コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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極東事変編
第01話 マリアナ小笠原海戦


平盛22年(ブリタニア皇歴2010年)8月10日 、世界唯一の超大国神聖ブリタニア帝国は日本と地下資源サクラダイトを巡って対立し宣戦布告、日本に侵攻した。

 

当時の日本皇国内閣総理大臣枢木ゲンブは陸軍参謀総長を兼任しておりブリタニアに対し徹底抗戦を主張。また、海軍軍令部もこの意見に賛同した。第二次太平洋戦争の戦端は開かれた。

 

枢木政権の命を受けた海軍軍令部は高杉英作中将率いる航空艦隊と坂元良馬中将率いる主力艦隊からなる第一連合航空機動艦隊を派遣。マリアナ諸島へ進出しブリタニア主力艦隊を迎撃した。

 

第一連合航空機動艦隊は戦略空母建御雷を旗艦とし、戦艦3隻、主力空母11隻、軽空母3隻、航空及び防空巡洋艦15隻、護衛補助艦艇多数からなる大規模艦隊である。

 

世界がブリタニア帝国、EU、中華連邦、ロシア帝国と言った勢力によって世界が4極化していく中で中立を守って来れたのは日本皇国の偏に飛びぬけた海軍力にあった。第一連合航空機動艦隊空母艦載機とマリアナ諸島及びカロリン諸島の基地航空隊及びブリタニア艦隊空母艦載機の間で熾烈を極める戦いが繰り広げられ、ついにはブリタニアの侵攻軍の第一陣を退けるに至った。

 

「このまま第二陣を迎撃しますか?」

「南シナ海の東郷艦隊もブリタニアの侵攻軍を退けたそうだ。南洋からの侵攻軍の第二陣が来るにしろ時間がある硫黄島要塞の守りを固めさせ、我が艦隊は一度撤退し補給を受けて体制を立て直そう。」

 

日本皇国海軍の善戦によりマリアナ及びカロリンの基地航空隊は壊滅、ブリタニア侵攻軍第一陣の艦隊も壊滅し敵侵攻軍第一陣は敗北した。第一陣の残存は第二陣と合流し再編され、ブリタニア軍は第二陣を出撃させた。

第一連合航空機動艦隊は本土で補給を受け硫黄島要塞を攻撃するブリタニア軍を硫黄島守備隊と挟撃するために第一連合航空機動艦隊も再度出撃する。

 

硫黄島要塞へ向かう第一連合航空機動艦隊の高杉の下へ硫黄島陥落の報告が入る。

「閣下、硫黄島が陥落!陸軍将兵はことごとく虐殺されたとのことです!」

「な、馬鹿な!硫黄島は陸海軍肝いりの要塞だぞ!?とにかく奪還するぞ!艦隊増速!硫黄島へ急行する!」

 

 

高杉英作が見たものは陥落した硫黄島要塞であった。

 

「閣下!敵軍の中に新兵器らしきものが見えます。」

「人型兵器?飛べるのか?」

「詳細は不明ですが、陸上を高速で移動することが可能なようですが、推進器はついていません。飛行は不可能かと思われます。」

「こちらへの攻撃手段は?」

「敵の新兵器の装備の詳細は不明です。現状では何とも・・・」

「仕方がない。敵の艦隊を片付けて硫黄島を包囲しよう。」

 

敵第二陣艦隊との戦闘に突入したが、高杉達は常に硫黄島を警戒しながら戦い続けた。

ブリタニアの新兵器であるKMFを初めて目にして、その性能を測りかね硫黄島の敵軍への攻撃に対し慎重になっていた。

実際の所、当時のKMFグラスゴーには強力な対空兵器はなく。対空兵器と及べるものはアサルトライフルのみであった。このアサルトライフルも高射砲ほどの対空能力はないので日本皇国艦隊艦載機の爆撃で圧倒することが可能であった。性能もさる事ながら見た目も

常識の範疇を越えた新兵器の登場でさすがの名将高杉も手を出さずにいた。

敵第二陣艦隊を圧倒し、敵第二陣艦隊は後退して行った。

しかし、高杉達であるが硫黄島に出した偵察機が敵KMFの攻撃で撃墜されたことで敵の対空戦闘能力を高く評価してしまった為に硫黄島攻撃は戦艦や巡洋艦の艦砲射撃のみにとどまり攻撃のタイミングを躊躇してしまう。

しかし、日本皇国軍硫黄島要塞守備隊最高指揮官栗林忠通大将よりの電文が受信されたことによって高杉は決断する。

 

「閣下!硫黄島の栗林大将より電文!!『ワレ オンテキ ブリタニア ニ タイシ ハンゲキ ヲ カイス カイグン ハ コレニ アワセテ テキヲ キョウゲキ サレタシ』閣下!」

「硫黄島の友軍を見捨てるわけにはいかない。爆装した艦載機で爆撃隊を編成し硫黄島の敵占領拠点を空襲する。」

 

副官が高杉の指示に従い声を荒げる。

「航空隊を爆装させて硫黄島に上陸したブリタニア軍を爆撃させる!比叡以下の艦にも砲撃を継続させよ!」

「っは!全艦砲撃はじめ!航空隊を上げろ!」

 

硫黄島ブリタニア占領軍を攻撃する第一連合航空機動艦隊は硫黄島の皇国陸軍残存部隊と協調して敵侵攻軍第二陣の占領部隊への攻撃が行われた。

各種空母合計19隻から爆装したF-3彗星が、3隻の航空巡洋艦からは最新鋭のVTOL機F-4昇星が飛び立ち硫黄島爆撃を開始した。

 

「敵の新兵器の陸戦能力は相当なものの様ですな。」

「あぁ、あれだけの爆撃の雨の中をかいくぐって硫黄島守備隊と交戦している。だが、対空戦闘能力はそう高くない。時間は掛かるがじっくりやっていこう。」

 

高杉と参謀たちは艦橋で緑茶と握り飯を手に硫黄島の戦況を見守っていた。

2度に渡るブリタニア海軍の撃退、敵新兵器も強力なれど対空戦闘能力は高くなくこちらに優位な状況となり若干の余裕が出てきたようだ。現にKMFを除く敵陸上戦力は壊滅的ダメージを追っていた。

 

その頃、マーシャル諸島沖に集結していた侵攻軍第三陣に航空戦力と新兵器を駆使して日本艦隊を殲滅せよとの作戦は発令された。

ちょうど食事を終えた艦橋に報告が上がる。

 

「閣下!敵第三陣がこちらへ向かっているとのことです!敵艦隊の後続には爆撃機と思しき大型機が多数同行しているとのことです。」

「いよいよだな。硫黄島の包囲を一度解いて敵艦隊を迎え撃つ。」

 

ついにブリタニアの侵攻軍第三陣が姿を見せた。

多数の航空母艦に無数の巡洋艦と護衛艦、いままでの中で最大の戦力と言えた。

そして、第一連合航空機動艦隊に迫るブリタニア軍の航空隊。その中には大型機が多数含まれていた。

 

「来たか!航空参謀!護衛戦闘機隊にも知らせ!」

 

厚い雲層を抜けて現れた。ブリタニアの航空機。レーダーのジャミング合戦の結果接近を許してしまった。

 

「敵の接近を許すな。」

「CIWS起動!!対空迎撃はじめ!」

 

 

旗艦建御雷に接近する敵機が対空迎撃網によって次々と撃ち落とされていく。

高杉も安堵の表情を浮かべ、双眼鏡を下ろす。その瞬間に高杉を驚愕させる報告が入る。

 

「赤城に敵機が!?」

「どうした!報告は正確に言え!」

高杉が曖昧な報告をした士官を叱り、双眼鏡を赤城の方に向ける。

赤城の方へ向けた双眼鏡の向こうでは赤城の甲板で暴れるKMFグラスゴーの姿があった。

 

「な、どこから出て来た!?」

「閣下!敵大型機です!敵大型機に搭載されていたようです!あれは爆撃機ではありません!」

「か、閣下!!加賀にも敵機が!!」

「ぬぅ、弾幕を厚くしろ!敵機が空母に着地したらお終いだ!」

「っは!弾幕薄いぞ!何やってんの!!」

 

高杉の指揮の下、対空防御が強化され敵の航空戦力の頭を抑えつつあった。しかし、敵新兵器KMFの陸戦能力の高さは彼らの想定を凌駕した。

 

赤城の艦橋をアサルトライフルで破壊したKMFグラスゴーが赤城の甲板で助走をつけて跳躍する。跳躍したグラスゴーからワイヤー式アンカースラッシュハーケンが放たれる。スラッシュハーケンが近くの護衛艦を貫き護衛艦に飛び乗ったグラスゴーのアサルトライフルで護衛艦は爆発炎上。同じ要領で周囲の艦を破壊して行く。そして同じ要領で空母龍驤にも飛び乗った。

 

「な、なに!?赤城の敵機が龍驤に飛び乗っただと!!」

 

龍驤の艦橋も破壊される。

 

「阿蘇!爆沈します!」

主席参謀の言葉で双眼鏡を空母阿蘇の方に向けると阿蘇にはKMFの姿はなく、すでに空母生駒に飛び移った後であった。

 

「被害甚大!閣下!撤退を!」

「ぬぅぅ・・・。それでは硫黄島の友軍を見捨てることになる。」

「ですが、このままでは我々も全滅してしまいます。」

 

「遺憾ながら・・・硫黄島を放棄する。全艦撤収せよ。」

 

 

硫黄島の争奪における第一連合航空機動艦隊敗北。この情報は政府首脳部には勿論、国民にも報道された。さらに奄美群島沖海戦においても東郷兵八郎率いる西太平洋艦隊の敗北の報がもたらされ政府首脳部は驚愕していた。

 

そして、ブリタニア帝国と日本皇国におけるこの一連の戦いにおいて敗戦を決定づける事件が発生する。

日本国総理大臣兼陸軍参謀総長枢木ゲンブの自殺。徹底抗戦を謳う抗戦派の最高指導者の死は内閣及び大本営が一時空白状態となりブリタニアの九州上陸を許すことになる。

 

 

 


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