続きかけたで候。
今回は空き時間の話。
では、どうぞ( ゚∀゚)o彡°
『試合終了〜〜!!第一高校エドワード選手、1回戦に続いて2回戦も圧倒的な強さを見せつけて完封勝利です!!!!』
エドの試合を見ていたほのかは、ホッと息をはく。
「良かった〜。これでエドは予選突破だよ」
エドの今日の試合は2試合で終わりである。
明日は3回戦を勝ち上がったら、3人で行われる決勝トーナメントがある。
そこで勝てば、男子アイス・ピラーズ・ブレイクを優勝することが出来る。
そしてほのかはというと、エドの応援が終わったので、他の会場で行われている試合をモニターで確認していた。
モニターには、一高の菜々美が三高の一色愛梨とクラウドの試合をしていた。
が、2-0のストレート負けを喫してしまった。
『第三高校、一色愛梨選手、決勝進出です!』
モニターには項垂れる菜々美の姿が映っていた。
(菜々美残念だったね……)
すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おー、愛梨さすがじゃなぁ」
(あれ、この声……)
ほのかが顔を向けると、そこには三高の
沓子もほのかに気付くと、声をかけてくる。
「ん?お主は光使いの娘ではないか!奇遇じゃのう!!」
「あっ、うん……」
(人懐っこい……)
「見たところお主も一人で友達の応援じゃな?良かったらわしと一緒に観戦せんか?」
「え……?」
そして困惑するほのかを他所に、沓子はあれよあれよと自分のペースに巻き込み、試合を一緒に観戦する流れを作ったのであった。
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『クラウド・ボールと並行してこちらの会場では、アイス・ピラーズ・ブレイクが行われています!』
実況の声を聞きながら、ほのかと沓子は場所を移し、観客席で直接試合を見ることになった。
(押し切られてしまった……)
ほのかは反省する。
(私ってホントに押しに弱い……昔からなんだよね。気をつけなきゃ……)
「そうじゃぞ〜」
すると沓子がほのかの思考に合わせるように口を開く。
「えっ!?」
「お主は危なかっしいからの〜」
ほのかは驚く。
(私、口に出してた?はっ!いけない!試合が始まっちゃう!!)
ほのかは少し疑問に思いながらも前を向く。
見るのは女子アイス・ピラーズ・ブレイク1回戦、第三高校選手、
『続いて登場するのは第三高校、十七夜栞選手。スピード•シューティングでは、惜しくも4位という結果でしたが、ピラーズではどんな戦いを見せてくれるでしょうか?』
実況の声が響く。
『各選手最も気合の入る衣装で臨むのが本競技の特徴でありますが……十七夜選手は中学時代全国にその名を轟かせたリーブル・エペーの衣装ですね』
栞は目を閉じて集中している。
そして集中が完了したのか、目を開けた。
『さぁ、試合が始まりました!』
試合開始のブザーが鳴る。
が、早くも相手選手の氷柱が一つ砕けた。
相手選手は氷が砕けないように情報強化の出力を上げるが、栞の魔法はいとも簡単に氷柱を砕く。
それを見たほのかは驚く。
「高度に情報強化された氷があんなに簡単に!?」
「あの魔法は並の情報強化では防げぬよ」
沓子が栞の魔法について説明を始める。
「栞の魔法の起点は空中じゃから、魔法の発動は氷の情報強化では防げぬ。それにこの魔法は空中から幾つもの仮想的な振動波を球状に発生させ、波の合成地点に何倍もの威力を持った振動波を発生させているのじゃ。こうなると魔法の力勝負じゃが、並の情報強化では幾重にも重ねた合成波に敵うわけがないということじゃ」
これは以前、達也が服部との模擬試合で使用した波の合成と同じ理論である。
波の合成地点を相手の氷柱に合わせることで、破壊力を何倍にも引き上げているのだ。
『十七夜選手、まだ1本も破壊を許していません!
すると、相手の佐埜選手が氷柱自体を移動させる作戦へと移る。
『なんと佐埜選手の氷柱自体が移動しています!』
「面白い。波の合成地点が当たらないようにする作戦じゃな」
「氷自体を移動するなんて大技すぎるような……」
「うむ。この賭けが果たして栞に通用するか否か……」
ここで佐埜選手は、一気に反撃に転じようとイチかバチかの賭けに出たが、彼女の魔法力では氷柱の移動と、栞への断続的な攻撃で精一杯であったため、同時に自陣の氷の情報強化を解いていた。
それにより、佐埜選手の氷は防御力を失い、脆くなっていた。
その隙きをついた栞が、一気に氷を破壊した。
『堅実で緻密な計算魔法の使い手、第三高校、十七夜栞!アイス・ピラーズ・ブレイク自陣の破壊ゼロで初戦突破です!』
そして栞の勝利で決着がついた。
「栞、完全復活じゃな♪」
それを見た沓子はわーいと喜ぶ。
(なんだか凄く良い表情……)
ほのかはというと、そんな沓子を見てほっこりしていた。
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一方、新人戦女子クラウド・ボール決勝リーグの最終戦、第一高校1年里美スバルと第三高校1年一色愛梨がラケットを構えて向かい合っていた。
そして試合が始まると、お互いラケットを使うスタイルによる超高速の打ち合いの応酬が始まる。
互いに一歩も譲らず、コート内を目にも止まらぬ速さで複数の球が飛び交っていく。
一進一退の攻防が第一セット中盤にさしかかったとき……
(おかしい。いない場所を狙って打っているはずなのに……)
愛梨は違和感を覚えていた。
ボールを打ち返すとき、相手のいない場所を狙っているはずなのに、いつの間にかそこにスバルが現れ、ボールを打ち返されるのだ。
(幻影……?いえ、ちゃんとした実体なのに、その気配を感じ取れないなんて)
一方のスバルは余裕を持って対応していた。
(さすがだな。この僕の『認識阻害』の影響下にあってもこれだけのスピードとは。しかしどこまでついてこれるかな?)
スバルの『認識阻害』は『見えているのに存在を感知できない』というBS魔法。
この魔法は、自分からアピールしないと存在を認識されにくいという短所があるが、クラウド・ボールでは長所となる。
目の前に実体はあるのに、その気配が感じ取れないのだ。
愛梨が違和感を感じているのはそれだった。
彼女が相手のいない場所へボールを打っているつもりでも、実はスバルが既にそこにいて対処していたのだ。
スバルの『認識阻害』は魔法力の消費なく常在でき、長期戦向きだ。
だが愛梨の加速魔法は使えば使うほど消耗する。
後半になるほどその差が試合を決定づける……とスバルは考えていた。
しかし、愛梨も伊達に決勝リーグまで来ている訳ではない。
(何か特殊な魔法が働いている?でもその理由を考えている暇はないわ。なら、相手の動きは見ない。ボールだけに集中して……いつものスピードで叩き切る!)
スバルの気配が感じ取れないなら、ボールの動きだけに集中し、最速でそれを叩く。
直後、スバルの横を高速のボールが通り過ぎた。
「しま……っ」
(まぐれか……?いや、明らかに早くなってる!?)
愛莉が9つのボールを尋常ではない速さで打っていく。
スバルも応戦するも対応できずに得点差が広がっていく。
(取りきれない……!)
愛梨はまるでボールを叩き落とすかのようにラケットを振るっていく。
それはまさに彼女の異名、『稲妻』と呼べるものだった。
「単純な速さ勝負なら誰にも負けないわ。BS魔法ではなく、努力で勝ち取ったこの魔法がある限りね」
愛梨はネックレス型のCADを愛用している。
このCADには必要最低限の起動式しか入っていない。
愛梨は、知覚した情報を脳や神経ネットワークを介さず直接精神で認識する魔法と、『打ち返す・走る・CADを操作する』それらの動きを精神から直接肉体に命じる魔法の2つを使用している。
すなわち、感覚器の電位差を直接読み取り、運動神経の電位差を直接操作する。
それが愛梨の『稲妻』の正体である。
『試合修了!一色選手60対20のストレート勝ちで里美選手を下しました!』
試合は愛梨の勝利で幕を閉じた。
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アイス・ピラーズ・ブレイクを見終えたほのか達は、モニターでクラウドの観戦をしていた。
優勝は愛梨、準優勝はスバルであった。
『新人戦女子クラウド・ボール優勝は第三高校一色愛梨さん、準優勝は第一高校里美スバルさん……』
「優勝かー。まぁ当然じゃの」
「スバルがトリプルスコアでストレート負けなんて……」
「いや愛梨相手に二桁得点するとは並の魔法師ではないぞ」
「スバルだって……はっ!」
(いや、この後もあるしスバルの魔法は秘密にしなきゃ)
スバルはこの後の新人戦ミラージ・バットの出場も控えているため、ここで魔法の秘密が漏れると対策を打たれてしまう。
ほのかは誤魔化すことにした。
「スバルがなんじゃ?」
「い、いや〜一色さんのスピード凄かったね。あれって
「ほう」
そのとき沓子が笑う。
まるで面白いオモチャでも見つけたかのように。
「お主、あの光が見えたのか。やはり面白い奴じゃな」
(あれ?私……何かマズいこと言った……!?)
ほのかは焦る。
「お主が見たのはサイオンのノイズじゃろう?」
「あ……」
「あれが見えるとは、相当光に感受性が高いのじゃな」
沓子はほのかのバトル・ボードでの試合を思い出していた。
(だからあの閃光魔法か……なるほど)
「そういえば愛梨のことについて知りたがっていたな。お主は面白い奴じゃから特別に教えてやろう」
沓子は説明する。
「お主の見た光は愛梨のネックレス型CADじゃ。最小限の式しか入っていないため、発動時のノイズはごく微量なのじゃが、よく見えたものよ。愛梨の魔法は知覚した情報を直接精神で認識し、肉体に命じることができる。どんなに優秀な魔法師でもCADを操作する前に見て考えて指を動かすタイムラグは必ず発生するであろう?じゃが愛梨は『見える』前に体が動く。その速さは唯一無二のものじゃ」
「そんな魔法が……」
(確かにクラウド・ボールに最適な魔法だし、ミラージ・バットだとなおさら……)
「そんな大事なこと教えて良かったの?」
「問題ない。愛梨の実力なら知られたところでハンデにもならん。そもそも対策しようもないしの」
すると、満足したと言わんばかりに沓子は踵を返す。
「では昼時なのでさらばじゃ!また会おうぞ!!」
そして、沓子はあっという間に会場から去っていった。
「えっ……す、すばやい」
ほのかはそれを唖然と見送ることしかできなかった。
(確かに対策の打ちようがないかもしれない。だけど深雪なら……)
ミラージ・バット
愛梨は強敵だが、ほのかは深雪ならなんとかしてくれるかもしれないという期待を持っていた。
すると、そんなほのかのお腹からグーッという音がなった。
時計を見れば、時刻は12時を過ぎていた。
「私もお昼ごはん食べよう……」
とりあえず、ほのかは皆と合流するため、一高テントに向かうことにした。
◆◆◆
ほのかが一高テントへ戻ると、一年女子のほとんどが揃っていた。
「みんなおつかれー」
「あっ、ほのか」
「おつかれー」
雫とエイミィが出迎える。
するとエイミィが話を切り出した。
「丁度良かった。ほのかからも言ってやってよ」
「えっ、どうかした?うわっ……」
見ればスバルと菜々美のいるエリアだけどんよりとしていた。
「うぅー悔しい〜……」
「一色強かったわ……」
するとほのか達が落ち込む二人を慰める。
「そんな……ふたりともすごい成績なのに……スバルなんて準優勝だし、菜々美も6位入賞はかなりの好成績だよ」
「うん。一高がふたり同時入賞は控えめに言っても快挙」
「スピード・シューティングに引き続き大勝利だって先輩方も大喜びしてるよ」
「「…………」」
ほのか、雫、エイミィの賛辞を受けるスバルと菜々美。
そして二人としても満更ではなかったのか……
「ま、まぁ悪くはない成績だよな」
「そうだね!私も一色に当たらなかったらもっと上位に食い込めたかもだし!!」
すぐに立ち直った。
その様子を見ていたほのかは苦笑いする。
(このふたりは普通のテンションになるとそれはそれで……まあ、ずっと落ち込まれるよりかは全然良いんだけど)
すると元に戻った二人が呟く。
「しかしあの速さは異常だったな……」
「スバルと同じBS魔法なのかな?」
「いや、それはないと思う」
二人の疑問を聞きながら、ほのかは一人考える。
(あの魔法の仕組み……スバルのことを教えずに聞いちゃったから、あの子は問題ないって言ってたけど、やっぱりフェアじゃない気がする……でも私ひとりにとどめていていい情報ではない気もするしどうしよう……)
ほのかが一人悩んでいると、司波兄妹がやってきた。
「あ、深雪と達也さんだ」
「ごめんなさいね、遅くなって」
「大丈夫だよ」
深雪の謝罪にエイミィは笑顔で答える。
「実はみんなさっき来たところなんだ。私も昼まで感覚遮断カプセルで寝てたし」
「エイミィは朝一番の試合だったものね」
「うん。前の晩、緊張しすぎて寝れなかったから達也さんに勧められちゃってね。ホントはあれ苦手なんだけど……」
「体調管理などのサポートも技術部の仕事のうちだからな。ゆっくり休めたか?」
「うん、もうバッチリ!午後の試合は任せて!!」
いつも明るいエイミィではあるが、意外と繊細かつシャイであるため、上がり症であったりする。
「あんなに元気だったのに寝不足だったんだね」
「エイミィは限界まではしゃぐタイプだからな。この前も徹夜で大富豪に付き合わされたし……」
「あはは」
「反省しろ」
スバルと菜々美のツッコミに朗らかに笑うエイミィ。
そして昼ごはんを食べながら、話題は深雪のアイス・ピラーズ・ブレイクへ。
「深雪は最後の詰めを?」
「ええ。お兄様に調整してもらっていたわ」
「今大会、深雪の戦いは初めてだからすごく楽しみにしてるよ」
「そう?ではご期待に沿えるよう頑張らなくちゃね」
雫と深雪が話しているところをほのかは複雑な表情で見ていた。
(雫……そういえばピラーズは全員が勝ち残ったら雫もエイミィも深雪と対戦することになるんだよね。そのとき、私は誰を応援すればいいんだろ?)
ほのかとしては誰を応援するかは、悩ましい問題であった。
すると菜々美とスバルが興味津々で聞く。
「そういえば深雪はどんな衣装で行くの?」
「エイミィも雫もずいぶん派手だったからな」
達也と雫もその後に続く。
「確かにエイミィの乗馬服はともかく、雫の振り袖には驚かされた」
「そう?普通だよ。着慣れてるし」
「私はもっとオーソドックスな服よ」
深雪は楽しそうに話す。
「何かは見てのお楽しみ」
「なんだろう〜楽しみだなあ」
一高テントは終始和やかな雰囲気であった。
するとほのかがある事に気付く。
「あれ?そういえばエドは??」
ほのかがテント内を見回すがエドの姿はない。
そこで答えたのは深雪と達也であった。
「エドワードさんなら男子アイス・ピラーズ・ブレイクの会場に行っているわよ」
「三高のクリムゾン・プリンス、一条将輝の試合を見てくるそうだ」
言われてほのかと雫は納得する。
「あ、そっか」
「エドが順当に勝ち上がったら、当たるかもしれないもんね」
モニターを見ると、丁度男子アイス・ピラーズ・ブレイクの2回戦が放送されていた。
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そして件のエドワード・エルリックはというと、男子アイス・ピラーズ・ブレイクの会場へと足を運んでいた。
昼ごはんを食べた後に、明日の対戦相手となる選手の試合を見に来たのだ。
だがその表情は退屈そうであった。
(相手になりそうにねぇな……)
エドは試合の様子から、明日の3回戦の選手もなんなく勝てると判断する。
(やっぱり相手になるのは、一条の野郎だけだな)
エドが手摺にもたれながら試合を見ていると、突如横から声が聞こえた。
「あー!お主は!?」
「あぁ?」
エドが横を見ると、三高の制服を着た二人の女生徒がいた。
四十九院沓子と十七夜栞である。
エドは目を見開く。
「お前らは……あの金髪女の取り巻きその1!?その2!?」
「いや!取り巻きとはなんじゃ!?失礼な奴じゃのう」
「そんな覚え方をされていたのね……」
二人はエドの反応にジト目を向けるが、エドは気にせずぶっきらぼうに答える。
「仕方ねぇだろうが。オレはお前らの名前なんざ知らねぇ」
「ふむ。わしらはそれなりに有名だと自負しておったのじゃが……それともただ単にお主が世間知らずなだけかのう?」
「興味がねぇだけだ」
実際には達也が九校戦の懇親会で名前を教えているのだが、エドは覚えていなかった。
すると今度は栞がエドに話しかける。
「私達は貴方のことを知っているわよ、エドワード・エルリック。古式魔法『錬金術』の使い手。CADを使わずに両手を合わせて魔法を発動させる稀有な能力の持ち主。さらに驚くべきことに
エドは不敵な笑みを浮かべる。
「へぇ。よく調べてるじゃねえか。ピラーズ初日でサイオンが使われていないことまで気付くとは思わなかったぜ」
「吉祥寺君が貴方のことを警戒していてね……その異常性にはすぐに気が付いたわ」
「吉祥寺?あー……カーディナル・ジョージとかいう奴か」
「貴方は一条君と当たる可能性が最も高いもの。あの吉祥寺君が調べない訳ないわ」
「お主は三高でもえらく警戒されておるからのう」
「へぇー、そいつは光栄なこって」
すると沓子が笑顔で話す。
「そうじゃ。これも何かの縁じゃし、軽く自己紹介でもしようかの。わしは沓子、四十九院沓子じゃ」
「十七夜栞」
「……エドワード・エルリック」
互いに自己紹介すると、沓子がエドに声をかける。
「お主、暇ならわしらと試合観戦でもせんか?もうすぐ一条の試合と、お主のところの、確か司波深雪といったかの?そのオナゴの試合が始まるのじゃ」
「ん?もうそんな時間か??」
エドが端末で時間を確認すると、時間は13時となっていた。
と、ここで彼は重要なことに気付く。
「って、なんでオレがお前らと試合観戦なんてしなきゃいけねえんだ?」
「一々細かいことを気にする奴じゃのう。器の小さな男じゃ」
「誰が小さいだ!?」
エドが小さいという言葉に過剰に反応すると、沓子は面白そうなオモチャを見つけたかのような反応をする。
「はっはっはっ。それはお主のことじゃ〜この豆粒〜」
「テメェの方が断然小せぇだろうが!!」
「飯粒〜小粒〜」
二人がギャーギャーと騒いでいると、そこにさらなる来防者が現れる。
「な、な、な……なぜ貴方がここにいるの!生意気な金髪男!?」
一色愛梨である。
「おー、愛梨ではないか」
「テメェは……いけすかねぇ金髪女!?」
沓子とエドが同時に反応する。
「一色愛梨よ!あと沓子!これは一体どういうことなの!?」
「いやなに、この者がピラーズの……「今はテメェなんぞに構ってる暇はねぇ!!」……被せるでない」
沓子が答えようとしたが、エドが一蹴する。
愛梨はエドのその態度が気に入らなかった。
「……あのときといい、今この
対してエドも真っ向から受けて立つ。
「はっ!テメェなんぞ最初から眼中にねぇんだよ!だが、ケンカなら買うぞいけすかねぇ金髪女!!」
「なによ!?」
「なんだコラ!?」
二人は至近距離から顔を突き合わせ、グルルルと唸り合う。
傍から見ていると、それはまるで兄妹喧嘩のようであった。
その光景を見ていた栞は、ため息をつきながら言う。
「はぁ……貴方達、仲良いわね」
「「よくない!!」」
その声は見事にハモっていた。
余談ではあるが、周囲に迷惑がかかるのを危惧した栞が二人に公開説教することになったのは言うまでもない。
次回はエドのアイス•ピラーズ•ブレイクの3回戦と決勝トーナメントです。
では、また( `・∀・´)ノ