真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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森での探索

ダァーン  ダァーン ダァーン

 

俺は朝、屋敷の外れで九九式小銃の射撃の練習をしている。もちろん外れだから人はいない。

 

「10発中、7発命中か・・・・まだまだだな・・・さて帰るか」

 

俺は片づけをし、その場を後にする。すると・・・

 

「うわぁ!」

 

俺は穴に落ちた。と言っても俺の腰くらいの深さだからなんてことはなかったけど。

 

「なんでこんなところに穴があるんだよ。まったく俺が落ちたからまだ良かったけど・・・他の誰かが落ちたらどうすんだよ」

 

そう愚痴りながら俺は穴から出た。それにしてもこの穴自然にできた形じゃないな。誰かが掘った跡がある。誰なんだろうこんな落とし穴掘った人は・・・

 

「ま、とりあえず、穴を埋めるか。このままだとまた誰か落ちるしな」

 

そう言い俺はひとまずその穴を埋めてその場を後にした。

吹雪がその場を去ってしばらくすると茂みから誰かが出てきた。

 

「まったく、なんで穴を埋めるのよ。私が掘るのどんだけ大変だと思ってるのよ!」

 

そう、落とし穴の犯人は荀彧こと桂花だった。

 

「まったく・・・だから男なんて嫌いなのよ・・・・でもアイツのことはあまり拒絶しなかった。何で?」

 

そう荀彧は男嫌いで男が近づくと拒絶反応が出てしまうのだが、吹雪に関してはなぜか拒絶反応が出ないのだ。

 

「男なんて・・・・そうよ何考えているのよ私は。男なんて信用できない生き物なのよ」

 

そう自分に言い聞かせる荀彧だった。

 

 

翌日、俺は桂花や護衛の部隊と一緒に森の中を歩いていた。なぜそうなったかっというと俺が穴に落ちてから数時間後、急に華琳に呼ばれて桂花と調査に行ってほしいといわれた。内容は桂花にしかわからず、当の華琳は『桂花から聞きなさい』っと言って理由言わなかったし、だから俺はその目的も何をしに行くかはわからない。ちなみに志乃は文官たちの手伝いのためここには来ていない。

 

「遠足~遠足~」

 

「楽しい遠足やで~」

 

「遠足じゃない真桜、沙和。桂花様と隊長の護衛だ」

 

因みにその護衛部隊というのは凪、真桜、沙和の三人だ。

 

「なぁ、桂花ぁ。そろそろ教えてーな。今回ウチ等は何するんよ?」

 

さすがに真桜も耐えられないのか桂花に任務の内容を訊く。ちなみに彼女は凪たちに真名を呼ぶことを許しているがいまだに俺には許していない。

 

「そうね。そろそろ話してあげようかしら」

 

「おお、やっとかいな・・・・で任務はなんや?もしかして要人の調略かいな?」

 

「真桜、たぶんそれは違うと思うぞ」

 

「え?どういうことですか隊長?」

 

「もしも、要人調略なら、華琳自ら行くはずだ。大方、何かの調査だろ?」

 

「あら、あなたにしては鋭いじゃない。そうよ今回の任務は……最近怪しい人影を頻繁に目撃するという報告があった森の調査よ。アナタ達には実際の調査と、もし怪しい人影を発見した時の対処をしてもらうわ」

 

「なんや、そうゆう話やったんか。それならそうと早う言うてくれればええのに」

 

「街中で、おいそれと作戦行動を漏らす馬鹿はいないわよ」

 

「怪しい人影っといいますと黄巾党か笑う棺桶の間諜ですか?」

 

「あのね・・・・それがわかったら調査しないわよ。わからないから調査するのよ」

 

なるほどつまり俺たちはその調査で何かあった時の護衛ってわけだな。ちなみに今の俺の武装はいつもの九九式小銃と南部十四年式拳銃と軍刀だ。ちなみに頭には軍帽の上にテッパチ(九八式鉄帽)を被っている。

 

「それにしても華琳の奴それならそうと説明してくれればええのに」

 

「当然よ。華琳さま忙しいんだから。男か女かわからない奴の会話なんて、最小限に留めるべきなのよ」

 

「男か女かわからない奴って・・・・・・」

 

そう言い三人が吹雪の顔を見る

 

「ん?なんで俺の顔を見るんだ?」

 

「いやだって男はこの中に一人しかおらんし」

 

「女の子っぽい顔つきの男性は隊長だけなの~」

 

「お、お前ら~」

 

まあ、確かに俺は顔は母さん似だよ。俺と母さんは顔こそは同じなのだが髪の色とアホ毛の有無で見分けがつく。てか男女っか…中学でそんなこと言われて無理やり女装させられたっけなそれで仲間がどんどんエスカレートしてきて・・・・・これ以上は思い出したくない。それ思い出すとなんか鬱になってしまう俺・・・

 

「・・・・・ま、まあ、俺が女顔なのはとにかくその怪しい人影を探さないとな」

 

「隊長、女顔のところは否定しないのですね」

 

「実際にそうだしな。それにこの顔は母親似だ。俺としては誇りに思っているし、さほど気にしてないよ」

 

「そ、そうですか・・・・」

 

その後、俺たちは森の中を歩いていく。するとそこで桂花が立ち止まった

 

「さてと、問題の場所はこの辺りのはずよ・・・・・・」

 

と桂花はそう言う見渡すとあたり一面獣道。目印なんかなく今にも遭難しそうな場所だった。

 

「さて、さっそく怪しい人影を探すでー!」

 

「おーなの!」

 

「気合いを入れていきましょう」

 

「おいいおい、凪はともかく、二人とも遠足じゃないんだからもう少しシャキッとしてくれ敵が潜んでいる可能性があるしな」

 

そう言いながら俺は九九式小銃のボルトを動かし7・7ミリ弾を5発装填する。

 

「は~いなの!」

 

「頼むな・・・・・それにしても広い森だ。これは集団で探すより班に分かれていったほうがいいかもな」

 

「そやな~で、隊長どう分ける?」

 

「そうだな。不測の事態に備え荀彧のそばには俺と凪。残り二人は沙和と真桜で、どうだ?」

 

「うちは別にいいで」

 

「任せてください。隊長と桂花様は私がお守りします」

 

そんなこんなで俺たちは二組に分かれて調査することになった。沙和はわかれる寸前、木の根っこにつまずいたけどあの二人で大丈夫かな・・・

 

 

 

「それにしてもどう思う荀彧?」

 

「何が?」

 

「例の不審者のことだよ」

 

俺と凪は周囲を警戒しながら荀彧とともに歩く。そして俺は荀彧に話しかけた

 

「そうね、正直言ってわからないわ。ここには特産物があるわけじゃないし軍隊が通るにしても不便すぎるわ・・・」

 

「確かにな。それに敵の斥候だとしても何度も発見されるようなへまはしないはず。だとすると別のなにかだな。凪はどう思うんだ?」

 

「私にも皆目見当が出ません」

 

「そうか・・・・・」

 

その後俺たちはしばらく森を歩く。すると荀彧がソワソワした表情を見せる

 

「ん?荀彧どかしたのか?」

 

俺がそう話しかけるも彼女はきょろきょろと周りを見るばかりでこちらに気付いていない調査にして集中しているようには見えない。

 

「おい、荀彧?」

 

「ひゃあぁぁっ!?な、なんだ…脅かさないでよ」

 

「随分と大げさだな・・・・さっきから呼んだのに返事しないから心配してたんだよ?」

 

「あ、あんたに心配される覚えはないわよ!」

 

と彼女は何やら慌てて言う。なんだか落ち着きがない。本当にどうしたんだ?

 

「まあ、いいか。それじゃあもう少し先に行くか・・・」

 

俺がそう言い先に進もうとすると

 

「あ、ちょっと・・・・」

 

「ん?」

 

「いや、なんでもないわよ」

 

 

と荀彧はそう言うがどうも落ち着きがなくそわそわしている・・・・・あ~なるほど

 

「凪。」

 

「はい」

 

「結構距離歩いたし、ここらへんで小休止でも取るか?まだ先は長そうだしな」

 

「そうですね隊長」

 

そう言い凪と俺はそばにあった切り株に腰を掛ける。すると荀彧がどこかに行こうとする。まあ何の目的かはわかるんだけどな。凪もそれにわかっているらしく黙っていた。

 

「青空が奇麗だな凪・・・・」

 

「そうですね。とてものどかな感じがします」

 

俺と凪はとてもきれいに澄んだ青空を見上げていた。すると・・・・

 

カサッカサッ

 

「ん?」

 

急に草むらからなにか音がする。荀彧なわけないし・・・すると

 

にゅる

 

「っ!?」

 

草むらから現れたのは蛇、青大将だった。それを見た凪は固まってしまった。

 

「へ、蛇・・・」

 

凪は完全に顔を青くし俺にしがみつく。どうやら蛇が怖いらしい。

 

「凪大丈夫だ。ここは俺に任せておけ」

 

そう言って立ち上がり俺は青大将をつかむ。青大将はいたっておとなしくかみつく様子はなかった

 

「すまないが他を散歩してくれ」

 

俺は蛇にそう言って森の奥へと捨てに行った。そして俺は凪のところに戻る

 

「凪、大丈夫か?立てるか?」

 

そう言い俺は凪に手を差し伸べるすると凪はその手を取っりゆっくりと立ち上がろうとするが腰が抜けているのかなかなか立ち上がれない。そして凪はやっと立ち上がることができた

 

「は、はい・・・・隊長ありがとうございます。実は…私蛇が苦手で・・・・」

 

「まあ、苦手なものは誰でもあるからな・・・・・・ん?」

 

「どうしたんですか隊長?」

 

俺はあるものに気付く。それは一本の木だ。その木はひどい傷跡がついていた。

この後は・・・・

 

「隊長・・・・これは」

 

「・・・・熊だな。しかもでかい」

 

爪の大きさからして立った大きさは3メートルクラスだろう。となるとの最近目撃されていた怪しい人影の正体はこの爪痕の主だろう。こんぐらいの大きさの巨熊なら遠目で見れば人に見えなくもない。しかもこの爪痕はまだ新しい。ということはこの近くにいる・・・・・としたら!!

 

「きゃあぁぁぁー!!」

 

遠くから悲鳴が聞こえる。もしかして!

 

「荀彧!!」

 

「あっ!隊長!」

 

俺は九九式小銃を持って荀彧が言った方向へと向かった。

 

 

「ああぁ・・・・・」

 

私はとある所用で二人から離れそれが終わったらそこへ戻ろうとしたしかし、その途中で巨大な熊に出会ってしまった。あの大きさからして華林様が言っていた怪しい影はおそらくこの熊だ。熊は唸り声を出しながら私の方へと向かってくる。逃げようにも腰が抜けて動けない。

こんな事なら我慢すればよかった。そう思ってるうちに熊は腕を振り下ろす。

私は覚悟して目をつぶるが・・・・

 

ダアァーン!!

 

ものすごい音が響き私は気を失った・・・・

 

 

 

 

俺は荀彧の向かった方へと進むとそこには3メートルクラスの巨大熊が今にも荀彧に襲い掛かろうとしていた。なんだよあの大きさまれで某犬漫画に出てくるあの巨大熊みたいじゃねえかよ。

まずい!俺はすかさず九九式小銃を熊に向けて撃った

 

ダアァーン!!

 

7・7ミリ弾は熊の腰に命中した。俺は荀彧を見ると気絶してるのか倒れている。すると熊は俺の方を向き一気に襲い掛かり右腕を振り下ろす。俺はすかさず避けるが・・・

 

「うぐっ!」

 

避ける際、熊の鉤爪が俺の背中にかすり背中を切ってしまった。激しい痛みが襲うがそんなことは気にせず俺はボルトを動かし再装填して熊の眉間めがけて撃つ

 

ダアァーン!!

 

弾丸は見事眉間に命中し熊は倒れる。しかしまだ意識があり俺は熊にとどめの一発を放ちとどめを刺した。熊は動かない。今度こそ絶命したようだ。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・」

 

俺は息切れをし銃を杖代わりに立っていた。背中の傷がじわりじわりと痛みだす。すると・・・

 

「隊長!今の音は・・・た、隊長!!」

 

銃声を聞きつけ凪がやってきた。

 

「隊長!大丈夫ですか!?」

 

俺の背中の傷を見て凪は俺に駆け寄る

 

「俺は・・・・大丈夫だ。それよりも…荀彧を・・・・頼む」

 

「隊長っ!?」

 

そして俺は傷の痛みを感じながら気がだんだん遠のいて倒れるのだった。

 

 

 

 

それから数時間後、目が覚めたら森の中ではなく、屋敷の部屋の中にいた。その後、華琳からの話ではなんでも、凪たちが傷だらけの俺を背負って運んできてくれたらしい。荀彧はっというと気絶していただけだったので幸い怪我とかはなかったらしい本当によかった。まあ、その後は傷薬を塗ってくれた志乃に滅茶苦茶怒られた。『もっと自分の身体を大切にしてください!!』っとね。志乃って怒ると怖いんだな・・・

 

「は~暇だな・・・・」

 

俺は今部屋のベットで横になっていた。俺って小さいころから傷治りが早い体質だからもう傷も癒えて大丈夫なんだけど華琳が『あんな数時間で回復するわけないでしょ。念のため今日1日は安静にしなさい』って言われて今部屋の中でゆっくりしている。さっきまでは季衣や凪たちが見舞いに来てたけど今は真夜中で誰もいない。俺はただじっと寝ころんでいた。すると・・・・・

 

こんこん

 

ノックの音が聞こえる。こんな時間に誰かな?

 

「開いてるよ」

 

俺がそう言うとドアが開き一人入ってきたその人物は荀彧だった。

 

「荀彧?」

 

俺がそう言うと

 

「怪我・・・・・もう大丈夫なの?」

 

「え?」

 

「だから、私を熊から助けたときの傷よ!もう平気なの?」

 

と、少し心配そうに言う彼女

 

「え?ああ、大した傷じゃないから大丈夫だよ。それに人の命には変えられないしな」

 

俺がそう言うと荀彧は少し顔を赤らめる。あれ?なんで顔赤いんだ?

 

「あ、ありがと・・。」

 

「ん?」

 

「何でもないわよ!」

 

と彼女は顔をさらに赤くしそう叫ぶ。

 

「あ、あの…荀彧?」

 

「桂花よ。」

 

「?」

 

「私の真名、桂花よ。」

 

「呼んでいいのか?」

 

「か、勘違いしないで!あくまで命を助けてくれた礼よ!だからあまり気安く呼ばないでよ!要件はそれだけだから。じゃあお大事に!」

 

そう言って荀彧・・・桂花は部屋から出て行った。

 

「なんだったんだろ・・・・・」

 

俺はただ首をかしげるのだった。

 

 

一方桂花は・・・・

 

「何よ・・・・・男なんて」

 

なんで私はあの男のことを心配してるのよ。確かに私を助けてくれた上に怪我をしたことは少し罪悪感がある。でも、男なんて性欲の塊で下衆で馬鹿で下品だと今まで思っていた。だけど・・・・

 

「あいつは違うのかな・・・・・」

 

顔が女寄りってこともあるけど私の場合男といるとひどい寒気がすることがあるだけどあいつとはなぜかそんなのかなかった。もしかしてあいつとなら・・・・・

 

「はっ!?・何考えてるのよ私は!」

 

男なんてどれも一緒よ!・・・一緒なんだから。そう思い私は部屋へと戻るのだった

 

 

 

 

 

「さて・・・・傷がが癒えたらまた仕事頑張りますか」

 

俺は寝ころびながらそう思っていると・・・

 

「ゴホッゴホッ!」

 

また咳か・・・・まあこの前に比べてたいしたことはないな。

俺はそう思いながらゆっくりと瞼を閉じるのであった。

 

 

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