真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
とある野営地
「張コウ様!!」
「どうしたんだい?」
「先ほど、周倉、張燕ら盗賊連合から伝令が来ました!」
「伝言?なに?長安に攻め込むって?」
「いえ、それが…‥『クジャクが舞い降りた』・・・・・だそうです」
兵士の言葉を聞いて張コウは目を細める
「・・・・へぇ・・・・・で、クジャクを守る鷲の数は?」
「護衛は16人だそうです」
「そうかい。それほどの鷲の数なら、あの燕と狐もクジャクを狩るにはたやすいだろうね。あいわかった。ではこちらもクジャクの巣でも攻撃させてもらうかな?」
そう言うと、張コウはあくびをし、立ち上がり天幕を出ようとすると兵士が
「張コウ将軍。どちらへ?」
「あん?寝るんだよ。寝て襲撃のための体力をつけないとね。あんたらも今のうちにゆっくり休んどきな。次の戦いは激しくなると思うからさ」
「は?・・・・はっ!」
そう言い張コウは天幕を出てもう一つの天幕に入るとそこには郭図こと琉巳がいた
「あら、もうおやすみですか雫さん?」
「ん?なんだ流巳か?真直はどうしたんだい?」
「真直さんなら、いまだに天幕で作戦を練っていますわ。盗賊連合が失敗した時の対策として、もしくは徐州を責めている麗羽様が攻略に失敗した時のための作戦を練っているんでしょ?」
「苦労人だね~あの子も・・・・・あのような知略がうちにいるのは大変ありがたいと思うが正直言ってここにいても・・・・・」
「宝の持ち腐れ・・・・・と?」
「ま、そう言うことになるのかね?あいつの才能は麗羽様という器には入りきらない物なのかもね。あいつの知はもっと別の所で発揮されるんじゃないかと私は思うよ・・・・おっと。私としたことが。おい琉巳」
「ご安心を今のは聞かなかったことにします。しかし、それについては同意見です。正直言って袁家の終着点は近いと私も正直思っていましたし・・・・・それと張コウ将軍。くれぐれも・・・・」
「わかっている。チクったりしないわよ」
そう言い鎧を外し薄着姿になりながらそう言う張コウこと雫に琉巳は
「それより、先ほど伝令兵から何かを聞いたみたいですが?」
「ああ・・・・クジャク・・・・沖田が西砦に訪問しに来るらしい」
「沖田・・・・・あの御使いですか・・・・・ですが、孔雀という暗号名は国の王、または将軍職に就く者を表します。なぜ沖田だと?もしかしたら別の人物の可能性があるんじゃないですか?」
「ふっ、張燕の小娘。ご丁寧に説明付きの手紙をよこしてたんだよ。先ほど仲華軍の伝令兵を殺し、その命令書を奪って確認したところ、沖田が数時間後、私たちが攻める目標にしている西砦を少数の護衛を連れて視察しに来ることになっているらしい」
「それで…張燕や周倉はなんと?」
「言わずともわかるだろ琉巳?」
「ええ…想像はつきます・・・・となるともしや彼女もいるのですか?あの白銀の狐も」
「白銀の狐?なんだそれ?」
「知らないのですか?最近巷の噂で『天の御使いである沖田吹雪に過ぎたるもの3つあり、天界の武器と鬼の副長、李郭、そして…‥白銀の狐、司馬懿』と・・・・・」
「司馬懿か・・・・・確か琉巳が是非、知略対決をしてみたいと言ってた沖田の筆頭軍師だったな?」
「ええ、まさかこういう形で出会うことになろうとは、世の中不思議です。」
「ま、出会えるかどうかはあの盗賊連合で無事に切り抜けることができたらの話だがな。まあたったの少数で数千人以上いる相手の奇襲を受けたら・・・・・・ひとたまりもねえ。・・・・ここは奴らの知恵と強運に恵まれているか見せてもらうとするよ・・・・・」
そう言い張コウは欠伸をして寝転ぶのであった。そして琉巳は
「ここはお手並み拝見です。司馬懿殿・・・・・」
静かにそう言うと彼女は天幕を出るのであった
一方、同時刻、沖田率いる視察部隊は西砦へと向かっていた。
そして、向かう人物は吹雪以下、志乃、鈴の両軍師他、護衛を務める斗志や星の他、斗志が選抜した兵士16名が吹雪を囲う形、いわゆる輪形陣で目的地である西砦へと馬で向かっていた
「隊長、後、数刻で、西砦に着きます」
「そうか・・・・・・・そう言えば西砦には美佳や川内が現場指揮を執っていたっけ」
「はい。二人とも吹雪様に会いたがってました・・・・・・それにしても暗いですね。この道は」
「そうだな・・・・・木が生い茂って日が隠れているからな。まるでジャングルを歩いているみたいだ」
「じゃんぐる?」
「ああ、密林っというか、こういう森林のことを言うんだよ」
「そうなんですか。吹雪様はそのジャングルという場所に行ったことがあるんですか?」
「いや、まだないよ。本とかで知った」
志乃と吹雪が話す中、周りを護衛する斗志たちはあたりを警戒していた。雪風の情報では西国境付近で怪しい集団が発見され、もしかしたら袁紹軍じゃないかと推測されているため敵の襲撃に警戒しているのだ
そんな中、一緒に視察部隊にいる李儒こと鈴は少しおどおどした表情であたりを見ていた。いつもは宮中や屋敷で書簡仕事などをしていた彼女だが、今回初めての少し遠い場所に行くので緊張しているのだ。
「(ウっ・・・初めての視察・・・・街や屋敷以外出たことが無いから緊張する・・・・・)」
不安そうな表情をする鈴。気を紛らわそうとあたりをきょろきょろと見るが辺りは森林に囲まれ太陽もその木々によって隠され周りは薄暗いため彼女の気持ちがよけいに大きくなる。
「(どうしよう・・・・・何か怖い)」
そう思うっているとそれを見た吹雪が
「ん?どうしたんだ鈴?」
「ひゃい!?えっと・・・その」
声を掛けられびっくりする鈴。
「もしかして怖いの?」
「鈴大丈夫ですか?」
「あ、・・・・だ、大丈夫です吹雪さん、先生、アハハハ・・・・」
と、笑って誤魔化そうとするのだが、志乃には見透かされたのか
「鈴?」
「す、すみません先生。本当は私、暗いところがちょっと怖いです」
気まずそうにそう言う鈴。するとそれを見た吹雪は
「そうか。まあ確かに木のせいで日も隠れて暗いし、鈴が不安になるのも仕方ないか・・・・・良し、歌でも歌うか」
「え?」
「歌でも歌えば不安な気持ちも吹き飛ぶ。斗志!」
「はい!歌謡行進ですね。何を歌います?」
「そうだな・・・・・・軍歌もいいが、ここはひとつ『洛陽の娘』を歌おう」
「了解!おい聞いた!みんな歌うわよ!!」
『『了解!!』』
斗志の号令に皆は返事をし、そして歌いだす。吹雪の言った『洛陽の娘』とは日本の歌謡曲『酋長の娘』・『ラバさん』をこちら風にアレンジし、替え歌にしたものだ。みんなが陽気に歌い、気付けば鈴も不安も吹き飛んだのかみんなと一緒に陽気に歌っていた。すると前方に、何者かが馬に乗ってやって来た。それは美佳であった
「吹雪さん。お迎えに来ました」
「ああ、美佳。わざわざ出迎えすまないな」
「いいえ、私も沖田さんに早く会いたかったので。あ、それと西砦にいる兵やその現場の監督をしている川内も皆楽しみに待っていますよ」
「そっか、西砦には川内もいたっけな」
「はい。川内も『早く吹雪来ないかな~』なんて言っていました。それより吹雪さん。先ほど歌っていた歌は・・・・・洛陽の娘ですか?」
「ああ、ちょっと景気づけにな。美佳は知っているだろ?」
「はい。あの歌は洛陽でも大流行していましたからね。近所の子供たちも歌っていましたよ」
「そうか・・・・」
そんなにはやっていたのは知らなかった。もしCDとかミュージックプレイヤーとかあったら大量に売れてたのかもしれない。いや、もしかしたら夕張か真桜なら、CD、ミュージックプレイヤーは無理でもレコードや蓄音機とか作りそうだな・・・・あとで夕張に相談でもしようかな。そう考えていた。そしてしばらく美佳とともに西砦へ向かい。あともう少しの距離まで来た
「あと30分くらいで着くかな・・・・・・」
俺がそう呟いた瞬間
「っ!?敵襲!!」
「「っ!?」」
直掩についていた兵士が声を上げると二時方向と10時方向の少し丘となっているところから総勢100名以上はいるだろうか、かといって、服装を見るからに仲華軍の兵でもない。そしてその軍勢の先頭には
「久しぶりだね。沖田吹雪。黄巾の乱以来か?」
「っ!?お前は周倉!」
軍団の先頭にいたのは無敗の異名をとり、かつて黄巾の乱で一騎打ちをした周倉であった。そしてその隣には
「私とは初対面のはずだよね沖田」
と、周倉の隣に小学生くらいで弩を持った少女がいた
「・・・・・・周倉。その子供は誰だ?君の子?」
「なっ!違うわよ!!誰が子供でこんな奴の!私は黒山衆棟梁の張燕よ!!」
「まあまあ、落ち着きなって。張ちゃん」
「誰が張ちゃんよっ!!」
顔を真っ赤にしてかんかんに怒る少女こと張燕。張燕・・・しかも黒山衆と言えば漢王朝も討伐することは不可能で、もうお手上げと言われた大盗賊だったけ・・・そのリーダーの張燕がまさか小学生ぐらいの少女だったとは・・・・そう思う中、周倉は剣を張燕は短刀を抜き
「「沖田吹雪!貴様の命、私ら盗賊連合がもらい受ける!!」」
そう殺気を出して俺にそう宣言するのであった
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