続き書けたで候。
約三ヶ月ぶりに投稿です。
お待たせして申し訳ありません。
今回はエドVS一条。
短いですがどうぞ∠( ゚д゚)/
九校戦六日目、新人戦三日目となる日。
時刻は既に正午を回り、試合会場は観客達の熱気に包まれている。
というのもこれからこの試合会場では、新人戦男子のアイス・ピラーズ・ブレイク決勝リーグ、最後の試合が行われるからだ。
会場に設けられた巨大スクリーンには、二人の選手の名前がデカデカと浮かび上がっていた。
第一高校、エドワード・エルリック。
第三高校、一条将輝。
どちらも試合相手に大勝するほどの実力者であり、男子アイス・ピラーズ・ブレイク注目の好カードでもある。
ちなみにもう一人の決勝リーグ進出者は、エドと一条によって瞬殺されており、既に三位が決定している。
「人がたくさん来ていますね……」
エドの応援に来ていた美月は、周囲を見回して呟く。
彼女の言う通り、会場の観客席は満席で立ち見客の姿も大勢見られる。
観客席にいる観客は応援の学生や、一般客だけでなく背広を着た一般客とは異なる雰囲気の者達までいた。
その者達は高性能なビデオカメラや、本格的な撮影器具など会場の様子を記録するのに、余念がないようだった。
「だろうな」
美月の呟きに、彼女の前の席に座っている達也が答える。
「この試合は、一条家秘伝の『爆裂』の魔法を見ることができる数少ないチャンスだ。魔法の解析をするために少しでもデータを手に入れようとしている者達は多い」
つまり、この試合会場にいる背広を着た者達は軍や研究所の関係者という訳だ。
「それにエドワードの『錬金術』も注目されているようだからな。そちらにも興味があるのだろう」
そして達也達は世間話をしながら試合開始の時間まで待つ。
すると……
「出てきたぞ」
試合会場にエドと一条が現れる。
エドは例の如く、黒い上下の服装と黒いブーツ、赤いコートの少し派手目な格好なのに対して、一条は三高の制服姿であった。
二人は落ち着いていた。
二人ともにその実力は、プロの魔法師と比べても遜色ない。
それが分かっているからか、観客達も黙って二人の様子を見守っていた。
二人の表情は観客席からでも分かるくらいに真剣であったからだ。
「…………」
「…………」
エドと一条は無言で睨み合うように向き合う。
達也達もその様子を固唾を飲んで見守る。
ちなみにほのかはというと、場の雰囲気があまりにも緊張感で包まれているために、既に半泣き状態になっていた。
そしてついに試合開始のブザーが会場に鳴り響いた。
「「……っ!!」」
ブザーが鳴ってから、エドと一条は同時に動いた。
エドは両手を合わせ、一条は拳銃型CADを構え引き金を引く。
直後、新人戦男子アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦は終了した。
一条は控え室までの廊下を早足で歩く。
そしてその表情は
(負けた……)
そう。
一条は負けてしまった。
先程行われた男子アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦でエドと戦った一条であったが……結果は一条の敗北。
試合開始のブザーが鳴った瞬間、一条は即時にCADを操作して『爆裂』の魔法を発動させ、同時にエドも両手を合わせて『錬金術』を発動させていた。
互いの陣地にある氷柱を
それも
その結果に驚いたのは一条であった。
(あいつはその気になれば氷柱をいつでも消し去ることができたんだ……。だが俺はそれができないと思っていた。いや、
一条はこの試合は楽に勝てると思っていた。
少なくとも『爆裂』を使えば、一瞬で勝負がつくと思っていた。
だがそれは間違いであった。
(奴は、エドワード・エルリックはわざと派手な演出をすることで、錬金術とはそういうモノだと俺達に印象付けたんだ。
そう思い込まされた時点で、既に一条の勝ちはなくなっていたのだ。
そして試合終了後、大会の運営委員が会場に設置されていたカメラの映像を確認したところ、
エドの名前がアナウンスで呼ばれた時、一条はこれまで感じたことがない程に悔しさを感じていた。
アイス・ピラーズ・ブレイク。
この競技で一条は優勝確実とまで言われていた。
しかし彼は負けてしまった。
油断していたとはいえ、負けてしまったのだ。
(くそ!自分で自分が情けない……!!)
それは爆裂を過信しすぎた……彼の自己責任である。
(もう……もう油断はしない!)
だからこそ、彼は自分自身に活を入れる。
(次は……次は絶対に勝つ!)
だからこそ、彼は自分自身を鼓舞する。
(エドワード・エルリック……この借りはモノリス・コードで必ず返す!!)
そして一条将輝の中でエドワード・エルリックの名が刻まれた瞬間でもあった。
次はモノリス・コードですね。
パッパッパと飛ばし飛ばしでいきます。
では、また( `・∀・´)ノ