「これが我が隊のとっておきよ、くらえ、「奮迅」!」
「突撃!粉砕!勝利なのだー!」
葭萌関を目標に定め進軍していた所、関の目の前では既に展開していた部隊がいた。先鋒を任されていた愛紗と鈴々は作戦通りに展開部隊に切り込みを行っていた
「義母上に遅れをとるな、我が部隊も「奮闘」を仕掛けるのよ!」
「関平様、私らも忘れないで下さいよ!」
「では僭越ながらこの廖化も加勢致しましょう」
愛紗の後からは愛奈、勇儀、芽愛が続けて敵部隊に切りかかっていた
「ぬぅ……何という強さ……」
葭萌関の前で展開していた部隊を率いていた孟達は自身に迫る敵兵を薙ぎ払いながらそう呟いていた
「叔母上!これ以上は部隊が持ちません、即座に撤退を!」
「やむを得ぬ……葭萌関の桔梗の元まで血路を拓くのだ」
「はっ!」
自身の甥である鄧賢の提案に従い、孟達の部隊は厳顔のいる葭萌関まで引き上げるのであった
「関羽様!敵が撤退を開始しました!」
「よし、出だしは上々だ。作戦通り我々は追撃を行わず撤退するぞ」
孟達の部隊を撃破した愛紗の部隊は作戦通りに陽平関へと向けて撤退した。ここで鈴々が騒がなかったのも予め強く言っておいたからである
これは葭萌関へと部隊を向ける前まで遡る
「初戦は野戦になると……?」
部隊発表の際に呼ばれた愛紗は不思議そうな顔をしていた。鈴々に関してはよく分かってないようだ
「そうだ、恐らく我々が入城しているのは劉璋達にも知られているだろう」
劉璋軍で注意すべき軍師は法正である。彼の智謀は決してそこらの知恵者と同じレベルではない、そして劉璋軍にいる猛将と言えば厳顔や張任である。もしこれらを法正が前線に配置していたら容易くは破れないだろう
「そしてそれらを踏まえ関の前に布陣する部隊が出ていると予想した」
「私と鈴々はその部隊の撃破が役目なのですね?」
「ああ、そういう事だ。そして撃破した部隊を追撃せずに戻ってくること」
それに対して鈴々が予想通りの反応を見せてくる
「どうして倒した敵を逃がすのだ?倒した方が早いのだ」
ここで止めねば後々の教育にならんからな
「それはならん、予め葭萌関を偵察しておいたが奴等は関の防備に多大な弩を設置している。迂闊に関に近づけば矢の的になるんだぞ」
「そのくらい、鈴々なら!」
その様子を見ていた愛紗は暁人の気持ちを察し鈴々に向けて話し出す
「鈴々、我々が欠けてしまえば暁人様や桃香様が悲しむ。確かにお前は力は私よりは強いかもしれないがいざと言う時の反応が出来ていない、武人たるものいつ死ぬか分からぬものではあるがここで無駄に血気になるなと言う事だ」
これは俺も何か言わねばいけないな
「すまないな鈴々、俺はこんなところで義妹を失いたくない。鈴々の見せ場は必ず作ってやる、それまで我慢出来るな?」
「………うん、わかったのだ」
「よし、いい子だ」
鈴々の頭をワシワシしてやって俺は愛紗へと向き直る、虎の髪飾りさん表情豊かやな
「そういう訳だ愛紗、行ってもらえるか?」
「心得えました、必ずや任を果たし帰還致しましょう」
そして予想通り敵は関の前に布陣をしていたって訳だ
葭萌関へと引き上げた孟達の入城を確認すると厳顔はこう呟いた
「釣られては来ぬか……張飛辺りは来ると睨んでいたのじゃがのう………」
その呟きを拾ったのは法正である
「流石は臥竜、鳳雛を擁する劉騎軍……鮮やかな撤退です……これは私も荷が重いですな……」
「お主が弱気になってどうするのじゃ」
「知恵者同士って腕はなりますが疲労が溜まりやすいんですよ……私は運動系ではありませんし」
「お主の智謀は我が軍随一であろう、その軍師が弱気では部下がついて来ぬぞ」
「やるだけやりますよ……」
そこへ二人が会話していた所へ学生をイメージさせる女性がやって来る
「桔梗様、孟達殿の部隊収容が完了致しました」
「張任か、あいわかった。詳しくは孟達にでも聞いてみるかの」
厳顔は張任、法正を伴い負傷兵の治療を行っている孟達の元へ向かうのであった
初戦終了
まさか張任のイメ画がTINAMIにあるとは思わなんだw
とは言え面倒事は嫌いですので作中張任のイメージは一騎当千の趙雲辺りで行きますかね
法正のイメージは三極姫2の法正です(4よりかは向こうのが好きでしたし)
孟達のイメージは「ブレヴァル」より孟達、鄧賢は「三国志13」で鄧賢となります
短めにサクッと読める感じでまとめてみました、次回も宜しくお願い致します。