たぶん続かない。
おきなさい・・・おきなさい・・・・・・や・・・
なんか声がきこえる。
「うーんあと10分」
ねむい、あったかい、きもちいい。よってもう少し。
おきなさい・・・・わたしの・・や・・・
やさしい声がきこえる。
「あと100分ね~」
だがおきる気はない、惰眠をむさぼる、しあわせ。
「おきなさい、わたしのかわいいクロコダインや。」
「ほへ?」
思わず変な声が出た。
何と言った?言われた?
クロコダイン?ピンクのおっさんがナンだって?
寝ぼけ眼をこすって開けるとそこには
「おはよう、わたしのかわいいクロコダイン。あさごはん、できてるからね。」
目の前に赤いワニがいた。
思わずフリーズしたおれは悪くないと思う。
その姿はまさしくクロコダインのおっさんだった。
ただし。
ピンクのフリル付のかわいいリボンをつけてた。
エプロンつけてた。
まつげが長かった。
おたま持ってた。
女性の声だった。
SAN値が減った。
「みんなおきてるからね。はやくおいでなさい。」
おれの動揺をよそに、赤いワニさんは二足歩行で部屋から出て行った。
「部屋?」
見慣れた自分の部屋ではない。
見渡すと鏡台があり、のぞいてみるとそこには。
ぷっくりした体系の子供のワニ人間がいた。
「え?おれクロコダイン?」
「ぐわあああーーーーーッ!!」
ホイみっ♪
なんか聞こえた。
「ん?」
あたりを見回すと
「ホイみっ♪」
ホイミスライムがいた。
はい、どうもクロコダインです。
初めこそ動揺してましたが、普段の生活がバイオレンスで思い悩むどころではありませんでした。
無駄にパワフルな親兄妹たちとご飯を取り合ったり。
(早い者勝ちで、食器が飛び交う→ぐわあああーーーーーッ!!)
「ホイみっ♪」
散歩という名の強行軍に連れまわされたり。
(年上の言うこと絶対で、兄、姉に引きずられる。片道3,40キロは当たり前。→ぐわあああーーーーーッ!!)
「ホイみっ♪」
他の魔物と縄張り争いしたり。
(魔物社会は実力主義。子供だろうと住処を守るために鉄火場に放り込まれます→ぐわあああーーーーーッ!!)
「ホイみっ♪」
こいつがいないと死んでたね、おれ。
「ホイみっ♪」
あ、こいつは相棒のホイミスライムで名前は『ホイみん』です。
転生?トリップ?した時から一緒にいました。それ以来の仲です。
怪我を治してくれるのはいいんだけど、性格はちょっと黒い気がする。
さそりばちの巣に石つぶてをぶちかましたあとおれを盾にしたり。
そのあとホイみっ♪
マッドオックスの足とおれのしっぽを縄でつないで走らせ、引きずらせたり。
擦り傷だらけでぶっ倒れてるところをホイみっ♪
ガルーダの巣に勝手に昼寝に行って、迎えに行ったおれを親ガルーダにハチ合わせたり。
かじられたアタマをホイみっ♪
転生してからこっちおれの人生、こいつに振り回されてるような気がする。
「ホイみっ♪」
こら、都合が悪いからってホイミでごまかすな。
原作始まってもやっていけるんだろうか・・・・おれ。
「ホイみっ♪」ドンッ!!
およ?
油断したところをホイみんに『突き飛ば』され。
おおアリクイの巣穴に顔面ダイブした。
「ああっ、アリクイの舌が。 鼻に、鼻の穴にっ。」
「ぐわあああーーーーーッ!!」
「ホイみっ♪」
おっさんのSSもっと増えろ
続かない