真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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柳琳、吹雪に街の案内をされる

曹純さんが長安に来てそして美食の回に招待された後。俺と月はすぐに洛陽に行く人員の編成に取り掛かった。。まず仲華国の王である月とその参謀であり軍師の詠が来るのは当然であり、そしてその護衛は月の親衛隊の隊長である夢華と母さんと桜さんと霞。そして俺以下、軍師である志乃と鈴。そして副官である斗志と桜花と夕張そして星と雪風の他小隊規模の兵が一緒に行くことになった。

因みに華雄こと橘花は「宴には興味ないし、長安を空にはできない」と、そう言い留守をすることになり華雄の他にも美佳やアンチョビさん白蓮。そして川内が長安に残り、侵略軍に備えて残ることになった。

出発は護衛隊の準備や長旅の兵糧準備のため5日後ということになった。そして今俺はというと・・・・

 

「おはようございます柳琳。昨日はよく眠れました?」

 

「はい。おかげさまで。今日は街の案内をしてくれてありがとうございます」

 

「・・・・・・」

 

と、柳琳が笑顔でそう言う。そう今日は柳琳に長安の街を案内するのだ。因みに俺はいつもの九九式小銃を持ってはいない。さすがにお客を案内するのにライフルは必要ないだろう。だが、万が一の護身として軍刀と南部拳銃を所持している。そして柳琳の副官である王双さんはじっと俺のほうを怪しむように睨む

 

「どうかしたんですか王双さん?」

 

「本当ねどうかしたの鶫?」

 

と、俺と柳琳が心配そうに訊くと

 

「・・・・・いいえ、たいしたことはありません。ただ少し緊張して疲れているだけです」

 

「それはいけませんな・・・・」

 

「そうですね。鶫。あなたは屋敷に戻って休んだ方がいいじゃ・・・・?」

 

「そう言うわけにはまいりません、私は柳琳様の護衛として来ているのです。離れるわけにはいきません」

 

「でも・・・・・」

 

「大丈夫です柳琳様。少し疲れているだけで体は何ともありませんよ。御使い殿もお気になさらず」

 

「そうですか・・・・・でっもあまり無茶はしないでくれ。具合が悪くなったらすぐに言ってくれ」

 

「心遣い感謝します」

 

と、王双さんは頭を下げる。だがその目はどこか俺を警戒するかのような目で合った。俺は少しその目に疑問を感じたが、そんなことは気にせず

 

「それでは街を案内します」

 

と、そう言い俺は柳琳たちを街へと案内するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「吹雪さん。あの建物はなんですか?見たこともないのですが?」

 

「ああ、あっちにあるのが学校で、その奥のほうには無料の診療所が置いてあるんですよ」

 

「診療所はわかりますけど、学校という言葉は聞いたことがありませんね?どういうものなんですか?」

 

「そうだな・・・・簡単に言えば私塾のようなものだよ。子供たちを集めて一定以上の教養を身に着かせるんだ」

 

「私塾・・・・・・そう言えば前にお姉さまが基本的な学力を平均的に身に着けさせるための私塾を立てる計画を立てていましたけど・・・・・」

 

柳琳が感心してそう言う。華琳の奴・・・・すでに学校を建設する計画を立てるとはさすがだな・・・・すると王双が

 

「それにしてもこの街の風景も交通整理もしっかりしている・・・・曹操様に仕官する前に一度来たことがあったがまるで見違えるようだな・・・・・・」

 

と無表情だがどこか感心したような表情をする王双さん。すると街の人が

 

「あ、沖田将軍。こんにちわ」

 

「おう、おっちゃん。今日もいい天気だな。何か困っていることないか?」

 

「いえいえ、沖田様や董卓様のおかげで私たちは安心して暮らせますよ」

 

「あら?そちらの女の子は彼女かい御使い様?」

 

「いやいや奥さん。この人は観光客だよ。今街の案内をしてね」

 

「そうかい!あ、これ食べてきなうちの店で作った新作の肉まんだよ」

 

「アハハ。ありがと」

 

「御使いさま、新作の服が出来上がったのです。見に来てくれませんか?」

 

「ごめん、今は忙しくて。あとで見せてもらいよ。」

 

『御使いのお兄ちゃん!』

 

「おう。みんなちゃんと学校に行っているか?勉強頑張っているか?」

 

「うん!ちゃんと言っているよ!」

 

「勉強だって頑張っているよ!司馬懿先生やお兄ちゃんの授業楽しいもん!」

 

「アハハ!そうか。宿題忘れるなよ!」

 

『は~い!!』

 

と、町の人と楽しそうに話す姿を見た柳琳は

 

「沖田さんって街の人に慕われているんですね鶫」

 

「はい・・・・・そうですね柳琳様。彼の者は天水やあの洛陽の荒廃した町を瞬く間に立て直した人物です。楽進隊長に話の通り素晴らしい人だと思います」

 

「そう言えばあなたは虎豹騎に入る前は警邏隊の楽進隊に所属していたのだったわよね?」

 

「はい。沖田殿が曹操様のもとを去った後に入隊しました」

 

と、そう話をしていると吹雪が戻ってきて

 

「すまない柳琳。王双さん」

 

「いいえ、吹雪さんて街の人に好かれているんですね」

 

「まあ、いつも警邏で顔を合わせてますからね。会わせるうちに自然と仲良くなったんですよ」

 

「ふふ。そうなんですか」

 

柳琳はにっこりと笑い

 

「そう言えば、吹雪さんは以前お姉さまの客将をしていたのですね?」

 

「ああ、数か月の間だけな。そう言えば柳琳はその時いなかったな?」

 

「はい。あの時私と姉さんと栄華ちゃん・・・・あ、栄華ちゃんていうのは私の従妹で曹洪というんですが、その時は別の用事があってしばらく成都の方へ行っていたんです」

 

「へ~そうなんだ」

 

だから、あの時、会わなかったのか・・・・

 

「お姉さまや桂花さんからよく聞いていました。陳留の警邏体制や治安改善は皆吹雪さんの案だとか・・・・・」

 

「いや、あれは俺が思いついたものじゃないよ。ただ俺の国で使われていた政策方法を華琳に教えただけだし、何より治安が良くなったのは俺じゃなくて、隊士たちの頑張りによって実現したんだ。だから俺はなんもしてないよ」

 

「ふふ、謙遜なんですね」

 

そんな話をしながら俺は柳琳を連れて街や畑や牧場などを案内する。そしてしばらく案内をすると王双さんが

 

「それで御使い殿。次はどこへ・・・・・」

 

「そうですね・・・・・二人はどこか行きたい場所はある?」

 

と、そう言うと王双さんの目が光り

 

「・・・・・では練兵場を見てみたいです」

 

「ん?別にかまいませんが柳琳さんは?」

 

「はい。私も皆さんがどんな訓練をしているのか興味があります」

 

「そうですか。じゃあ案内するよ」

 

と、言うことで俺は二人を連れて練兵所に案内するのだった。そして訓練場に着いた時、二人が見たものは・・・・

 

「うちの訓練とあんまり変わりませんね・・・どちらかというか派手さがないですね?」

 

二人が目にしたものは兵たちが上官と一緒にランニングをしたり、槍や剣の素振りをしたり、障害物を越えたりと演習に派手さがなかったが、訓練兵たちの士気は非常に高く歌を歌いながらランニングをしている兵たちもいた。歌っている歌は・・・某海兵隊映画や某細胞漫画の黒服連中が歌っているような歌であった。

 

「そうですね・・・・でも士気は高そうです」

 

「わかるのか柳琳?」

 

「はい。一応、私も一軍の将ですから。それに兵たちが声をそろえてあんなにハキハキと歌いながら訓練をするのは士気が高い証拠です」

 

「なるほど・・・・」

 

さすが虎豹騎の隊長だ。すごい観察力だ。すると王双が

 

「沖田殿。風の噂に聞いた沖田殿の武器である銃というのは今どこにあるのですか?」

 

「ん?王双さん銃に興味あるの?」

 

「はい。枯草の御使いが所持する雷鳴を轟かす兵器であり、反董卓連合の戦いで無数いた敵兵をなぎ倒した超兵器である銃がどんなものか興味ありまして是非、この目で見たいと思います」

 

興味津々の顔で俺に迫ると柳琳は

 

「鶫。そんな急なこと言ったら吹雪さんが困るd・・・・・」

 

「いや、別にいいですよ?それに確か西の練兵所辺りで銃士隊が射撃訓練をする予定ですから見てみます?」

 

「え!?いいんですか吹雪さん!そんなことをして確か銃って言えば董卓軍の秘密兵器なんじゃ?」

 

「秘密兵器?誰がそんなこと言ったの?別に秘密にするほどじゃないよ。それに反董卓連合の件ですでに他の諸国に知られているし」

 

「そ、そうなのですか?」

 

俺の言葉に柳琳は意外な顔をする。彼女から見れば銃は天の国の武器であり董卓軍の秘密兵器で他国から来た客人に簡単に見せるとは思いもしなかったのだろう。だが彼女の思いとは裏腹に吹雪は別に銃を秘密にしようとは思っていなかった。なぜならあの反董卓連合の戦いの時、洛陽の街の瓦版屋、つまり新聞社が堂々と

『董卓軍の新兵器!侵略者を撃退!!』

と表紙にデカデカと宣伝されていたのだ。そのため今更秘密にする必要もないし、今まで漢王朝がやっていた検閲をする気なんてなく、むしろ新聞社に協力を求め、その真意を誤解を無きように伝えるようにとお願いしている。これは月や詠も公認済みのことである

 

「ああ。それで王双さん。銃士隊の訓練見に行きますか?」

 

「はい!ぜひお願いします!」

 

「柳琳も見に行くか?」

 

「え?は、はい是非」

 

と、そう言い俺は二人を連れて銃士隊のいる練兵所へと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

「よし!次!!・・・・・ほら、そこ!もっと狙いをつけて!!そこ、弾丸の装填が遅いわよグズグズしてたら敵にバッサリ斬られるわよ!」

 

練兵所に着くとそこには地面に伏せ銃を構えた銃士隊の隊士が100メートル離れた的に向かって射撃訓練をしていて、その様子を銃士隊の隊長及び工兵隊の隊長である夕張が指揮していた。隊士の持つ銃は、以前の単発式ボルトアクションを改良した型で、大陸の砂塵やほこりが機関部に入るのを防ぐためにダストカバーが付けられたのと、銃身を少し長くして三八式歩兵銃のような長さになっている。因みに新型銃の見た目はドイツのKar98kに似ている

 

「あれが銃ですか・・・・・」

 

銃隊士の持つ銃を見て柳琳はそう呟く

 

「ああ、あれが銃士隊の主力小銃の一式歩兵銃Ⅱ型・・・・・・」

 

と、そう言いかけた時、王双は吹雪の肩を掴み

 

「御使い殿。あれをぜひ我が魏に売ってはくれませんか?もしくは製造方法を・・・」

 

「あ~すまない王双さん。華琳にも言っているんだが、製造方法は国家機密なので教えることはできませんし、他国への輸出も禁止しているのでそれはできないんですよ」

 

「う、うむ・・・・じゃあどのくらい装備しているのだ?」

 

「正確な数も教えることはできませんが一人一丁持っていると認識してください」

 

「な、なるほど・・・・・」

 

王双は吹雪の言葉に銃士隊の持つ銃を見て羨ましそうな顔をし、そして彼女は銃の威力を見て、吹雪たちには聞こえない声で

 

「曹操様がなぜ董卓たちを美食の会に呼んだ本当の理由が少しわかった気がします」

 

とそう呟くのであった。

 

そして訓練所を一通り見終えを空も赤く染まったころ、俺たちは屋敷へと戻った。そして部屋の前で柳琳は

 

「吹雪さん。今日は街を案内してくれて、ありがとうございました」

 

「いえ、こちらこそ楽しんでいただけて良かったよ。それじゃあ俺は部屋に戻るから、何か困ったことがあったら気軽に呼んでよ」

 

「はい。ありがとうございます・・・・・・・」

 

「ん?どうしたの?」

 

「あ、いえ、ただ。先ほど街で見たように吹雪さんって本当にお優しいと思って」

 

「そんなことないよ。俺はただ当たり前のことをしているだけだから。じゃあ、また明日」

 

「はい」

 

そう言い吹雪はにっこりと笑いその場を後にするのだった。そして柳琳は

 

「吹雪さん・・・・・」

 

と、少し顔を赤らめてそう呟くのであった。

 

 

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