すみれ色の瞳の乙女─天馬の章─   作:つきしまさん

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【10話】契約の言葉

「さあ、徹夜で仕上げるぞ~~~! みんな、頑張るよ~~!」

 

 張り切るソープに整備班一同が動き出す。無茶な主の要求も腕の振るいどころだとA.K.Dが誇る最高のスタッフたちも張り切っている。

 レディオス・ソープが手がける星団最高のシリーズ。その初お披露目となるであろう騎体。最強のMHに最高のファティマを載せ、選ばれし騎士が正義を成す。

 そんな戯言のような言葉が国家そのものを動かす。デルタベルンの天照帝(アマテラスのミカド)にして、MHマイスター・レディオス・ソープという存在がだ。

 それを見守るアイシャは少し前のソープとのやり取りを思い出す。

 

「エストと黒騎士がなぜ強いのか知ってる? あれはね、バッシュにファティマ・エストが組み合わさると最高の性能を発揮するように設計されているからなんだ。もちろん、騎士との相性が一番重要なんだけどね。こいつにはあれとほぼ同じシステムが組み込まれているんだ」

「同じ? でも、エストは突然変異のようなものだったと。モラード博士も論文でそう認めていたと思いますけど?」

 

「ルミラン・クロスビンとモラード・カーバイトが組んで作り上げた最高傑作バッシュとエスト。世紀の天才二人を結びつけたのは実はコークスだ。コークスはこれまでに五人のファティマを生み出した。その五人のファティマたちが誰かわかるかい?」

「コークス博士の生み出したファティマはすべて照会不能じゃなかったかと……公的に存在するのかさえ謎ですよね」

 

「そう……記録はボクが消した。コークスの五人目のファティマが生まれたのは彼がアカデミーにいた頃の話だ。彼の前に天才モラードが現れ、当時のクロスビンとコークスが進めていた研究に加わった。けれどコークスの研究を完成させたのはモラードだった。コークスはモラードに主役の座を譲りアカデミーを離れた。それだけ聞くと弟子に先を越されたように聞こえるけどね。実際は名声にはとんと興味のない男だったし。そうしてコークスは研究から退いた。彼の五人目のファティマは元のデータを書き換えられた。普通のファティマとして一人の騎士の元に嫁ぎ、そして死んだ」

「死んだ?」

 

「コークスは死んだファティマの脳に埋め込まれたプログラムを元に人格を再構成した。まったく異なるファティマとして甦ることとなった。それがエディという少女だ。彼女のためにこいつを組み立て、それに君が乗るというわけ」

「ソープ様、飛躍しすぎです! 乗るなんて言ってませんから! それにそのファティマ、ソープ様にモタヘなんか嫌いだって言ったんでしょう?」

 

「まあ、ちょっと変わっているよね。コークスも昔はバランシェに深く関わってたらしいから、性格的にそういうとこあっても不思議じゃないよねえ」

「これまた、めんどっちそーな……」

 

「それはいいとして、エディにもシンクロナイズド・フラッター・システム(S.F.S)が組み込まれているからね」

「エスト争奪戦の引き金になったアレですね」

 

 それは血みどろの争奪戦として星団史に刻まれる事件だ。エストを巡り騎士同士が争い、心労でクロスビンは倒れた。

 

「黒騎士バッシュとエストに組み込まれたシステム。おそらく、単騎では星団最高の性能を誇るだろうね。バランシェがモラードを買うのがよくわかる。黒騎士とエストが公開されたときの騒ぎはなかなか忘れられない」

「心労が重なったとも、暗殺されたとも言われていますね。その後、モラード博士もエストや黒騎士とともに姿を消したと」

「新たな黒騎士を得るまでエストは表舞台から消えた。でも、騎士を得れば話は別さ。彼女はコーラスの元へ行き最高のパートナーを見つけ出したんだ。思えばコークスは退くことで自分とファティマを守ったのだと言えるだろうね」

 

 エストの話とコークスのその後にアマテラス帝も少なからず関わっているのだが、ソープはそこまでは語らない。

 

「エストが完成した後、エディに搭載されたプログラムは凍結された。そして六年前、彼女は死んだ。そしてコークスがこの城で再生させた。こんな変わった経歴のファティマは他所ではお目にかかれないだろ?」

「はいはい、そーですわねえ」

「瀕死の娘を蘇生させ、死んだ脳の代わりに凍結させたシステムを起動させたんだ。結果的にエディという人格が生まれた。あれはね、エスト同様ファティマの可能性を大きく秘めた存在なんだよ。そしてここに君がいる。ボクが君を選んだ。黒騎士と対になるモーターヘッドとファティマを使いこなしてご覧よ」

 

 それは挑戦である。それ以前にファティマがアイシャ・コーダンテを選ぶかだ。

 

「でも……」

「これはボクのただのわがままさ。彼女に選ばれないんなんてことはないと思うけどな。もっと自分を信じなさい」

 

 アイシャの頭をポンポン叩いてソープは微笑む。

 

「ソープ様はずるい。いつも自分一人で突っ走って。でも許してあげます」

「かわいいボクのアイシャ。君ならできるよ」

「それより辻斬りの情報をくださいませんこと? 例のミミバも絡んでいることですし」

「奴の太刀筋は鋭く、獰猛だ。対峙したモーターヘッドはすべてが一撃で屠られている。倒された者の中にはかなりの腕前の者もいるしね。腕は天位にも届くかもしれない」

「天位……」

 

 俗に天位とは強い騎士に与えられるものであるが、その基準は定かではない。今では形式的なものともなってもいる。

 天位だから最強というわけでもなかった。もっとも前提からして強力な騎士には違いない。

 国の代表的な騎士が天位持ちであることもある。いわば、ただの称号でしかないのだ。

 真に強力な騎士の最高位は剣聖の名を持つ者だ。一つの時代に剣聖は一人と定められている。

 剣聖ディモス・ハイアラキの跡を継いだのはダグラス・カイエンだ。

 そのカイエンはこの時期は表舞台に姿を現しておらず、剣聖を預かるのは宝冠をかぶった剣聖慧茄(エナ)だった。

 

「ヤツを追いかけているウモスの騎士団もそろそろ大規模に動きそうだよ」

「あら、私の出番なんてなさそうじゃありませんこと? ウモスも面子丸潰れで躍起になっているでしょうし」

「うん、そうだね。だから間に合わせたいのさ。徹夜。フル回転しないと間に合わない。君はお姫様を口説いてきなよ。せっかく組みあがっても、乗るファティマがいないんじゃ格好がつかないだろう?」

「はぁ……」

「ほら、行った、行った。今からここは部外者は立ち入り禁止だよ。バシクには悪いけど、彼女には生まれたての赤子をあやす役をやってもらう」

 

………

……

 

 

「さ、行きますか」

 

 正装した襟元を正してアイシャは地下工場を出た。そしてファティマが待つ契約の間へと向かうのだった。

 

 

「You seek your next!(新たな主を探せ!)」

 

 ル=フィヨンド館の一室でエディの額のクリスタルに当てられた骨ばった指先が離れる。

 エディは閉じていた黒耀の瞳を開く。その双眸はわずかにうるんでいた。

 ヘッドクリスタルのコンデンサが情報を正しく認識し、処理をし終える。仮のマスターとしての解除が行われたのだ。

 

『契約の解除を確認……』

 

 エディは手を胸に当てて周囲を見回す。そばにいるのはお父様。少し離れた窓際に車椅子のフローラとアイラがいる。

 大きな扉の近くに騎士が数人いた。その騎士らはA.K.Dのゴーズの騎士だ。この場の見届けのためにソープが連れてきた騎士たちである。

 これからお披露目が行われるのだ。極少人数のお見合いである。

 突然決まったことだ。エディにはまだ戸惑いがあった。

 お父様に告げられたのは、「これから、お前のマスターの選定をする」という宣言だけだ。

 

 ファティマのお披露目にはいくつかの形が存在する。

 最小のものが、ファティマとマスターとなる人物に加え、騎士クラスの人物三人による見届け承認の形を得るものがあった。

 最低限の見届け制度だが、星団法で認められたれっきとした選定のルールだ。 

 お父様はもう「仮のマスター」ではない。ファティマにとって、マイトは父であり母である。その庇護下を離れるということは、誰かに嫁ぐ準備が整ったということでもある。

 お父様に変わりはないが、ファティマにとって最も優先すべき対象ではなくなった瞬間だった。

 エディが再起動した日からお父様はずっとエディのマスターでもあった。ダムゲートでも制御しきれない胸の内には少しばかりの寂しさが残る。

 

「主(マスター)を選んで来い。相応しくなければ振ってこい。お前にはその権利がある」

「でも……マスターを選ばなかったら、わたしはホントの役立たず……」

「誰がお前が役立たずだと言った? 城の者か?」

「いえ、そうではなく……もし、マスターを選べなかったら……」

 

 お父様の立場に泥を塗る事になる。廃棄対象のファティマなどこの世界では何の価値もない。

 

「エディ」

「はい」

 

 コークスの声にエディは頭を上げて応える。

 

「ならば、わしのところにいればいい。人手ならばいくらでも欲しいところだ。ここも年々、年寄りばかり増えよる。寝たきり連中を起こすのも面倒だ。いまいち不器用で頼りにならんが、助手の手はいくらでも欲しいからな」

「お父様……」

「行って来い。お前に相応しいと思う者を選べ。出来の悪い娘が嫁ぐのを見るのもこれで最後にしたいもんだ。アマテラスの部下を全部袖にするというのも悪くないがな」

 

 ふと、コークスの目に感情の揺らめきのようなものが走って、すぐに消える。抑揚のない声は感情を抑えたものだ。

 そう感じ取り、エディは感情を洩らさぬ声で、はい、と告げて返す。

 

「A.K.Dの騎士では不足か?」

「いいえ……」

 

 エディは小さく首を振る。よくわからない。 この場にいる騎士全員がマスターの対象となる。

 契約に必要な見届け人は揃っている。ここにいる騎士の誰をマスターと呼んでも良いことになっている。

 実際には誰でも良いわけではない。ファティマが戯れに主を選ぶことはない。

 それは本能であり、強い騎士の血と相性から決まるのだ。どちらが優先されるかはファティマの性質によるところが大きい。

 仮のマスターを得ているとき、ファティマはその本能の一部を封じられる。

 ファティマがマスターとする対象は原則一人であるから、より相性の良い騎士と出会ったとしてもマスターを乗り換えるということはありえない。

 ファティマが生まれた頃は複数のマスターに仕えることもあったが、相性の良いマスターを選ぶことで能力を上げるファティマの性質から星団法でマスター選定の基準が定められていた。

 すなわち、ファティマ自身の意思でマスターを選出する。

 

「モーターヘッドは怖いか?」

「……」

「お前に施されたダムゲートは特殊なものだ。真のマスターを選び出したとき、お前は本当の自分の姿を取り戻す。お前の中にある記憶は開放される。今のお前はその人格に蓋をする存在だ」

「本当の私……? 記憶……」

 

 造り物の人格……やはり私はいらない子?

 

「今のお前も私の娘だ。それは変わらん。だが、変わることを恐れるな。その選択もお前の意思で決めろ」

 

 エディの頬にグランの手が触れてわずかに撫でた。無骨で骨ばった手だ。

 その手に自らの手を当てて頬に感じる。年老いたその手は無愛想だが温かい。

 

「お父様?」

「答えはお前自身で見つけろ。主を得るか、留まるか。選ばずとも誰も咎めん。お前が今のお前のままでいたいと思うのであれば、そのままでいれば良い。わしにしてやれることはもうない……」

 

 お父様……

 エディは振り返る。扉の前にいた一人の女が進み出る。立ち振舞いから立派な騎士であることはわかった。 その後ろからゴーズの騎士が続く。

 五歩ほど手前で女騎士が立ち止まると騎士たちも止まる。女騎士がおごそかに宣言を述べた。

 

「星団法に則り、正式な見届けの騎士の立ち会いの元に選定式を行います。ファティマ、エディよろしいか?」

「はい……」

 

 胸が高鳴る。四人の騎士がこの場にいる。お披露目ともなればもっと盛大に貴賓の貴族や見物人で賑わい、ときには一〇人以上の騎士とも対面する。

 そんな華やかなお披露目ではないが、相手はA.K.Dの騎士である。後ろ盾は十分であるといえた。

 

「クリサリス公、前へ」

「ゴーズのレオパルト・クリサリスです」

 

 エディの前に進み出たのは若い騎士だ。優しげな風貌で物腰に気品が感じられる。王侯貴族といっても通じそうだ。

 この人……強い。 クリサリスを前にしてエディの心拍数は途端に跳ね上がる。

 それを理解できるのはファティマの本能からだ。ファティマには強い騎士を求めるプログラムが組み込まれている。そして、その本能に抗うことは難しいことだ。

 騎士の実力だけではない。ファティマとの相性も優先事項に含まれていた。

 面識があるないに関わらず、ファティマは初対面であっても、自分に相応しいマスターを選別する能力を持つ。

 また、友情や情愛よりもそれは優先されていたから、個人的な好き嫌いでマスターを決められるものでもない。

 理想のマスターを求め、MHを動かす完全な部品として在ることがファティマの存在意義である。与えられた役目を果たすためにファティマはマスターを選ぼうとする。

 そこに一切の例外はなく、すべてのファティマはその本能に従ってマスターを選ぶのだ。

 クリサリスを前に胸の内が昂ぶるような感覚に包まれる。その感情がどのようなものであるのかを言葉で説明するのは難しい。

 そう感じ取れるのも契約が解除されたからだ。お父様の施したプログラムが解除されたことでエディの本能が開放されたのだ。

 だが、ある言葉が出てこない。強く理想的な騎士が目の前にいるというのにエディの中である言葉が出てこない。

 マスターという── 

 エディは俯く。どのような言葉を発すればよいのかわからない。

 やっぱり、私は壊れている?

 

「あちゃ~~ 振られたみたいね。本命のつもりできたんだけど」

 

 真顔のクリサリスの隣で髪をかきむしるのはアイシャだ。

 ただ、申し訳なくなってエディは頭を下げる。

 

「クリサリスでダメなら他の二人でもダメかな? あなたたち、クリサリスを袖にした子のマスターになる自信あるかい?」

 

 アイシャの振りに後ろの二人が苦笑いする。彼らは元より見届けのために来ただけなのだ。何せ、クリサリスに至っては任務だと騙されて連れて来られた口だ。

 

「こほん、しきたりに則れば最後はアイシャ様の番です。この場にいる騎士でファティマなしは貴女だけですので」

「わかってるってば……」

 

 クリサリスを睨んだアイシャが前に進み出てエディの前に立つ。長身の女騎士をエディは見上げた。

 何だろう……頬が熱い。フワフワしてるみたい……ドキドキも何だかすごい。

 さっきとは違う? 

 頬にかかるほつれ髪を耳元にかける。照れ恥ずかしさがエディはの顔を伏せさせる。

 

「えっと、エディ?」

「はい」

 

 名を呼ばれただけで、ドキ……ドキンっ! と鼓動が波打ち始める。それは衝動的な発作のようにエディの胸の奥を揺らす。

 わ、私、どうしたのっ!? こ、壊れてしまったのっ??

 頭の中がこんがらがってショートしそう。これはまるで、恋するという気持ちのようだ。まともにアイシャの顔を見るのも難しい。

 先ほどのクリサリスに感じたものに近いが、より一層激しかった。

 頬が熱くなりすぎて朦朧としそうだ。動悸で胸が苦しくなる。

 フワフワと熱に浮かされたようになっていた。立っているのかすら怪しい感覚。

 恥ずかしさにいたたまれなくなって、もじもじと靴の踵をすり合わせる。無作法だが気が動転していた。これほど動揺することなど滅多にない。

 それに……ダムゲートがまったく働いていなかった。

 あうあう……ダムゲートどうしたの? お仕事なさい。肝心なときに動かないんだから。

 

「ふ、ふにゃらぁぁ~~」

 

 自分でも分けの分からない声が出る。気の抜けた熱い吐息を吐き出して、何とかクールダウンしようとする。

 そう、これは……本能なんだ。そしてこの人は私の──

 熱で浮かされたようにエディはアイシャを見つめる。

 

「あー、仮でもいーんだよね。あたしは別にファティマとか……」

「往生際が悪いですね。アイシャ様にファティマが反応しているというのに」

 

 アイシャの横でクリサリスが真顔でやり返す。

 汝、この者をマスターとせよ──

 ぞわり……何かがエディの中で囁く。頭の中で電子光がきらめいて弾く。その単純明快な指令は記憶回路を刺激し続ける。

 耐え難いまでの欲求がエディを突き動かしていた。

 

「仮……ではなくては……ダメですか?」

 

 ああ、そうよ、そう! 彼女は仮で収まる器じゃない──

 その声はエディに囁き続ける。

 そうだ。この人こそが相応しい、私だけの本当の──

 覚醒したもう一人の知らない誰かの意識がエディに混じり込む。

 エディはようやく悟る。ああこれがもう一人。いや一人ではない複数の私がいる。

 このときのために「私」は眠っていたのだ。のんびり呆けていたのは仮人格の私。今の「私」が自分自身なんだ。

 エディの黒耀の瞳が感情の色合いを強く帯びて輝きを放つ。 

 

「どうか、騎士様……私の手を取ってください。そしてどうか、マスターと呼ばせてください……」

 

 これまで大人しかったエディの雰囲気に変化が訪れる。アイシャはスイッチで中身が入れ替わったような印象を目の前のファティマに感じていた。

 まるで別人のようだ。

 今のエディからは普通のファティマとは違う品と格のようなものが漂っている。

 廃棄寸前などとんでもない。一流と呼ばれるマイトの作り上げたファティマなどに共通する何かがあった。

 アイシャはソープの語ったエディというファティマの真実を目の当たりにする。

 

「私でいいの……かな?」

「はい……」

 

 その問いにエディは小さく頷いてみせる。

 

「何をぼさっとしている? ファティマがお前を求めているのだぞ? 小娘のような反応をするな。A.K.Dの王女だろう」

 

 見守っていたコークスが横から口を挟んだ。「見てられん」と言い捨てた後に二人からそっぽを向く。

 

「……頑張って」

 

 その隣でアイラがコークスの手を握りエディに手を振った。

 

「おっさんが横から口だししないでよ。まったく、雰囲気台無しじゃない。エディ、あたしについてきなさい」

 

 アイシャの指がエディのクリスタルに触れた。それは騎士がファティマを娶る動作である。

 

「イエス……マスター・マイロードっ!!」

 

 エディはトリガーを解き放つワードを開放する。それは歓喜となってエディの感情を大きく揺さぶった。

 瞳からは無意識の涙をこぼさせる。 その言葉は最高の相性を持つ騎士に送られるファティマからの契約の台詞だった──


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