魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

モノリス・コード決勝戦開始です。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第五十七話 新人戦 モノリス・コード 決勝トーナメント 決勝戦①

開始時刻が迫り、いよいよ始まる新人戦『モノリス・コード』決勝戦。

 

しかし、歓声を受けて登場する三高側に対し、エド達が登場すると戸惑いの声が多かった。

 

 

「おい達也……なんでお前だけこの変な格好してねぇんだ?」

 

 

「なんで僕達だけ……」

 

 

「……二人とも良く似合ってるぞ」

 

 

二人の言葉に達也は答えず、視線を逸しながらそう言った。

 

草原フィールドに足を踏み入れたエドと幹比古は、大会規定の防護服とヘルメットの上から黒いローブとマントを羽織っていた。

 

達也が九重八雲に頼んでおいた特注品である。

 

 

「お前……自分だけチャッカリ着てないのな」

 

 

「俺は一条の足止めをする役割がある。そんな走りずらい物を着るわけがないだろう?」

 

 

「それを着ているオレの前で言うとは、一体どういう了見だゴラァ!?」

 

 

「エド落ち着いて!達也もエドを刺激しちゃ駄目だよ!?」

 

 

幹比古は荒ぶるエドを後ろから羽交い締めしつつ、達也へ注意する。

 

幹比古はもう既に、少しだけ胃が痛くなっていた。

 

 

(はぁ……エリカの奴は今頃笑ってるんだろうなぁ)

 

 

そして件のエリカはというと、幹比古の推測通り、観客席で大爆笑していた。

 

 

「アハハハハ!何あの格好!!」

 

 

「エリカちゃん……」

 

 

その隣にいる美月は恥ずかしそうに顔を赤くさせる。

 

 

「だって、あの格好はいくらなんでもおかしいって。モノリス・コードの決勝戦で、あんなの着るなんて前代未聞よ?」

 

 

「気持ちは分かるが、さすがに笑い過ぎじゃね?」

 

 

一般の観客席にいるエリカは腹を抱えて笑う。

 

隣に座っている美月とレオはエリカをそれを(なだ)めていた。

 

エリカの爆笑している姿に周りの観客の視線が厳しく刺さる。

 

隣に座っている美月は、さらに恥ずかしそうに縮こまる。

 

レオもどこか居心地が悪そうだ。

 

しばらくして、エリカはなんとか笑いを抑え、落ち着いた頃には周りの者達の視線はなくなっていた。

 

 

「ごめんごめん。でもあれって達也君の策よね。何かあるのかしら?」

 

 

「もう、エリカちゃんったら……あれ?」

 

 

「え?」

 

 

「……『精霊』が、吉田君のローブにいっぱい群がってる……」

 

 

美月は眼鏡を外してその様子を観察する。

 

精霊は独立した非物質存在となった情報体とされ、「独立情報体」とも呼ばれている。

 

精霊は術者の思念の強さに応じて力を貸し、間接的に改変することができるため、少ない労力で大きな事象改変を起こすことができるのだ。

 

ただその分、発動までに時間と手間がかかるという欠点はあるが。

 

だが幹比古は達也によって、術式を改善されているため、その欠点も実質ないに等しい。

 

そもそも精霊本体は霊子、プシオンによって構成されており、非活性状態では美月やエドのような特殊な目を持つ者以外に発見するのは非常に困難である。

 

よって精霊を感知できない人間からすれば、決勝で妙なマントとローブを身に纏ってきたエドと幹比古の、その狙いについて考えてしまう。

 

それは第三高校の面々にも言えたことだ。

 

 

「あの二人の格好……ジョージの『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』対策か?」

 

 

「そうだろうね。あの司波達也がなんの策もなく、決勝戦に望むとも思えない」

 

 

「念の為に、警戒だけはしておいた方がいいだろうね」

 

 

「ああ。だが地の利は俺達にある」

 

 

(俺が司波を誘い出し、その隙にジョージが一高のモノリスの制圧。アルフォンスはこちらに攻めに来るエドワード・エルリックの迎撃。つまりこの勝負……どれだけ相手を早く倒せるかにかかってる)

 

 

「絶対に勝つ」

 

 

一条は決意を口にし、試合開始の合図を待つ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

試合開始時間になると、開始合図のサイレンが草原フィールドに鳴り響く。

 

まず動き出したのは一条、次点で動き出したのは達也。

 

一条は特化型CADを操作し魔法式を展開、達也がそれを術式解体(グラム・デモリッション)で破壊。

 

両陣営間で挨拶代わりの砲撃が交わされる。

 

両者の魔法による遠距離攻撃の応酬に観客は盛り上がる。

 

反対に一高応援席では、達也の新人離れした実力に唖然としていた。

 

達也をただの二科生としか見ていなかった一高の上級生や同級生達は、総合的な魔法力で劣っている達也が、あの十師族である一条相手に真正面から渡り合っていることが信じられなかったのだ。

 

両陣営の距離はおよそ六百メートル。

 

お互いにCADを突きつけ、合いに撃ち合う。

 

達也は予選、準決勝と同じ二丁拳銃スタイル。

 

対して一条は、準決勝に使っていた汎用型をやめ、特化型に切り替えていた。

 

達也は右手のCADで相手の攻撃を撃ち落とし、左手のCADで攻撃を仕掛けるのに対し、一条はひたすら攻撃に専念する。

 

その結果、攻撃力に大きな差が出た。 

 

元々一条の魔法は、一発一発の攻撃力が高いのに対し、達也は牽制程度の攻撃が届いているだけで、一条の展開している『情報強化』の防壁を突破できないでいた。

 

彼をよく知るものが見れば、達也の劣勢は明らかであった。

 

だが、一高にはその攻撃力不足を補うためにエドワード・エルリックがいる。

 

 

「行くぜ!!」

 

 

エドが両手を合わせて地面に手をつくと、錬金術を発動させる。

 

すると彼の左右の方向から幾つもの大砲が錬成される。

 

その数およそ十門。

 

そしてそれらが一気に三高陣営に放たれた。

 

 

「なっ!?」

 

 

「また無茶苦茶な……」

 

 

「これは凄いね……」

 

 

一条、吉祥寺、アルフォンスが目を見開いて驚く。

 

だが三高のディフェンダー、アルフォンスは焦ることなく、ある魔法を発動させる。

 

 

「土遁・傀儡創製(くぐつそうせい)

 

 

すると三高の三人を守るように、土で出来た大量のゴーレムが出現し、迫りくる砲弾をガードした。

 

それを見た幹比古が驚く。

 

 

「あれは傀儡法(くぐつほう)!?まさか彼は古式魔法師なのか!?しかも発動スピードも現代魔法に引けを取っていないだなんて!?」

 

 

それはエドと達也も同様であった。

 

そしてアルフォンスは、数十体のゴーレム達に指示を出し、エド達へと攻めさせる。

 

それに乗じて吉祥寺も迂回し、一高陣地へと駆け出しているのを幹比古は確認した。

 

 

「達也、エド……カーディナル・ジョージが動き出したみたいだ」

 

 

「ああ、なら作戦開始だ」

 

 

「了解」

 

 

吉祥寺が動き出したことにより、一高側も本格的に動き出す。

 

吉祥寺が迂回しながら突っ込んでくるのを迎え撃つ為に、幹比古がその相手をする。

 

さらにそれを確認した達也がタイミングを見計らって、一気に一条との距離を詰めていく。

 

エドはそんな達也のサポートをしながら、アルフォンスの撃破を狙う。

 

それぞれ三者三様の狙いを持って、この試合に望む。

 

 

「まずはあの土塊(つちくれ)共をなんとかしねぇとな!!」

 

 

エドは地面に手をつき、再度錬金術を発動させる。

 

すると幾つもの巨大な槍がゴーレムを貫いていく。

 

しかし数体のみ、機敏な動きでかわしていた。

 

しかもそのまま達也、幹比古の方に向かい始めたのだ。

 

 

「なろっ!させるかっ!!」

 

 

エドは遠隔錬成を発動させて、達也と幹比古に向かおうとしていたゴーレムを破壊する……が、突如横合いから衝撃を受けて吹き飛ぶ。

 

なんとか右腕でガードしつつ、態勢を立て直す。

 

そして視線を向けると、()()()()()()()()()()()()()()()()()()がいた。

 

しかもその姿はエドには大変()()()()()()()()()姿()であった。

 

 

(鎧姿のアルを造形しやがった!?)

 

 

そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「「「やあ、初めましてエドワード・エルリック君。さっそくで悪いけど、君は先に倒させてもらうよ。この僕の特別製でね……」」」

 

 

エドは皮肉を返す。

 

 

「……やれるものならやってみやがれ」

 

 

時を超えて、モノリス・コードの決勝戦にて、ついに先祖(エド)子孫(アル)が激突する。




アルフォンスは古式魔法の使い手です。

そして、その師匠は世にも恐ろしい肉屋の主婦のあの御方です。

ちなみに九重八雲と友人です。

では、また( `・∀・´)ノ

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