続き書けたで候。
関係ないですけど、今物凄く名探偵コナンと、るろうに剣心の映画が見たくて仕方ないですはい。
では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻
九校戦四日目、いよいよ新人戦がスタートする。
新人戦は8/6〜8/10の五日間あり、初日はスピード・シューティングとバトル・ボードの予選が行われる。
雫はスピード・シューティング、ほのかはバトル・ボードに出場することになっており、どちらも達也がエンジニアを担当している。
そしてエド達はというと、雫の応援のために会場に足を運んでいた。
「今日の種目はスピード・シューティングとバトル・ボード……あれ?」
するとプログラムを見ていた美月が首を傾げる。
「ほのかさん、バトル・ボードの準備はいいんですか?」
美月の質問にほのかは肩をビクゥッ!とさせると上擦った声で答える。
「だだだっ大丈夫です!私は午後からだから!!」
「ガチガチに緊張してんじゃねーか」
その様子を呆れたように見るエド。
隣に座っている深雪は、緊張してきたほのかを落ち着かせるために話しかける。
「ほ·の·か!レースのこと考え過ぎないために来たのでしょう?今は雫の応援よ」
「うんっ……そうよねっ!」
ほのかは首をブンブンと振りながら頷く。
その様子を苦笑いしながら見る深雪達。
「……私、余計なこと言いましたか?」
美月は美月で、ほのかを緊張させたことに少し罪悪感を感じていたが、そこはエドがフォローする。
「いや、上がり症のこいつには丁度良いガス抜きになるだろうぜ。試合時間が迫ってきたら嫌でも意識しなきゃならないからな。だったら早目に自覚させて、その状態に慣れさせといた方が実力も発揮しやすいだろうよ」
そうこうしている内に雫の試合時間が迫ってきたのだった。
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その頃、雫と達也はCADの最終調整を行っていた。
「CADのコンディションはどうだ?雫」
「ん……万全。快適」
雫は閉じていた目を開け、達也に向き直る。
「達也さん、私と正式にCADのメンテナンス契約結ばない?」
「……試合前にそんな冗談を言う余裕があれば大丈夫だな」
「冗談じゃないよ。専属じゃなくていいから」
「もう十回は断ったはずだ……北山家は日本でも有数の魔工師を雇っているだろう?」
雫の実家、北山家は大富豪である。
母親は一流の魔法師、父親は世界有数の実業家である。
そのため、両親の雫への魔法の才能の入れ込みようは並大抵ではない。
弟も実用レベルの魔法の素養は無いものの、まだまだ未知数であるため、将来どうなるかは分からない。
「もしかして……前に見せた契約金じゃ足りない?」
「あのな……俺は魔工師の資格を持たないただの高校生だぞ?金額の問題じゃない。とにかくその件は俺が資格を取ってからな」
「……分かった」
達也の返答に雫は渋々納得する。
「さて、いよいよ出番だな」
「うん」
「本番前、最後の作戦だ」
達也は雫の肩に手を置き、応援する。
「頑張れ!」
「うん、頑張る!」
雫もその応援に答え、会場入りした。
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スピード・シューティングとは、規定エリア内に射出されたクレーを魔法で破壊する競技である。
通称「早撃ち」とも呼ばれ、予選は制限時間の5分間に打ち出される100個のクレーを破壊した数で競うスコア戦だ。
上位8人による準々決勝からは、紅白の標的が100個ずつ用意され、自分の色のクレーを破壊し、破壊した数を競う対戦型となる。
予選の必勝法は、一定の領域内に入ってきたクレーをどれだけ撃ち漏らさないかが、勝負の鍵となる。
「っ!」
試合開始の合図がなると、雫はライフル型CADを構え、クレーを破壊いや、粉砕していく。
「うわっ、豪快!クレーが粉砕されちゃったよ」
見ていたエリカが驚く。
「もしかして有効エリア全域を魔法の作用領域に設定しているんですか?」
「そうですよ。領域内の固形物に振動波を与える魔法でクレーを砕いてるんです」
美月の質問にほのかが答える。
「振動であんなに粉々になるものなの?」
「
「疎密波?」
エリカの疑問に今度はエドが答える。
「疎密波ってのは、密度の
「「超音波……」」
エリカとレオが繰り返す。
エドは説明を続ける。
「恐らく雫の奴は、フィールドを幾つかに区分してクレーが飛んできたエリアに対して振動魔法を発動させてる。区分するエリアを
エドの後をほのかが引き継ぐ。
「エドの言うとおりです。雫は細かい制御が苦手なので、フィールドを九つに分けて、飛来してきたクレーをそのエリア毎の数字に当てはめて破壊してるんです。なので事実上、引き金を引くだけでクレーを破壊してます。この魔法なら細かい制御を意識せずに、発動速度にだけ集中できます。連続発動も、マルチキャストも思いのままに」
そしてほのかは雫を見ながら静かに告げた。
「この魔法の名前は、
雫の番が終わる。
点数を見ると100点であった。
『凄いぞ!一年生なのにパーフェクトだ!!』
『あんな魔法があるのか!?』
『エルフィン・スナイパー並みじゃないか!?』
会場も盛り上がる。
エドも拍手しながら言う。
「大したもんじゃねえか」
雫は最高のスタートを切ったのだった。
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魔法大全とは、国立魔法大学が作成している魔法の百科事典に収録された魔法の固有名称の一覧表のことである。
これは新種魔法として大学に正式に認められたことを意味し、魔法開発に従事している研究者にとっては、一つの目標とされている。
要はノーベル賞並みに名誉なことなのだ。
だが開発者の達也は目立つのを嫌って、自分の名で登録する気はないようだ。
その事に驚いた一同であったが、特に達也は気にした様子はなかったのだが、深雪が少し思いつめたような表情をしているのがエドは気になった。
(普通なら誰だって登録するはずだ。だがあいつはそれをしなかった。ってことは、
エドはチラ見しながら司波兄妹を観察する。
(魔法大全程の規模になれば身元調査も入るだろうしな。つーことは、調べられたら困る出自ってことになるが……調べられたら困る出自ねぇ)
そのときエドはある事に気付く。
(司波……しば……シバ……そういや、
「……まさかな。こんなの幼稚園児でも考えつくレベルの名前じゃねえか。偽名にするならもう少しマシなのにするわ」
思わず小声で呟く。
「エドワードさん、どうかしましたか?」
「な、なんでもねぇよ……」
そのとき、隣にいた深雪が話しかけてくる。
エドは聞かれていたかと少し身構えたが、首を傾げている様子から、どうやら聞こえていなかったようだ。
思わず安堵するエド。
これからは独り言には気を付けようと心に誓った。
そんなとき、次の試合のお知らせの放送が聞こえた。
『間もなくスピード・シューティングBグループの予選です』
「見に行ってもいいかな?気になる選手がいて」
「それって三高の?」
「うん。その内当たるかもしれないし」
そうこうしている内に、雫の気になる選手の予選を見に行くことになった。
『お待たせしました!次はスピード・シューティング予選B組。第三高校
それは第三高校の選手の黒髪の少女であった。
栞に見覚えのあるエドは驚く。
「あいつは……あの金髪女の取り巻きその1!?」
「そんな覚え方してたんですか……」
隣に座っていた深雪がつい突っ込む。
『先程は第一高校の北山選手がパーフェクトを記録して我々の度肝を抜きましたが、こちらも前評判の高い
そして競技がスタートする。
すると飛来してきたクレーが破壊されるが、なんと
『これは……!?』
『クレーが次々に!?』
会場内の観客も驚く。
「一つ目のクレーを破壊するのは振動魔法として、どうして次々と他のクレーにその破片が飛ぶの?」
「移動……かな?」
エリカの疑問に雫が答える。
「まさかあれだけの破片を把握してそれぞれ移動させてるってわけ!?」
「はあ!?そんなの移動する物体の位置を把握するのも難しいのに、破片も認識しながら魔法を行使するなんてどこのスーパーコンピューターだっつーの!?」
終いにはレオまで身を乗り出して驚く始末である。
すると冷静に分析していた幹比古が呟く。
「いや、どうやらそのまさかみたいだよ……二人とも」
点数を見ると、100点が表示されていた。
『パーフェクトだ!』
『新人戦で二度もパーフェクトが出るなんて!?』
なんと雫と同じ満点だったのだ。
レオが達也に視線を向けると、その視線の意図を理解した達也は説明する。
困ったときの達也である。
助けてタツエモン。
「
「アリスマティック・チェイン?」
「
「そんなことまで分かっちゃうんですか?」
「ああ、少し伝手があってな」
それを側で聞いていたエドは考える。
(研究所に伝手……ね。魔法科高校に所属する生徒とはいえ、そんな伝手を持ってる奴なんざ、なかなかいねぇ。今思えばこいつ、CADに関する技術や、魔法の知識、戦闘技術に関しても高校生離れし過ぎだ。恐らくどこかの組織に所属してるとみてまず間違いねぇ。考えられるとすれば軍属か、十師族関連か、あるいはその両方か……。そう考えるとこいつ、なかなか得体が知れねぇ)
エドは達也を胡散臭そうな者を見る目に変わる。
そんな風に見られてると思わない達也は皆と話を続ける。
「それにしても三高はクリムゾン・プリンスや、カーディナル・ジョージといい、学生の大会にしてはいささか反則的な顔ぶれだな」
すると深雪が苦笑いしながら言う。
「……お兄様、それは人のことを言えた義理ではありませんよ?」
「そうかな」
「そうですよ」
「お前らもな……」
エドは司波兄妹を見ながら溜め息をつくのだった。
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そろそろ雫の準々決勝の時間が迫ってきた。
「じゃ、そろそろ次の準備に行くよ達也さん」
「そうだな。次の準々決勝は違うCADを使うから俺も最終チェックをしておきたい」
「では私達は会場の方に移動しておきますね。行きましょう、エドワードさん」
「おい、なんで腕を引かれてるんだ俺は」
そうしてエド達と別れて、雫と達也も移動を開始した。
廊下を歩いていると……
「第一高校の北山さん?」
後ろから声をかけられる。
雫が目を向けると、そこには
付き添いとして
「予選を拝見しました。大変良い腕をされていますね。貴女と
「そっか。次の試合は当然勝つ自信があるってことなんだね」
栞の言葉の意味に気付いた雫は不敵に笑いながら言った。
「分かった。私も準決勝楽しみにしてるよ」
その様子を側で見ていた達也は思った。
(雫……段々エドワードに似てきたな)
果たしてスピード・シューティングを制するのはどちらなのか?……勝負の時は近い。
今はモチベーションが上がってるので早目に投稿していきます〜。
あと先に予告しておくと、物語としては九校戦編は後夜祭からが本番です( ゚д゚ )クワッ!!
では、また∠(`・ω・´)