転生先は桃香の兄   作:Pasukayuri

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ジメジメ季節はいつまで続くんじゃ〜


波才軍襲来……ってお前追っかけかよw

盧植将軍の元に滞陣し数日、黄巾賊が動き出したと聞いて俺らは盧植将軍の元へ集まった

 

「急な呼び出しごめんなさいね、黄巾賊が動き出した様なの。敵は「波才」の旗を掲げてるとの事よ」

 

ほう、波才とな?アイツにはそこまでの注意はないと思うが……

 

「でもあの子……どう考えても戦向きじゃないと思うのよね……あの姿はどうみてもただの追っかけよ」

 

追っかけ?ストーカーでもしてるのソイツ?

 

「追っかけって行っても何を追いかけてるのだ?」

 

鈴々が訊ねる、それに答える盧植将軍

 

「うーん……これは私の予想だけども……多分、張角じゃないかしら?」

 

「党首をですか?些か腑に落ちませんが……」

 

まあ愛紗が疑問に思うのも無理はないだろう、大方皆そうであろう

 

「ま、こればかりは当たって見るしかないのだろうな。将軍、我々が波才に当たって見ましょう」

 

「分かったわ、こちらから兵を割きましょう」

 

「はっ、ありがとうございます」

 

んじゃ例の波才とやらを拝みに行きますかねっと

 

 

 

 

って訳で俺達の兵300、盧植将軍から兵3000を与えてもらい陣を進発した。敵の主力と当たるだけあって兵にも緊張した顔向けが見られる。ここらで1つ言っておくか……

 

「聞け、我が軍の兵達よ」

 

俺の言葉に兵士全員の視線が集まる

 

「これより我が部隊は敵主力部隊と当たることとなる。我らに取っては確かに功名の場ではあるだろうがこれだけは言っておく」

 

間を空けて一呼吸……

 

「生き残れ、戦場は生き残ってこそ全てだ。勇敢と蛮勇をはき違えるな、俺達は生き残りこの国の未来を救う担い手となるのだ。これは俺や我が妹姉妹の総意でもある、この事を踏まえ行動するように!」

 

「「「おおー!!」」」

 

よし、士気は上がったようだな

 

「おー……コイツは盛り上がって来ましたね……」

 

「これくらいはやらねば指揮官は務まらんだろう。彩華、孫興からの連絡は来てないか?」

 

「んー……まで来てないな……大方、孫興の事だから可愛い子でも追いかけてるんじゃない?」

 

有り得そうだから困るのだが……でも有能だから怒れないし

 

「まあいいや……今は波才に集中しよう」

 

「うん、それがいい」

 

 

 

 

 

 

そして進むこと暫く、俺らは波才がいるという陣を肉眼で見える距離まで進んだ。恐らく向こうも気付いてるはずだと思うが……

 

「……夜襲でもしてみるか?」

 

「夜まで待って仕掛けるかい?」

 

「孫興がいたらぶん投げておこうかと思ったが音沙汰ないから仕方ない、彩華、美優は夜襲に備えて準備しておいてくれ」

 

「あい、りょーかい」

 

「はい、分かりました」

 

「桃香達は万が一に備えて置いてくれ、愛紗、鈴々、愛華。妹をよろしく頼む」

 

「うん、分かった暁兄も気をつけてね?」

 

「心得ました、暁人様もお気を付けて」

 

「お姉ちゃんの守りは任せるのだ」

 

「はい、お任せ下さい暁人様」

 

そして愛紗にアイコンタクト、気付いてくれたかな?そいじゃ夜はド派手にパーリーと行きますかね!

 

 

 

って訳で夜、連れてきてる兵は俺の直属兵の50人だ

 

「俺らは波才や部隊長を狙う、お前達は回りの雑魚を蹴散らしておけ、銅鑼を打ち鳴らし大軍に見せかける様に」

 

「うっす、任せてください大将」

 

「さて……彩華、美優。準備はいいか?」

 

「ああ、いつでもどーぞ」

 

「はい、問題ありません」

 

「よし……行くぞ!銅鑼を打ち鳴らせ!!」

 

 

 

その頃波才の陣では……

 

「何だってこんな事に……」

 

当人こと波才が愚痴を零していた、元は張角の為にとやっていただけなのにいつの間にか部隊規模になりかつてされた事を逆にしているのだ

 

「私はただ張角様を想ってただけなのに……」

 

護衛の兵も静まり返っている、彼等は波才の気持ちを理解できる数少ない理解者である、そんな矢先である

 

「か、官軍の夜襲だぁー!」

 

部下の声が響き渡ると同時に至るところから銅鑼の音が聞こえてきたのだ、恐らく敵も大軍なのであろう……

 

「波才様お逃げください!ここは我々が凌ぎます!」

 

「でもそしたらあなた達が!」

 

護衛兵はそのまま言葉を紡ぐ

 

「我々は波才様一個人の為に命を捧げる者です、波才様を守れるならこの命惜しくありません」

 

「あなた達……」

 

「さあ、お逃げください!」

 

「……っ!」

 

護衛兵2人と波才が包囲の薄い方へと撤退する

 

「この高昇……波才様の為に血路を拓きましょうぞ!」

 

 

 

「戦場を駆け回れ!波才を探せ!降伏兵は受け入れるように!」

 

俺は声を上げつつ波才を探した

 

「隊長!北の方角に逃げる影ありとの事!」

 

「何!?ソイツが波才だ!オレが行く、彩華、美優は指揮を執れ!」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

「陣が燃えてる……」

 

命からがら逃げ延びた波才であったが……

 

「流石は暁人様、逃げる道筋まで読んでいるとはな……」

 

逃げ延びた先に居たのは「黒髪の山賊狩り」こと関羽の姿であった

 

「ぐっ……波才様に近づけるな!」

 

護衛兵2人が切り掛るが力量差は虚しい物であり……

 

「……虚しいものだな……」

 

横一閃に薙ぎ払う、波才を守ってた護衛兵もここに散った

 

「うぅ……」

 

「どうみてもまだ幼いではないか……何が彼女を動かしたのだ……波才で間違いないな?」

 

「……はい」

 

「我が主、暁人様が連れてくるようにとの事だ。我々にご同行願おう」

 

「……分かりました……」

 

こうして波才軍は壊滅、高昇も乱戦中に呂欽に討たれたのであった……

 

 

 

 

空を見上げると日差しが出始めていた、戦闘と同時に夜が明けてしまったらしい

 

「さて……愛紗の方は上手くいったかな……」

 

〜夜襲前〜

 

「1箇所だけ空けておく?」

 

「そうだ、包囲網の1箇所を空けておく。そうすれば不利と見た場合にそっちに逃げる可能性は高い、故にそこに部隊を置いておけば捕まえられる」

 

「なるほど……」

 

「この部隊の役目は愛紗、君だ」

 

「はっ!」

 

「敵の波才は捕らえて俺の元へ連れてきてくれ」

 

「御意、お任せ下さい」

 

 

って訳だ、こういった戦法って知ってると便利だよな、うんうん

 

「暁人様、お連れしました」

 

「ああご苦労様。愛紗、良くやってくれた」

 

「暁人様もご無事で何よりです、では失礼致します」

 

一礼し愛紗は持ち場へと戻って行った

 

「君が波才だね?」

 

黒髪のツインテールの髪型をしており踊り子の衣装であろうかそんな身なりの女の子であった

 

「……貴方は?」

 

「俺の名は劉騎、この部隊を率いていた者だ」

 

「私をどうされるのですか?」

 

「官軍ならば法の定め通り君を処刑せねばならないのだろうが……」

 

「くっ……」

 

「生憎……俺らは官軍所属では無いためにそんな定めは関係ない、つまりだ……」

 

ここで秘めていたことをドドーんと出す

 

「……俺らと共に行動しないか?」

 

「えっ……?」

 

「官軍に捕まれば死は免れまい、だが俺らについていけば生き長らえる。君も本当は国を救いたいと思っているのであろう?」

 

「……うん」

 

「すぐに決まるとは思わないから猶予を与える、捕虜の扱い上監視は付くのだが我慢してもらいたい」

 

「………」

 

「それじゃ俺はこれで失礼するよ」

 

そう言い残して立ち去ろうとしたのだが……

 

「……待って」

 

俺の服の裾を彼女が引っ張ってきた

 

「貴方に協力したら張角様も助かる?」

 

「俺らが見つけられない事にはどうにも出来ないな……見つけられれば或いはだが……」

 

「私、張角様の居場所知ってる」

 

「本当か?それはどこなんだ波才?」

 

「春藺(しゅんりん)……」

 

「えっ……?」

 

「春藺って呼んで」

 

「それってもしかして……」

 

「私の真名……貴方に預ける。張角様を助けて」

 

「……分かった……教えてくれ春藺、張角はどこにいるんだ?」

 

その地名を聞いた俺は驚きを隠せなかった、とてもじゃないが隠せるような場所じゃないと思っていたからだ

 

「まさかそんなとこにいただなんて……」

 

俺は春藺を陣に残し盧植将軍の元へ急ぐのであった




美少女は確保していくスタイル

さて、次はどうしようかな……

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