続き書けたで候。
今回はブロック決勝。
少し短いですが、どうぞ∠( ゚д゚)/
追記:アンケート実施しました。
エドは一人温泉に浸かりながら夕食直後の事について考える。
ちなみに入っているのは彼一人だけである。
誰もいない時間帯を見計らって温泉に入りに来たのだ。
同部屋の森崎と五十嵐はもう眠っているし、考え事をするにはもってこいなのだ。
「アル……ウィンリィ……」
エドの脳裏に大切な弟と、幼馴染の姿が思い出される。
分かってはいるのだ。
あの三高にいたアルフォンスと、ウィンリィはエドの知ってる彼らとは違うと。
なんならその正体すらも、エドはもう既に予想がついていた。
「あいつらは恐らく……オレの子孫……だろうな」
この世界には不思議なことに、彼があちら側の世界で関わった人物達がほぼ同姓同名で存在している。
エドがかつて
彼の知ってるヒューズ巡査が良い例だ。
あちら側にはアメストリスで軍に所属していたヒューズ中佐がいたし、こちら側ではドイツのミュンヘンの街でヒューズ警察官が存在した。
逆に言えば、こちら側に存在する者達もあちら側に存在している可能性はあるのだ。
そのこともあって、エドは輪廻転生というものが実在すると確信している。
と、ここでエドがある事に気付く。
「待てよ……アルとウィンリィが存在してるってことは、この時代のオレ……じゃねぇ。別のオレがいるはずだ。そのオレはどうなってんだ?」
エドはしばらく考えるが、考えたところで何か分かる訳でもなかった。
「……やめだやめだ。何考えてんだオレ……あいつらにとっちゃ、オレなんぞ赤の他人だろうが。それにあいつらには、あいつらの人生がある。オレなんかが関わるべきじゃねぇ」
そう。
いくら似ていると言っても
エドの知っている彼らとは違う。
「それよりも明日のこと考えねぇとな……」
明日は男子アイス・ピラーズ・ブレイクのブロック決勝、それに勝ち上がると決勝トーナメントがある。
はっきり言って、エドの相手になる者はいない。
「一条将輝……オレの相手は確実にこいつだ」
爆裂。
クリムゾン・プリンス、一条将輝の必殺魔法にして一番の得意魔法。
「恐らくコンマ数秒の勝負になるだろうな……」
エドもその気になれば、一秒もかからずに氷柱を分解できる……が、今は精神的に動揺しているせいか、少し落ち込んでいた。
「ちっ……予想外なことがあったからか、ナーバスになってやがる」
エドは湯船に浸かりながら上を向く。
「あぁー……ウダウダ悩むなんてオレらしくねぇ!切り替えろ!!」
エドは湯船に勢いよく顔をつける。
「ブクブクブクブク………ぷはぁ!」
先程よりかは、幾分か表情はスッキリしていた。
「はぁ……上がるか」
今日はもうさっさと寝てしまおう。
そう思いながら、温泉から上がるエドであった。
________
______
____
同時刻……
達也は窓から見える景色を見ながら、夕食直後のことを考えていた。
(エドワードのあの表情……明らかに動揺していた……)
達也が驚いたのは、いつも大胆不敵なあのエドが
達也は気になり、エドの視線の先を追ってみれば、一組のある男女のペアがいた。
(あの三高の金髪の男女を見て、動揺していた……)
残念ながら達也を持ってしても、その男女ペアの名前は分からなかった。
有名選手ではないのかもしれない。
(これは少し調べてみる必要があるかもしれないな……)
元々、エドに関しては謎な部分が多い。
少し調べれば、分かりやすい程に何かあると思われる経歴に、エドの出生情報の謎など……。
まるでエドに何か秘密があると言わんばかりに、気付かれることを前提に作られたかのような杜撰な隠蔽情報の数々であった。
(まあ、何はともあれ、これで少しでもエドワードの秘密に迫れればいいんだがな……)
達也自身、エドのことは嫌いではない。
いや、むしろ友人として好ましく思っている。
妹の深雪も同様で、常に自然体で接してくるエドのことを好意的に思っている。
彼女自身、気付いているかは分からないが、エドと接するとき、たいてい世話のかかる弟のように接している。
今回の九校戦でも、エドが騒ぎを起こさないようになるべく一緒にいれる時間を作ろうとするほどに。
「明日も早いし、軽くシャワーを浴びて……もう寝るか」
そして達也は部屋のシャワーを浴びてから、寝巻きに着替え、眠りについたのだった。
◆◆◆
翌日……
エドは男子アイス・ピラーズ・ブレイクの会場にいた。
『本日は午前のアイス・ピラーズ・ブレイクの各ブロック決勝、そして午後からは決勝リーグ3試合が行われます』
今からエドのブロック決勝が行われるのだ。
相手は第五高校の選手である。
『第一高校エドワード選手、昨日に引き続き、赤いコートによる派手な出で立ち!第五高校の佐藤選手は空手の道着での登場です!!』
そして両者が並び立つ。
エドは集中しているのか、目を閉じている。
佐藤選手はエドを警戒しているのか、少し身体を強張らせていた。
そして準備が完了したのか、エドは目を開ける。
佐藤選手はエドと目が合うと、その迫力に少したじろいでしまった。
「やるか」
エドが呟いた直後、丁度試合が始まった。
『さあ、試合が始まりました!!』
佐藤選手がさっそく魔法を使用する。
振動波を発生させると、エドの氷柱にヒビを入れていく。
しかしエドは焦らず両手を合わせると、自陣の氷柱10本を使い巨大な手を錬成する。
後方の両端にある2本を残しつつ、エドはその巨大な氷の手で攻撃を開始する。
氷の手は天高く伸び上がると、そのまま勢いをつけて相手の
轟音が会場全体に響く。
大量の水しぶきがエドと佐藤選手に降りかかるが、あまりの予想外の試合に観客や実況すらも、しばらく唖然としていた。
『す、すいません。あまりにも予想外な攻撃で言葉を失ってしまいました。それでは気を取り直して……エドワード選手!自陣の氷柱10本を使い、巨大な氷の手を作り出し、佐藤選手の氷柱全てを叩きつけて、完封勝利を収めました!!』
佐藤選手もあまりのことに口が塞がらないようであった。
エドは視線を感じ、客席へと視線を向ける。
その視線の先には複雑そうにこちらを見るアルフォンス、ウィンリィの姿があった。
次回は決勝トーナメントというか、事実上の一条との決勝戦です。
では、また( `・∀・´)ノ
モノリス・コード、どっちのチームの試合が見たい?
-
エド・森崎・五十嵐のチーム
-
エド・達也・幹比古のチーム