ピンクのおっさんとホイみっ♪   作:せーや lv71

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 執筆は終わることは無い
 終わらせることができるだけだ






 よって続かない。


バドラーって溶岩風呂に入ってたよね おれも浸かってみよ ぐわああああーーーーーッ!!!

 「ホイみっ♪」

 目が覚めたらベッドの上でした。体が重い、だるい、倦怠感が酷い。どうやらダメージが抜けきっていない様子。全身くまなく「ぐわああっ」ってますよ。心情的にはもっと寝ていたかったのですが、周囲の慌ただしさで目が冴えました。見回りの兵士が何やらカラカラ言ってますね。

 

 「勇者を囲い込めー」

 「闘技場へ追い込むんだー」

 「追いかけなきゃ…勇者を追いかけなきゃ…」

 

 なんでもかねてよりの作戦道理に勇者を闘技場へ誘い込むようです…。近場のがいこつ剣士さんに話を聞くとまる二日近く寝ていたようです。

 ってもう手遅れー!!?

 いや、まだだ。あきらめたらそこで世界終了ですよ。大魔王の脅威があるから文字道理にね。一つの選択肢のミスで世界がアボンするわけです。選択ミス=死で、ロードもコンティニューも冒険の書もなしって嫌なデスゲームだ。絶対プレイしたくねぇけど、悲しいけどこれが人生なのよね。

 寝てる場合じゃねえっ。下半身に喝を入れて無理やり跳ね起きます。

 「ホイみっ♪」

 あ、あんがとホイみん。

 

 「どこだー!!?『魂の貝殻』ッ!」

 

 手当り次第に壁をブチ壊し、穴を開け地下ダンジョンを再開発(物理)していきます。確か隠し通路だか、隠し部屋だかに隠されていたハズ。今後の展開でマグマに沈むのなら、ちっとぐらい壊れてもへーきへーき。ミイラおとこやくさったしたいを『突き飛ばし』払い除け、おい散らし壁を破壊しまくります。マッピング能力が欲しいよう。

 

 「大変だーピンクのワニが錯乱して暴れてるぞー!」

 「ええい、体を張ってでも止めてみせる!」

 「やり方さえわかっちゃえば簡単なもんだね。これなら負ける気が…ゴメンやっぱムリ」

 

 ええい、そこのけそこのけ。当たると痛いぞ!こちとら時間がないのです。立ちはだかる不死の兵たちをやむを得ず蹴散らします。うぅ…ゴメンよ。あとでいっぱいお供え物をそえるから許してね。

 

 自慢じゃないが穴掘りは得意なのです。原作でもそうでしたっけね。おれにとって穴掘りスキルは強敵から逃げ隠れする為の必須技能でした。ホイみんにお気に入りのアイシャドウをメチャクチャにされた姉ちゃんが、鬼の形相で追っかけてきたときに必死こいて掘り逃げしたんだよな。地下数十メートルに丸一日潜伏したのを思い出すわ。もっとも姉ちゃんの震脚で地盤を崩された後、近場の地面を根こそぎ闘気流でえぐり取られて捕まったんだけど…。あれ、あんまり役に立ってない?そんな昔を思い出しながら解体工事を続けていると…。

 

 「あぁっ、おゆはんのビーフシチューが!」

 「おお、紙よ!どこへ行かれたのです!!?」

 「私の救急箱を蹴とばしたのは誰だーー!」

 「おのれ他人の家を荒らすばかりか壊して行くなど、勇者でもせぬ所業ぞ!」

 「ホイみっホイみっ♪」

 

 阿鼻叫喚の避難轟々をドップラー効果で置き去りに、ダンジョンブレイクを続けます。

 お、厳重そうな扉が…ここかっ。

 

 「キャー!、ワニさんのえっちーー!!」

 

 マミー(♀)が上半身を腕で隠してうずくまります。

 

 「…は、?」

 

 「マミさんの着替え(包帯のお召し替え)を除くとか…この変態!!」

 「やっぱりピンク(変態)だったか…この変態(ピンク)」

 「ひどいよ…あんまりだよ、こんなのってないよ」

 

 いかん、誤解を解いている暇はない。あ、マミさんから着替え袋を投げつけられた。不可抗力だってば、痛い。ラッキースケベってこんなんじゃないと思うんだけどなあ。

 

 「逃がすなー!!追えー!!」

 「こんなの絶対おかしいよ!」

 「あやまれ、マミさんにあやまれよっ!」

 「あいつ、マミさんのとんでもない物(包帯)を盗んで行きおったぞ!」

 「返せよ。それは…それは…マミさんのものだ!返せって言ってるだろ!マミさんに!」

 

 ちがうの、投げつけられた袋の中から飛び出て、体に絡まってるだけだから。取ってる暇がないだけだからーー。掘削工事のために体力を使いまくってもうヘロヘロです。ふらふらになりつつ階段を駆け上がるとそこは闘技場でした。あ、もう始まってます。

 

 ダイくんとヒュンケル。互いに、必殺技をブチかまし合い、防具が半壊していているようです。あ、傀儡掌がライデインで破られましたね。ポップくんがラナリオンで雨雲を呼んでいるようです。ナイスフォロー。すごいブ厚い雲から豪雨が降り始めているけど大丈夫かな。ポップくんまたレベルアップしたんじゃね?結構いい勝負をしてます。ってこんな解説してる場合じゃ…。あれ、なんか…良い匂いが…。

 

 「おやおや、病み上がりでそのように動かれては、お体にさわりますよ」

 あ、いかん、体から力が抜ける。おや、『くさったしたい』のモルグさんいつの間に隣に…、『あまいいき』ですか?コレ??いや、いかん。ここで寝たらヒュンケルフラグが…。

 

 「これほどの名勝負は勇者アバンと剣鬼バルトス殿の一騎打ち以来ですなあ」

 え、モルグさんバルトスさんとはお知り合いで?

 「私とバルトス様は旧知の仲でしてな。ヒュンケル様の付き人を任された時には運命的なものを感じましたよ。そう、ヒュンケル様にこれを渡すべき時が来たのやもしれません。あの方とは袂を分かつことになるでしょうな…、残念です。」

 

 そう言うとモルグさんは懐から貝殻をとりだしました。ん?貝殻??

 

 「ホイみん殿に託されましてな。」

 

 …………え?いつ?おれが病室へ担ぎ込まれてから程なくホイみんが持ってきた、だって?…へぇ…、そう、なんで早く教えてくれなかったのかなーホイみん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホイみっ♪」

 《今どんな気持ち?》

 

 クソァ!!おのれ今日という今日はかんべんならん。おかげで地底魔城の淑女諸君(発酵済み)からいらん誤解を受けたじゃないか。しかもまだ持ってたのさその煽り用のカンバンは!!今日という今日はお仕置きじゃい!!

 

 カーン!!!脳内でゴングが響いた。脳内BGMは「タイガー仮面」のテーマです。アドレナリンが分泌され、疲労と眠気で腑抜けた体を無理やり奮い立たせる!!!あ、だめだ。それでもまるで力が入らない。

 

 ホイみんのこうげき!

 「ホイみっ♪」

 触手鞭がぺちんぺちんと乾いた音を立てクロコダインのほほを叩きます。

 

 クロコダインのこうげき!

 「ちっとは反省しなさい!!」

 ふらついたワニが『ハエの止まるビンタ』をふにょふにょと繰り出し、ホイみんのほほをぐにぐにと撫でます。

 

 ダイのこうげき!

 「アバン先生から受け継いだ総てを見せてやる!!

 「3倍ライデインストラーーーーーーーッシュ!!!!!」

 

 ヒュンケルのこうげき!

 「アバンの遺志などこのオレが残さず消し去ってくれる!!

 くらえ、わが半生の憎しみを!!グランドクルスーーーーーーー!!!!」

 

 「どちらも互角ですなぁ…。レベルは天と地ほど違いますが。」

 

 ダイ、ヒュンケル共に最大の必殺技をブチかましい合いました。互いの秘技の威力が中間でくすぶっていますが、ヒュンケルの黒いグランドクルスが若干押しているようです。

 

 「ダイ、やはり俺の方が自力は上だったようだな。この恨みが、憎しみこそが力なのだ!!貴様らアバンの使途を、いや、人間すべてを消し去るまで。おれの憎しみは消えないんだ!!」

 

 「そんなことは無いっ!!おれたちは憎しみの力になんて負けないっ…。そしておれは…一人じゃないっ!!」

 ダイはマァムに目配せをします。

 

 「マァムっ!!」

 

 「ダイーーーーーっ!!」

 マァムが魔弾銃をダイへ向けて放ちました。ダイの体がさらに白熱し、魔力と輝きが増大します。

 

 「ま…まさかっ、自らにライデインをっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「4倍だあぁああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 4倍ライデインストラッシュと暗黒グランドクルスがさく裂し両者ともに吹き飛ぶのと…。

 

 

 

 今のおれの最高の拳だあっ!!『時速1㎞パンチ!!』

 

 「ホイみっ♪」

 ホイみんの『束ね触手ぱんち!!』

 

 ふらっふらの獣王(笑)とホイミスライムの触手が凄絶なクロスカウンターで両者共に地に沈むのはほぼ同時でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホイみっ♪」

 っは、軽く意識が飛んでた。目覚ましが鳴らなかったか?ここはどうなった??

 闘技場を見ると決着はついていたようです。どうやらうまくいったようですね。見ればわかります。

 ヒュンケルは『魂の貝殻』を片手にマァムに膝枕されて滂沱の涙を流しています。傍らにいるモルグさんが手渡したのでしょう。うわーポップくん複雑な顔してら。あ、ダイくんが武器を納めて手を差し出しました。倒れた敵を許せるようになったのですね。また一つ勇者として大きくなったなあ。

 

 「ウヒャハハハハハッ!!ざまぁねえなあ、ええ!!?ヒュンケルゥ!!!」

 

 

 テンション高めの声が響きます。炎と氷のキ○イダー、もとい『氷炎将軍フレイザード』が底意地の悪そうな狂笑とともに現れました。

 

 「手前ェが勝っていたらブチ殺してやろうかと思ってたが、そろいもそろってくたばりぞこないばかりたぁな。こいつは運がいいぜ!!」

 

 

 「特にっ!!」

 フレイザードが怒気を強めてこちらを睨んできます。

 「あのムカつくクロコダインも諸共に葬れる絶好の機会だぜ。笑いがとまらねえな、ヒャハハハハハッ!!!」

 

 ええー、おれなんか恨まれるようなことしたっけ??まるで覚えがないんですが。

 

 「仲良く墓穴に落なっ!!二度とさまよい出て来んなっ!!!」

 フレイザードの魔力によって、地下のマグマが活性化し始めました。硫黄の臭いが立ち込め、大きな地震が起こります。ひとしきり笑い続けたフレイザードは満足しながら悠々と立ち去りました。

 

 やばい、テンぱっててなにも考えてなかった、そういやコイツがいたんだよな。でもヒュンケルが助けてくれるから大丈夫だよね…ヒュンケル!!??

 

 「すまない、お前たちだけでも助けてやりたかったが…そうもいかんようだ…」

 

 やばい、ダイもヒュンケルも余力なし。ポップは魔法力ゼロ。いかな力持ちのマァムちゃんでもこの人数を担いで脱出は不可能でしょう…。

 マグマが獲物を狙う蛇のように、地の深い所からせりあがってきます。

 …あれ?詰んだ??

 

 

 

 …どうしよう。

 

 

 

 …ちがう、そうじゃない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホイみっ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁ、分かっているよ。ホイみん。

 どうしよう、じゃない。どうにかするんだ。

 この場を何とかできるのはおれだけなんだ。

 おれだけが助けられる。この地上の未来をこの子らに託せるんだ。

 

 皆のいる地面を岩盤ごと持ち上げます。上腕からプチプチ音がしますが、知ったこっちゃありません。最低限の体力はホイみんが回復してくれた。あとはやるだけだ。

 

 

 

 「まてっ!何をする気だ!!?クロコダインッ!!!」

 「ま、まさか…」

 

 「うおおおおおおおーーーーーーーーッッ!!!」

 

 

 

 満身の力を振り絞って腕を振るいました。見事、岩盤はみんなを乗せて闘技場の外へ飛んでいったようです。

 …よかった、本当に良かった。

 これで物語は続く…。

 この地上の光明は、まだ消えてはいない…。

 

 「クロコダイン!!しっかりしろっーー!!早く上がってこいーーーー!!!」

 「いやっ、いやよクロコダイン!!これでお別れなんていやよっ!!」

 「おっさあーーーん!!」

 「クロコダインーーーーーーー!!!」

 「ピィ~っピィ~っ!!」

 

 

 そんな目で泣いてくれるくれるのか…ありがとうダイくん、みんな…。でも、もう体に力が入らないんだ…。おれの…おれたちの冒険は…ここまでみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 獣王クロコダインは地底魔城へ消えた。

 絶えず荒れ狂うマグマの海。

 赤褐色の溶岩流が生き物のように脈打つ様は、

 あたかも地獄がよみがえり、彼を迎え入れようとその大口を開いているようだった。

 空振と熱波が獣の咆哮のごとく耳を打つ。

 それは、かの勇猛で名高き獣王クロコダインへの鎮魂歌のように鳴り響いていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぐああああーーーーーッ、がぼがぼぼぼぼぼおぼれる”う…」

 「ホイみっ♪」




 あいるびーばっく



 続かない

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