ピンクのおっさんとホイみっ♪   作:せーや lv71

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夏の町営まんがまつり第二弾

多分ヒーロー編

はじまるよ


知恵(原作知識)があれば体格差なんて関係ないない…… ぐわああああーーーーーッ!!!

 テラン王国の森が謎の空爆に曝されクレーターだらけになってから数日後。

 あれからおれ達はパプニカに移動してサミットの護衛をしてます。ダイくん達は自前の剣を求めてランカークスへ旅立ちました。

 おれはというとチゥの首根っこをつかんで捕獲し郊外の草原で指導をしてました。キミ剣の捜索ではあんまり役に立たなかったでしょ。今のうちに将来の「獣王」としていろいろ教えてあげるからさ。そうスネるな。彼、将来性ならポップに匹敵すると思うんだよね。ブラスさんの後釜にだってなれる人材だよ。

 「御免!」

 おっと来客のようだ。ちょっと待っててね。

 おれに引けを取らない巨漢が声をかけてきました。

 

 「ぼらさんお久しぶりです。これが例のブツですよ」

 「確かに。ではこれが約束のものだ」

 「ホイみっ♪」

 「こら、ホイみん。ソレで遊ぶんじゃありません。あ、あとコレ新鮮な山の幸ね。おいしい椎茸がとれたんだ、みんなで分けてね」

 「…相変わらずだなおぬし」

 「ざりおん君にもお礼を言ってたって伝えてね。それから大切なモノなのに無理言っちゃってごめんねって」

 「構わぬ。我らとしてもアレには困り果てていたのだ。海界の脅威を取り除いてくれるのならば融通するわい。では武運を祈るぞ獣王」

 

 ようし取引成立ッと。ぼらさんは両手いっぱいの山の幸を持って帰って行きました。

 

 「ねえクロコダインさん?誰と何をしてたんですか?」

 「ただの仕込みだよ。それより課したノルマは達成したのかい?」

 チゥはひたすらつま先から体を回転させています。

 ぐるぐるぐーるぐる

 「ねえ、これって何の特訓なんですかぁ??」

 「今は騙されたと思ってやってみそ、次はでんぐり返り300回な」

 「うへえ」

 

 

 今回やってくる鬼岩城はスケールが違うからなー。今回こそ備えを万全にしとくのさ。

 

 

 

 ―――――ちょっと遠くの海岸――――――

 

 「よろしかったのですか。海将殿?アレは我らの秘宝のハズ…」

 「我らは海に住まう者よ。奴等が地上で争う分にはまだ良いが海を荒らすものは捨て置けぬ。それに…」

 「それに?」

 「我らが海王シーザリオン様の友の頼みとあってはな、無下にできまい」

 「左様な経緯で御座いましたか。あい分かり申した。こちらも何時でも動けるように手配いたします。海将ボラホーン様」

 「うむ、奴から貰ったコレを使うこともあるかも知れぬからな。任せる」

 「御意に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、決戦当日

 

 霧と共に鬼岩城が浮上しました。

 遠目に見てもでかいですね。剣と魔法の世界に居て良いスケールじゃないと思うんだよなあ。怪獣映画を見慣れていたので気後れはないのですがあれを何とかしなきゃならないと思うと気が重いです。

 

 この「切り札」でケリが付けばいいんだけど。

 ミストバーンの指揮の下、上陸部隊が上がってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キラーマジンガが100体あらわれた!

 アイアンタートルが100体あらわれた!

 ガーディアンが100体あらわれた!

 

 

 

 オイまて!過剰戦力も程があるだろがい!本気だし過ぎだろミストバーン!!明らかなオーバーキルじゃねーーか!!!

 ポップくんハナ水垂らして引きつってますね。

 

 「ふっふっふ ここはボクに任せてください」

 チゥが自信満々に前に出ます。

 「クロコダインさんより授かった必殺技を見せてやる」

 や、教えはしたけどあの数は想定外だわ。ムリせず逃げなよチゥ。

 

 「行くぞーー!!あちゅーーーーー!!!」

 聞いちゃいねえ。

 

 「一人で突っ込みやがった!!なんてことをさせるんだおっさん!!」

 「自殺しに行くようなものだわ!!ひどいわクロコダイン!!」

 「ピッピ~~ィ!!ピィ!!!」

 え~~!??おれのせい!!?

 

 チゥは窮鼠包包拳で突撃し、勢いそのままにアイアンタートルを捕まえる。

 あれはおれの授けた対多数戦闘用の必殺技……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「 真 空ぅ 地 獄 車ぁ ! ! !」

 

 

 チビのチゥは懐に飛び込んで相手を捕まえて高速回転を続ければ相手を車輪の外としてダメージを与えられ、自らは車輪の軸となって相手が楯となりショックを受けてくれるのである。

 

 「あ…あんな技があったなんて」

 チゥはアイアンタートルを巻き込んで転がり他の魔物を跳ね飛ばして行く。

 この技の恐ろしさは相手の自重と防御力がそのまま攻撃力となることである。

 

 グワッシャアア!!!

 「次いっ!!!」

 アイアンタートル同士の甲羅を叩き潰してスピードと回転を殺さずに別のターゲットへ掴みかかる。こうしてスペアタイヤを取り換えが如く続けて敵を殲滅するのだ。そしてこの技の恐ろしい所は眼を回さない限り技の使用限界がないということである。

 まさしく一度エンジンが掛かれば敵を全滅させるまでひき潰し続ける地獄行きの暴走車と化す。

 

 この技まだチビだったころ姉ちゃんから教えてもらったんだよ。

 「打撃技など花拳繍腿!関節技こそ王者の技よ!! 」ってたからなー。

 本来なら対ブロック用に覚えてたんだけどね。防御力が攻撃力に代わって乱戦で効果を発揮するからここで使うのが一番と思って教えてあげたんだけれども…。いやさ、1日でマスターするとか成長速度おかしいわ。原作キャラ補正強すぎワロタ。

 

 程なくして300体の魔影軍団は鉄屑の山と化しました。

 特訓のために散々振り回して三半規管を鍛えたかいがあったね。

 

 「やりましたよ…クロコダインさん」

 グッとサムズアップを決めるチゥ。

 だれがここまでしろと言ったん?ハッキリ言って300人斬りは想定してなかったよ。

 

 「すげえぜ。流石はおっさんだぜ!」

 「こうなることを見越してたのね。すごいわクロコダイン」

 「ピュイ~イ」

 

 キミたち手のひら返しが速すぎませんかねぇ…。いやでもお疲れ様、チゥ。はっきり言って予想外だったよ。

 

 「…俺の出番は無いようだな」

 あ、ヒュンケル帰ってきたの??じゃあミストバーンの相手をお願いね。

 

 ミストバーンと入れ違いになるように鬼岩城へ向かいます。正直現時点でアイツは手におえないし、ここはヒュンケルに任せよう。

 がる太を呼び出して運んでもらいます。いつもありがとうね。

 口の部分から潜入に成功し玉座の間にお邪魔します。

 

 イスには影が鎮座していました。

 「単騎でこの鬼岩城に乗り込んで来るとは流石は勇猛で名高い獣王クロコダインよ」

 ボソボソとくぐもった声が響きます。

 「これで勝ったつもりか?」

 ええ、勝たせて頂きますとも。ここまで侵入した時点でこちらの勝ちです。

 「切り札」を切らせて頂きましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロコダインは「かわきのつぼ」を取り出した。

 「なんだその古びたツボは?」

 問答するヒマは与えずに事を成しましょう。ひっくり返してじょばーっとな。

 「ホイみっ♪」

 「かわきのつぼ」から海水があふれ出した。

 じょばばばばば………

 「獣王ともあろうものがなんのマネだ?」

 「時期にわかるさ」

 「ホイみっ♪」

 ドバドバドバドバ………

 「ホイみっ♪」

 ホイみんは「かわきのつぼ」をクロコダインからひったくった。

 あ、こら返しなさい。大事な預かりものなんだよ。昔っから水遊びが大好きなんだからもう…。

 「かわきのつぼ」は浅瀬を島にするほど大量の海水を蓄えることができるのだ。それをひっくり返せば…。

 ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ

 こうなる訳で。みるみる海水は鬼岩城内部を水浸しにしていった。内部は海水で充満し砲台や魔影軍団を押し流していく。

 「おのれっ、これが狙いか!」

 大砲は水浸しで流され軒並み全滅。ハラいっぱいになるまで水を取り込めば動きも鈍るでしょう。上陸は阻止できそうだし、大砲も無力化した。いやー思惑道理にうまくいった。あとはダイくんが帰ってくるのを待つばかりですよ。

 「あ、ホイみんそろそろ止めて良いからね」

 「ホイみっ♪」

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 「ホイみん?もうやめていいからね?」

 「ホイみっ♪」

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 「ぐわああああーーーーーッ!!!溺れるーーー!流されるーーーー!!こらーーホイみん!!そろそろマジでやめてーーーーー!!!」

 「ホイみっ♪」

 ドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバドガジャバドバドボドバドガドバジャババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ

 しまったーーーホイみんの調子に乗りやすい性格を計算に入れてなかったーー。

 鬼岩城のいたる所に亀裂が走り、窓という窓から海水が噴き出た。

 「くううっ!緊急排水だ!!」

 シャドーの操作によって鬼岩城下腹部の正面扉が開かれた。そこから勢いよく海水が排泄される。

 

 じょばーーーーーーーーーーーーーっ

 

 

 

 「むぅっ?」

 異変を感じ取ったミストバーンが見たものは全身から水芸のように海水を吹き出しパプニカの町へ立ちションをする鬼岩城の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「殺せえええええええっ!!!!何としてもあのピンクワニをぶっ殺せええええええええええええっ!!!!!」

 ミストバーンの順当なマジギレである。

 

 「ははっ、ついにお許しが出たぞ!!お前たちっ、いよいよ我ら魔影軍団の真価を発揮する時が来たのだ!!!」

 シャドーが玉座のスイッチをONにする。ぽちっとな。

 

 「え?なにしたの?」

 

「勇猛で名高い獣王クロコダインと矛を交えるのだ。全軍を上げているに決まっておるわ!出でよ!!実体を見せて忍び寄る五つの影!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――パプニカ港船上―――――

 

 突如海面が山のようにせり上がり巨大な物体が現れた。

 

 「船長!!海底より浮上する物体多数!!4…5つ確認しました」

 「あ…あれは、あれも鬼岩城なのかっ」

 

 五つの巨大な頭部が海面から鎌首をもたげました。

 

 「鬼岩城が…」

 「五つ!!?」

 

 鬼岩城Bがあらわれた。

 鬼岩城Cがあらわれた。

 鬼岩城Dがあらわれた。

 鬼岩城Eがあらわれた。

 鬼岩城Fがあらわれた。

 

 やっぱりオーバーキルだろうがーーーッ!!なに考えとんじゃあミストバーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ワニなのに溺れるところだった……」

 「ホイみっ♪」




次回は第三弾かな?

こうご期待

続いたらね…

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