「ぐわああああーーーーーッ!!!」
「うわああああーーーーーっ!!!」
みなさん殴られながらこんにちは。クロコダインです。
現在パプニカの町をバドラーという局地的台風が猛威を振るっております。
「ホイみっ♪」
え?現実逃避すんなって?仕方ねーでしょ、加勢に来てくれたダイくんが手も足も出ずにボッコボコにされてるんだから。ついでにおれも。
サミットが一撃でブチ壊されてから後、ミストバーンは撤退しハドラーがおれたちに挑戦状を叩きつけて来ました。
「俺の全身全霊をかけて貴様らアバンの使徒を打ち倒してくれる!!」
いやー強いのなんのって。ポップくんの呪文は軒並み効果ナシ。ヒュンケル、ダイくん、マァムちゃんのトライアングルアタックも跳ね返すんですもの。コブシひとつで。
超魔生物ってここまで強かったっけ?何があったしバドラー。
「あのあばれざるに打ちのめされてから俺自身を見つめなおしたのだ」
「は?」
心の声が漏れてたっけ?まあいいや、自分語りし出したし聞いておこう。
「ホイみっ♪」
「強さとはキリがない。常に上には上が居るものだ。自らの限界ギリギリの力を振り絞った時どこまで高みへ昇れるのか、俺自身死ぬ前に知りたくなったのだ」
あーそういえば
「そこで鍛えたのだ」
「えっ?」
「誰よりも強く成りたい、そんな若き日の情熱がよみがえって来てな。魔軍司令としての仕事をほっぽり出し、今一度自らを極限まで鍛え上げたのだ!!」
ハドラーはマントを脱ぎ払いその姿をあらわした。
「これが今の俺の姿だ!!!」
それは肉体というにはあまりに大きすぎた
大きく ブ厚く 重く そして力強かった
それは 正に 鍛え抜かれた筋肉だった
「マッチョーーーーーーー!!!」
ムッキムキの逆三角形魔王ハドラーがあらわれた。
体の大きさも2倍くらいになってないか?何を食ったし?
超魔生物に改造されたんじゃねーの?
「愚かな…、健全な力は健全な肉体にしか宿らぬもの!自ら鍛え上げた力以外に頼るなどと、恥を知れいっ!!!」
至極真っ当なこと言ってるーーーー!!!あとさも当然の事のように心を読まないでっ。
「スキあり!!くらえっ!!!
もいっちょ
ポップくんが話の途中で不意打ちを仕掛けましたね。両手でW禁術とかいつの間に覚えたん?説明の途中で全力ブッパとか効果的だけどエゲツねえ…。
「かあっ!!!」
あ、気合だけでかき消された。
「もうダメかも知れんね」
勇気の使徒ーーーー!あきらめるの早過ぎぃーーーー!!!
またコレ系の理不尽規格外枠が増殖したのかよ。難易度設定バグってませんかねえ!
「絶対にあきらめるもんか!!お前だけはおれがやっつけてやる!!!」
一方のダイくんはまったく怯んでませんね。
「ギガデイーーーーン!!!」
いつの間に覚えたやら、もう驚きませんよ。オリハルコンのダイの剣とギガデインの組み合わせは
「アバンの技と
すげえ殊勝なことを言ってるーー!!ちょっと人が変わりすぎてませんか?
「ギガストラーーーーーーッシュ!!!!」
「ぬうん!!!!」
「ピキッ」
受け止めたーーーー!!!
いやおかしいでしょ。なんで素手のガードでオリハルコンにヒビ入れられるわけーーー!!?
「言った筈だ!!自ら鍛え上げた力以外に頼るなと!!総ては気合で何とかなる!!!」
武器の使用を全否定で根性論ですか。
「ダイよ、お前はその武器を十全に使いこなしていないようだな」
「そ…そんなっ」
あ、ちゃんと理由はあるのね。ダイくんが痛い所を突かれて動揺してますよ。
「だが躊躇はせん!!いかなる状況であろうとも全力を持って叩き潰すのみ!!!」
「そうはさせん!!!」
「ぬうっ!貴様は…」
「まさかあいつが…あいつがおれたちを助けてくれるなんて…」
「竜騎将バラン!!」
バランがダイくんを庇ってハドラーを別の場所へ誘い出してくれました。
「いいか!今のお前たちでは
バランはそう言い残し二人の超魔人は空へ去って行きました。
それから半日ほど南方の空から光が走り、爆音と衝撃破が絶え間なく響いて来ました。
翌日ダイくんがおれに会いに来ました。
「クロコダイン…おれを強くしてくれ!!!」
なんでおれ??
「みんなに聞いたんだ。チウがクロコダインに特訓してもらってすごく強くなったって」
いや確かにあの成長速度は驚いたけど技を一個教えただけよ。
「もう一度おれ自身の力を鍛え直したいんだ。お願いだよっクロコダイン!!!」
こうまで頼られては答えるしかありません。
「よし、特訓だ!!」
「「「「おおーーーー!!!」」」」
あれ?みんなも??
「ホイみっ♪」
というわけで前世の知識をフル活用して修行をプレゼンしましたよ。
修行内容ですがドラゴン○ールの超重力室での特訓を参考にしました。
肉体に負荷を効率よく与える方法がありましたね。そうフレイザードの氷炎・六星結界呪法です。あれを使えれば広範囲に重力室に似た訓練場が作れるでしょう。という訳で訓練場はバルジ島に決定しました。
現地の皆さんにも協力を仰ぎます。元氷炎魔団と地底魔城の皆さんには結界の塔を作成してもらいます。
肝心の呪法ですが思わぬ人が名乗りを上げました。
「私が協力しましょう」
…竜水晶さんです。
この人?かなりの長生きで物知りなんです。古代の呪法や秘宝に精通してるしぶっちゃけアバンの書を読み取ってサミット作ったのもこの人が居たからこそだったとか。なんだこの知識チートは。原作でバランがブッ壊さなきゃ知恵袋として役に立ってたかもしれないな。非生物なので呪法のデメリットなしに使えるとかこの人も違う方向で規格外だよ。
うれしい誤算だったのは世界各国の支援を取り付けることに成功したことです。
サミットが一撃で粉砕されたことでこの世界では量より質ということを再認識したそうで、世界最高戦力であるアバンの使徒のパワーアップにリソースをつぎ込むことになったのだとか。おかげで薬、包帯などの衣料品や魔法の聖水などのアイテムの補給から、果ては衣食住の支給に食事の支度からお風呂の用意まで勇者たちの修行環境の全面的なバックアップをしてくれるそうです。
そして救護班は彼女らが担当してくれるそうです。
「みんな私たちが居るから安心して怪我してね」
「我ら不死騎団特別看護部隊(全員♀)がお世話をいたします」
「みなさんは我々と違って生きてるんですから死んじゃダメですよー」
「死なない程度に怪我してくださいね」
「ホイみっ♪」
マミさんマジ天使。
さて、特訓フィールドも完成しいざブートキャンプ開始という処で…。
「特訓をしているんだってな。だがコーチが必要だろう」
すさまじい闘気と殺気を感じて全員が振り返ります。
「特に作りたての武器で不覚をとる奴にはヤキをたっぷりと入れてやらんとなあ…」
鬼や…鬼が居る。完ッ全にガチギレしてるロン・ベルクさんが武装していました。
折角用意してもらった重油のプールや回転のこぎり付の高速ベルトコンベアーや全自動落石機が無駄になりそうですね。
「この完成版 星 皇 剣 でな」
おいまて未完の超兵器じゃなかったんかい!!
「出来立ての最高傑作に数分でヒビを入れられてアタマにきたんでな。三分で完成させた」
インスタントォッ!!!
明らかにダイくんをロックオンしてますね。
ダイくん大丈夫…あ、ヒザが震えてる。
「さて飯と寝るとき以外は総て俺との戦闘訓練だ…実戦形式ではない、殺し合い形式だ」
「 」
「 」
「 」
「 」
「 」
「ピエ~~ィ」
「死にたくなければ生き延びろおおおおッッ!!!!
星 皇 十 字 斬 ! ! ! ! 」
ただのムリゲーじゃねーか!!!
本気出しスギィ!!!
「 乱 れ 撃 ち ィ ! ! ! ! 」
あれ?連発利きましたっけ?その技!!?
「「「「「ぐわああああーーーーーッ!!!」」」」」
「ホイみっ♪」
強敵登場からの特訓
王道ですね