魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

モノリス・コード決勝戦、決着です。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第六十話 新人戦 モノリス・コード 決勝トーナメント 決勝戦④

第一高校と第三高校によるモノリス・コード新人戦決勝……

 

その戦いの火蓋は、砲撃戦から始まった。

 

両陣営の互いの距離は六百メートル。

 

見晴らしの良い草原ステージであるため、地の利が有利に働くのは『爆裂』を得意とする一条の方だった。

 

しかし、達也も負けてはいない。

 

術式解体(グラム・デモリッション)』で一条の魔法式を正確に撃ち抜き、魔法の発動を阻止していた。

 

右の拳銃型CADで魔法を撃ち抜き、左の拳銃型CADで攻撃魔法を放つ。

 

しかし、段々と距離が縮むに連れて、達也の魔法力の弱点が露呈し始める。

 

達也の使用する攻撃魔法は、一条が無意識の情報防壁で防げる程度のものであり、攻撃は牽制にもならない。

 

対して、攻撃に集中できる一条は一方的に攻めたてていた。

 

どちらが有利かは一目で分かった。

 

 

「……ダメだわ」

 

 

「ああ。一条が攻撃に専念出来ているのに対し、司波は防御しながらの攻撃。一歩近付く毎に司波の攻撃の手数が落ちてしまっているな」

 

 

真由美の呟きに十文字が続く。

 

達也には肝心の攻撃力が不足していた。

 

だが一高にはその攻撃力不足を補うために鋼の錬金術師、エドワード・エルリックがいる。

 

エドは両手を合わせて地面に手をつくと、錬金術を発動させる。

 

すると彼の左右の方向から幾つもの大砲が錬成される。

 

その数およそ十門。

 

そしてそれらが一気に三高陣営に放たれた。

 

 

「……エドワード君って大砲好きよね。そう思わない?十文字君」

 

 

「……まさに大胆不敵なエルリックらしいと言えるんじゃないか?」

 

 

しかし、三高陣営もそう簡単にやられはしない。

 

ディフェンダー、アルフォンス・ロクベルが土で出来た大量のゴーレムを出現させ、迫りくる砲弾をガードしたのだ。

 

 

「あれはゴーレム!?」

 

 

「どうやら三高のディフェンダーは古式魔法師のようだな」

 

 

達也と一条が互いに歩きながら距離を詰め続け、遂に試合が動いたのは五十メートルを切ったところであった。

 

達也vs一条、幹比古vs吉祥寺、エドvsアルフォンスといったそれぞれの戦いが始まった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

達也は吉祥寺が動き出すのを視界の端で確認していた。

 

 

(吉祥寺が動いた)

 

 

直後、達也は一条に向かって一直線に走り出す。

 

吉祥寺は迂回するように動いており、そちらは幹比古が対処する。

 

対してこちらもエドが迂回するように三高へと攻めていく。

 

エドの相手は三高のディフェンダー、アルフォンスだ。

 

 

(エドワードの相手は古式使いか)

 

 

達也はというと、実質一条との一騎打ちとなる。

 

 

(一条まではあと五十メートル程……この距離になると攻撃の精度が上がってくるな。空中から的確に連続で放たれる攻撃魔法……そろそろ五感だけで発動を察知するのは厳しい)

 

 

一条の使う圧縮空気弾は四方八方から達也に襲いかかる。

 

これほどにまで近づけば、座標指定も目視で楽にできるので、攻撃も激しくなるのは必至である。

 

それ故に、ついに達也は隠し札の一枚を切った。

 

 

(……やむを得ん。『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』でエイドスから魔法の発動位置を認識する!)

 

 

達也は情報世界であるイデアを観測できる『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を発動させる。

 

これであれば、魔法発動の兆候すら知覚することが可能となる。

 

つまり、通常より一段階早く魔法を察知することが出来るのだ。

 

それを使って一条の使う魔法を察知し、その全てを『術式解体(グラム・デモリッション)』で撃ち抜いていく。

 

ひとまず試合は停滞する。

 

その間に、もう一つの戦いが始まっていた。

 

吉祥寺は幹比古へと照準を合わせる。

 

吉祥寺の使う魔法は『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』。

 

加重プラスコードの基本コードによって、直接荷重を加え、ダメージにする。

 

事象改変ではないので、情報強化では防ぐことが出来ない。

 

 

(吉田幹比古!君を倒せば終わりだ!!)

 

 

だが、それは相手が並の魔法師であった場合だ。

 

 

(来たか……けど、そう簡単にやられたりはしないよ!)

 

 

幹比古はこの瞬間、古式魔法による幻術を発動させる。

 

吉祥寺の前には、何人もの幹比古が現れる。

 

 

(幻術!?これでは照準がつけられない!!)

 

 

視覚を狂わされ、狙いがつけられないのだ。

 

 

(『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』は視線を目標に合わせなければならない。それを幻術で逆手に取られるとは!?)

 

 

しかし、吉祥寺の魔法はそれだけではない。

 

 

(幻術に妨害されて『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』は使えない……だったら!)

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

(これは加重魔法!?)

 

 

吉祥寺は強力な加重魔法を発動させ、幹比古を押さえつける。

 

幹比古は強い荷重で地面に縫い付けられ、動ける状態ではなかった。

 

 

「幻術で僕の目は誤魔化せても()()まで誤魔化せないよね。将輝の勝利の邪魔はさせないよ」

 

 

その様子を達也はしっかりと確認していた。

 

 

(幹比古は倒れたか……)

 

 

「これで三対二だな。司波達……!?」

 

 

ここで試合が動く。

 

一条が先の一撃でよそ見した瞬間に、達也は縮地を思わせる速さで一気に距離を縮めていたのだ。

 

 

(速い!!それに……)

 

 

忍術使い・九重八雲の下で体術を学んでいる達也は、人の意識の隙間を突くことが得意であった。

 

 

(なんだ!?この圧力(プレッシャー)は!?)

 

 

「っこのォッ!!!」

 

 

油断していた一条は驚き、反射的に魔法を発動してしまう。

 

しかもレギュレーション違反になるほどの強力な魔法を十六発も。

 

 

(しまった!?出力オーバーだ!!しかもあんな数を……ッ!!このままでは……殺してしまう!?)

 

 

人体に直撃すれば大怪我、下手をすれば死に至るような攻撃。

 

一条は魔法を発動させた瞬間、自分が大きなミスをしてしまったことに気付いた。

 

だが達也は冷静だった。

 

 

(これほど高レベルの魔法を十六連発とは……恐らく間に合わないが出来るだけ落とすしかない)

 

 

達也は『術式解体(グラム・デモリッション)』で次々と魔法を破壊していくが、数秒では()()()が限界だった。

 

つまり、()()()()は直撃を喰らうことになる。

 

だが、()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「させるかよっ!!」

 

 

 

 

 

 

エドがいたからだ。

 

エドは即座に両手を合わせると、遠隔錬成で達也を守るように土壁を錬成する。

 

一条の攻撃は土壁に阻まれた。

 

 

「ナイスフォローだ、エドワード」

 

 

「なっ!?エドワード・エルリック!?アルフォンスはやられたのか!?」

 

 

そして達也は茫然として隙だらけだった一条に瞬時に近付く。

 

直後、右手を一条の左耳の側へ突き出すと、指を鳴らし、フラッシュキャストで極限まで音波を増幅させる。

 

 

「……!!」

 

 

それを至近距離で聞いた一条は脳を揺さぶられて倒れる。

 

同じく轟音を側で聞いた達也も、その場で膝をついた。

 

耳からは血が少し出ていた。

 

 

「将輝が……負けた……?アルフォンスまで……?」

 

 

吉祥寺は一条とアルフォンスの二人がやられていると知り、一瞬茫然となる。

 

 

(圧がなくなってる?……一条選手が倒れてる!エドの相手も!やったんだね二人とも!)

 

 

一条が倒れたことで吉祥寺は幹比古から目を離してしまい、加重魔法の効果が切れてしまう。

 

 

(骨にヒビが入ったのか、息をする度に胸が痛い……。長時間圧迫されていたせいで軽い酸欠状態……最悪だ。でもせめて、お前だけでも倒して見せる!カーディナル・ジョージ!!)

 

 

そして、その隙を見逃す幹比古ではなかった。

 

 

「はっ!?」

 

 

雷魔法で攻撃するが、吉祥寺は間一髪でかわす。

 

 

「……まだ動けたとはね、吉田幹比古」

 

 

幹比古は懐からパネル型CADを取り出すと、魔法を発動させる。

 

 

(今こうして戦っていられるのは達也のおかげだ。このCADも達也特製のオリジナル……だが何もかもが達也のおかげなんて僕のプライドが許さない。だからこの魔法で決着をつけてやる!)

 

 

そして幹比古はそのまま地面を叩く。

 

直後、()()()()()()

 

 

(地面を叩いて揺らした!?いや……振動系魔法か?)

 

 

吉祥寺は警戒する。

 

 

(まずは地面の表層を振動させる『地鳴り』)

 

 

続けて()()()()()()()

 

 

(さらに地面に圧力を掛けて押し広げる『地割れ』)

 

 

「なにっ!?」

 

 

(こんなもの空中に退避すればっ……っつ!)

 

 

吉祥寺は空中へ逃れようとするが、()()()()()()()()()()()

 

 

(足に草が!?この魔法は一体!?)

 

 

まるで操られているように。

 

 

(気流を操り、草木を絡ませる『乱れ髪』)

 

 

そのまま吉祥寺は()()()()()()()()()()()

 

 

(そして地面に引き寄せる『蟻地獄』)

 

 

「くっ!?」

 

 

咄嗟に吉祥寺は跳躍魔法を使い、空へと流れる。

 

だが、それこそが幹比古の仕掛けた罠だった。

 

 

(地鳴り、地割れ、乱れ髪、蟻地獄、ここまで四連続の発動。そしてとどめの……『雷童子(らいどうじ)』!!)

 

 

「うああっ!?」

 

 

吉祥寺に()がヒットする。

 

 

(しまった!?僕の飛ぶ方向に雷を……ここまでが仕掛けか!!)

 

 

吉祥寺は堪らずダウンする。

 

 

(これが五つの魔法の連続発動!!)

 

 

「勝った……!!」

 

 

ここに勝敗が決した。

 

三高の一条将輝、吉祥寺真紅郎、アルフォンス・ロクベルの三名が倒れ、一高の司波達也、吉田幹比古、エドワード・エルリックが最後まで立っていた。




決着です。

ここからはトントン拍子で話進めていこうかなと思ってます。

次回はエドと閣下が二人で話します。

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