魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続きかけたで候。

いよいよエドが出場します。

では、どうぞ( ゚∀゚)o彡°


第四十三話 新人戦 アイス・ピラーズ・ブレイク 予選①

九校戦大会四日目、新人戦初日の競技が恙無(つつがな)く終了した。

 

スピード・シューティングは一高女子が揃って表彰台を独占し、バトル・ボードはほのかが見事予選を突破した。

 

対して男子はというと森崎がスピード・シューティングで準優勝という好成績を収めたものの、それ以外は予選落ちという不甲斐ない結果で終わってしまった。

 

そのせいか一年男子達はどこか居心地悪そうに過ごしている者が多かった。

 

それは一年男子と活動を共にするエドも感じ取っていた。

 

あまりにも空気が悪いので思わず外に出歩きたくなるほどに。

 

 

(どいつもこいつも辛気臭ぇ顔してやがる……)

 

 

エドはラフな格好でホテルの廊下を歩いていた。

 

夕食の時間が終わったので腹ごなしに軽く散歩しようと思ったのだ。

 

ホテルの中は自由行動が可能であり、お土産コーナーや、ゲームコーナーなどにもチラホラと一高生徒がいた。

 

このホテルは軍の施設として使われてはいるが、その関係者も利用するため娯楽施設も用意されているのだ。

 

エドは廊下の休憩スペースに設置されている自販機で缶コーヒーを買うと、備え付きのイスにドカッと座る。

 

そして缶コーヒーを一口飲んだ。

 

 

(十師族との接触……つっても、そう簡単にはいかねぇよなあ)

 

 

エドは賢者の石やイレギュラーの情報収集のために、強力なパイプを()()()必要としている。

 

そして幸運なことに、彼の周りには十師族と知り合う機会が揃っている。

 

 

(この九校戦には七草家、十文字家の他にも一条家、九島(くどう)家のニ家が揃ってる。何か知り合いになるきっかけさえあれば……)

 

 

が、そこには大きな問題があった。

 

それすなわち、どうコンタクトを取るかである。

 

七草家と十文字家、真由美と克人とは一高でそれなりに交流があるため、こう言ってはなんだが、その気になればいくらでも話をする機会はあるだろう。

 

だが一条家と九島家はそうではない。

 

この機を失えば、彼らに近付くのは至難の(わざ)と言える。

 

 

(パッと思いつくのは、この両家がオレに興味を持つよう立ち回るくらい……か?例えば、九校戦で目立つ勝ち方をする……とか。そうすれば、(おの)ずとあっちから接触してくるかもしれない)

 

 

エドは再びコーヒーを飲む。

 

 

(だとしたら……明日から始まるアイス・ピラーズ・ブレイク、三高のクリムゾン・プリンスとやらに勝てば、その注目度もさらに上がる……か?)

 

 

エドはアイス・ピラーズ・ブレイクに出場する。

 

そこで勝ち上がれば、三高の一条将輝と当たることになる。

 

一条将輝に勝つ事ができれば、十師族との接触も容易になるかもしれない。

 

 

(……他に方法も思いつかねぇし、これしかねぇか)

 

 

エドは方針を固める。

 

 

(今オレがやらなきゃいけないのは、アイス・ピラーズ・ブレイクでクリムゾン・プリンス、一条将輝をぶっ倒して優勝すること)

 

 

再度コーヒーを口に含む。

 

 

(錬金術なら目立つにはもってこいだ。派手にやって周りの度肝抜いてやろうじゃねえか)

 

 

エドは缶コーヒーを飲み干す。

 

 

「やるしかねぇ」

 

 

そして右手で潰した。

 

ゴミ箱に向かって投げると、缶は見事に入ったのだった。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

同時刻……深雪、ほのか、雫、エイミィ、スバル、菜々美の六人は部屋に集まり、プチ祝賀パーティーを繰り広げていた。

 

それぞれラフな格好でお菓子を食べ、ジュースを飲みながらくつろいでいた。

 

 

「雫、ほのかおめでとう」

 

 

「ありがとう!まだこれからが本番だけどね……」 

 

 

「そうだね。私も気を抜かないようにしないと」

 

 

「私は明日休みだけど、みんなは試合だもんね」

 

 

明日行われる競技は男女クラウド・ボールの予選から決勝トーナメント、それに並行して男女アイス・ピラーズ・ブレイクの予選が行われる。

 

クラウド・ボールにはスバルと菜々美、アイス・ピラーズ・ブレイクには深雪、雫、エイミィがそれぞれ出場する。

 

ちなみにほのかは出場する競技はないため、休みとなる。

 

と、ここでほのかが話を振る。

 

 

「クラウドは三高の一色愛梨が出るんだっけ?」

 

 

「うん、油断できない相手だよ」

 

 

「心配いらないさ。僕が出るからには一高に華麗な勝利を約束するよ」

 

 

「「「????」」」

 

 

そのときスバルが妙に高いテンションと、芝居染みた口調で勝利を宣言する。

 

いきなりのスバルの態度の変わりように深雪、雫、ほのかの三人は唖然とする。

 

 

「深雪達はスバルの『これ』、初めてだっけ?」

 

 

頷く三人。

 

エイミィは説明する。

 

 

「『認識阻害』の先天性スキルがあるから、わざとこうやって印象に残りそうな言動をしちゃうんだよ」

 

 

「そうだったのね……」

 

 

スバルは認識阻害のスキルを有している。

 

ジッとしていると影が薄くなり、周りから存在を認識されにくくなるので、存在を認知されるように大げさに話すのである。

 

 

「クラウドは私も出るから忘れないでよね☆」

 

 

「そうだな。ふたりでワンツーを目指そう!」

 

 

だがしかし、そこに菜々美も加わると、テンションが高くなり過ぎて、妙に暑苦しくなるのが(たま)(きず)である。

 

 

「あっ、そういえば……」

 

 

と、ここで菜々美が思い出す。

 

 

「ピラーズは司波君が技術スタッフを担当してるんだっけ?」

 

 

「そう、信頼できるよ」

 

 

「いいなぁ~。雫の『能動的空中機雷(アクティブ・エアー・マイン)』、あれ司波君の魔法なんでしょ?」

 

 

「私の『フラッシュ』もね」

 

 

「あれもなの!?」

 

 

菜々美の疑問に、ほのかがドヤ顔で告げる。

 

 

「あ~ん、クラウドも担当してほしかった~」

 

 

「まーまー」

 

 

ぶーぶーぼやく菜々美を、スバルが宥める。

 

 

「お兄様の体は一つだから同時に二種目の担当は無理よ、菜々美」

 

 

「菜々美の言いたいことも分かるよ。今のところ担当した競技は負けなしだもんね」

 

 

気持ちは分かるのか深雪とエイミィも宥める。

 

するとスバルが苦笑いで言った。

 

 

「もっと威張ってもいい戦績なんだが……聞けばインデックスへの登録も辞退したっていうじゃないか。深雪のお兄さんはちょっと謙遜がすぎるんじゃないか?渡辺先輩にも言われていたし……」

 

 

「そうね。お兄様の悪い癖なの」

 

 

スバルの言葉に、深雪は綺麗な笑顔を()()()()()答える。

 

深雪には達也がインデックスを辞退した理由が分かっていた。

 

 

(お兄様がインデックス登録を辞退した理由……それは()()()……()()()()()()()()()()()……)

 

 

達也と深雪は、四葉と繋がりがある。

 

深雪は次期当主として……達也はその護衛として。

 

そして達也は四葉の、深雪の『ガーディアン』である。

 

ガーディアンとは、あくまで日陰の存在。

 

表に出ることは許されない。

 

新魔法の開発者ともなれば身元を調べられるため、下手をすれば達也と四葉の繋がりが表に露見してしまう。

 

それは四葉家当主、四葉真夜の容認するところではない。

 

達也は()()()()()、インデックスを辞退したのだ。

 

いずれは四葉を屈服させるために。

 

だから()()従うしかないのだ。

 

すると微妙な雰囲気になりつつあるのを無意識に察知したのか、エイミィが空気を変えるために新たな話題を振る。

 

 

「あ、そういえば明日エドワード君もアイス・ピラーズ・ブレイクに出るよね?」

 

 

だがその話題にピシッと固まる二人の女子がいた。

 

そう。

 

雫とほのかである。

 

 

「雫とほのかは、もちろんエドワード君の応援に行くんでしょ?」

 

 

そしてその二人へ見事なキラーパスを投げるエイミィ。

 

実を言うとエイミィは()()()()()()()()()()()()()()()()()()にある。

 

つまり明日の競技の話題が出た時点で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

しかしそれは時と場合による。

 

少なくとも、今の雫とほのかにとっては時限爆弾にもなり得る話題であった。

 

二人の心配は完全に一致していた。

 

 

((エドが……あのエドが……九校戦で何もやらかさないはずがないっっっっ!!!!))

 

 

なんせ懇親会で挨拶という名の宣戦布告をし、九校戦参加者全員瞬く間に敵に回した男、エドワード・エルリック。

 

身内からのある意味での信頼度の高さは絶大であった。

 

だが彼女達には頼もしい助っ人(ストッパー)がいた。

 

 

「ほのか、雫……大丈夫よ」

 

 

「「深雪!?」」

 

 

そう。

 

我らが氷の女王様、司波深雪である。

 

 

「エドワードさんには私がついておくから大丈夫」

 

 

なんとも頼もしいお言葉である。

 

その言葉に安心したほのかと雫は、深雪の手を取る。

 

 

「頼んだよ深雪!」

 

 

「何かあったらいつでも頼って」

 

 

三人は手を取り合う。

 

こうしてエド対策チームが秘密裏に結成されたのであった。

 

 

「ねぇスバル、菜々美……エドワード君のピラーズ絶対見に行こうね」

 

 

「当然。彼なら何かやってくれるにちがいないからね」

 

 

「行くっきゃないね!」

 

 

このやり取りを見守っていたエイミィ、スバル、菜々美の三人もエドの応援に行くことに。

 

余談ではあるが、プチ祝賀パーティーはしばらくエドの話題で盛り上がったのであった。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

同時刻……

 

三高の宿泊エリアのとある部屋の前で一人の女生徒が語りかけていた。

 

 

(しおり)、あなたに伝えなければいけないことがあるわ。明日のアイス・ピラーズ・ブレイク、このままのあなたには出場させられない。この大会のために必死に練習したチームメイトの顔に泥を塗るようなものだもの」

 

 

一色愛梨は部屋に閉じこもっている少女、十七夜栞(かのうしおり)へと要件を伝える。

 

栞はそれをただジッと聞いていた。

 

電気もつけずに薄暗い部屋で、身じろぎ一つせずに聞いていた。

 

彼女は『スピード・シューティング』の準決勝で雫に敗北してから調子を崩していた。

 

その結果、三位決定戦でも敗れてしまった彼女は、まるで殻に閉じこもるように、自身にあてがわれた部屋にずっと閉じこもっていた。

 

 

「だから代役を立てることにしたわ」

 

 

「……そう」

 

 

栞はただ静かに一言、そう返す。

 

心のどこかで彼女の奮起を期待していた愛梨であったが、そう上手くはいかない。

 

苦い顔をしつつも、最後に言いたいことを言うことにした。

 

 

「……っ、いい?これが最後よ。もしあなたが出場できるというなら明日の朝6時までに作戦テントに来なさい」

 

 

「その必要はないわ。私はもう駄目だもの」

 

 

「…………失望したわ。勝手になさい」

 

 

愛梨は部屋から離れていく。

 

それを栞は静かに感じ取っていた。

 

 

「これでいい……私はもう……」

 

 

栞は思う。

 

 

(愛梨が求めていたのは『一色』の家にふさわしい才能ある仲間。だから私の才能を見て声をかけてくれたんだわ。他人に寄生することしかできない父や母とは違う。私は私の才能だけで生きていける……そう思ってた。でも今日の試合でそれが間違いだったと思い知らされた。才能の無い私は愛梨にとっても必要のない存在。それなら身を引こう。私から……)

 

 

栞はかつて数字落ちとなった家の生まれであった。

 

が、その後、紆余曲折あり、能力を認められ十七夜家の養女となった。

 

彼女の両親はかつての栄光を捨てられずに、栞に寄生するように生きてきた。

 

優秀な彼女に養ってもらおうとしていたのだ。

 

そんな落ちぶれた両親の様子に嫌気が指した彼女は両親と決別し、自分の道を歩んでいくことを決意したのである。

 

そんなときに知り合ったのが……一色愛梨であった。

 

 

「やれやれ……青春というかなんというか……」

 

 

そしてそんな彼女らのやり取りを、三年生の水尾佐保は静かに見守っていた。

 

佐保は栞の同室である。

 

部屋で休むために戻ってきたのだ。

 

佐保は部屋のドアをノックする。

 

ドアが開いた。

 

佐保は笑顔で言う。

 

 

「そろそろ休んでいいかな?」

 

 

出迎えた栞は申し訳なさそうに答えた。

 

 

「水尾先輩、すみませんご迷惑を……」

 

 

「なに大丈夫だよ。それよりちょっといいかな?」

 

 

就寝の準備をしながら佐保が栞に問う。

 

 

「なんでしょう先輩?」

 

 

「一色のことだけど」

 

 

佐保の一言で栞は顔を曇らせる。

 

 

「……もう私とはあまり関係のない人です。私には失望したと」

 

 

「……一色とは中学からの付き合いなんだっけ?」

 

 

「はい、リーブル・エペーの試合で……」

 

 

「思い出すなぁ。あの日『仲間ができた』って一色が随分と喜んで話してくれてね」

 

 

佐保は思い出しながら話す。

 

ちなみにリーブル・エペーとは、フェンシングの魔法競技である。

 

 

「私を見い出して引き上げてくれたのに、この有様で申し訳ないとは思っています」 

 

 

「引き上げられたのは一色も一緒だよ」

 

 

「え?」

 

 

佐保の言葉に栞は思わず固まる。

 

 

「一色とは家の付き合いで小さい頃からの知り合いでね。一色家としてのプライドと周りからかけ離れた実力のこともあってずっと孤高を貫いていた。だけど十七夜と出会って初めて切磋琢磨できる仲間を得たって喜んでいたんだよ」

 

 

「仲間じゃありません……私が、私が一方的に愛梨を頼っていただけです」

 

 

佐保の手が栞の肩に置かれる。

 

 

「寂しいことを言わない。十七夜だってわかるだろう?ひとりで努力するのは辛いものさ。仲間と、十七夜と競い合えたことが今の一色を形作っているんだ」

 

 

「でも愛梨は私にさっき……」

 

 

「一色はね、素直に言えないだけだよ。どれだけ十七夜の心配をしているか。さっさと辞退か、もっと早く代役を立てることもできたのにそうしなかったのはなぜなのか……もう自分でもとっくに気付いてるんだろう?」

 

 

佐保は続ける。

 

 

「一度負けたくらいで諦めるような魔法師は大成しないよ。大事なのは心が負けないことだって私は思ってる。一色は……『一の家系』で一番になれないことで諦めたりしてないだろう?だからきっと彼女は大きくなれる」

 

 

「先輩……」

 

 

「あたしに言えることはこれだけだ。もう遅いし寝るから、あとは自分で考えて」

 

 

そう言って佐保はベッドに入った。

 

 

「……」

 

 

栞は端末を見ながら一人考える。

 

そこには愛梨と二人で笑顔で映っている彼女の姿があった。

 

選択は既に決まっていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

九校戦5日目、新人戦2日目のこの日、エドは早起きしてある衣装に袖を通していた。

 

 

「この格好をするのも随分と久しぶりだな……」

 

 

それはかつて彼が、あちらの世界にいたとき、国家錬金術師として弟と世界中を旅していた服装であった。

 

金髪の三つ編みに、黒い上下の服装と黒いブーツ、そしてトレードマークとなる『フラメルの十字架』を背負った赤いコート。

 

そして国家錬金術師の証、銀時計。

 

鋼の錬金術師、エドワード·エルリックにとっての正装であった。

 

そしてブレスレット型CADをつけると準備完了である。

 

まだ寝ているクラスメートを起こさないようにエドは静かに部屋を出ると、朝一で会場へと向かう。

 

彼は第一試合から出場のため、担当スタッフとの打ち合わせや、CADを調整せねばならないため、早目に現地入りせねばならないのだ。

 

会場入りすると、彼の担当スタッフであるあずさが出迎えてくれた。

 

 

「あっ!おはようございますエドワード君!」

 

 

「おはよーっす。はえぇな、あーちゃん先輩」

 

 

「もう!あーちゃんって呼ばないで!そんなことより早いのは当然です!CADの微調整とか、担当選手の体調管理とかやることが色々あるの!!」

 

 

そしてあずさはエドからCADを受け取ると、軽く質問していく。

 

 

「体調はどうですか?」

 

 

「問題ねぇ」

 

 

「昨晩はキッチリと眠れましたか?」

 

 

「バッチリだ」

 

 

あずさはエドの顔色を覗き込むように観察する。

 

 

「うん。顔色も特に問題なさそう」

 

 

「おう」

 

 

「あとはCADの微調整をしておくだけですね」

 

 

そうするとあずさはノートパソコンを取り出し、CADの起動式を調整していく。

 

 

「エドワード君は試合時間までコーヒーでも飲んでゆっくりしていて下さい」

 

 

「じゃあお言葉に甘えて」

 

 

エドは試合開始時間までゆっくりすることにした。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

アイス・ピラーズ・ブレイクは、通称『氷柱倒し』、『ピラーズ・ブレイク』の略称などで呼ばれている。

 

縦12m、横24mの屋外フィールドを半分に区切り、それぞれの面に縦横1m、高さ2m、重さ約1.83トンの氷柱を12個ずつ配置し、相手陣内の氷柱を先に全て倒した、もしくは破壊した方が勝者となる競技である。

 

出場選手は純粋に遠隔魔法のみで競い、フィールド内であれば魔法の安全規制が解除されるため、魔法競技中で最も過激と言われている。

 

選手のユニフォームは基本的に自由であり、各自思い思いの衣装を身に着けるため、『九校戦のファッションショー』とも言われている。

 

そんななか、出場選手のエドは既にスタンバイしていた。

 

 

『大会5日目、新人戦2日目午前の試合、まもなくスタートです!』

 

 

実況の声が聞こえてくる。

 

そのとき彼の身体が少し震える。

 

 

「……柄にもなく少し緊張してきちまった」

 

 

エドは少し力んでいた。

 

彼は目を瞑り、集中する。

 

 

「スゥー……ハァー……」

 

 

深呼吸して気持ちを落ち着かせる。

 

 

『アイス・ピラーズ・ブレイク一回戦第1試合、両選手入場です!!』

 

 

するとエドの立っている足場が動き、真上へと上がっていく。

 

彼の耳に大きな歓声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

ワァアアアアアア………………

 

 

 

 

 

 

エドは閉じていた目を開け、周りを見渡すと、会場内は多くの観客で埋まっていた。

 

 

「すげ……」

 

 

エドは観客のあまりの多さに驚く。

 

 

(出場する側から見たらこんな感じなんだな……)

 

 

だがすぐに不敵に笑い、気合を入れる。

 

 

「上等だ。オレ様の晴れ舞台にふさわしい場じゃねえか」

 

 

エドは前を見据える。

 

対戦相手は第四高校の選手であった。

 

ダンス選手なのであろうか?

 

派手な衣装で登場していた。

 

しかしこういった舞台には慣れているのか、かなり落ち着いていた。

 

すると実況が告げる。

 

 

『男子アイス・ピラーズ・ブレイク1回戦第1試合、激戦の火蓋が切って落とされました!!』

 

 

そしていよいよ、試合が始まった。

 

 

「派手にいくぜ!!」

 

 

エドは両手を合わせて、さっそく錬金術を発動させる。

 

すると前4列の氷の柱が形状を変えて、大砲へと姿を変える。

 

そしてエドは、それらから勢いよく砲撃を放った。

 

氷の砲弾が放たれ、相手選手の氷柱を次々と破壊していく。

 

観客と相手選手は突然のことに驚く。

 

 

『な、なんと第一高校のエドワード選手!自陣の氷柱を大砲に変えて、そのまま攻撃したあぁぁ!?なんという選手だあぁぁぁ!?』

 

 

その間にも氷柱は次々と破壊されていく。

 

氷の大砲に入っている砲弾は全部で3発。

 

それが合計4門。

 

計算上、相手の氷柱は丁度破壊できることになる。

 

そういうところもちゃんと抜かりはない。

 

そしてエドは再度両手を合わせて、最後の錬金術を発動させる。

 

すると氷の大砲が水を吸ってさらに強化され、悪魔的なデザインの大砲へと変わった。

 

 

「これで終いだ!!」

 

 

そして相手の残りの氷柱4本をまとめて吹き飛ばした。

 

 

『試合終了〜!第一高校エドワード選手、相手に何もさせずに完封勝利です!!』

 

 

試合時間は三十秒もかからなかった。




氷の大砲で決めました。

次はもっと派手にいきます。

では、また( `・∀・´)ノ

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