ピンクのおっさんとホイみっ♪   作:せーや lv71

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最終回

 天より数多の流星が降り注いだ。

 その青と金色の輝きは世界中の魔物(モンスター)に二匹のスライムを思い起こさせた。

 そして、その傍らに常に居た獣の王を….

 

 

 「クロコダイン!?」

 

 みな一様に天を仰いで想いを馳せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奇跡が展開されていた。

 

 「ぐわあああーーーーーッ!!!」

 「ぬぐううううっっ!!!」

 

 大魔王の脇腹に肘を落し、裏拳を叩き込む。回転の勢いのまま尾による追撃を掛け…。

 「小賢しいわッ!!」

 躱す為に身を伏せた大魔王を上から踏みつぶした。

 「貴様がなァ!!!」

 

 「すげえ…」

 「あのクロコダインがっ」

 「一方的に殴りつけている」

 あまりの光景に戦慄する勇者たち。

 「こんなバカなことがっ!」

 「うぅっ、あの構えは!?」

 

 大魔王が上下に腕を構える。

 

 「天地魔闘!!!灰になれぃっ!!!」

 

 「小賢しいったろうがァ!!!」

 

 クロコダインは大魔王の奥義を…正面から殴り飛ばした。

 

 「あ…え?」

 「信じられねえ」

 「どういうことなの…」

 「確かに「天地魔闘の構え」は完璧な奥義だ。ならばそれ以上の力で正面から打ち破ればいい」

 

 (あ…有り得ぬっ。この大魔王バーン、天地魔界に敵無しという自負は決して自惚れではないっ!!クロコダイン、こやつには何かある!余の想像を超えた何かが起こっている。それを見極めるのだっ!!!)

 

 大魔王はその全精力を額の『第三の眼』に注ぎ込んだ!

 そして観た!

 彼の、彼等の力の根源を…。

 

 クロコダインが腕を振るう!!彼の背後におおありくいが、アルミラージが、ぐんたいガニが、トロルが、数限りない魔物の生命が拳を振り上げた!!!

 

 「お前に!!この力が解るのか!?」

 バーンは拳でクロスカウンターを合わせるが、クロコダインは力押しで強引に殴って抜けた。 

 

 「お前にッ!!!この力が集うのか!!?」

 バーンの角をふん捕まえて強引に地面に振り下ろした。

 同時に膝を顔面に叩き込む。鼻の折れる音がした。

 

 「お前にいッ!!!!この力が扱えるのか!?」

 がる太が、ざりおんが、オヤカタが、マミさんが、大獣王団が、不死騎団が、氷炎魔団が、数限りない命の衝動が獣王を支えていた。

 

 「何を…ッ!!」

 「これは願いだ!!お前が弱者と断じて捨てたか弱き生命の輝きだッ!!!」

 「魂…願い…そのような得体の痴れぬモノで余を倒せると思うなァッ!!!」

 「やかましいッ!!!一人ボッチの裸の魔王!!!友達100人作ってからモノを言ええぇッ!!!!」

 

 クロコダインの体が輝きを増す。大魔王が最後に見抜いた大いなる光は…。

 光輝くこの大地の雄大なる姿だった。

 

 「お前がッ、生命達の代弁者だというのか!?お前の叫びが、怒りが!意志そのものが!!この地球(ほし)そのものだというのか!!!?

 認めぬ!認めるわけにはいかぬ!!余は大魔王バーンなり!!!」

 

 全暗黒闘気と魔法力が左腕に集中して行く。

 「あれは!?」

 「闘魔最終掌…?でもミストバーンの比じゃねえ」

 「貴様が地球意志だと言うのならば、その肉体ごと滅ぼせば地上破壊は成ったも同然!!!貴様を頼りにする儚き生命共々…いや、この地球(ほし)諸共灰になるがいいッ!!!!」

 「腕を魔法剣の替わりにして攻撃だけに集中するつもりだ!!逃げろおっさん!!!」

 

 「この獣王!!如何なる時も死より背を向けた覚えはないわァッ!!!」

 クロコダインも同じく全闘気を腕に込める。

 「貴様の背に負う神の温室ごと…灰になれえええぇぇぇッ!!」

 大魔王の振り上げた手刀から不死鳥の翼が羽ばたいた!!

 

 「大魔王界焔鳳(バーン・フェニックス)!!!!!!」

 

 「ぐがあああああああああっ!!!」

 大魔王の執念の一撃は地球(ほし)の祈りを獣王の右腕ごと溶断した。

 「たとえ灰になろうとも、キサマだけはブチのめすと誓ったァ!!!」

 だが、ゴメちゃんが繋ぎ、クロコダインに託された想いたちは…。

 

 「獣 王 会 心 撃 ッ ! ! ! ! ! 」

 

 その光を失うことなく、クロコダインの断ち割られた右腕ごと大魔王の眉間に叩き込まれた!!

 

 「大魔王ごときが 獣王に勝てるかああああああっッ!!!!!」

 「うお”おおおおおおおっ!!!」

 『第三の眼』が砕かれ悶える大魔王。

 「俺たちの勝ちだ、バーン」

 「何を……虫の息のケダモノが」 

 「大事な事を見落としているぞ…。真にこの地球(ほし)を担う者はおれではない」

 片腕を落し息も絶え絶えなはずの獣王から発せられた言葉は大魔王にかつてない危機感をもたらした。

 「ま……まさかッ!!」

 「魔王を倒すのは……勇者と相場が決まっているッ!!!」

 身を翻した大魔王の『第三の眼』は観た。デルムリン島が、ロモス王国が、パプニカ王国が、世界中の人々が祈る姿を!!!世界中が命の輝きで満ち溢れ、その儚くとも閃光のような希望達が寄る象徴を!!!

 

 「大魔王ーーーーッ!!!」

 

 大魔王は観てしまった。

 黄金の光と共に勇者に依るレオナ姫を、ポップを、マァムを、ヒュンケルを、地上全ての戦士が彼と共に有りその両脇にバランと人間の女が寄り添う様を。

 先の獣王よりも広大で暖かい陽光を!

 

 「……た い……よ…う !! ??」

 

 彼の名は勇者ダイ!!

 生きとし生ける者全てを照らす光!

 

 「ミナデイン…」

 

 地上全ての希望の勇者!!

 

 「おのれええええええーーーーーーッ!!!」

 「ストラーーーーーーーーッシュ!!!!!」

 

 獣王は勇者の極光を見据え、意識を失いながら勇者の確かな勝利を確信し眼を閉じた。




ぶっちゃけター○ゃんの動物パワー

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