申し訳ないが、惨劇はNG   作:よしなしごと

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すっげぇ無理ある設定、はっきり分かんだね。

綿流しのお祭り後時報がなかったので初投稿です。


昭和50年7月

昭和50年の7月10日、この日は俺の14歳の誕生日だ。だと言うのに家には俺以外の家族は居なかった。

母親は俺が小さい頃、6歳の頃にガンで亡くなってしまっていたし、それから父親は自分の神主としての仕事を放り投げて放浪の旅に出ている。その為いつ帰ってくるかも分からず、いま俺は公由村長の家に厄介になっている。

親権放棄のように見えるが、年に数回は帰ってきてくれるし養育費とかは公由の爺さんに振り込まれてるらしく、ギリギリ放棄まではしてないと思う。

 

それなのに何故この鬼淵神社に来たかと問われたら答えに困ってしまうのだが、オカルト的なことを信じてくれるのならこう答えさせてもらいたい。

 

『アイツに呼ばれたから』だと。

 

俺とアイツが初めて会ったのは俺が産まれた時、そう言うしかないだろう。俺は覚えてないけどアイツは赤ん坊だった俺を弟のようにかんじていたらしい。俺の記憶がある中でアイツと初めて会ったのは、5歳の頃ふとした拍子に階段から落ちそうになったことがある。その時に初めてアイツに助けられたのが始まりだった。

あれからもう9年、ずっと俺の隣に居る。……何かがある時は離れるっぽいけど。

 

「それで、なんで今呼んだんだよ?これから北条兄妹と園崎家で飯食う予定なんだけど」

 

「あらあら、それは悪いことしちゃったねぇ。……それじゃあお詫びにお姉さんが慰めてあげようじゃないか」

 

そう科をつくって微笑みかけてくる女性。普通ならこんな表情されたら青少年としては襲いかかったりしないと何だろうけど、残念ながらこんなこと何年もされていたら流石に慣れる。

 

「馬鹿なこと言ってないで要件話せって弥白」

 

「もうっ、連れないねぇ。お姉さん悲しくなっちゃうよ」

 

「あぁ、もう話さないならもう行くからな?」

 

「ううっ、酷いじゃないかい。折角アンタが知っておいた方がいい情報仕入れてきたっていうのに」

「アンタのお父さんな、交通事故で死んだらしいで。お気の毒様やわぁ」

 

そうケラケラと笑う弥白。

……この弥白について鬼淵の家にはある言い伝えがある。曰く、鬼淵家に男児が産まれた時、弥白が現れ、その男児が14歳を迎えた時弥白が(性的な意味で)食べに来る。そして弥白と関係を持ってしまった男児はいつかは分からないが早死するといった眉つばすぎる言い伝えが。

 

「はぁ、なるほど。それで次は俺を食いに来たってか?……勘弁してくれよ、俺はまだ死にたくないしやりたいことだって色々あるんだから」

 

「やりたいことなんて何時だって出来るやろ?……でも、ウチとヤれるんは今日しかない。なんだったら天に召されるぐらい気持ちようしてあげるで?」

 

そして、言い伝えには続きがあり14歳の誕生日、この日を乗り切れば弥白はもう誘ってくることが無くなる、といったものだ。正直早く日付が変わってほしい。

 

「何度も言うけど、お前とそういう関係になる気はさらさらないからな?……どうしてもシて欲しけりゃまず料理出来るようになってくれないと。あと、掃除も出来るようになってくれると助かるかなぁ」

 

「……ぷっ、くくくっ」

 

「あ?何か可笑しいこと言ったかよ?」

 

そう聞くと笑いすぎてお腹痛いとか言いながらいつもの感じで答えてくる。

 

「そりゃ幸人が鬼を嫁に取るなんて言うから。今までそんなこと言う男、居なかったわよ?」

 

「そりゃお前その女の将来を約束できないのに関係は持てないだろ?」

 

「幸人固すぎ。……でも、そうだね幸人となら幸せになれそうな気はするね」

 

そう笑いながら抱き着いてくる弥白。さっきまでの妖しい雰囲気は無かったから大丈夫だと信じている。

 

「うん、幸人のお嫁さんになる娘が羨ましいよ。……第一候補は園崎姉妹の妹って感じかい?」

 

「……なんでそんな話になるんだよ」

 

「あっ、今照れた!このっ可愛いヤツめ!」

 

今度は俺を抱きしめ、頭をわしゃわしゃと撫でてくる。べっ、別に図星なんかじゃないんだからねっ!

 

 

 

「それで、オヤシロ様は俺を食べなくて良いのか?」

 

「んー、そうねぇ。……たまにはダイエットしてみようかなって?正直幸人には鬼に縛られることなく生きてほしいから」

 

「はぁ、それはなんともありがたいことで」

 

そう返事をすると、何故か弥白が真剣な顔になって口を開いた。こういう表情してる弥白の口から出る言葉は基本的に耳を塞ぎたくなるようなことを言う。

 

 

この時も、例に漏れずとてもヤバい話だった。……雛見沢連続怪死事件って何だよ。しかも悟史が鬼隠しに会うってお前。

 

「……とまぁ、ここまでが私の愛する妹を時代の果までストーキングした結果分かったこと。流石に羽入が手にいれてない情報までは分からなかったから、何とも気持ちの悪い情報になってるけどね」

 

「……正直、お前以外の奴に話されたら『面白いSF考えんじゃん』で終わらせるところだけど、お前の言うことだしなぁ。取り敢えずこれからは雛見沢ダム計画を潰すこと考えればいいのか?」

 

そう言うと弥白が困ったような表情になる。

 

「うーん、正直ダム計画反対派がやった事は一歩間違えれば刃傷沙汰だからねぇ。犬飼大臣のお孫さんを助けてやった方が印象は良い気はするんだよねぇ」

 

「あー確かに。でもいざその時になって園崎と対立してまで救出作戦が出来るかって言うとなぁ。その誘拐事件のお陰でダム計画が無くなったって見方もできるしビミョーだよな」

 

「そうだねぇ。……ま、後のことは後で考えればいいんじゃないかい?それよりも今は」

 

弥白の視線を辿り時計を見ると既に8時を回っていた。

 

「やっべぇ詩音に怒られる!」

 

急いで神社から出て、チャリに跨る。ここまで園崎家までは坂道なのが幸運だけど、それでも15分はかかってしまう。

 

「やっぱり好きなんじゃないかい」

 

そう、拗ねたような声が聞こえた気がした。

 

 

 

「おっそ〜いっ!」

 

「いやぁスマンスマン、ちょっと考え事してたら遅れちまってよ」

 

園崎家に着くなり、詩音からのお叱りを受けた。……普通玄関前で待ってますかね?

 

「もう、遅いです幸人さん。詩音煩かったんですよ?ずーっと『いつ幸人来るかな?もしかして事故とか……!』って。ね、詩音?」

 

「お姉!」

 

魅音の揶揄いに顔を赤くして必死に口を塞ごうと手を伸ばしている詩音。うん、可愛い。

 

「ははは、あの二人は変わらないなぁ。幸人さん、荷物お持ちしますよ」

 

「やめて悟史くん、俺悲しくなっちゃうよ?」

 

なんか最近悟史くんにイジられるようになってきてお兄さん悲しいよ。

 

「もうっ、皆さん早く広間に来てくださいまし!あと幸人さん、皆さんお待ちだったんですのよ!」

 

「おおすまん、沙都子。いつもありがとな」

 

そう沙都子の頭を撫でてやる。すると悟史くんから殺気が飛んでくるから不思議だ。僕ロリコンじゃないよ、ホントだよ。

 

 

 

大広間に行くと、そこには園崎家当主さまとその娘の茜さん、あと園崎組と公由村長、古手さんご家族がそろい踏みだった。

 

「えぇー皆さん、今日は少々遅れて申し訳ありません。お忙しい中お集まり頂いたこと嬉しく思います」

 

「よかよか、ゆきちゃんと儂らとは切っても切れない縁があるさね」

 

そう優しく返事をしてくれるのは園崎お魎さん、園崎天皇その人だった。……この婆さんキレると滅茶苦茶怖いからみんな気をつけようネ☆

 

「みぃ〜ゆきとは遅刻の常習犯なのです。みんな慣れっこなのですよ、にぱ〜☆」

 

そして古手梨花ちゃん。ご覧の通り毒舌少女で時々再起不能にされたりする。……お兄さん辛いよ。

 

「まぁまぁ、梨花ちゃん許してあげなよ。今日の主役は彼なんだから。ほら、幸人くんこっちの上座に座りなさい」

 

そう公由さんの指示に従い、上座に腰をかける。……お魎さんが右隣にいるのメッチャ緊張するんですがそれは。

 

 

その後、お魎さんのバースデーソングを聞いたり、詩音からの手作りのぬいぐるみを貰ったり皆でケーキを食べたりして楽しく過ごせた。

途中から俺以外の子供たちは眠ってたけど。

 

「ありゃ、みんな寝ちゃったねぇ。……そうだ幸人くん、いつでも詩音のこと貰っていっていいからね」

 

「それ毎回言われてる気がしますよ。まぁ詩音が他の男のこと好きにならなかったら貰っていきますよ」

 

「よく言った!かぁ〜、ほら呑みなさいな今日は祝い酒さね」

 

それから機嫌よく飲み進める茜さんと泡麦茶を一緒に飲みながら鈍くなった頭でこれからの事を考えていた。

これから起こるダム戦争、大臣の孫が誘拐される事件、連続怪死事件。なんともイベントに事欠かないよなぁと思ってしまう。

 

それでも園崎組に頼めば大概何とかなりそうに思えるのは何でなんだろうな。




思いつきで書いてるから変なところ絶対ある(確信)


以下言い訳とか設定みたいなものと登場人物まとめ的なの(作者用も兼ねる)

弥白【やしろ】
本作のオヤシロ様枠。過去鬼ヶ淵村だった時代に蔓延した病をバラまいた犯人役になり、羽入に殺される。そんな感じの過去。羽入大好きシスコンお姉ちゃん。
正直オリ主が原作に絡みやすくする為には必要だった。作者の技量が足りないとかいうのも考えると。原作情報を主人公にただ漏れにする大事なお仕事を完遂した仕事人。
見た目は羽入の背を知恵先生ぐらいまで伸ばして、髪をミディアムに切り揃えた感じ。エロい(確信)
エセ関西弁。許して。

園崎姉妹
まだ当主の鬼は彫られていない。10歳の誕生日に彫られる予定ってことにしました。詩音がヒロイン枠っぽいかなぁ。
あと誕生日は2月11日で行きます。

フレンドリーお魎
正直一番無理ありそうで無さそうに見える不思議な人。ドラマCDとかだと結構はっちゃけてるしアリかな?

茜さん
思い切りがいいんだろうなぁって思う。芯のしっかりした女性って感じが好き。

公由お爺ちゃん
やさしいお爺ちゃん。幸人の父親とは仲が良かった。その縁で幸人を家に置いてる。

北条兄妹
まだダム推進派とかも無いから平穏な日々。これから大変だろうけど、今からコネ作りしておこう!

古手梨花
最近、羽入の他に気配がするのです、にぱ〜☆

羽入
最近、お姉ちゃんが生きてる?のが分かり嬉しいのです!あうあうあうー☆

赤坂
ロリコンの変態SA☆警視庁公安なんだぞぅ!

富竹
時報係。あなた鷹野さんに踏まれて喜んでませんでしたか?有名なセリフは「富竹フラッシュ!」「嫌な……事件だったね……」

イリー
メイド・イン・ヘブン
これ以上の説明は野暮ってものだ。

蔵人
ぬっふっふ〜。今はまだ興宮署で穏やか?な日々。そんなことより貴方が話しかける人みんな疑心暗鬼になるのはどうしてくれるんですか。

圭一
運命の歯車なんざ、俺がぶっ壊してみせるぜ!未だ都会暮らし。エアガン事件は起こるのだろうか。お前が来ないとものがたりは始まんないんだぜ。
決め台詞は「ウッディ!」作者が好きなセリフは「服は脱がしても靴下は脱がすなッ!」

鷹野さん
正直嫌いになれない。追い込まれた状況じゃなきゃあの人の言葉に惑わされて雛見沢大災害を起こすことは無かったんじゃないかとか思う。でも、どっちにしろ研究中止になるから起こしそうっちゃ起こしそう。
鷹野さんヒロインルート誰が書いてくれ。

園崎組
頭にヤの付くチート武力集団。番犬部隊相手に10分は戦えそう。情報収集能力も鹿骨市内に限れば本職を上回るっていう頭おかしい設定にした。


次回更新は不明です。

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