ちいさき音   作:ユーセー

2 / 4
2話 初めての会話

 

前日のショックはもう残っていない。

俺は早くバンドがやりたい!

今日は学校でメンバーを見つけて、放課後に練習スタートだ!

 

朝から気分はルンルンだ。

 

「ススムー時間大丈夫なのー?」

 

「大丈夫だよー、すぐ出るわ!」

 

 

 

 

 

 

俺は学校に行き、

トイレ休憩、お昼休憩

あらゆる時間に人を誘いまくった。

 

 

しかし、1人も首を縦にふることはなかった。

 

 

理由としては楽器代やスタジオ代を考えた時にお金が足りないとのこと。

 

 

やっぱり元々興味があって楽器を持ってる人を誘うしかないか…

いやでもそんな人達は高校生になったらバンド組んでるよな…

 

先が思いやられるな…

 

 

 

 

良く良く考えてみたら近くにあるってだけでどこにライブスペースがあるかも、どこで練習したらいいかもわからないかもしれない…

 

 

はぁ…本当大変だな…

 

 

 

 

やっぱりまずは詳しい人を誘うしかないか!

 

時間をかけて探せばなんとかなるな!!

 

 

相変わらず気の変わりようが激しい俺は、

誘って断られ悩んで吹っ切れて…

 

 

 

これを繰り返してかなりの時間が経過した…

 

 

 

 

 

 

そして、ほぼ2週間後の放課後にやっと気が付いた。

今のやり方じゃダメなんだ、このままじゃ時間を無駄にするだけなんだと…

 

 

その日はずっと悩みっぱなしだった。

解決策を見つけられない、そんな自分にイライラしていた。

 

 

「あぁー、もうダメだ。わけわかんねぇや…バンド組むだけでこんなに大変だなんて……。腹減ったな…今日もチョココロネ大好きなあの可愛子ちゃんを見て癒されてこよう…」

 

俺は毎日通っている山吹ベーカリーへと向かった。

 

 

 

 

「いらっしゃいませ〜」

 

レジにはおそらくバイトであろう、もう1人の可愛い子がいつも通り立っていた。

 

 

だが…

 

(あれ?チョココロネちゃんは?)

 

今日はいつもチョココロネを買いに来てるあの子がいなかった。

 

 

「また今日も来てくれたんですね!毎日ありがとうございます!」

 

レジの子が話しかけてくれた。

さすがに毎日通ってるから、認識されてるみたいだ。

 

「あ、あぁ…その…どうも…」

 

やっぱり可愛い子と話すのは緊張するな…。

 

 

「えっと…その制服ってこの辺の高校のですよね?何年生なんですか?」

 

「あっ…1年生です」

 

「同い年なんだ〜!じゃあお互いタメ口で話そ!私は山吹沙綾。あなたは?」

 

山吹!?それってここの娘ってこと!?

 

「山吹…?」

 

「そうそう、ここの家の長女だよ〜」

 

なるほど…それでこんな早い時期からバイトしてるわけね…

 

ってそうだ、自己紹介しないと

 

「えっと…一軸…ススム…です」

 

うわぁぁあ!何やってるんだ俺!折角話しかけてくれたのになんでこんなに素っ気なく返してるんだ!!

マジでこの沙綾ちゃんって子天使すぎてまともに話すの辛すぎるんだけどぉおお!

 

「イチジク…?面白い名字だね!」

 

「う、うん…」

 

「そんなに緊張しなくていいのに!いつも来てくれるし…これからもウチをどうかよろしくお願いします」

 

「は、はい!これからもたくさんよろしく!」

 

もうなんか可愛すぎてテンパって…何言ってるんだ俺って感じだわ…

 

「いつも買ってくのはチョココロネばかりだけど…好きなの?」

 

「う、うん…チョコ好き…」

 

「なんかそのおどおどした感じも好みも、りみにそっくりだね〜!生き別れた兄妹だったり…?」

 

「?りみ?」

 

「あぁー、いつもススム君と一緒の時間帯にチョココロネ買ってる女の子だよ」

 

へぇーあの子りみちゃんって言うんだ…

名前も可愛いんだな…

 

でももう可愛い子と話したら緊張しすぎて俺死んじゃう…

 

「きょ、今日は…そのりみちゃんは…?」

 

って何聞いてんだ俺!?

いきなりちゃん付けしてるし、なんかりみちゃん目的で来てるのバレちゃうんじゃないか!?

 

「なんか今日はお姉ちゃんのバンドのライブがあるみたいでそれを見に行ってるみたいだよ?」

 

あ、良かった…怪しまれてない…。

 

って、ん?それよりも気になるワードが…

 

「ライブ…どこでやってるの?」

 

「この近くにSPACEって場所があるんだけど…そこでやってるみたいだよ?」

 

その名前!聞いたことあるぞ!

よし!そこにりみちゃんを…じゃなくて、バンド仲間を探しに行こう!!

 

 

「もしかして…りみのストーカー…?」

 

やっぱり怪しまれてたー!!

 

「い、いや!そ、そんなことないよ!?」

 

やばい!動揺してるのバレたかな!?

 

「冗談で言っただけだから安心して?」

 

キツすぎる冗談だよ…全く…可愛いなぁ…

 

「あ、あとさ…ススム君…知り合ったばかりの人にこんなこと言うのもあれなんだけどさ…1つお願い聞いてくれない?」

 

 

お!?これはもしや…究極のDTの俺にも春が…!?

 

「私…もうすぐバイト終わるんだけど…そうしたら一緒にライブ見に行ってくれない?やっぱり1人で行くのは心細いんだけも…少し興味あるし…」

 

「う、うん!いいよ!」

 

「本当!?無理とかしてない?大丈夫?」

 

「おr…僕もバンドやりたい!ライブ気になる!」

 

突然のお誘いに大混乱。

 

「良かった!じゃあ、バイト終わったら連絡するから…電話番号もらっても大丈夫?」

 

「ふぁ、ふぁい!どうぞ!」

 

「ぷっ!動揺しすぎだよ〜!もしかして、女の子慣れてない?」

 

「実はその通りでございます…」

 

「こんなに可愛い顔してるのに…なんか意外〜」

 

え!?俺が、可愛い!?

やばいやばい…そんなの言われるの初めてだからもうドキドキしっぱなしだ…

 

「あはは!顔真っ赤ー!!凄く可愛いねぇー君!じゃあまた後でね!」

 

 

凄くからかわれた俺はこれ以上赤くなる顔を見せないために足早に店を出た。

 

 

早くSPACEに行きたいがとりあえず沙綾ちゃんから連絡が来

るのを待つしかないので自宅待機をすることにした。

 

 

(山吹沙綾…か…)

 

待ってる間、あの子の名前、顔、声、匂い…

全てが蘇ってきた。

 

一回全てを忘れてスッキリしたいので、ザッとシャワーを浴びることにした。

 

 

 

 

 

シャワーを浴び終え、髪を乾かしていると着信が鳴り響いた。

さきほど貰った番号…沙綾ちゃんからだ。

 

初めての女の子との電話…通話ボタンを押すのも緊張…

 

飛び出しそうな心臓を飲み込み…ボタンを押した。

 

「も、もしもし…?」

 

「ススムくーん?お待たせー!今から行くけどSPACEの場所わかるー?」

 

「うーんと…ちょっと、わからないかも…」

 

「じゃあ一回ウチに集合ね!すぐ来れる?」

 

「うん…すぐ行く」

 

「じゃあまた後でね〜!」

 

 

通話を終了し一安心…。

 

 

これから女の子と初めてのお出かけ…

そして…

バンド…ライブ…!

 

俺の気持ちは高ぶっていた。

物凄く楽しみで待ちきれない。

 

俺は走って山吹ベーカリーへ向かった。

 

 

 

 

 

この先起こる出来事が

彼の人生を大きく変えることとなる…




2話目投稿終えました…
やっぱり文章力がかなり落ちてる…

そして主人公はかなりのDT君ですね!女好きなのに女の子と話すの慣れてなさすぎる…まるで投稿主…笑笑

誤字脱字、様々な指摘受け付けております!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。