ピンクのおっさんとホイみっ♪   作:せーや lv71

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夏の町営まんがまつり

はーじまーるよー


町営まんがまつりだよ ぐわああああーーーーーッ!!!

 いやー死んだ死んだ。あの世っぽい雲の上を昇りながらハイキング中ですよ。そらバランのギガブレイク喰らって無事でいろってのが無茶な話ですよ。

 生き延びるために頑張ったんだけどなー。今までの人生、パパンに教育(物理)されたり、兄ちゃんにサンドバックにされたり姉ちゃんに新技の実験台にされたり、ホイみんのせいでボロボロになったり…うん、あんまり良い生き方してなかったね。ただみんなに未来があるかだけが気がかりだわ。大魔王(バーン)様マジ怖い。

 自分のことながらずいぶん楽天的になれるもんだ。おや?歩く先に何か居ますよ…。

 

 ホイミスライムはようすを見ている。

 

 ホイみん??お前まで死んじまったの?

 

 ホイミスライムはこちらへ近づいてくる…。

 

 バラン戦に居たんだからまきぞえを喰らってもおかしくないか…。

 

 ホイミスライムはこちらへ迫ってくる…。

 

 よし、こうなったら来世も一緒に居ようぜ、よろしくな…ってなんか近づきすぎてませんか…??

 

 ホイミスライムは間近に大きくなって迫ってきている…。

 

 なんか遠近法が狂ってませんかねー??

 

 ホイミスライムは大きくなりながらにじり寄って来ている…。

 

 ちがう!!こいつは元からでかいんだ!!おれが小さいのかも知れんが。とにかくこのままだとホイみんに飲まれる!!?

 

 ホイミスライムは巨大化しながら大口を開けている。

 

 でけえええええ!!!なにあれ?怪獣映画にも出てこれるサイズじゃないですかー。ドラクエに「ビッグ」の呪文ってありましたっけ?言ってる場合じゃない逃げないとホイみんに飲まれる!そんな予感がするっ!!

 

 ホイミスライムは大きく息を吸い込み始めた。

 

 あああああああああああ嫌な予感的中ぅ!!やだあああああ。ニヨニヨ顔が迫ってくるーー!!吸われるーー!!吸い込まれちゃうぅ―――!!!

 

 「ホイみっ♪」

 

 ばふっ

 

 クロコダインはホイミスライムに飲み込まれました。

 

 「ぐわああああーーーーーッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハッ 夢か…。

 目の前にホイみんのドアップが映ります。ぐーすか寝てやがりますね。こいつが顔の上で居眠りこいてたからあんな夢を視たのか。死んだと思ったけど生きてました。ホント頑丈だわこの体。

 みんなに話を聞くと、おれが死んでダイくんマジ切れ。穏やかな心を持ちながら怒りによって目覚めた紋章パワーが限界突破。あわててバランが精神波で記憶を消そうとするも気合で跳ね返されて後は肉弾戦に。最終的にギガブレイクと10倍ライデインストラッシュで双方武器破損の相打ちになったそうです。

 バランは竜魔人にならなかったようです。流石のバランも息子相手に魔獣の姿になれなかったか。

 それから息を吹き返したおれを見てバランが面食らってたらしいがはて…?SHT(スーパーハイテンション)ギガブレイク喰らって生きてるはずはないんだけどなー。ってかおれを蘇生したのバランじゃなかったの??

 

 ホイみん、おれになんかした?

 「ホイみっ♪」

 

 あ、起きた。

 

 

 

 寝ていたんですがどうも不安で起きました。は虫類だからか種族の特性なのか知らないけど回復速いのよ、この体。

 

 あれ?ホイみん寝てる?さっき起きたばかりなのに。みんな倒れるように眠ってる…。あれ?この展開って原作で言ったら…。

 

 

 

 ザボエラの魔香気かっ!

 やっべえ忘れてた。っても対策なんてしてないし取りようがないぞ。ヒュンケル不在だし…どうする??

 

 「どうやらお前には効き目が薄かったようだな、流石は勇猛で名高い獣王クロコダインよ」

 

 ハドラーとザボエラが現れましたね、いきなり奇襲か!!

 おれも眠くて動けない…しょうがない、この辺りは彼の縄張りだったハズ。イチかバチかやるしかない。

 

 「グオオオオーーーーーーン!!!」

 

 「バカめ!!いくら声を張り上げたところで誰も起きはせんわい」

 ザボエラは勝ち誇りますがこれは誰かを起こすための遠吠えではありません。もっとも厄介なヤツを呼び寄せる為のものです。

 

 遠くから地響きが近づいてきます。間もなく木々を蹴散らし巨大な影が飛びだしてきました。

 今のうちに逃げよ…。ほふく前進でコソコソと逃げ出します。あ、間に合わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホギャアアアアアーーーーオ!!!」

 

 「いやあひさしぶ…ぐわああああーーーーーッ!!」

 問答無用で影にぶっ飛ばされました。

 

 「あ、あのクロコダインを一撃で…」

 「なんだ?このエテ公hおぶっはああーー!!?」

 返す刀でハドラーもぶん殴られましたね。

 

 彼はあばれざるのキングくんです。自尊心と占有意識が強く縄張りに入ったものを容赦なく殴ります。つまり…。

 

 「よ…よせやめろ!!やめてくれぃ…うぎゃあああああ!!!」

 

 こうなる訳で。ザボエラを振り回し、地面に叩きつけています。うわあ…ぼろ雑巾みたい。前回あった時より大きくなったねー。二回りくらい?おれが子どもに見えるんですけど。続いてハドラーをマウントに取りましたね。おお、ボッコボコにしてらあ、痛いぞあれは。眠ってるところをたたき起こされて相当に不機嫌になってる様子。近づかんでおこう。

 

 「おのれ、調子に乗りおって!!」

 

 ハドラーのイオラ!!

 

 カパッ!!

 

 キングは大口を開けて口から気弾を発射し呪文を相殺した。マウントの近距離からリアクションしたのかよ、どんな超反応だよ。

 

 「あ、あんな距離から切り返しおった…俺の呪文を…」

 

 ああそうそう、キングくんは闘気の技を使いこなせます。おかげで身体能力がハンパねえのなんのって。初めて会ったときに喧嘩を売られて一方的に殴られたことがありまして。闘気でガードを固めたら使い方を覚えちゃったみたいで…今ではご覧の有様です。

 

 「ウッホオオォーーアッ!!!ウホッウホッ!!ホギャアアアアアーーーーオ!!!」

 

 身体能力の超パワーアップに口からの気弾そんであの巨体。まるっきし大ざるの化け物ですね。

 

 「ず…図に乗りおって…このケツの赤いサルめが!!」

 

 プッチーーン!!!

 

 あ、ヤバイ。一番言ってはならんことを…。

 

 「ホオオオオォォーーー!!ギャーーーーーーオオォオ!!!」

 

 みなぎる闘気が闇夜と体を照らし、バーナーのように全身から吹き上がります。全身の体毛は光り輝いて逆立ち、あふれ出るパワーが周囲を揺るがします。

 

 「こ…これは…光の闘気!!?」

 

 そう、彼の闘気は光、しかも色は金色なんですね。ハイ、見た目は完全にスーパーサ○ヤ猿ですね。

 

 あーあ絶対に怒らせてはならんヤツを…。ああなったら戦闘力が格段にハネ上がるんです。凶暴性も倍率ドン!こうなったら相手が動かなくなるまで攻撃をやめません。

 あ、ハドラーがワンパンでふっ飛びましたね。それを追っかけるついでにザボエラが蹴り飛ばされました。

 

 遠くの方で地響きが断続的に聞こえてきます。あれ、地響きでなくて殴ってる音なんだろな…おっそろし。身の安全のために伏せておきましょう。

 

 しばらくして遠方から爆発と衝撃が連続して起こります。うわ高台に登って見境なく口から闘気弾を辺りに乱射してますね。ハドラーを見失ったか?

 当のハドラーは…ズタボロになりながら近くにぶっ飛ばされてきましたね。

 

 「バ…バカなっ。こうまで俺を圧倒するものがこの世に居たとは…」

 

 上には上がいるんですよ。あれはとびっきりの規格外だけど。

 

 キングくんが上空に跳躍しましたね。探すの面倒だから見下ろして捜索するつもりでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「出てこい!ゴミどもーー!!!出てこなければオレはこの宇宙を破壊しつくすだけだぁーーー!!!」

 

 っつーか喋れたのかよ!!?相変わらず学習能力高えなーオイ。

 

 「こうなったらこの星ごと宇宙のチリにしてやる!!!貴様らは助かっても地球はコナゴナだー!!!」

 「考えやがったな!!ちくしょう!!」

 

 口から特大の闘気弾をチャージしています。まさかあれを眼下に打つつもりか!!?

 

 「ぬうう舐めおって、たかが魔物にしてやられる俺ではないわ!!!」

 

 ハドラーが呪文のの詠唱を始めました。こうなったらハドラーが何とかしてくれることを願うしかない…何千、何万分の一の確率にすぎぬが…な。

 

 「ホオオォーーーーーギャアアアアアーーーーーーッ!!!!!」

 

 「極 大 閃 熱 呪 文(ベギラゴン)!!!!」

 

 極大閃熱呪文(ベギラゴン)とギャリック砲(仮)が激突し、拮抗し…てない。完ッ全に押されている。がんばれバドラー地球の運命はお前にかかってるんだぞー!!

 

 「何をしておるザボエラ!!早く加勢しろー!!」

 「ハッ…おのれぃエテ公め!!魔族の恐ろしさを教えてやるわ!!極大閃熱呪文(ベギラゴン)!!!」

 

 おおさすが腐っても妖魔司教。両手使えるなら使えるのか。

 

 

 そんで現状は持ち直してないです。むしろじりじり押されてるよ。

 もうだめだぁ…おしまいだあ…。悟空ーーー!!早く来てくれーーー!!!(メダパニ)

 

 

 「「「極 大 閃 熱 呪 文(ベギラゴン)!!!」」」

 

 援軍か!!?ダイくんに…ポップも!!?そしてマトリフさん!!?

 

 「なんてタイミングで来ちまったんだ…とにかくコイツを地球に落とさせるわけにはいかねえ!」

 「目が覚めたらえらいことになっちまってるなぁ」

 「クロコダインが…おれを呼ぶ声がしたんだ!」

 

 いやあ混乱してダイくんでなくてカカ何とかさんを呼んでしまいましたが、ここは黙っとこハズカシ。

 

 「ザコのパワーをいくら集めたところでオレを超えることなどできぬぅーー!!」

 

 あ、これでもだめなのね。あんにゃろさらにパワーを上げやがった!!全身から噴き出るオーラにバチバチとスパークが走っています。スーパーサ○ヤ人2!!?この短期間でさらに成長したってのか!!?

 ベギラゴン×5をさらに押し返しています。

 

 「こ…ここまでか?」

 「いやじゃああーー。死にたくないぃーー!」

 「ぐ、ぐふっ。呪文のパワーに体が追い付かねえ」

 「ちくしょう…ちくしょうっ!!」

 「がんばれっみんなー!!」

 

 くそう、こうなったらやぶれかぶれだ!やってやるぜぃ。

 

 「おりゃあああっ!!」

 

 「岩石なげ」でキングくんの頭に岩を直撃させました。ダメージはないでしょうが注意を引き付けます。

 あ、キングくんと目と目が合いましたね。うわー眼がすげぇ血走ってる。よし、逃げよう。

 護身のための最良の行動を取るために後ろを向きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『お前の母ちゃんでーべーそー!!』

 

 ホイみんがおれの後ろで高らかにカンバンを掲げてニヨニヨしてます。

 

 「ホイみんんんんんん!!!!?」

 

 だからカンバンは仕舞えって言ったでしょうがあああああ!!!

 なに??なんで余計なヘイトをこっちに向けるわけ!!?石投げるくらいで十分でしょおおお!!

 

 「ホオォギャアアアアアーーーーーーッ!!!!!」

 

 あ、こっちをロックオンしましたね。死んだわおれら。

 

 「「「「「今だあああああーーーー!!!!」」」」」

 

 「おっ…おされ……」

 

 キングくんの注意がそれた隙に全員の全パワーを注ぎ込んだ極大閃熱呪文(ベギラゴン)×5が昇竜のごとく空を駆け上がります。ダイくんの竜闘気(ドラゴニックオーラ)でキングくんの闘気をもまとめて叩き返したそれは彼を巻き込みはるか上空で爆発しました。

 

 しばし静寂があたりを包み。

 

 「「「「「いやったああああーーーーー!!!!!」」」」」

 

 誰もかれもが手を握り肩を抱き合って喜びあいました。彼等は確かに地球を救ったのです。今までのわだかまりを忘れて勇者と魔王が硬い握手を結んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …なにこれ??シュールな光景だなあ。

 

 いや、助かったのならいいんだけどさ、何か嫌な予感が消えないんだよな…あ、やっぱり。予感的中。どうやらみんなも異変を感じ取ったようです。空を見上げて表情が強張ってますね。

 

 「ダイよ我らの決着は後にしよう」

 

 「うん、今はとにかく…」

 

 「「「「「逃げろーーーーー!!!!」」」」」

 

 はるか上空で爆発的に膨らみ続ける光の闘気から蜘蛛の子を散らすように全員が逃げ惑いました。ちゃんと姫様達も担いで行きますよ。

 

 「気が高まる…あふれる…」

 

 あ、空を照らす光の闘気が緑色になってきましたね。

 

 

 

 その晩、テラン王国のとある森では一晩中緑色の爆発と閃光が途絶えませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホギャアアアアアーーーーオ!!!」




出てこいとびきり全開パゥワー!

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