転生先は桃香の兄   作:Pasukayuri

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ただし主人公は参加しない、いいね?


反董卓連合ルート
反董卓連合結成されるとのこと


「兗州刺史の劉岱からの密書だと?」

 

朱里と雛里を仲間に加え新野に戻ってきたところにそんな報告が入ってくる

 

余談だがこの劉岱(字は公山)は青州東萊郡出身の方の劉岱である。そしてこれは横山光輝三国志をご愛読の皆様には注意して頂きたい点を下記に述べる

 

まず上記の劉岱は、後に揚州の建業(改名前は秣陵)にて独立を果たす劉繇の兄である、あの呉の名将である太史慈が仕えていた人物と言えば演義を読んでる方はピンと来るであろう。しかし、横山光輝三国志を読んでいて覚えてる方がいるならば実はもう一人同じ名義である劉岱が曹操配下の名前として上がるのである。

 

こちらの劉岱は沛国(小沛)出身であり字までもが同じ「公山」である、演義の作中では王忠と共に劉備達にあっさりと捕らわれ捕虜でありながら酒や料理などを振る舞われ歓迎されており後に釈放されている。その後、劉岱と王忠は曹操に処刑されそうになるが孔融によって助かっている描写となっている。

 

近年の研究では、兗州刺史であった劉岱(東萊)が戦死した後に後任として曹操が兗州刺史となり活躍の場を変えたことにより混同されてしまった為に正史と演義の扱いが全く違うとされている

 

とまあ、長くなってしまったがこの劉岱(東萊)の血筋は前漢の高祖、劉邦の血筋を受け継いでいる人物であり遵って俺や桃香とは同族に当たる人物なのだ

 

「はっ、いかがいたしましょうか?」

 

かつての平原時代の交流もある、断るのも悪かろう……そう決めた俺は使者を通すように指示を出した

 

 

 

「お目通りが出来恐悦至極に存じます、劉岱が臣、張邈と申します」

 

「遠路はるばるご苦労である、使者の主向きは?」

 

「ははっ、我が主君劉岱より密書を預かりました、こちらになります」

 

そう言って張邈は密書をこちらに手渡す、受け取った俺は早速中身を拝見させてもらった

 

「ふむ……義兵を上げて逆臣董卓を討つべし……か」

 

正直細かい中身は読まなくても言いたいことは大体わかる、恐らくこの文面を書いたのは橋瑁であろう。史書には偽造して作ったとまであるがな

 

「はい、今や都は董卓の暴政により腐敗しきっております。今こそ我々が立ち上がり漢王朝に仇なす逆賊を討つべしとの我が君のお言葉でございます」

 

まあ大半は模範通りだ、しかし俺らも漢を救うって事は蔑ろには出来ない。問題は加盟する勢力である

 

袁紹や公孫瓚とは先の戦いにおいて不和となっている、もしこの二勢力が参加するならばこれらが加盟した中に参加するというのは明らかに連携を欠いてしまうのである、もしくは何かしらされるやもしれん

 

さてどうしたものかと考えていると朱里が俺に聞こえる程度の小声で話しかけに来る

 

「(先において不和となった袁紹・公孫瓚の懸念ですね?)」

 

さすがは天才軍師、考えは読まれていたか

 

「(ああ、確かに漢朝を救うと言う意味では名を挙げるまたとない機会ではあるが……)」

 

「(確かに私達が漢朝を第一としているのは悪い事ではありません、ですが今は必要ないでしょう)」

 

「(どういうことだ?)」

 

「(これまで襄陽にいる間も各地の情報を集めておりましたが急に現れた董卓が不思議でなりません。先の黄巾の乱にて戦果を上げ後に雍州の刺史に任命されたと聞いております)」

 

確かそうだったな、あん時はバタバタしてたからゆっくり確認する暇は無かったけども

 

「(そして聞く所によると隴西では評判も良く品行方正な人物とまで言われております。そんな人物が漢王朝を蔑ろにし都で暴政を行うものでしょうか?)」

 

そう言われるとそうだな……となれば都に台頭した董卓は名義を借りパクされてる可能性もあるか……

 

「(それじゃこの話は……)」

 

「(劉岱殿には申し訳ないですが我々は断って置くべきかと思われます)」

 

うーむ……やむを得ないか

 

「張邈殿、申し訳ないが此度の話は我々は不参加とさせて頂きたい」

 

「なんですと!?」

 

スマンな、これも軍略の一つなんやで

 

「劉騎殿!!それでも貴方は劉家の血筋の方であらせられますか!!」

 

「くどいぞ張邈殿、既に我々は決めたのだ。これ以上の議論は不要だ」

 

いやー、こんな悪役じみたセリフを言う機会があるとは世の中分からんもんだな

 

「……っ!!失礼致す!!」

 

怒気を含んで張邈はこの場を退出して行った

 

「ふぅ……」

 

「張邈殿の言いたいことは分からなくは無いのですがね」

 

まあ友好のしがらみがなければ参加しても良かったかもしれんがな

 

「しかしまあ……俺は朱里がそう言うとは思わなかったがな」

 

「フフッ……軍師たるもの大局を見据えて行動しないといけませんからね」

 

おー黒い黒い……いいねぇ……ゾクゾクするな

 

「ひとまず劉岱の印象は悪くなるだろうがまあそれは置いといて、今は内政と人材を増やす事でいいか?」

 

「はい、各地の情報が集まってから動くのが良いかと思われます」

 

かくして俺らは反董卓連合の加盟を断り、独自の軍略を展開することとなる

 

その後、寄せられた情報を元に加盟した勢力を下記にまとめあげてみた

 

公孫瓚、袁紹、孔融、丁原、劉岱、曹操、袁術、孫策、馬騰

 

こうして挙げた勢力のメンツを見てみれば益州、荊州の勢力は参加しておらず中原では徐州の陶謙のみが参加していない

 

陶謙の意図はよく分からんが益州、荊州は分からなくもない。特に益州は董卓の治める司州、雍州からは距離がある為に必然的に長距離行軍となる

 

荊州の劉表も我関せずのようだな、まあぶっちゃけどうでもいいんだが……

 

そういや英人は向こうにいながら曹操には特に何も言わなかったのかな?呉には明菜もいるとの事だから恐らく何かしら話してはいるのだろうと思うが……今は気にする事はないか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉岱の話を断ってから暫くが経過した

 

俺達は都や周囲の動向を気にしつつ隣国の西城を制圧し管轄下に置いていた、っと言っても無人だったから有力者を説得しただけなんだがな

 

土地が増えた事もあり軍の再編を行う事となった。本隊は新野にて俺が指揮を取り、もう一軍には西城にいる桃香を指名した、軍の内訳は次の通りだ

 

暁人軍

 

暁人、愛華、彩華、美優、高覧、瀬奈、静香、村雨、秋月、朱里、翔子、謝雄、鞏起、孔熙、陳賀

 

桃香軍

 

桃香、愛紗、鈴々、星、天和、地和、人和、春藺、辛評、結愛、栄龍、勇儀、芽愛、桃淋、愛奈、王門、鄒丹、劉辟、龔都、裴元紹、雛里

 

それぞれの戦力分配はこんな感じに軍師が必ず1人はいる形である

 

制圧したばかりの土地は人員が必要だしな、愛紗や鈴々、星が居るから桃香の護衛も問題ないはずだ

 

「ふぅ……こんなもんか……」

 

現代とは違いネットなんかでホイホイ伝えるのとは訳が違う、1から全部書いてやらないといけないのだ。幸い読み書きは出来るし集中力次第で何とかなるもんだな

 

「失礼致します。暁人様……そろそろ休憩を……」

 

そう言って中に入って来たのは陳到こと翔子である

 

「その声は翔子か、もうそんな時間だったのか」

 

どおりで腹が減るわけだ、何かしら食うか。ヘビーなのは勘弁だがな

 

「暁人様……これ……良かったら……」

 

そう言って差し出されたのはゴマ団子であった。まさか呂蒙のイベントだったとは……

 

「これは……もしかして翔子が?」

 

「はい……早起きして作って見ました」

 

そう言って笑顔で答える翔子、せっかく腹減ってますしお茶と一緒に頂きますか

 

「有り難く頂くとしよう。どうせなら一緒にお茶でもしながらどうだ?」

 

「はい……喜んでご一緒致します……」

 

書簡とのにらめっこの後にちょっとした一息を入れる暁人と翔子であった

 

その翌日

 

今日は書簡仕事も終え、たまには街にでもと考えたが美優が紹介したい人物がいるとの事で新野の一角にある兵舎へと足を運んでいた

 

「これは劉騎様、お疲れ様です」

 

入り口近くまで来ると高覧に出会った、顔から汗が流れており訓練の帰りであろう

 

「お疲れ高覧、美優は今大丈夫か?」

 

「張郃様でしたら大丈夫ですよ、今は騎兵訓練場にいらっしゃるかと」

 

「騎兵訓練場だな、分かった行ってみる」

 

「では私も失礼致します」

 

高覧とその場で別れ騎兵訓練場へと向かう

 

 

「なるほど……どうやら貴女を登用して正解だったみたいですね」

 

「かの張郃将軍からのお褒め頂けるとは……恐縮です」

 

言われた先へ向かうと美優と一人の女の子が会話してる場面に出くわした

 

「暁人様、わざわざお越しいただきすみません」

 

俺が来たことに気づいた美優がやってきた

 

「いや構わないよ、それで紹介したい人物って言うのはその子なのかい?」

 

「はいそうです、ほら自己紹介をしなさい」

 

そう言って催促された彼女が前に歩みでる

 

黒髪長髪で左右に髪を束ねており身に付けてる防具は赤と黒を基調としていた

 

「張郃将軍より抜擢されました。名は鄧艾、字を士載と言います。以後、よろしくお願い致します」

 

そう言って一礼する鄧艾

 

ここで鄧艾とは予想してなかった、世界的に史実無視だから居てもおかしくないだろうが台頭した時代もほぼ後期である。史実の鄧艾は吃音症との事のようだが目の前の彼女は特にそうでもないようだ

 

「鄧艾殿の参陣有り難く思う、どうか我が軍を支える力となってくれ」

 

「ありがたきお言葉、この身を全て捧げ劉騎様にお仕え致します」

 

そう言ってがっちり握手を交わす、彼女も躊躇いなく差し出してきた

 

「鄧艾はそのまま美優の部隊にいてもらうか?」

 

「そうですね。可能であれば是非、私の部隊で従軍軍師を担ってもらおうかと考えていましたので」

 

「ふむ、分かった。鄧艾には美優の部隊に入って貰うとしよう」

 

「御意」

 

 

こうして新たに鄧艾を仲間に加える事となった、我が軍の意気も益々上がる事であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、都でも反董卓連合の動きを知り董卓は要所要所に兵を向かわせていた

 

洛陽の近くにある難攻不落と言われた虎牢関には呂布を始め張遼、華雄等の実力のある者が向かっていた

 

 

「ねえ、李傕ちゃん」

 

「ん?どうしたんだい郭汜ちゃん?」

 

別方向である河南に向かっていたのは李傕と郭汜であった、その行軍途中に郭汜が李傕に話しかけていた

 

「私達いつまであの男に従ってたらいいのかな……」

 

ここで言う「あの男」とは連合の標的とされている「董卓の名を語る」人物である

 

「……誰に聞かれてるか分からないぞ……この間、兵卒の1人が頭を潰されてたの見ただろ……」

 

その兵士は(偽)董卓の指定した集合時間に遅れた為に皆がいる場所で頭部を圧縮粉砕され死亡したのである、以前から不満を漏らしてたのもあり目の敵にされてたかもしれない

 

「でもこのままだと月様が……」

 

「今は私たちは従っておくしかない……詠が助け出すまではな……」

 

表面上は従っているが本心では月の安否が気になって仕方ないのである。実質、董卓軍全てを掌握されてしまい下手に事を起こせなくなっていた

 

李傕と郭汜は己の非力を恨みつつ指示された河南に軍勢を進めるのであった……




やっぱり朱里には黒くなってもらわないとな(真顔)

そして新たに鄧艾が暁人の元へ参陣

李傕と郭汜の結末は以下に……

次回もお楽しみに

以下、人物紹介

鄧艾 士載(とうがい しさい) 性別 女性

姓名 鄧艾 字 士載 真名 ?? 爵位 軍師将軍

新野にて美優より抜擢をされた女の子

普段は寡黙で口数は少ない、主君である暁人、上官の美優の命令は絶対であり何が何でも成功させようとする。

軍略、戦術、政治等幅広い得意分野を持ち大抵の事は1人でほぼこなす程である

真名は本編にて公開予定

使用武器スタイルは長剣

外見イメージは三極姫2より鄧艾 士載

李傕 稚然(りかく ちぜん) 性別 女性

姓名 李傕 字 稚然 真名 ?? 爵位 ??

董卓軍に仕える武将

郭汜とは幼馴染である

董卓(月)に心酔しており彼女の為なら喜んで死ぬ覚悟がある程である

使用武器スタイルは大刀

外見イメージはDMMゲーム「三国志CROSS」より李傕

郭汜(かくし) 性別 女性

姓名 郭汜 字 不明 真名 ?? 爵位 ??

李傕と同じく董卓軍に仕える武将

董卓(月)を助ける為に仕方なく従っている、李傕との連携力は軍で一番である

使用武器スタイルは長剣

外見イメージはDMMゲーム「三国志CROSS」より郭汜

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