ピンクのおっさんとホイみっ♪   作:せーや lv71

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 新しく友達ができたら続ける







 続かないな。


そうだ、お城へ行こう ぐわあああーーーーーッ!!

「ホイみっ♪」

 あー、死ぬかと思った。

 

 

 

 

 

 ダイくん達は呆然としてるけど、回復呪文ってこんなもんよ。死ななきゃ安い。

 

 さて、とりあえず撤退しよう。こっちははじめっから戦意はないし。何より今素っ裸である。

 なんかそれらしいことを言っておくか。

 

 この程度では大魔王様はおろかおれ様にも勝てないから、腕を上げておけとかなんとか言っておいたら、えらくショックを受けていたようだ。まぁ、主人公だし大丈夫でしょ。彼らにはできるだけ強くなってもらわないと、比喩抜きに世界が危ない。

 あと、近いうちにロモス城へお邪魔するよって言っておいた。待ち合わせ場所は指定しないとね。おれとしてはこれ以上事を構えるつもりはないんだけど。『百獣魔団とその軍団長が勇者に敗れて撤退する。』これをしとかないとロモス国民も不安が続くだろうし、ダイくんたちもロモスから離れられないだろうしね。

 

 そこで、戦略的撤退の為、空の足を呼ぶ。かむひあ。

 

 突然に日の光が遮られ辺りが暗くなる。瞬間、爆風が周辺を襲う。

 

 「クアアアアアアアッッッ」

 

 翼が天を覆う如くである。あ、彼はガルーダのがる太です。そう、ホイみんの昼寝場所の卵から生まれたんです。孵化した時に偶然おれと目と目が合って親だと思い込んだようで、ええ、親ガルーダさんから仇のごとく追い回されましたよ。

 そんなこんなで付き合い長いんだけど、まだ成長してるみたい。翼長4~50mありそう。流石ファンタジー世界。前世の常識が通用しねえ。

 あ、ポップくん腰抜かしてら。

 

 ガルーダのがる太に乗って撤退する。っても足の爪先にしがみついてるだけだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺たちの攻撃がまるで通じなかった……おっそろしいやつだったな。」

 

 「ポップ……おれくやしいよ。先生から教わった刀殺法が効かないなんて。」

 

 「強くなってやる。絶対にもっと強くなってやる!!」

 

 「絶対にあいつを……クロコダインを倒して見せる!!」

 

 

 

 

 

 あれ?なんか嫌なフラグが立った?

 「ホイみっ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後

 

 魔軍司令どのに催促されてついにロモスへ侵攻となりました。やだー、やりたくないー。

 

 とりあえず、現在小高い崖の上にいます。

山の山頂にそびえるロモス城とふもとの城下町が一望できるスポットです。なかなかに風光明媚なところですね。観光に行けたためしはないけど。ぐすん。

 

 友達のみんなは町を遠巻きに囲むように整列し待機させています。放浪時代、行く先々で門前払いを食らったおれ達にとって作戦名『お外で待て』は専売特許なのですよ。言ってて悲しくなってきた。これで「百獣魔団が動いた」という体裁は整った。あとはおれがダイくんと一騎打ちして負けたのちみんなを解散させれば作戦終了だ。

 

 陸から正面突破は愚策。無用の被害が出るよね。ならば空から行くしかない。

 というわけでガルーダのがる太にお願いして、王宮まで飛んでいくことにしました。

 体はでかいが足先は器用でおれをつかんで飛んでくれます。

 

 あ、ホイみん。がる太が飛んでる時にくすぐるんじゃありません。

 がる太が悶えてるでしょ。あぁっ、絞まる、おなか絞まっちゃう。

 

 コチョコチョ。「クワワ」ぎゅう。バキボキ。

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こらえきれなくなったがる太から放り出されて。ロモス王宮へダイナミックお邪魔しますしました。高所から落下し、壁をブチ破りつつガラスまみれになりながら突入し、体は激しくシェイクされ、柱や壁に5,6度バウンドをかましたところでようやく止まりました。途中ぐえ、とかウヴァー、とか声が聞こえた気がしますが、こっちはそれどころではありません。

 「ホイみっ♪」

 

 あ、治してくれるの。ありがとうホイみん。でも、もう少しいたずらは控えてね。

 

 「王様っ!!」

 ダイくんが勢いよく扉を開けてあらわれました。増援の兵士たちと勝ち気そうな女の子がいます。あの子がマァムちゃんかな?

 

 ここで冷静になっておれの周りを見渡してみましょう。

 

 ダイナミックお邪魔しますでメチャクチャになった王室。倒れている側近の兵士たち。おびえすくむ王様。そんで無傷で立つおれ。ニヨニヨ顔のホイみん。

 

 

 

 

 

 「よくも、お城のみんなを……クロコダイン!!絶対に許さないぞっ!!!」

 

 

 

 

 「えええぇぇぇーーーーーーーーーーー!!!おれのせい!!?」

 

 

 

 

 

 いかん、誤解が広がる。なんとか説得しないと。ええと、おれはそもそもロモス王宮に攻め入って何をするつもりだったっけ。そう、ダイくんと戦おうとしたんだよ。あ、言い訳できねえ。

 

 「キィ~~~~~~ヒッヒッヒッ。苦戦しとるようじゃのう。クロコダイン?」

 

 あ、ザボエラのヒヒ爺さんだ。唐突にあらわれやがって。

 

 「おぬしに手を貸してやろうと思っての。」

 

 いや、要らないです。結構ですクーリングオフします。

 

 「助っ人を連れてきたぞい。これで存分に手柄をたてるとよいわ」

 と、懐から魔法の筒を出してきます。

 いらないってば、人の話聞いてる?

 

 「デルパァ~~~~!ではあとはまかせるぞい」

 

 あ、こら、消えるな。やりたい放題やって逃げるんじゃない。

 

 出てきたのは鬼面同士の老魔物でした。多分あれがブラスさんだろうね。ダイくんがじいちゃんって言ってるし。

 

 あ、ブラスさんがダイくんに仕掛けた。

 

 「メラミ~~ッ!!」

 

 あぶないっ

 ダイくんがよけた先におれがいました。

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!」

 

 「メラミ~~ッ!!メラミメラミメラミメラミメラミ~~ッ!!」

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!」「ぐわあああーーーーーッ!!」「ぐわあああーーーーーッ!!」「ぐわあああーーーーーッ!!」「ぐわあああーーーーーッ!!」「ぐわあああーーーーーッ!!」

 「ねぇなんで?なんでおればっかり流れ弾が来るの?本当は正気でないのブラスさん!?

 

 「クロコダイン!あなたそれでも戦士なの!?」

 「そうだそうだ、人質などと卑劣な手を使いおって!!」

 「武人の風上にもおけぬやつよ!!」

 「恥を知れ恥を!!」

 「この卑怯者!!」

 「ピィ~~、ピィピィ!!」

 

 ひどい、マァムちゃん。おれ悪くないと思うんだけどな。ゴメちゃんにまで睨まれてる。人間は今更として、魔物に嫌われると結構クるものがあるな。

 

 「ぴんくワニ!!」

 「出っ歯!!」 

 「でかい顔!!」

 「ホイみっ♪」

 「ピィピィ!!」

 「うつけ者!!」

 「のうみそまぬけエキス!!」

 「能無し!!」

 「力こそパワー!!」

 

 ホイみんもゴメちゃんや兵士と一緒にノリノリだし。

 よってたかってひどいぞ。

 やる気がなくなってきたけどブラスさんをほっとくわけにもいかないし。どうしよう。

 

 「アバン先生!先生の5分の1…いや10分の1でいい……おれに勇気を与えてくださいっ……!!!」

 「…おれの仲間を傷つける奴は…絶対にゆるさねえぞおぉぉぉぉっ!!!」

 

 とここで、覚醒済みのポップくんが乱入してきました。

 

 「くらえっ!メラゾーマ!!!」

 

 おっとっとうろたえません。仮にもおれは獣王、同じ手は二度食わないのです。今回はパジャマいっちょでなくフル装備で来てますよ。

 真空の斧で風のバリアを張ればいいんです。

 …あれ?ない?おれの真空の斧がない?

 あぁっホイみんが真空の斧を使ってマァムのスカートをめくってる!!器用な真似を!!しかも気づかれてないし。こうなったら耐えるしかない。獣王の鎧もあるし…ん?ホイみん、その手に持ってる金属は何かな~~?げっ、それは獣王の鎧の留め金じゃないか。あ、鎧が分解して落ちた。

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!あっちぃーーーーーッ!!ああっ下着が、下着が!!」

 

 大火球の直撃で下着が全焼しました。はい、またしても素っ裸です。みんなの視線が痛いです。

 

 「変態!!」

 「ピンク色(肌が)!!」

 「ピンク色(脳みそが)!!」

 「ピンク色(×××が)!!」

 「ホイみっ♪」

 「ピッピ~~~イ///」

 

 いや不可抗力でしょコレ。あ、ホイみんがニヨニヨしてる。さては狙ってやがったな。あとで覚えてろよ。

 

 「とどめだ!!くらえっ!!!」

 ポップくんが何かを投げつけてきました。腕で振り払うと、音を立てて割れました。あ、この臭い覚えがある。火薬ツボだこれ。

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!」

 

 はげしい爆発とともにギャグ漫画のごとく吹き飛ばされます。またしても王宮内ピンボールの玉にされ、柱を2,3本壊してやっと止まりました。

 

 

 ここまでしますか?普通?

いや、知恵と勇気を振り絞って戦うのは結構なんですけど。王宮の屋根が半分吹っ飛んでるですが。ポップくん周りの被害を考えましょうよ。

 「ホイみっ♪」

 あー痛かった。

 

 近場にあった柱に手をかけて立ち上がろうとすると。その柱が根っこから折れて傾きました。

 

 そっか、さっき突入したときに柱やら壁やら壊し回ったもんな。んでさっきの爆発でタガが外れたのか。

 

 嫌な予感がする。嫌な音がする。嫌なことが起こる(確信)

 

 

 

 

 

 

 ボキリ。

 

 

 

 

 

 

 あ、柱が崩れて天井が崩落した。

 

 「危ない、みんな逃げてええええーーーー!!!」

 

 マァムちゃんの悲鳴が響きます。

 おれの頭上は吹っ飛んでいたので無事でしたが。ロモスの兵士さんが多数生き埋めになってます。ダイくんもブラスさんを庇って下敷きになったのが見えました。マァムも負傷しているようです。天井は全損し、あの美しかったロモス王宮の外観は見る影もありません。

 

 なんてこった、大惨事過ぎる。

 

 「おれの呪文がまるできかねえ……強力なアイテムもねえ。ならおれは……おれはっ、おれにできることをするしかねえっ!!!」

 ポップくんの胸元が光り輝いてます。まぶしっ目が開けてられない。あれ?アバンのしるしってこんなに光るものだっけ?すごい気迫を感じます。魔法力を感じないドンなおれのセンスでも危険信号をガンガン鳴らしてます。

 

 

 

 

 

 

 

 「わが師アバンが得意といた伝説の呪文…!!邪なる威力よ…退け…!!

 

 

      マホカトーーール!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょいまて、素でそれ使えるのかよ。しかもなんだこのバカみたいな結界の範囲は。なんか軽く城外にまで及んでるんですが。あ、ブラスさんが正気に戻ったみたい。ダイくんが喜んでら、よかったね。

 

 「破邪呪文…魔を拒む光の魔法陣をつくり出す呪文さ…。先生みたいに島ごととまではいかねえけど城下町をカバーするくらいのやつならおれにだって……」

 

 だからまてって、ちょっと強すぎないキミたち?なに?2週目なの?つよくてニューゲームなの?

 

 「ポップ!!どうしてこんな無茶をしたの!!?」

 「ダイのためさ…。あいつは強いんだ。おれなんかと違って…本当にな…。ブラス爺さんさえ無事なら、あいつは本気を出せるんだ」

 

 マァムがポップに駆け寄って介抱してます。いいなー、うらやましい。おれなんか触手からしか手当てされたことないぞ。

 

 「アバン先生……おれ、やったよ…。自分にできることを…最後に…精一杯…。生まれて初めて…だったんだ。他人のために頑張ったのは…。今なら…先生の言ってたことがわかる気がする…ちょっと…おそかった…かもな…」

 

 そういってポップくんは倒れこみました。

 

 

 

 

 

 

 

 「見事だよ。ポップくん、いやポップ。君は立派な男だ」

 

 思わず賞賛を送ってた。やっぱりポップはカッコいいわ。改めてそう思うよ。でも室内で火薬ツボはやめとこうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…クロコダイン…許さないぞ」

 

 

 「おれのじいちゃんを利用して…悪いことをして…おれの仲間を傷つけたあんたを…」

 

 

 「ゆるすことはできないっ!!!」

 

 

 

 額に紋章を輝かせた勇者が立ち上がりました。みんなが傷ついたのはポップの間抜けな自損事故だと思うんだけど、あまりの気迫に言い出せない。

 

 

 ドロドロと雷鼓がなり、雨雲が立ち込めます。

 あたりが暗くなり、にわかに雨が降り始めました。

 稲光が空を走り、光が瞬きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ポップはおれのために全力を尽くしてくれた…」

 「今度はおれが、全力を出す番だっ!!!」

 

 

 

 

 

 「ライデイーーーーーーーン!!!!」

 

 

 

 ダイの掲げた剣先に一条の稲妻が落ちます。

 

 やばい。まって、なんでこの時点で魔法剣を使えるのさ??

 竜の騎士のなせる業かな?

 

 

 「まだだ、まだこれじゃあのクロコダインに届かないっ!!!」

 

 えっ

 

 

 

 「ライデイーーーーーーーン!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ちょま、むちゃくちゃするな。魔弾銃だって二発の呪文を込めたら壊れるんだぞ。二重の魔法剣とかよく思いつくよ。びっくり通り越して感心したわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アバン先生、ポップ、マァム、じいちゃん、ゴメちゃん、王様、みんな……おれにちからを貸してくれっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ダイ…」

 「ダイ…」

 「ダイ…」

 「ダイ殿…」

 「ダイ…」

 「ピィィ~」

 「ホイみっ♪」

 「ダイ様…」

 

 

 

 ホイみん、みんなが感動してるどさくさに紛れてダイくんを回復させたな。おれの目はごまかされんぞ。

 万全のコンディションでダブルライデインストラッシュがくるのか…生きてられるかな、おれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まだ、まだまだまだあああああああっっっっっっっつ!!!」

 

 

 「ライデイーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!」

 

 

 

 3発目ぇーーーーーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 「これがおれの全力だああああああーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 3度目の雷光を体に浴びて、魔法の威力を剣に蓄えているようです。

 スーパーサ○ヤ人並に全身が白く発光しスパークがほとばしってます。

 刀身なんかもうまぶしくて見えません。どこのライトセーバーかと。

 天は鳴き、地は轟き、これから起こるであろう人外の御業に世界がおののいているようです。

 

 

 …骨のかけらでも残ればいいなあ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「3倍!!!ライデインストラーーーーーーーーーーッシュ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぐわああああああああああーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

 

 「ホイみっ♪」

 




 おっさんのファンクラブってあるのかな








 主人公が死んだので続かない。

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