっ・・・今の吹雪とっても可愛いわ・・・

 

「ふふっ・・・吹雪、せめてこうしている間だけでもあなたは私のものよ・・・・・・」

 

私は絶対に諦めない。いつかは必ず吹雪を手に入れるわ。天の御使いでも、武将でも道具でもないただ一人の異性として・・・・・今の私は曹孟徳ではなく一人の少女華琳としての気持ちよ。

そう思い私は吹雪が目を覚ますまでずっとこのままでいた。

 

 

 




はい、みなさんこんにちは。初めてご覧になる方は初めまして疾風海軍陸戦隊です。
今日は華琳と吹雪のお出かけ編ということで書きました。
次回は殺人盗賊集団「笑う棺桶」討伐の話を書きます。
次回も楽しみにしてくださいねではまたお会いしましょう。

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