意外と反響が大きいことにビックリ。
とりあえずでけたので投稿します。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
「…………………………………………は?」
エドワードは困惑していた。
先程まで曾孫達に囲まれながら、息を引き取ったはずなのに目が覚めたら見知らぬ空間にいたのだから……。
エドワードはキョロキョロと周りを見回す。
どうやら自分以外にこの白い空間に人はいないようだ。
(……ここが死後の世界ってか?)
だが取り乱さない辺り、さすがは元国家錬金術師といった所か。そして彼はあることに気付く。
「な、なんで……若返ってんだ?それにこの格好は…?」
エドワードは自分の服装に気が付く。
それはかつて彼が、
金髪の三つ編み、黒い上下の服装に、黒いブーツ、そして彼のトレードマークとなる『フラメルの十字架』を背負った赤いコートであった。
すると何を思ったのかエドワードはポケットを探ると、懐かしき銀時計があった。
エドワードは銀時計を開く。
銀時計にはある言葉が刻まれていた。
『Don't forget 3 OCT 11』
"11年10月3日を忘れるな"
それはかつてエドワードが旅立ちの日の決意を忘れるなという意味で掘った言葉。
母を失い、そして全てを失ったエドワードと弟のアルフォンスが全てを取り戻すと決意した日でもある。
「どうなってんだ一体……だけど…」
(『ありえないなんてことはありえない』……か)
それはかつてエドワードを苦しめた『最強の盾』を持つ
そう。
「『よぉ』」
すると突然、彼の後ろから声が聞こえてきた。
エドワードは静かに後ろを向く。
そこには人?のようなものがいた。
そいつはうっすらと人の輪郭だけを持っていた。
エドワードは警戒しながら尋ねる。
「……お前は?」
「『おぉ、よくぞ聞いてくれました!俺はお前達が世界と呼ぶ存在……あるいは宇宙……あるいは神……あるいは真理……あるいは全……あるいは一……そして俺は…お前だ』」
「ああ?」
(真理……全……一だと?)
エドワードは己の錬金術師の師匠が良く言っていた言葉を思い出す。
「『そう、警戒するな。【鋼の錬金術師 エドワード・エルリック】』」
「……オレの事は既に知ってるってことか?」
「『まあなあ。少なくとも
「……テメェ、本当に何者だ?」
「『さっき言っただろ?オレはお前さ。だが……そうだな?オレの事は真理とでも呼べばいい。よろしく頼むぜ【鋼の錬金術師】殿』」
エドワードの前に真理と名乗る謎の人物が現れた。
妙に頭痛がしてきた彼は静かに項垂れるのだった。
◆◆◆
「『……ってわけだ』」
「………」
エドワードは真理からこの空間について話を聞いていた。
現在彼は魂の状態であること。輪廻転生をする際に話したいことがあるということで真理がこの空間に呼び寄せたらしい。
(輪廻転生ねぇ……)
エドワードは目の前の
(こいつの言ってることが本当のことだとしら……なんでオレなんだ?それにこの白い空間……まるで
エドワードの脳裏に母親を蘇らせるときに見た……ある
「そりゃお前でないとダメだからだエドワード・エルリック。いや、この世界にいる
(こいつ!?オレの思考を!?)
「『ああ、この空間は少し特別製でな。お前の思考や心の声は全て聞こえるようになってんだよ』」
「ずいぶんと趣味のわりぃ空間だなおい…」
エドワードは溜め息をつく。
「じゃあオレの思考が読めるんなら、何を考えてるか分かるだろ?テメェ一体何を企んでいやがる?そろそろ理由を話しやがれ」
「『いいだろう。話してやるよ。後ろを見てみな』」
「ああ?後ろだぁ?………………な……こい……つは!?」
エドワードが後ろを見ると、見覚えのある門があった。あのとき彼が母を蘇らせようと試みたときに見た門にそっくりであった。
彼があちらの世界からこちらの世界にくぐってきた門にそっくりであった。だがそっくりなだけで
門というよりは扉の様であった。
「おい!?どういうことだ!?なぜこの空間に、あの門がある!?」
「『落ち着けよエドワード・エルリック。この『真理の扉』はお前がくぐってきた『真理の門』とは別物だ。これはお前の中にある『真理の扉』なんだよ』」
「なん……だと?」
(オレの中にある……『真理の扉』だと!?)
「『説明するのは面倒だからな。その中に入りゃ全て理解できる』」
「なに!?」
ガコオン……
そのときエドワードの後ろにある『真理の扉』が開く。
その中には巨大な眼があった。
そしてその扉の中から黒い無数の小さな手がエドワードを扉の中へと引き寄せる。
「く……」
「『あー……抵抗すんなよー。そうすりゃお前の知りたいこと全部知れるからよー』」
「な、なに?」
「『とりあえず入れ。そしたら
「くそが!ちゃんと説明しやがれー!!」
そしてエドワードは扉の中へと引き込まれた。
◆◆◆
それはまるで脳の中に無理矢理知識を埋め込まれているようなものであった。
(ぐおおお!いてぇ!!脳が割れそうな程いてぇ!!!)
それはあらゆる情報であった……。
それはあらゆるデータであった……。
それはあらゆる知識であった……。
そしてその中には
エドワードは
(錬丹術………賢者の石……
そして並行世界の最終決戦で協力した仲間達……。
(アル……ウィンリィ……リン……メイ……ランファン……フーのおっさん……大佐……ホークアイ中尉……アームストロング少佐……
不思議な感覚であった。
知らないハズなのに彼らを知っている。
大切な仲間なのだという感情が心の底からふつふつと湧いてくるのを感じた。
そのとき、ある映像が頭をよぎる。
それは並行世界のエドワードがお父様と呼ばれる男に言った言葉……。
『立てよド三流......オレ達とおまえとの格の違いってやつを見せてやる!!!』
それは並行世界のエドワードが真理に向けて言った言葉……。
『錬金術がなくても、みんながいるさ』
それは並行世界のエドワードが幼馴染に向けて言った言葉……。
『等価交換だ!オレの人生半分やるから、お前の人生半分くれ!』
「ははは……強いなぁ……向こうのオレは……」
エドワードはそんなことを思ってしまった。
そして知識の入れ込みが完了する。
しかし……まだまだ知識は埋め込まれる。
(なんだこれは?
そしてこちら側にいるエドワードのいる世界の
◆◆◆
ガコン……
『真理の扉』からエドワードが戻る。
そして口を開いた。
「理解できたよ……お前の言ってたことが」
「『それは良かった』」
「あっちのオレはもう錬金術が使えないから……こっちのオレに頼もうってことだろ?」
「『そりゃ違うぞエドワード・エルリック。言っただろ?
「………」
「『どうしたんだ?お前らしくもない………あっちの世界のお前を見て…嫉妬でもしたか?』」
「いいや…」
「『強がるなよ、エドワード・エルリック』」
「そういや……心読めるんだったな」
「『ああ』」
「そうだな…嫉妬してないって言えば嘘になっちまう。だけど……それと同時に思っちまった…」
「『……なにをだ?』」
「オレとは別人だって」
「『そうか……』」
しばらく二人は黙る。
そしてエドワードから話し始めた。
「それよりいいのかよ?」
「『なにがだ?』」
「あっちの知識と経験、あと魔法だったか。未来の知識まで教えちまって…」
「『等価交換だよ、錬金術師』」
「………」
「『お前には転生者として……未来の日本に行ってもらう。そして……
「………」
「『唯一、このオレに勝利した存在なんだ。これでも期待してるんだぜエドワード・エルリック』」
「………」
エドワードは少し俯く。
そしてニヤリと笑いながら真理へと告げた。
「上等だ。背負ってやろうじゃねぇか!!世界の命運ってやつをな!!」
エドワードの挑戦的な顔を見て真理も笑った。
「『期待してるぜ【鋼の錬金術師】』」
とりあえず次に転生してもらうことになりやす。
では、また(・∀・)ノ