コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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11月3日、庄内戦争から第二次奥州解放戦争へ題名変更


第18話 第二次奥州解放戦争前編 集結

『私は日本解放戦線の指導者。片瀬帯刀である!!この度の久里浜での戦いは敗北したがこの片瀬は生き、解放戦線も存続していることをここに知らせるものである!!』

 

片瀬の声明は北海道政権・キョウト他多くのレジスタンスを経由して多くの人間の知るところとなる。

 

現在のブリタニア軍は解放戦線の囮の自爆にまんまと嵌められた上に横合いから黒の騎士団に強烈な一撃をお見舞いされ面子丸つぶれな状況であった。

 

 

皇歴2017年8月24日ブリタニア政庁

 

「っ…北の僻地に籠る腰抜けと侮るべきではなかったか。」

「はい。坂本艦隊の出現の時点で対処するべきでした。姫様申し訳ありません。」

 

悔しそうにテレビの映像を睨むコーネリアと自身の不手際を謝罪するギルフォード。

 

「片瀬が庄内にいるのは間違いないでしょう。現地レジスタンス庄内義勇軍が片瀬の傘下に入ったのは間違いないでしょう。あの声明で片瀬の横にいた男は庄内義勇軍の首魁佐川善兵衛で間違いありません。」

ギルフォードの隣にいたダールトンはテレビに映る片瀬の隣で軍刀を杖にして床几に座っていた老軍人を見て発言する。庄内義勇軍、退役軍人を中心とする解放戦線に次ぐ練度を持つレジスタンスである。

ブリタニアでは北海道政権は単に北と呼ばれたり北海道もしくは北海道軍などと呼ばれている。北海道軍などと呼ばれている時点で北海道政権はレジスタンスの中でも別格扱いであった。今までは日本において大規模な行動がここ7年程なかったために黒の騎士団の影に隠れてしまっていただけなのであった。

 

「思った以上に解放戦線の回復が早いな。間違いなく北海道の手引きだな。」

「間違いないかと…。以前から庄内は北海道の工作員や潜伏兵の姿が確認されていました。」

「北海道軍…ゼロの陰に隠れていたが大高弥三郎侮りがたしですな。」

「そうだな。」

 

3人は北海道政権の首魁大高弥三郎らの評価を上方修正した。

話し合いの最中に乱暴に扉を開けて伝令の下士官が飛び込んでくる。

 

「緊急です!!北海道陸軍南下を開始!!推定戦力4個師団です!!」

 

7年と言う時を経て日本皇国北海道政権と言う眠れる龍が目覚めようとしていた。

 

「北海道軍…。遂に動くか…油断ならぬ相手だ。それがここまでの動きを見せるとは…舐められているのか。それともこれも大高の術中かはわからぬが受けて立ってやろうではないか。」

「姫様。それは危険です!」

「ここで北海道の出鼻を挫かねば黒の騎士団含め他のレジスタンスも活気づき手に負えなくなる。ここは一戦し何らかの結果を出さねばならん!ギルフォード!ダールトン!戦力を急ぎ編成せよ!!」

「「っは!」」

 

 

 

 

アシュフォード学園寮私室

コーネリアの予想通り占領地内のレジスタンスは活気づいていた。特に北陸のレジスタンスは片瀬に合流しようと比較的規模の大きい動きを見せていた。

そんな中で黒の騎士団は不気味なまでな静けさを保っていた。

それもそのはず、ルルーシュは誰かに顔を見られた恐れがありその対処に追われていたからだ。

「このタイミングで動くか北海道政権軍。くそっ顔さえ見られていなければ!!俺が直接動いたものを!…扇に一任して形だけでも参加しておくか。」

 

 

この戦いにルルーシュは別件の対処に追われることとなり、ほとんど関わることが出来なかった。

 

 

 

庄内地域日本解放戦線軍潜伏地

藤堂らとの合流は出来なかったものの日本解放戦線は庄内義勇軍を中心に多くのレジスタンスと合流して急速に戦力を回復していった。

「申し訳ない千葉中尉。我々はもうすぐブリタニアと大規模な戦闘が控えておるのだ。その後はわしらは一時北海道政権の勢力下に身を寄せるつもりなのだ。無論、こちらから出来る手は尽くすつもりだ。本当に済まない…」

 

『いえ、私としても片瀬少将の今の状態は理解していました。こちらこそ無理を言ってしまいました。失礼します…』

 

千葉との通信が切れる。片瀬の目から見ても明らかに肩が落ちていたのが分かる。

 

「よろしかったのですか?片瀬閣下?」

「佐川大佐…。私としても今でも藤堂がおればと思うところがあります。故に中尉に協力すると言う選択肢はありました。ですが、この戦いでブリタニアに一太刀浴びせることが出来れば…。それは藤堂中佐達の助けにもなる。故に今は…」

「片瀬閣下…行きましょう。酒田市で北海道政権軍と合流しましょう。」

 

解放戦線の車列が北海道政権軍の先遣部隊の車列とすれ違う際に2人は車列から降りて先遣部隊の隊長と敬礼を躱す。向こうの隊長も車から降りて敬礼を返す。

 

「対KMF重誘導弾連隊連隊長権藤吾郎大佐です。片瀬閣下の撤退を支援いたします。」

「よろしくお願いします。」

 

 

皇歴2017年8月25日陸奥港湾要塞 作戦司令部

陸奥港湾要塞の指揮所では加倉井・志村の2人の司令官が黒木から作戦の説明を受けている。

「南下している4個師団の内3個師団は囮です。時間距離的に本作戦の戦闘には加われません。実質戦力はこの東北方面の第五師団、片瀬少将率いる解放戦線を中心としたレジスタンス連合…権藤大佐の対KMF連隊です。そして…」

 

黒木がコンソールを動かして新兵器の詳細を示した画面が現れる。

 

「画面の鉄塔は通常の鉄塔ではありません。これはマイクロウェーブ6000サンダーコントロールシステムです。空にヨウ化銀を散布し人工雲を発生させ、地上に固定した電位差発生装置もしくは鉄塔の天頂部に取り付けられた電力放射装置とソニックビームシステム車に搭載した電位相増幅装置で人為的に雷を発生させるものです。その雷撃は、戦車1台を溶かすほどの威力と言えばいかほどのものかおおよそご理解いただけるでしょう。」

 

黒木の説明と共に実験映像が流れる。加倉井・志村らは「おぉ!」と驚いた様子で映像を凝視していた。

 

「作戦領域の庄内平野酒田市までは陸軍と諸レジスタンスの各種戦闘車両及びKMF隊による攻撃でブリタニア軍を誘導。誘導後は連携して引き続きブリタニア軍を作戦領域から外に出さないための威嚇、牽制攻撃を行うものとします。現在、第五師団との合流の時間を稼ぐために山形新幹線を北上するブリタニア軍を権藤大佐の対KMF連隊が足止めしています。」

 

庄内平野は表面上ブリタニアの支配地域であったが皇国支配地域に近く7年前の皇国軍の南下の際に多くの工作員に入り込まれレジスタンスの活発化、住民の反ブリタニア化が深刻な地域であった為にブリタニア軍の目をかいくぐって偽装した兵器を配置することが可能だったのだ。

 

日本海山形酒田港近海 白銀艦隊

 

情報処理・射撃指揮装置。イージスシステムを搭載した艦が多く配備されている最新鋭艦隊が山形酒田港近海に展開する。

もえかはタブレットをいじりイージスシステムが酒田市内の作戦領域に展開されたこ確認

する。

「桃園宮司令。イージスシステムの展開を確認。これより陸軍のイージスシステムとのリンクを開始します。」

 

「やって頂戴。作戦領域に敵のミサイルも航空機も一機も入れてはなりません!」

那子は皇族として艦隊司令として強い意志を込めた瞳で酒田市の作戦領域を睨んだ。

 

白銀艦隊は対空管制を担当しミサイル迎撃を担当する。白銀艦隊を迎撃してくるであろうブリタニア艦隊は高杉英作率いる東太平洋艦隊が日本海で迎え撃つ。

 

 

庄内平野酒田市作戦領域上空 特殊戦闘機グリフォン

 

『ヨウ化銀、酒田市上空に散布完了!これより2時間で人口雲発生。』

『支援部隊、間もなく酒田市に集結完了!』

 

「これより上空にてホバリング状態を維持しつつ管制を開始する。」

「了解!…白銀艦隊よりイージスシステムのリンクが始まりました。航空管制は変わらずこちらで行うようにとのことです。白銀艦隊航空隊の指揮権が移譲されました。」

「移譲を確認した。」

 

グリフォンを守る様に展開する戦闘ヘリ群と東北各基地と白銀艦隊より出撃している航空機隊。これらはグリフォンで指揮を執る辻森桐子少佐の傘下に入る。彼女は黒木特佐の直轄部隊グラスパーの隊長である。

 

 

新庄盆地 対KMF重誘導弾連隊

 

「これで10機目です!誘導弾命中!敵脚部損傷!」

「ようっし!!ここまでだ!総員酒田市まで撤退!!」

 

権藤吾郎大佐は部下の肩をたたき撤退を指示する。

 

「よろしいのですか?」

「あぁ!もう十分だ。奴ら、機体の応急修理でしばらくは動けん。」

部下たちはその場から走り去る。一人遅れた権藤は遠くで混乱しているブリタニア軍に一人軽口を叩く。

 

「重弾頭の次は痺れる雷撃だぜ…ブリタニアさんよぉ。」

 

 

庄内平野酒田市作戦領域地上

 

「降車!」

皇国陸軍の歩兵たちが一斉に輸送トラックから降車し、レジスタンスの歩兵部隊と合流する。

 

「接続完了!」

工兵たちが電位差発生装置とソニックビームシステム車を接続し、鉄塔に電力放射装置を取り付ける。

 

「戦闘車両は最上川対岸に待機!」

15式自走砲重戦車と10式や90式・74式戦車を前列に、自走榴弾砲車やミサイル車両を後列に並びブリタニア軍を待ち構える。

 

さらにその後ろでは皇国陸軍の雷電や震電、日本解放戦線の無頼、庄内義勇軍が強奪したナイトポリスが整列する。

 

「こちら移動前線指揮所。地上の電位差発生装置は作戦開始20分前までに100基設置予定。対象の全ての鉄塔へ電力放射装置の取り付け完了。」

82式指揮通信車に乗った士官が片瀬たちの現地本部に報告する。

 

施設科と現地建設会社から接収したブルドーザーやショベルが剥き出しの電位差発生装置に土を掛けてたり瓦礫で隠したりして簡易的に偽装していき、それに加えて地面を平らに整地していく。

 

 

庄内平野酒田市作戦領域地上 現地作戦本部指揮所

 

「皇国陸軍東北方面軍管区軍麾下第五師団師団長本田雅晴少将。御到着です。」

 

「お通しするように。」

「っは」

皇国陸軍の到着を報告した下士官にその指揮官を通すように片瀬は命じた。

 

皇国陸軍本田少将、日本解放戦線片瀬少将、庄内義勇軍佐川元大佐と言ったキーパーソンが揃った。

 

3人が揃った所で、音声だけだった陸奥港湾要塞と映像付きで通信がつながる。これは上空管制を行っているグラスパーのグリフォン万能戦闘機を中継したものだ。

通信に陸奥港湾要塞に詰めている要人達が映る。黒木特佐、加倉井少将、志村中将、桜坂総務大臣、遅れて来た片桐副官房長官らの姿が映った。

 

本作戦の総指揮は黒木翔特佐。現地地上部隊は皇国陸軍第五師団師団長の本田雅晴少将で諸レジスタンス連合の盟主は片瀬帯刀少将である。オブザーバー参加として桜坂国務大臣と内閣官房副長官兼危機管理情報局局長片桐光男である。

 

 


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